今回はおすすめの少年漫画を厳選して紹介していきます!
少年漫画と言えばジャンプが有名ですが、今回はジャンプに限らず様々な少年漫画雑誌から名作ばかりを集めてみました。
連載中からすでに完結済みの少年漫画まで、とにかく胸が熱くなる作品ばかりです!
また、少年漫画には欠かせない友情・努力・勝利がたくさん詰まっており、グッとくるシーンに出会うこと間違いなしです。
作品は「あいうえお」順に並べてあるので、是非参考にしてみて下さい。
おすすめ少年漫画100選
アイシールド21
フィールドを駆け抜ける光速の彗星
私立泥門高校に合格した小早川瀬那は、不良三人に絡まれているところをアメフト部の栗田良寛に救われたことをきっかけに主務として入部することを決意する。しかし、その部はひとつ年上の幼馴染の姉崎まもりから「この学校で関わってはならない人間がいる」と言われていた蛭魔妖一も在籍していた。しかし後日、不良から逆恨みされてしまい、携帯電話を奪われ栗田や姉崎にまで被害が及ぼうとしていた。小心者の瀬那は初めて勇気を振り絞り、小学生の頃からパシリで鍛えてきた脚の速さで奪い返し、不良たちを撒いた。その光景を偶然見ていた蛭魔はその脚がアメフト選手として使えると考え、アイシールドとヘルメットで顔を隠し、謎の高速のランニングバック『アイシールド21』として瀬那をアメフト選手としてデビューさせてしまう。
この作品の見どころはたくさんありますが、才能のない選手が才能のある相手にどう向かっていくか、そこに行きつくまでの葛藤や諦め、執念などを主人公たち以外でも描いているところが素晴らしいです。普通の漫画ならば天才的なキャラクターの方が魅力的に映るのかもしれませんが、この作品では泥臭い努力の人の方に共感や自己投影をしてしまいます。誰しもが一度は壁にぶつかり「自分には無理だから諦めよう」「自分には向いていなかったんだ」と思うことがあったと思います。作中の人物たちも同じように考え、でも彼らは諦めたくないと血反吐を吐くような努力で食らいついていきます。アメフトのフィールドに出たからには言い訳は無用、価値があるのは勝利のみという熱い選手たちの攻防に、是非注目してもらいたいです。
アオアシ
折れない心と秘めた才能が奇跡を起こす!ユースが舞台のサッカーロマン。
愛媛県公立中学校の弱小チームのFWであるアシト。天才を自称し、チームを引っ張るエース的存在のアシトだが、技術的には粗削りで未熟。しかし、サッカーへの情熱とゴールへの執念は人一倍強い。中学生活最後の県大会出場を賭けた大事な試合。アシトは試合中に相手選手の挑発に乗ってしまい、手を出してしまう。没収試合となってしまったが、試合中に見せたアシトの「ある才能」を東京の強豪クラブのユースチーム監督・福田達也に見出される。福田の薦めでユースクラブのセレクションを受けることになるのだが……。サッカー漫画では珍しいJクラブユースを舞台に、主人公アシトの成長を描いた本格サッカー漫画!
プロ予備軍であるクラブユースサッカー。そんなサッカーエリートたちの中で打ち砕かれる自信とプライド。こんなレベルの高いところで俺はやっていけるのか?主人公アシトの不安や葛藤が非常に丁寧に描かれています。また様々な境遇、考え方のキャラクターが多数登場します。人間関係の描写がとてもリアルで、読者の周りにも必ず当てはまるタイプの人がいるでしょう。自分はどのキャラクターに考え方が近いかな?自分がアシトだったら、こんな時どうする?キャラクター目線で、まるで自分の実体験の様に読み進めることができます。育成年代のユースサッカーということで、高校の部活動サッカーとの違いや指導者の考え方にも触れられており、これがとても勉強になります!また、胸に刺さる熱い名言の数々に注目です!
青野くんに触りたいから死にたい
純愛とホラーとコメディーと狂気を味わえる
高校2年生の刈谷優里はある日、隣のクラスの青野龍平と廊下でぶつかり言葉を交わす。初めて男の子と喋ってしまったと舞い上がる優里。頭の中は青野くんでいっぱい。特に接点のない2人だったが優里は青野くんに告白し付き合うことに!しかし、二週間後青野くんは交通事故で亡くなってしまう。絶望した優里は手首にカッターを当てて自殺しようとするが、幽霊になった青野くんが現れそれを止める!幽霊の青野くんと再び彼氏彼女となった優里だが、ある日青野くんが豹変し、以降黒青野と呼ばれるナニかが現れるようになるが…!?
グロテスクな絵が描いてあるわけではないのにこれでもかというほどゾッとさせる。絶妙なタイミングなのかその画風なのかとにかく恐怖があおられる紛れもないホラー漫画。読み進めていくとだんだんどういうルールで動いているのかが解明されていくのがおもしろい。優里と青野くんの可愛らしいやりとりはもちろん、その他のキャラクター含め予想外に次ぐ予想外のリアクションやセリフが笑いを誘う。あんなに怖かったのに一気におもしろくなったり切なくなったり、じんわりといい話だったり、考えさせられたりと感情が大忙しになってしまう漫画です。
アカメが斬る!
ファンタジー世界の必殺仕事人
少年タツミは貧しい辺境の村で育った。重税に苦しむ故郷に錦を飾るため、軍人を志し、幼馴染二人と上京する。ところが道中で二人とはぐれてしまう。何とか帝都に着いタツミだったが、「軍人に取り次いでやる」という獣人の女性の甘い言葉に騙され、路銀を全て取られてしまう。途方に暮れたタツミは貴族の娘アリアの善意でしばらく護衛兼雑用係として屋敷で世話になることになる。タツミはそこで護衛の同僚から帝都が腐敗していること、「ナイトレイド」と呼ばれる暗殺集団が富裕層や要人の命を狙っていることを知らされる。やがて、アリアの屋敷にもナイトレイドが襲い掛かる。善人と信じるアリアの命を守ろうとするタツミだったが、屋敷の倉庫で離ればなれになった幼馴染二人が拷問されて犠牲になっている姿を目撃してしまう。
強大な力を持つ帝具と呼ばれる武器を駆使し、暗殺者集団ナイトレイド治安維持部隊イエーガーの血で血を洗う激しいバトルが今作の最大の見どころ。敵味方問わず、魅力的な主要キャラがバッサバッサと亡くなる迫真かつスピーディなストーリー展開は往年の名作マンガ「ブラック・エンジェルズ(平松伸二著)」を彷彿とさせる。一見、殺伐となりがちなにストーリー展開だが、随所に恋愛や笑いの要素が盛り込まれているため、非常に読みやすい良質な作品になっている。TVアニメ化もされているが、漫画連載がまだ途中であったため、ラストの展開はアニメとは異なっているのも興味深い。
あひるの空
小さくても跳べる!!小柄な少年の青春バスケ!
九頭龍高校に入学した主人公の車谷空は、身長149cmと小柄ながらもバスケをしている。病気で入院している母親と、今年インターハイに必ず出ると約束し胸を躍らせながらバスケ部に向かったのだが、九頭龍高校バスケ部は花園兄弟を筆頭にヤンキーの溜まり場となっていた。バスケをしたい空は部員達に何度も頼み込み、そんな姿を見た部員達も段々とやる気になってくる。花園兄弟や夏目健二、茂吉要など、一度バスケから身をひいた男達の熱き挑戦が始まる。
物語が始まってからしばらくの間チームが一勝もしないというまさかの展開で始まる本作品ですが、そこが他のバスケ漫画と違い非常にリアルに感じます!やはり、一度ドロップアウトした者が勝てるほど高校バスケは甘くないよと言わんばかりでした。ただ、このチームにはかなりの逸材が揃っており、中でも夏目は広島の強豪校からスカウトされるほどの逸材、花園千秋はなんでも上手くこなしパスセンスがずば抜けているまさに天才。そんな彼らなので勝てない試合が続くものの、試合内容は派手で読んでいてとてもワクワクしました!
アルテ
一人前の画家を目指すアルテの物語
16世紀初頭フィレンツェ。ルネサンス時代。絵を描くことにのめり込んでいた貴族の娘アルテは母親曰くまともな生活をおくるには殿方に気に入られ嫁ぐしかないという言葉に反発し、画家工房への弟子入りを決意する。工房をまわるが軒並み断られ唯一絵を見てくれたレオという男のもとへ行くことになるがレオは弟子にするには画板の下準備20枚を一晩で終わらせるという無茶な条件を出す。幾度となく諦めそうになったアルテを突き動かしたのは絵に対する情熱などではなく怒り。女性が一人で生きていくのが困難なこの時代、一人で生きていく力が欲しい、画家になるのはそのための手段だと言うアルテにかつての自分をみたレオはアルテを弟子として迎え入れる。アルテの画家見習いとしての生活が始まる。
この時代を生きた人々の熱が伝わる物語です。地位や権力を持つ者のひと声で全てを潰してしまえるような理不尽で過酷な時代。職人の娘、貴族の娘、高級娼婦、王族、使用人、立場も環境も違うそれぞれがそれぞれの場所で生きている様は熱く、1歩を踏み出すような瞬間は心が震えます。生活が匂いたつような日常を見ているとその尊さが心に染みると同時にあっという間に奪われてしまうかもしれない恐ろしさがより増します。1コマ1コマの絵の美しさやここぞという時のコマ割。多くを語らずともこれでもかというほど目一杯伝わってきてもう、胸がいっぱいです。
暗殺教室
こんな教師見たことない
椚ヶ丘中学校3年E組は、成績が悪い落ちこぼれが集められたクラス。そんな3年E組の担任は、体が黄色で、手足ではなく触手が生えた化け物だ。この化け物は何と、月を7割蒸発させた犯人で、来年には地球も爆発すると宣言したのだ。なぜそんな化け物が担任の仕事をしたいと言い出したのかは分からないが、生徒は地球を守るために担任を暗殺しなくてはならない。だがこの化け物「殺せんせー」は、最高時速20マッハの化け物。速すぎて政府も倒せない。椚ヶ丘中学校3年E組の生徒は、来年の3月までに殺せんせーを倒すことができるのか。
暗殺教室は、アニメ化や映画化がされているジャンプの人気漫画です。暗殺教室という名前がついていますが、グロテスクな物語とは違い、王道の青春漫画です。3年E組の生徒は、素行不良や成績が悪い生徒だらけなのですが、殺せんせーがすごく優秀で、生徒の問題を一つずつ解決していきます。化け物の見た目なのに、なぜこんなに優秀なのか初めて読む人は驚くでしょう。話の8割は、ギャグで残りの2割はシリアスな構成なので、休憩したいときに気軽に読めて、くすくす笑えます。暗殺居室は、完結している作品なのでぜひ読んでみてほしいです。
異世界居酒屋「のぶ」
異世界と繋がる居酒屋?!よだれが止まらないグルメ漫画!
ある時、地球の居酒屋「のぶ」の扉が異世界と繋がってしまった!ご飯があまり美味しくない異世界、異世界の人々は地球の美味しい料理を求めて居酒屋「のぶ」に集まる。兵士、商人、聖職者、王族、様々な身分や職業に関係なく、暖かい雰囲気の中、居酒屋のぶで美味しいご飯を楽しんでいく。異世界の人々のお腹も心も満腹にする異世界グルメ漫画!
読み始めると止まらなくなるほど、癖になります。日常的なストーリーが中心となっており、様々な人々が色々な思いや悩みを抱えながら居酒屋「のぶ」に訪れます。美味しいご飯で異世界の人々の悩みを丸ごと包み込んでいき、心温まるストーリに胸がいっぱいになります!常連客だけでなく新規のお客さんも増えていくので、物語が進んでいくほど面白くなっていきます!
異世界おじさん
SEG〇好きおじさんの孤独なる異世界冒険譚。現実はライトノベルの様に甘くない!
2017年……17年間も昏睡状態に陥っていた陽介おじさんの面倒を見る事になってしまった青年敬文。久しぶりに会うおじさんは、意識だけが異世界グランバハマルに転移していたと伝え、そこで波乱万丈の冒険の日々を過ごしていたと語り、異世界語も披露してしまうと、流石にこれはと考えていた矢先。おじさんは当たり前のように魔法を使ってしまう。本当に異世界で過ごしていたのだと確信し、一緒に住む事となる敬文。一体どんな冒険をしていたのかと胸を躍らせてしまうが、現実はそんなには甘くは無かった。オークの亜種と間違われ、事あるごとに迫害を受け、異世界で懸命に生きていたおじさん。SE〇Aのゲーマー知識を生かし、ツンデレエルフとの恋愛フラグを折り、異世界で過ごしていたおじさんの過去は、涙なしには語れない!
漫画家・殆ど死んでいる先生による異世界転移帰還者ギャク漫画「異世界おじさん」。異世界に転移してしまうも、そこは無双が当たり前な夢の世界ではなく、する事なす事すべてが仇になってしまう過酷なる世界に、恵まれない異世界転移、セガの為に過ごし苦難の中で生きて帰還したそんなおじさんと一緒に住む事になってしまった、たかふみ青年とのハートフルでセガなギャグコメディで物語が進んでいきます。異世界に転移し、無敵の力を持つも、その容姿ゆえに迫害を受けてしまい、すっかりと人間不信に陥り、行為を持ってくれる美少女達とのフラグも回収できないと、涙なしには見られない、そんな悲哀なるおじさんの異世界冒険譚は、異色な異世界モノとして読み応えのある内容となっています。
異世界のんびり農家
異世界で畑を耕す?!のんびりと異世界を開拓する!
病気によって短い人生に幕を引いた主人公のヒラクだが、神様から第二の人生を与えられて転生することに。転生ボーナスに選んだのは農業の事なら何でもありの万能農具!!元気になったヒラクは万能農具を使って、異世界の森をのんびり開拓することに。そんなある時、自給自足の生活を満喫するヒラクの元に思わぬ訪問者が……?!美味しそうなご飯に、娯楽、イベントや出来事など異世界で悠々自適な異世界生活を送っていく!
のんびり系の異世界漫画の代表作です!どこか憧れずにはいられない自給自足の生活は理想の老後生活ですね。何もない所から色々な物を作り出していく様子はとても癖になりますし、畑で作る料理はとても美味しそうです。面白い漫画には美味しいご飯は欠かせません!ストーリー全体が明るく、長時間読み続けてしまう異世界漫画です!
犬夜叉
平成から戦国時代にタイムスリップした女の子は巫女として妖怪達と戦う
日暮神社の娘・日暮かごめは15歳の誕生日に隠し井戸の中に引きずり込まれてしまう。そこにいたのは、女の上半身とムカデのような体を持つ妖怪だった。突然の事態に怯えるかごめだったが、妖怪から逃れようと押しのける。そうすると妖怪の体が崩れ、かごめは解放された。すぐにかごめは井戸の中から脱出するが、そこは自分が知っている場所とは全然違う場所だった。なんとか家に帰ろうとするかごめだったが、御神木を見つけ、家の近くであることを確信し、安堵する。しかし、そこには驚くべき光景が存在した。御神木には、犬のような耳を持っている男の子が眠っていたのだった。
人間の母親と妖怪の父親を持つ犬夜叉は、人間の世界にも妖怪の世界にも居場所がありません。そのため、人間であるかごめに、最初は心を開いていませんでした。しかし、物語が進むにつれて、かごめを始めとした人間の仲間が増えていきます。また、人間だけでなく、妖怪の仲間も持つことが出来ました。犬夜叉が徐々に世界に居場所を作れるようになっていく姿が面白かったです。そして、この作品は仲間と共に強大な敵に立ち向かっていくという、王道の少年漫画でありながら、繊細な恋愛模様も楽しむことが出来ます。かごめと犬夜叉がお互いに思い合っているのは、端から見て丸わかりなのに、素直に伝えられないもどかしさ、桔梗への罪悪感、キャラクター達の心情が丁寧に描かれていて、とても面白いです。
今際の国のアリス
狂った世界で繰り広げられる心理戦!戦慄のサスペンス・サバイバルゲーム!
将来に対する漠然とした不安を抱えながらも打ち込めるものもなく、落ちこぼれの有栖(アリス)は今日も退屈な日々を過ごしていた。いつものように友達と共にブラブラと夜を徘徊していたアリスだったが、急に大きな花火が夜空に打ちあがり、アリス達は光に包まれてしまう。古びた店内で目が覚めたアリス達は外へ出ると……そこには人気のない寂れた街が広がっていた。最初は楽観的なアリス達も次第にこの世界が現実であることを考え始める。そんな時、アリス達の前に異常な光景が現れ、生き残りの「げぇむ」へと強制的に参加することとなる。果たしてアリス達は狂った世界で生き残ることが出来るのか?!人の狂気と心理が入り乱れる戦慄のサスペンス・サバイバルゲーム!
残酷な世界でデスゲームが繰り広げられるのですが、人の狂気をダイレクトに感じることができゾクゾクします!ゲームの内容は人の心理や狂気に関係したものから肉体を使った戦闘ものまで様々ですが、どのゲームにも見えない仕掛けがあり、ゲームの決着では常識を覆すような結末が待っています。また、一見平凡に見えるアリスですが、人の命がかかった環境下において、人の見えない・人の気付けないようなものを見ることができ、ゲームのカラクリを暴く様子はシビれます!ギャンブルなどの駆け引きは勿論ですが、デスゲームならではの人の狂気に触れたい方は特におすすめです!
ヴァニタスの手記
ある吸血鬼を巡るスチームパンク、ダークファンタジー!
19世紀のある時、パリではまるで吸血鬼に噛まれたかのような傷口を持つ不審な遺体が発見される。吸血鬼は大昔の大戦で人間によって滅ぼされ、人間世界には存在しないはずだったが、吸血鬼たちは裏側の世界で生き延びていたのだった。しかし吸血鬼たちの間では恐ろしい奇病が生まれた。その奇病に罹ると自らの命ともいえる”真名”を握られ、見境なく他者を襲うという。そして吸血鬼の間で奇病を振りまいているのは、異端の吸血鬼・ヴァニタスだという。吸血鬼・ノエはヴァニタスが残したという魔導書『ヴァニタスの書』を探しにパリへとやってきた。そこで出会ったのは”ヴァニタス”を名乗る人間でー…。
19世紀パリ、吸血鬼、スチームパンク。ファンタジー好きにはたまらない舞台と設定です。人間にとって吸血鬼は圧倒的なバケモノ、悪として存在していますが、人間社会に溶け込んでいる吸血鬼も沢山います。物語は吸血鬼サイドで進み、その中ほぼ唯一の人間であるヴァニタスの存在は大分異質です。そんな人間ヴァニタスと、異端の吸血鬼ヴァニタスの関係や吸血鬼ヴァニタスの生まれなど見所は多いです。ノエの出自もなかなかに謎に包まれています。美麗な作画、迫力のあるアクションシーン、作中に散りばめられた多くの謎、読後の満足感がすごいです。ダークファンタジー好きは絶対に読んで欲しい作品です。
うしおととら
獣の槍に隠された秘密とは?!現代日本に甦る妖怪大戦争!
とある寺の一人息子・蒼月潮は蔵の掃除の最中、たまたま見つけた地下へ続く扉を開けてしまう。そこには虎に似た妖怪が一匹、古い槍に磔にされていた。槍を抜くよう脅す妖怪を不審に思い一度は無視する潮だったが、直後突然現れた怪物の群れに幼馴染が襲われてしまう。彼女達を救うため手伝ってやるという妖怪の言葉を信じ、潮は槍を引き抜くが、直後妖怪は態度を翻し約束を保護にしようとする。潮が激怒した瞬間、突如として彼の髪が長く伸び始め超人的な動きで怪物達を蹴散らすことに成功する。実は、この槍ー「獣の槍」は、妖怪を退治するために作られた使い手の魂を食らう恐ろしい武器であった。持ち主となってしまった潮は、磔にされていた妖怪「とら」と共に妖怪と人間の因縁に巻き込まれていく。
藤田和日郎先生といえば濃く書き込まれた絵と伏線回収が見事な作品で有名ですが、この「うしおととら」も例に漏れず素晴らしい漫画と言えます。初めはただ妖怪を倒すだけでよかった潮が、妖怪達の悲哀や自身の生い立ちに悩まされて葛藤し、傷つきながらも成長していく様子に非常に心を打たれます。また、魅力的なキャラクターがたくさん登場するのもこの作品の見どころの一つです。メインキャラクターだけでなく各地の妖怪達、果ては各話にしか登場しないようなサブキャラクターまで人情に溢れた心にグッとくるセリフや表情を残しています。名シーンのオンパレードとも言える作品です。
王様ランキング
言葉が聞こえない、話せない少年の友情と家族の物語
ボッス王国の第一王子であるボッジは、巨人族の両親から生まれたのに関わらず体は小さく、言葉を聞くことも話すこともできない少年。ボッジの実母は何年も昔にこの世を去り、王様である父はその後ボッジの義母となるヒリングと結婚をした。二人の間に生まれたダイダはボッジにとって異母弟。ダイダはボッジよりも体が強く、また大きく、腕っぷしもかなりのもの。そのせいか兄であるボッジのことを疎んでいた。城の者達も、城下町の者達さえも、ボッジのことを弱いものだと思っていたのだった。ヒリングは心の優しいボッジを厳しく躾け、周囲の悪意から守るように育てていた。しかし、ボッジの夢は王様になること。影の一族・カゲと出会い、その夢をかなえるためボッジは奮闘していくのだった。
ボッジは王様になりたいという夢を抱えつつも、非常に非力で、すぐに他人を信用してしまうところがあります。そのせいで、最初カゲからも良いように利用されていたのですが、それを知っていてもカゲのためを思って変わらない態度を取り続けていきます。このボッジの思いを知ったカゲはこの時からボッジの唯一無二の親友にとなるのです。初めてボッジにカゲという友人ができたシーンは思わずグッときてしまうのですが、その後もボッジが心を折られてしまいそうな出来事があった時に、いつもカゲが励ましてくれます。なぜか初めて会った時からボッジの言葉を理解することができるカゲ。二人が出会ったことで、ボッジは強くなれるのです。このカゲという存在にも注目して読んでもらいたいです。
お~い!竜馬
日本史への足掛かりにふさわしい作品
この作品は、幕末の英雄・坂本竜馬の生涯を描いた青年漫画です。物語は竜馬誕生のシーンからはじまり、京都の近江屋にて切り殺される話で幕を閉じる。竜馬は身分差別が激しかった土佐に生まれ、幼少期、剣術も学問も駄目、周囲からは「アホの竜馬」などと言われ見下されてきた。しかし、母の死や友人が「上士」という身分の高い者に切り殺されるといった経験を経てからは徐々に変わり始め、剣士としても頭角を現し、北辰一刀流の免許皆伝を得るまでに至る。そして身分差別が激しく、理不尽がまかり通る世の中を変えるべく、幕末の動乱を駆け抜けていく。
この作品は、日本の歴史に興味がない人にこそ読んでもらいたい作品です。私自身、この作品を読むまでは歴史に全く興味がありませんでしたが、この作品を読んでからは幕末という時代や、幕末を題材にした他の作品にも興味を持つようになりました。しかし、ただの歴史モノと侮るなかれ!「漫画として」単純に、純粋に面白い作品でもあるのです。変わり者の少年が、壮絶な経験をきっかけに変わり始め、やがて大きなことを成し遂げるという流れは少年漫画としてはかなり王道的ですし、難しいことを考えずに楽しむこともできます。特に、竜馬以外の主人公ともいえる存在、武市半平太・岡田以蔵両名の壮絶な物語が描かれる9巻は必見です。
怪獣8号
主人公が敵である怪獣になってしまう王道ヒーローもの!
主人公の日比野カフカは昔、怪獣から世界を守る為に防衛隊に入隊することを目指していたが、防衛隊になることはできず防衛隊に倒された怪獣を清掃する仕事をする日々が続いていた。ある日、防衛隊を目指している市川レノと出会い、怪獣に襲われた市川を捨て身で守った時に市川に「かっこよかった。防衛隊員になるべきだ」と言われ、その言葉をきっかけに再びカフカは防衛隊を目指す事を決意する。捨て身で守った際に負傷したカフカは病室で寝ている時に突然カフカの前に怪獣が現れ、「ミツケタ」と言いカフカの口の中に入っていった。気がついたらカフカは倒すべき怪獣の姿になっていた。
怪獣という敵の姿に変身することで次から次へと進行してくる怪獣をも無類の力を発揮し撃退することができる日比野カフカ。でも周りの防衛隊や民衆からすればカフカは怪獣という敵にしか見えないので、いかにカフカは正体がバレない様に怪獣に変身するかという葛藤がある。怪獣に変身しなければ守れない時には、時には防衛隊にバレるリスクがある時でも、仲間や誰かが危険に迫っている時には迷わず変身する選択をするカフカの男気溢れる行動は見ていて勇気を貰えます。周りのキャラも魅力的な良キャラが多く、物語を大いに盛り上げてくれる。時には少年漫画でよくある王道パターンの為先のストーリーが読めてしまうけど、それを差し引いても面白い。アニメ化すれば大ヒット間違い無いであろう作品になると思います!
賭ケグルイ
名門高校で繰り広げられるド派手なギャンブル!
多くの政治家や芸能人を輩出する私立百花王学園。だがその実態は勉強よりも容姿よりもギャンブルの強さでカーストが決まるギャンブル高校だった!そこに転校してきた美少女・蛇喰夢子は転校初日からクラスのトップである早乙女芽亜里にギャンブルに誘われる。クラスメイトの誰よりも強い芽亜里に転校初日の夢子が勝てるわけがないと思われたが…!?個性豊かな登場人物が繰り広げるド派手なギャンブルストーリー!生徒会長の桃喰綺羅莉を初めとする、学園を牛耳る生徒会にも注目!!そして夢子が学園に来た理由とは…?学園で毎日行われる壮絶なバトルに目が離せない!
この作品の見所は、普段は慎ましく上品な主人公・蛇喰夢子がギャンブルになると豹変する姿である。賭けるものが大きくなればなるほど興奮を覚える夢子に読者も魅了されることだろう。また個性豊かな登場人物の中でも特に目を引くのが、学園のトップの桃喰綺羅莉だ。彼女は前生徒会長にギャンブルを挑み、見事に打ち負かして生徒会長の座についたのである。百花王学園を「私の水槽(アクアリウム)」と表現し、多くの生徒を手の上で転がしていく綺羅莉。彼女の目的は?夢子との関係は?謎の多い彼女と夢子のギャンブルにも注目したいところだ。
家庭教師ヒットマンREBORN!
弱さを抱えた少年が成長していく王道バトル漫画!!
運動も勉強もダメダメ、喧嘩なんて持ってのほか、地味でヘタレな落ちこぼれ中学生の沢田綱吉(通称:ツナ)。いつもと変わらない日常を送っていたある日、突如として黒いスーツを着た赤ん坊「リボーン」が現れた。リボーンは自分が最強の殺し屋(ヒットマン)であること、ツナをイタリア最大のマフィア「ボンゴレファミリー」の10代目のボスにするため家庭教師として派遣されたことを告げ、共に生活することとなった。頭を撃たれた者が撃たれた時に後悔したことを死ぬ気でがんばってしまうという「死ぬ気弾」を駆使し、ツナは仲間たちとともに、様々な困難に立ち向かっていくのであった。
思春期という多感な時期、周りと自分を比べて悲観的になった経験がある人は少なくないだろう。そんな時こそ自分が後悔しない生き方を選び、死ぬ気で頑張れば未来だって変えられるんだということを教えてくれるのがこの作品である。読者が感情移入共感しやすい平凡な主人公と、その人間性にひかれて支えてくれる個性豊かな仲間たちが協力し、様々な敵対勢力に立ち向かってく様は、読み進めていくうちに感情の昂りを抑えられなくなります。巻数を重ねるごとに作画のクオリティも上がっていき、見た目も技もカッコよくなった主人公たちは、読者の厨二心をくすぐること間違いなしです。
彼方のアストラ
子供たちの成長を描く 宇宙を旅するSFミステリー!
主人公のカナタ・ホシジマは高校の授業の一環で宇宙キャンプへ行くことになった。生徒達と5日間別の惑星で過ごすというものである。同じ班員と会話を交わしていると謎の球体が出現、球体はどんどん近づき全てを飲み込んでいく。カナタの咄嗟の指示により死者は出なかったものの班員9名は宇宙へと投げ出されてしまう。近くにあった宇宙船へと非難する一行であったが母星まで帰るのにはなんと5012光年かかるという。しかもこの事故は何者かによって引き起こされたものだと分かる。3日分の食糧しかない中、惑星を経由し1つだけ帰ることが出来るルートを発見した。班員の中に敵がいると知りながら、疑心暗鬼になりながらも9人の生徒たちは帰る事を目指して冒険する。
宇宙船や惑星といった閉鎖空間の中で起こる疑心暗鬼はミステリー好きにはたまりません!読者でさえ見たことない未知の惑星は奇妙で恐ろしく、そして美しいのでどんどん世界観へと引き込まれていきます。また、宇宙航行をしていく中で様々な想いを抱えている子供たちの成長が見られる作品となっています。初対面でコミュニケーションが上手くいかない旅の中、明るく責任感の強いカナタは個性の強い班員たちを引っ張り纏めようと頑張ります。空回りすることも多いですが、ギャグのような面白い要素もあり読者を笑わせてくれます。感動シーンもあり、泣かせられることもありました。全ての要素が詰まった魅力いっぱいの作品です!
神様のバレー
新感覚!頭脳を使った嫌がらせと騙しのIDバレー漫画!
主人公の阿月総一は実業団バレーボールチームである日村化成ガンマンズのアナリスト。そんな阿月に日村化成の会長はとある学校のバレー部を全国制覇に導けば全日本男子代表の監督の座を用意すると話をもちかける。しかし、それは万年地区大会予選1回戦敗退の私立”中学校”バレー部だった。頭はいいがバレーはイマイチ。監督は元全日本女子代表候補の鷲野孝子だが、作戦は気合と根性のみの私立幸大学園中学校。年に一度しか全国大会がない中学バレーで”嫌がらせ”と”騙し”のIDバレーを駆使して弱小校を全国制覇へ導くことができるのか…!?新感覚頭脳派バレー物語!
技術面よりも戦術面がフォーカスされている新感覚の頭脳派バレー漫画。万年地区予選1回戦敗退の超弱小校が全国制覇を目指すストーリーですが、リアリティに欠けるということもなく、非常に読みごたえがあります!キャラクターも主人公の阿月総一のようなずる賢さを前面に出したキャラクターや監督の鷲野孝子のように嘘のつけない実直なキャラクターが絡み合うことで、話が進むにつれてどんどんストーリーに深みが出ます。また、相手チームとの駆け引きだけでなく、チーム内でも駆け引きやだましが存在するので、全く飽きることなく読むことができます!
からかい上手の高木さん
隣の席の女子とからかい合い勝負をする日常
隣の席の高木さんは、いつも西片をからかって楽しんでいる。びっくり箱を用意したり、消しゴムで恋のおまじないをしたりと、あらゆる事でからかってくる。からかわれてばかりで悔しい西片は、なんとか高木さんをからかって、照れさせようと奮闘するが、今のところ全戦全敗だった。なぜか西片がやろうとしていることは高木さんに読まれて返り討ちにされてしまうし、男子が言いにくいこともからかいのネタにしてくる。西片は高木さんに翻弄されてばかりだ。いつか絶対に高木さんを照れさせると決意し、西片は高木さんをからかおうとする日々を送るのだった。
中学生の男女の初々しいラブコメ作品で、からかい勝負がとてもかわいいです。大人の恋愛と違って変にドロドロしていないところも、好感が持てます。高木さんは西片のことをことあるごとにからかいますが、西片は毎回面白い反応を返してくれるので、見ていてとても面白いです。また、西片はまだ恋愛についてはよく分からなかったり、恥ずかしさが勝ったりと中学生らしい反応もかわいいです。高木さんは恋心を自覚してはいますが、好きな人に対して素直になれないところがあり、そんな中学生らしさがとても微笑ましいですし、応援して上げたくなります。
GANTZ
何のために戦うのか?非日常に居場所を見出した高校生の変貌と不条理
無気力な高校生活を送っていた玄野計は、下校途中の地下鉄のホームで、小学校時代の同級生・加藤勝を見かける。すると酔った客が線路に落下、加藤はその客を助けようと線路に降りる。加藤の訴えで救出に手を貸してしまった玄野は、走ってきた電車に轢かれたと思ったとたん、いつのまにか大きな黒い球がある部屋に転送されていた。GANTZと呼ばれるその球体は、死んだと思った人間に「星人」と呼ばれる何者かと戦わせ、成果次第で点数をくれるリアル戦闘ゲームのような行為を指示していたのだ。玄野はその異空間で徐々に星人との戦闘に魅了され、自分の中に眠っていた闘争本能を覚醒させていく。GANTZの目的は何か?玄野とGANTZで出会った人々の運命は?様々GANTZに運命を翻弄された人々が繰り広げるSF巨編。
想像の斜め上の展開に定評がある奥浩哉先生の代表的ヒット作です。宇宙人なのかどういう生き物なのかもよくわからないものと、強制的に戦いを強いられ、戦いのルールもよくわからないまま物語は進行します。謎を主人公たちと同じ目線で解決していける楽しさもあります。戦闘や日常で生まれる友情や愛情から、無気力だった玄野がなぜ無気力になってしまったのか、また徐々に責任感や正義感を培っていく姿は魅力的です。玄野の親友・加藤の、融通が利かないほどの真面目さも良いアクセントとなっています。ヒロインやヒーローはこうあるべき、という常識を覆した、どこでどのキャラクターがドロップアウトするかわからぬ展開が見どころです。謎の正体にたどり着くまでが長い物語ですが、スピード感があり読者を飽きさせません。
寄生獣
人類は排除されるのか…?寄生生物との戦いの末にそれぞれがたどり着いた答えとは…
全世界で同時に発生した犯人不明のミンチ殺人。そんな中、平凡な高校生の泉新一は突如謎の生物が右手から侵入したところをかろうじて防ぎ、そのまま眠りについた。しかしその生物が新一の右手を捕食し寄生したことで、新一と寄生生物『ミギー』との相容れないはずの2人の共同生活が始まる。脳に寄生されていない稀有な個体である新一は危険とみなされ、頭部の形状が自由自在に変わる脳に寄生された人間『パラサイト』に命を狙われていく。高いIQを誇り、新一に興味を抱くパラサイト田宮良子。人類こそが地球に巣食うパラサイトであると考えるパラサイトのリーダー広川。そして田宮良子によって生み出された最強の生物後藤。圧倒的な殺戮の前に人類は喰い殺されていくだけなのか。そして新一とミギーの運命は。
パラサイト達による戦闘シーンでは寄生部分を刃物状に変化させ超高速で斬り合うシーンがあり、その独創性もあって最初に読んだ時は衝撃を受けます。後藤の圧倒的な力による殺戮、田宮良子の頭脳戦も見応えがあります。また、寄生獣は戦闘シーンだけでなく、人間とは何か、生きるとは何かなどを説いた作品となっています。人は生きるために殺して食べるが、逆に殺されるのは許せない矛盾。何故生まれてきたのか?生きるとは何か?人間側とパラサイト側の両方から描かれる、各々の葛藤に考えさせられます。そして、最後の結末では自分が何か壮大なものに包み込まれているかのような神妙な気持ちになります!
鬼滅の刃
鬼を一匹残らず抹殺しろ!小さな少年の新感覚バトル漫画!
鬼に家族を殺され、妹の禰豆子は鬼の血を浴びたせいで鬼化してしまう。主人公の竈門炭治郎は鬼を倒す鬼殺隊となり、鬼のボスである鬼舞辻無惨を倒し、妹の禰豆子を人間に戻そうと奮闘します。禰豆子は鬼になってしまっていますが人間の心を忘れておらず、炭治郎と共に鬼を倒していきます。しかし禰豆子のことを鬼殺隊と認めない者もいます。それが鬼殺隊のトップである柱と呼ばれる人たち。柱は禰豆子を鬼殺隊とは認めず鬼はいつ人を殺すかわからないと警戒しています。炭治郎はそのような問題も抱えながらも鬼退治を続けていきます。
このストーリーの見どころは主に2つあります。一つ目は魅力的な登場人物です。主人公のほかに雷の呼吸を使う我妻善逸や我流で戦う嘴平伊之助など個性あふれるキャラクターがいます。柱たちは誰も歯が立たないくらい強く、あっさり敵を倒してしまう瞬間は鳥肌ものです。また鬼にも人間の時代があって悲しい過去があったり、兄弟愛があったりと一人一人のキャラがとても立っている漫画だと思います。二つ目はテンポの速さです。鬼を倒した後も余韻なくすぐ次に進むため、休憩する暇がなく、どんどん読み進めてしまいます。重要な情報も漫画にする際、作者は読者が読み進めやすいように情報を取捨選択して作られているようで、切り取って入りきらなかった情報は漫画の余白に文章で書かれています。
キングダム
中華統一までの苦難と成長を描く戦争漫画
秦という国の下僕として生活していた主人公の信ともうひとりの漂は、将軍になるため日々剣で修行をしていた。ある日、王族の家臣の一人が信たちの前に現れ、漂が王都に連れられて行くことに。数日後の夜、信の家の前にドタッという物音があり、見てみるとそこには血だらけの漂が倒れていた。信は、漂が何者かに殺られたことを知る。多くの理解不能な状況に信は前に進む。石碑村という街につくと、そこには、漂と全く顔の同じな人物が現れ……。信は、この先に待ち受ける苦難を何度も打ち返し、戦いと共に、自身の成長と、仲間を増やしていくことに。100人将、300人将、1000人将と仲間を増やしていき、多くの事を学びながら王と共に中華統一という目標に突き進む!果たして秦の王と信は中華統一を成し遂げることができるのか?!
主人公の信が、漂という幼馴染を想いながら、二人の目標であった天下の大将軍を目指すというストーリーが見所です。また、王と信の友情と成長が所々に表されるのも見所です。実際に実写化されている漫画でもあり、知名度が高い作品ではあります。単なる戦争漫画とは違い、実際に中国史を元に作られている為、現実に起きていた歴史も学ぶことができます。多くの仲間や、尊敬する将軍が殺される場面も多いです。漫画でここまで手汗握るストーリーと、感動が同時に来る作品は、他にないと思います。また、中国の始皇帝を柔らかく表現している事も、のめり込みやすく誰でもが読める作品になっています。
金田一少年の事件簿
名探偵の孫が受け継ぐ探偵物語
不動高校2年生の金田一一はいつもは学内一のボンクラとしてぐうたらな生活を送るただの一般人であった。しかし、彼には秘密がある。祖父が数々の難事件を解決してきた有名な探偵金田一耕助なのである。そんな探偵の孫の一の元に、次々と舞い込む難事件。オペラ座館で殺されていく演劇部の部員達。学校の七不思議通りに殺されていく生徒達。旧家を巡る骨肉の争いと、怨霊首狩り武者の伝説。謎の窃盗犯怪盗紳士からの予告状。吹雪の雪山で伝承の鬼、雪夜叉に次々殺されていくTVクルー達。これら難事件を祖父から受け継いだ探偵の才能とIQ180の知能を駆使し、金田一一が鮮やかに解決していくミステリー漫画!
この漫画の魅力はまず第一に犯人です。犯人達は正体がバレるまでは雪夜叉、放課後の魔術師といった怪人名というもので呼ばれいます。時には伝説の化物の姿で描かれる犯人達の姿は、この作品の恐ろしさに一役買ってくれています。そんな恐ろしい犯人達ですが正体が分かり、動機語りの段階に入ると評価が一変します。例外も存在しますが多くの犯人達が、殺人をしてもしょうがないと読者に思わせ感情移入をするだけの壮絶な動機を持っているのです。第二の魅力はバラエティー溢れるトリックです。この漫画では犯人が殺人をする際に密室殺人やアリバイトリックなど様々なトリックが出てきます。そんなトリックが金田一によって謎を明かされた時は、そうだったのかと驚けますし、解答編に入る前に自分で予想して答えが合ってるか答え合わせするのも楽しいです
銀の匙
農業高校で巻き起こる笑える青春群像劇
舞台は北海道。高校受験に失敗して競争社会に嫌気がさし、父のプレッシャーに逃げ出した主人公の八軒勇吾。中学校の担任の勧めで、今までの生活とは全く違う「大蝦夷農業高等学校」に進学することに。そこでは今までの高学歴な同級生とは違い、高校の大多数の生徒たちが農業従事者で、一般家庭で育った八軒は幾多のカルチャーショックを受けることになる。広大な敷地の外周マラソンやクリーン作戦。毎日早朝から鶏や豚といった家畜の世話。そして「人間は家畜の奴隷」と言わしめる個性あふれる教師陣が登場する汗と涙と泥まみれの酪農青春グラフィティ。
八軒は実習で面倒を見ていた子豚に感情移入してしまい愛情をもって育てていきます。畜産業では家畜は「経済動物」、体が小さい豚や乳の出ない牛、卵が産めなくなった鶏などは処分されるのが世の常。八軒は食用に出荷されていく豚を見送りながら命の重さを苦悩し成長していきます。また、農業高校ならではの「あるある」が沢山あふれています。とれたて野菜はなぜおいしいのか?ピザに向いているチーズや野菜の解説。校則違反者には農作業当番など一般人には知らないトリビアが知れます。また、恋愛要素も含んでおり、同級生の御影アキとの距離が近づいたり離れたり、読んでいて2人の恋を応援したくなります。
薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
知識と好奇心で後宮の謎を解く痛快薬師ミステリ
誘拐され、身代金代わりに後宮へと売られた薬師の猫猫(マオマオ)。年季が明けるであろう二年後を目指して下女の仕事を真面目にこなしていたが、ある日皇帝の子の不審死が相次いでいるという話を耳にする。呪いではないかと噂する下女の話に好奇心と正義感が疼いた猫猫は、薬師としての豊富な知識を使ってこの件を調べ始めることに。しかし、そんな彼女の行動に目を付けた美麗の宦官・壬氏(ジンシ)の思惑に巻き込まれ、寵姫の侍女へと出世してしまう。そこで毒殺未遂、原因不明の食中毒など後宮で起こる様々な事件にぶつかり、猫猫の人生は一変する。若くても女でも関係ない。知識と好奇心で後宮を救う薬師ミステリ。
猫猫が持ち前の知識で繰り出す推理はどれも納得感があり、薬草や毒の知識が一切なくてもひとつずつきちんと理解しながら読み進められます。毒に恍惚としてしまう変わった主人公ですが、庶民的な感覚を持っているところが可愛く親近感が湧くキャラクターです。シリアスさのあるミステリパート以外はコミカルなシーンが多いため緩急がついていて、それが飽きが来ない要因だと言えます。サイドストーリーとして猫猫と壬氏の緩い恋模様も描かれていますが、メインであるミステリパートを邪魔しない絶妙なバランスを保っているので、スパイス的な役割として物語をより面白くしています。
黒子のバスケ
強敵が入り乱れる超次元バスケ漫画!
目の前にいても見失いそうなほどの空気レベルの存在感をもつ主人公・黒子テツヤは誠凛高校に進学する。彼は全中3連覇を成し遂げた帝光中学校バスケットボール部出身であり、10年に1人の5人の天才達が同時に集結した「キセキの世代」と呼ばれる代において「幻の6人目」と呼ばれ天才達から一目置かれていた。シュートも打てずリバウンドも出来ないが、黒子はその影の薄さを利用した味方のアシストであるパス回しに特化していた。同期として入った火神大我はアメリカでその腕を磨き上げてきた高校離れしたポテンシャルとセンスを持つバスケット選手であり、彼もまた黒子の才能と実力を認め相棒となる。創部2年目の誠凛高校がバラバラに進学した元「キセキの世代」の彼らの高校と闘い、全国優勝を目指す物語。
キャラクターがとにかく個性的であり、汗の描写は多いがバスケットボールのむさ苦しい感じなどなく、女性キャラクターも登場するため好きなキャラクターを見つけやすく物語にも引き込まれやすい。ストーリー性がかなりあり、笑いを多く取り入れるような印象もあったが、ストーリーがよく出来ており涙する場面もかなりある。何より驚かされるのが藤巻先生の画力である。初めこそあまり迫力のない画力だったが最終巻にいくにつれどんどん画力が成長しているのが目に見えて分かる。バスケット漫画といえどただの超次元漫画とは全くの別物であり先入観を持たずに読んでいただきたい。能力を使った現実離れした試合と、中学生から高校生という純粋で繊細な心を持つ主人公たちに共感したり心動かされるストーリーに注目です。
結界師
妖怪退治を家業とする優しい少年が、嫌いな家業で成長していく!
主人公の墨村良守は先祖代々続いている間流結界術を使った妖怪退治の家業をしている。祖父から時期正当後継者として家業に専念する事を求められているが、本人にはお菓子で城を作るというパティシエの様な夢があった。家業を継ぐ気は薄いが、共に同じ家業をし、ライバル関係にもある思い人で幼馴染みのヒロイン・雪村時音と共に妖怪退治をするために修行をサボるようなことはしない。そんな良守と時音の二人が妖怪退治をする場所は自分たちが通う学校「烏森学園」。この土地は妖怪たちがその場に居るだけで強い妖怪へと変化してしまう力がある土地だった。そしてこの土地を妖怪達から守り、管理をすることが墨村家と雪村家の「結界師」と呼ばれる者達の仕事であり家業であった。
妖怪退治のお話ではありますが、意外とカッコいい、可愛い外見の妖怪が登場します。そしてそんな妖怪達にも感情があり、時に彼らに優しさを向ける主人公が魅力的です。ヒロインは力量的には主人公には劣りますが、技術や精神面では主人公よりも優れており、主人公の代わりに妖怪に対して厳しい姿勢をとる事もあります。力は強いけれど精神的に未熟であり、優しいが主人公と技術に優れて厳しい面もあるが、主人公の支えとなるヒロインの凸凹だけどお互いが支えになっている場面も見られます。二人が家業をしていく中での出会いや別れ、それを通じてお互いに成長し、お互いを思う姿は特殊な環境を除いて普通の少年少女の素敵な成長だと思います。
月刊少女野崎くん
ヒロインが告白した彼はまさかの少女漫画家?!
佐倉千代、14歳。緊張した千代は大好きな野崎くんを前に「ずっとファンでしたっ」としか言えなかった。焦っている千代に野崎くんは1枚の色紙を渡した、それにはサインが書かれていた。そして気軽に家に誘う野崎くん、ドキドキしながら家に行った千代に野崎君くんは何かが描かれた紙を渡して言った。「ベタよろしく」(注意 ベタとは、漫画などで指定された箇所を黒く塗りつぶすことだ)もくもくとベタをする千代、そして4時間後、「野崎くんマンガ家なの!!?」と驚く千代であった。少女漫画家である野崎くんのベタ担当としていつの間にかアシスタントになっていた千代、野崎くんの意味深発言にドキドキさせられ、結局漫画のことしか考えていない天然で唯我独尊の野崎くんに振り回させてばかり。果たして千代の恋心は野崎くんに届くのか。
4コマ学園ラブコメディーで、サラッと読めてクスッと笑えます。野崎くんと千代の絶妙にすれ違う関係は見ていて思わず千代の恋の成就を応援したくなります。千代の気持ちに気づかず、無意識に振り回す野崎くんはクールで無愛想な外見からは想像できないくらい、いつも自分の書く少女漫画のことしか考えていません。そんな野崎くんの言動に千代は日々鋭いツッコミを入れます。ツッコミを入れつつも、野崎くんの行動に付き合ってあげる、千代の寛大さはもはや愛です。またベタ担当の千代以外にも、野崎くんの漫画を支えるキャラクターがいます。漫画のヒロインのモチーフである男子高校生やそのほかのアシスタントなど個性豊かなキャラクターにも注目して読んでみてください。
金色のガッシュ!!
子供も大人も楽しめる感動の少年漫画
不登校気味の天才中学生・高嶺清麿の前に、ある日突然、赤い本を携えた謎の子供「ガッシュ・ベル」が現れる。ガッシュはイギリスで考古学教授をしている清麿の父から、清麿を鍛え直すべく送られてきたのだったが、ガッシュには過去の記憶がなく、清麿の父にもガッシュ自身にも、ガッシュが何者なのかさえ分かっていなかった。しかし、実はガッシュは魔界からやってきた魔族の子のひとりで、魔界の王を決める千年に一度の戦いの参加者だった。魔物の子は、人間の中から自分の本の持ち主を探し出し、戦いを共にする運命にある。そして清麿こそが、ガッシュの本の持ち主だった。かくしてふたりは、熾烈な魔物同士の戦いの渦中に身を投じることになる。
この作品は「まさに少年漫画」といった内容で、激しい戦いあり、勢いまかせのギャグあり、友情の物語ありと、私自身、小学生の頃に非常にハマり愛読していました。しかし、大人にこそ読んでほしいと思えるような作品でもあります。この作品には、人と人とは尊重し合う・信頼し合うというのはどういうことなのか、といったことや、人を知ることの大切さや面白さ、人が持つ可能性、そして「大切な人との別れ」…といったことが、非常に純粋に、まっすぐに描かれています。これらは子供にとってももちろん大切な要素ですが、これらを忘れてしまった大人もまた多いのではないでしょうか。この作品を読めば、人としての大切なことを思い出すことができ、自分の力や可能性の広がりを感じることができるでしょう。純粋に泣きたいときにもピッタリの作品です。
ゴールデンカムイ
アイヌの隠した金塊を探すサバイバル
明治末期の北海道で、日露戦争から帰ってきた主人公の杉元佐一は幼馴染の梅子の病気の治療費を稼ぐために砂金を取っていたところ、偶然アイヌの埋蔵金のことを知ります。直後杉本は冬眠明けのヒグマに襲われてしまいますが、偶然アイヌ民族の少女・アシリパに助けられます。彼女は自分の父親のウイルクを殺害し、埋蔵金を隠した「のっぺらぼう」からそれを取り返そうとしていました。目的を同じとした2人は手を取り合い、相棒として共に行動するようになります。同じ頃、陸軍第七師団や土方歳三たちもまた金塊のことを知り、追いかけ始め……。
基本的には杉本・アシリパ一行、第七師団、土方歳三達という3団の奪い合いです。かなり登場人物も多く内容も複雑ですが、キャラクター一人ひとりにそれぞれドラマがあり、読んでいて全く飽きません。裏のかきあいをする手に汗握る頭脳戦も面白いのですが、ちょくちょく出てくるギャグ要素には思わずクスッとしてしまいます。また、当時のアイヌの生活文化や少数民族の生活をリアルに描いています。アイヌの洋服や食事、文化、森での狩りの様子などが学べて、読んでいるうちにアイヌの生活にも興味が湧いてくると思います。
3月のライオン
苦しい少年少女時代があった!でも将棋だけはいつも傍にいた。
少年に将棋を教えた親愛なる父も、そして母も亡くした少年。それでも少年を救ったのは皮肉なのか幸運なのか父が遺した将棋の才能だった。引き取られた将棋のプロである父の友人の子たちの才を喰らって少年は恨まれながら疎まれながらプロになった。それでも少年には伽藍堂の部屋があるだけだ。空虚を将棋にしか心を燃やせない少年がある日出会ったのは?!同じく最愛なる母に先立たれ、愛情の薄い父に捨てられ、長女・次女・三女で暮らす三姉妹だった。苦境の中で祖父の和菓子家を手伝い、叔母の店で水商売をして更に家事も育児も一人でこなす長女。いつも笑顔で芯が強く、少年を和ます次女。まだ幼少の三女。将棋を通して交差する人々の情や愛。将棋に対する情熱。どこかで生まれる恋心。少しも退屈させない将棋と人間くさいストーリーがここにある。
見所は少年少女の生い立ちを感じさせない純粋無垢な彼らの性格です。苦しい少年時代を過ごしたのにも関わらず、だからこそなのか真面目で好きな人たちの為なら我が身を投げ打ってでも、彼らを守ろうとする少年にはジーンと感動を受けます。また三姉妹の姉妹愛や、特に次女が学校で激しいいじめを受ける場面では彼女の芯の強さが感じられ、真の強さとはこういうものだ!と涙する。忘れてはならない将棋界。魑魅魍魎と老若が溢れたこの業界ならではのキャラの濃さ。ライバルなのに互いを認め愛する男気。将棋の面白さも興味を誘うように描かれており、終始目が離せない展開。涙も笑いも約束できるストーリーに、少年漫画に関わらず綺麗で繊細な絵のタッチも見所!
地獄楽
常識の通じない彼岸の先…免罪を賭けたサバイバル!!
元・石隠れ最強とも謳われた忍・画眉丸は死罪人として囚われていた。画眉丸は死罪によって自身の生が絶たれることを望んでいたが、その卓越した身体能力によって彼は何度も処刑を生き延びていた。痺れを切らした幕府は処刑人として名高い山田一門・山田浅ェ門佐切に死罪を依頼する。佐切の卓越した剣技に死の恐怖を覚えた画眉丸は初めて、自身は死を望んでいなかったのだと知る。更に、佐切によって誰よりも愛した妻が生きているという事実を知った画眉丸は佐切の説得によって自身の罪を償い、免罪を勝ち取るため不老不死の霊薬が存在するという極楽浄土とも称された秘境の島・「神仙郷」から秘薬を持ち帰る任務を帯びるのだが…
グロテスクな描写や展開から一件きつめな内容の漫画に思えつつも、読者の心を燻る「熱い」内容で、漫画好きなら是非読んで欲しい内容に仕上がっています。神仙郷には主人公である画眉丸だけでなく、他の死罪人も送り込まれており死罪人に付き添い監視する「御試御用」とも呼ばれる処刑人の面々も登場し、それらの登場人物達の絡みや内情などが複雑に絡み合い物語に厚みをもたらしています。死罪人や処刑人、神仙郷に巣食う異形の怪物達との戦いも見所であり、圧倒的な画力で描かれる激しい戦いが見所です。単純な力の殴り合いだけでは勝てない恐ろしい存在との戦いは絶望を感じさせると同時に、その後の展開へと大きな期待を膨らませます。ハードな展開に少年漫画の王道を丁寧に織り込んだ作品となっています。
史上最強の弟子ケンイチ
才能は信念と努力で凌駕する
読書が大好きな普通の男子高校生・白浜兼一は、フヌケの兼一、略して“フヌケン”と呼ばれるほどのいじめられっ子。美人転校生の風林寺美羽との出会いをきっかけに空手・柔術・ムエタイ・中国拳法の達人たちが共同生活をする道場”梁山泊”に弟子入り、そこで待っていたのは常識はずれの厳しい修行であった。何度も逃げ出しそうになりながらも「誰もが見て見ぬふりをする悪に立ち向かう」という、いじめられっ子だった経験からくる信念を貫くために、立ちはだかる強大な悪に”暴力”ではなく“武術”で立ち向かうストーリー。コミカルな場面も非常に多く、笑いあり涙ありの正義の物語!
序盤からコミカルなシーンが多く、非常に読みやすい作品です。その中でも兼一の正義感あふれる熱いセリフや、普段は面白い達人たちの時々出る達観したセリフなどが心に刺さります。修行して強くなって敵を倒してもっと強い敵が現れるという意味では、よくあるバトル漫画なのですが、本作では修行のシーンが非常に多く、大義をもって大願を成すものが、いかに真剣に努力をしなければいけないかを感じさせられます。また、兼一自身もつらい修行に逃げようとする場面こそあるものの、基本的にそこで得た力をすべて「誰もが見て見ぬふりをする悪に立ち向かう」為や、「大切な人を守る」為に使用していくため、純粋な正義感を最初から最後までいたるところで感じさせられます。「よし、頑張ろう!」いつもそう思わせてくれます。
灼熱カバディ
マイナースポーツ、カバディの熱い世界!高校生達の青春群像劇!
高校一年の宵越は、中学時代まで「不倒」と呼ばれた天才サッカー選手だったが、大のスポーツ嫌いになっていた。しかし、しがみ付かれ振り解けずに渋々見学に行ったカバディ部で「ちょっとした賭け」に負けて入部することになってしまう。カバディ、別名「走る格闘技」それを「簡単に言うと鬼ごっこだよ」と言って宵越を入部させた悪魔な3年副部長の井浦。分厚い筋肉をまとった2年の水澄と伊達。小柄ながら異様な筋力と柔軟なメンタルの持ち主、1年畦道。そして部長は、華奢で穏やかな性格に目の下のクマが印象的で一見病弱そうな、3年の「魔王」王城。この王城達との出会いが、灼熱の高校生活の始まりだった!
最初は宵越の残念なイケメンぶりが際立つ、コメディタッチかと思いきや、「魔王」王城正人のキャラが熱い!華奢で筋力も体重もない、なのに最強の攻撃手。普段は料理が得意で温厚で頼りなくさえ見えるが、カバディとなると魔王覚醒。最高難度の技、カウンターを駆使して帰陣する。異次元の選手ながら驚異的な努力の人。決め台詞は、自身の大量得点後の「さぁ、守備やろうか」(攻撃と守備は交互に行われるルール)それを支える親友の井浦も、一見優男風ながらチームの大黒柱。汚い手を駆使することも厭わない。挙げきれないほど登場人物に奥行きがあり、モブのいない高密度の作品です。
GIANT KILLING
巻き起こせ大逆転!!弱小プロサッカーチームによる大躍進!
かつて栄光を誇ったイースト東京ユナイテッド(通称ETU)は日本代表にまで上り詰めたスター選手・達海猛が移籍するまでは優勝争いにも参加している強豪チームだったが、今では万年最下位争いを繰り広げる二流チームとなっていた。海外へと移籍した達海はそこで選手生命を絶たれる大怪我によりプレーヤーを引退してイングランドでアマチュアクラブの監督となっていた。かつての旧友である後藤はアマチュアクラブでFAカップを勝ち抜くという偉業を達成した達海を弱小ETUの監督へと迎えることに。達海はETUの選手やサポーター達と衝突しながらも、チームを優勝へと導くことができるのか?!
主人公が監督という新しい設定のサッカー漫画となっており、監督からの視点や細やかな戦術など、これまでのサッカー漫画とは違った面白さがあります!もちろん選手達による熱い試合展開も描かれており、戦術に重きを置いた本格的なサッカー漫画となっています!物語の舞台はプロサッカーのため選手達も一定のスキルはあるのですがメンタル面から負け癖がついており、チームを土台から作り直したり、選手一人一人の意識をメンタル面から改革させるシーンが印象的でした!
SHAMAN KING ~シャーマンキング~
あの世とこの世を結ぶ主人公の戦い
ある日、東京の森羅学園に通う中学生の小山田まん太は学校からの帰宅途中に墓場に佇む少年・麻倉葉と出会う。実は、この麻倉葉は霊と交流できる能力を持つ霊能力者(シャーマン)だったのだ。まん太は麻倉葉と交流していく中で、様々な出会いや出来事に立ち会うことになりますが次第に彼と友情を築いていくことになります。そして、まん太は麻倉葉が上京してきた理由を知るのです。それは、500年に一度開催されるシャーマンたちが集う戦いシャーマンファイトに参戦する為でした。沢山のシャーマンたちと出会い別れを繰り返す中で主人公である麻倉葉は巨大な敵の存在を知ることになるのです。
今までの少年漫画の作品でも「霊」に焦点を当てる作品はあったと思いますが、その中でもこの作品「シャーマンキング」は霊を扱う中ではトップクラスのストーリー性があると思います。霊力を巫力と称し、この巫力を用いて戦っていく斬新な描き方に主人公を始めとする様々な登場人物のキャラクターの濃さも相乗効果になっています。その中でも主人公の麻倉葉の性格はおっとりしていながらも芯は太く、偶にみせる男らしさやセリフにはギャップがあり大変魅力的なキャラクターです。キャラクターの濃さに負けないストーリーも戦いだけでなく人間同士の憎悪や愛、友情等沢山の感情が詰まっており、大変すばらしいです。
終末のワルキューレ
神vs人類?!人類の存亡をかけたタイマンが今始まる!
「人類は今 他ならぬ人類の創造主“神”の意思によって終末を迎えようとしている」ヴァルハラ評議会議事堂では1000年ぶりに世界中の神々が集い、ある会議が行われていた。それは「人類存亡会議」神々の意思により、今後1000年の人類の存続を「許す」か「終末を与えるか」を決める会議だ。この1000年間を見てきた神々は、人類こそが世界を滅ぼす災害であり、人類に救いようはないと全会一致で終末という結論に至ろうしていた。議長であるゼウスにより、決定のガベルが振り下ろされるその時、戦乙女(ワルキューレ)の長姉ブリュンヒルデが「待った」をかけた。そして彼女は神々の決定に異議を申し立て、「神VS人類最終闘争(ラグナロク)」を提案したのだった。
世界中の神々を相手に13人の有名な偉人たちがタイマンを張るファンタジーバトルアクション作品です。人類を創った神に人類が勝てるはずがないと誰もが思うはずです。もちろん神々は人類をなめていますし、私も人類が一方的に負けて凄惨な光景となるのでは、と読み進めることを躊躇っていました。第一戦目は、北欧の最強神・雷神トールVS三国志最強武将呂布奉先。なんとどちらも一歩も引かない好戦を繰り広げます。どちらが勝つのかまったく予想がつかないほどの均衡する実力に、どんどんのめり込んで読み進められます。トールVS呂布の最強対決・激闘を制するのはどちらか、そしてなぜ人類が神と互角に戦うことができているのか、ブリュンヒルデは何を企んでいるのか、次はどんな対戦カードになるのか、人類は勝つことができるのか、ワクワクが止まりません!
呪術廻戦
新感覚、呪術バトル漫画
常人外れな身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁は、病床に伏せる祖父の見舞いに通うために、学校では融通がききそうという理由でオカルト研究部に所属していた。ある日、異変を感じ虎杖の学校に調査に来ていた呪術師と名乗る青年・伏黒 恵と出会った虎杖は、世の中に存在する、呪いとも呼ばれる恨みや後悔、恥辱など、人間の身体から流れた負の感情が具現化し意思をもつようになった異形の存在・呪霊について知ることになる。そんな中、オカルト研究部の先輩が怪しい箱を手にいれ、それを開けてしまうことによって学校に眠る「呪物」の封印が解かれてさしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖と伏黒。そして虎杖は呪術の世界に足を踏み入れて行く。
物語が面白いのはもちろん、キャラクターがみんな個性的で、それぞれが使う呪術の設定も細かく凝っていてかっこいいです。伏線もたくさんあり、読み進めるにつれて物語の奥深さに驚かされます。呪術のようなダークな世界を描いた漫画はこれまでにもいくつかあったかと思いますが、呪術廻戦の呪術と呪霊の設定は新しく新鮮でハラハラドキドキする場面や、少し怖いシーンもありますが、笑える場面や、心温まる場面も所々あります。また、敵である呪霊が、もとは人間が生み出したものという設定があることで、人間とはなにかということも考えさせられる、最近の一番お勧めの漫画です。
進撃の巨人
実は奥が深い!?圧倒的な世界観のバトルアクション!
巨人が人を食らう世界。50mを超える壁に囲まれ、檻の中の鳥の様に守られながら生きる人類。少年エレンは壁の外に憧れていた。父グリシャと母カルラ、そして幼馴染のミカサ・アルミンと共に、壁の中で暮らす平凡な日々。人類は忘れかけていた、巨人の恐ろしさを…。そして、その時は突然やってきた。845年エレン10歳の年。壁を超える巨体の「超大型巨人」によって、100年人類を守り続けていた壁はあっけなく壊されてしまった。超大型巨人によって開けられた穴により、次々と侵入してくる巨人たち。そして、エレンの母・カルラが巨人に食われてしまう。悲しみ、強い怒りに闘志を燃やすエレンは誓う「駆逐してやる……この世から一匹残らず」
有名すぎる漫画なのでご存じの方も多いと思いますが、グロイそうと何となく避けている方もいると思います。この物語の序盤は巨人が人を食らい、あまりの脅威に人類はなすすべもなく、絶望ばかり感じるようなストーリーになっています。しかし、ただ巨人が人を食らっているだけではなく、そんなストーリーの中で巧妙に張り巡らされた伏線が素晴らしいです!一つ一つの何気ないセリフにも実は意味があり、伏線を回収するシーンでは興奮で震えが止まりません!しかも、後半に進むにつれ、巨人VS人類という構図に変化が起きてきます。ただ単に、巨人が人を食らう漫画ではなく、奥の深いストーリーとなっています!
新世紀エヴァンゲリオン
ロボット漫画の金字塔!少年の葛藤と成長が魅力のSFロマン!
"ネルフ"という組織の実験で母親を失い、父親でありネルフ司令官の碇ゲンドウにも見捨てられおじいさんとおばあさんに育てられた孤独な少年・碇シンジはある日いきなり父親に呼ばれる。ネルフ職員葛城ミサトとともにネルフ本部へたどり着き、父親に言われたことは「エヴァンゲリオンというロボットに乗って使徒という巨大な怪物と戦え」という唐突な命令だった。長年自分を不必要な存在として扱ってきた父親の唐突な命令に複雑な感情を抱くも戦うことを決意した碇シンジ。セカンドインパクトやサードインパクトとはなんなのか?ネルフの真の目的は何なのか?自分の母親は本当に実験で亡くなったのか?謎に満ちた零号機パイロット綾波レイや謎を知っていそうな人物加持リョウジなど個性的なキャラとともに徐々に真相が明らかになっていく。
アニメ化も映画化もした有名な作品ですが、面白い点はアニメも映画も漫画もどれも展開が異なっている点です。エヴァンゲリオンで大抵語られるのはやはり聖書などが絡む複雑で考察しがいのある設定や世界観、伏線などですが、実際は難しく考えなくても楽しめる内容になっています。漫画版でも使徒との戦闘シーンは迫力があり、また使徒やエヴァンゲリオンのデザインの秀逸さも大きな魅力の一つです。キャラクターも非常に個性的で、一見気弱そうに見えても実際はかなり強い精神を持つ主人公の碇シンジ、何を考えているのか、そもそも何者なのかも不明な綾波レイ、破天荒なアスカラングレーなど読んでいて飽きない内容になっています。映画やアニメ版と大きく異なる点として、設定がかなり具体的に明かされるのも漫画版の魅力です。
SPY×FAMILY
スパイと殺し屋、そして超能力者。そんな3人によるかりそめ家族の物語
西国から東国へと送られたスパイの黄昏は、国家統一党総裁ドノバン•デズモンドと接触する任務を命じられます。そのターゲットであるデズモンドがとても用心深い男で、息子の通う名門校で定期的に開かれる懇親会にのみ現れるというのです。デズモンドと接触するために急遽偽装家族を作り、彼の息子が通う名門校に自分の養子を入学させなければならなくなる黄昏は孤児院へ向かい、そこでアーニャと出会います。アーニャは人の心が読める超能力者であり、こっそり黄昏の心を読むことで賢いふりをし、黄昏はアーニャを養子にすることにきめます。そうしてふたりはお互いの正体を知らないまま家族となります。その後、殺し屋のヨルが妻となり、スパイと殺し屋と超能力者のちぐはぐな偽装家族がはじまっていきます。
スパイと殺し屋と超能力者というそれぞれ個性が強い3人が絶妙なバランスで家族として仲良く過ごしているところが微笑ましく、少しずつ絆が芽生える様子は見ていてあたたかい気持ちになります。3人それぞれに魅力があって、そんな3人だからこそ今後どんな家族になっていくのかが楽しみです。また、その中でも特に娘であるアーニャはかわいくて、スパイや殺し屋など面白そう!と好奇心旺盛なところや心を読むという能力を持ってはいるものの相手の意図を掴めずずれた行動をしてしまうところも魅力的です。ずれた行動をしながらも、黄昏の任務のため勉強をがんばったり友達をつくったり奮闘する姿はつい応援したくなってしまいます。面白くもあり優しくもある、そんな素敵な作品です。
セトウツミ
放課後に繰り広げられる会話喜劇
サッカー部を辞めた体育会系の瀬戸、塾通いの切れ者の内海。キャラが対照的な高校生の二人は放課後、河川敷でのダベることが日課になっている。お互い表情にも言葉にも出さないが、ウケることを言おうとして張り合っている。誰かに見せたいわけではない。二人はただお互いを楽しませようとしている。全8巻、たまに他の人物が登場するが、ひたすら二人の会話劇である。しかし、このダベりの裏には、二人それぞれの苦悩があり、いつしか二人はさりげなくお互いの苦悩を思いやり救おうとする。そして、それぞれが自分の生活と向き合っていく。
まずは放課後の二人のダベり。全8巻の大部分が二人の会話劇だが、間の取り方やワードセンスが、まるでトークが上手い芸人のよう。笑いになる部分以外は、お互いがお互いの内面の核心に触れるようなことは言わないように、ひたすらオモロいダベりそのものを目的にしているように見えるが、実は二人ともそれぞれの悩みに気づいていく。表面的には常にふざけていて、ポーカーフェイスの二人だが、互いを思いやり、柄にもないお節介をする様が、基本、笑いだからこそ余計にホロっときます。笑い9割、泣き1割。読者としては、ずっと放課後のダベりを日課にしていて欲しい気持ちとそれぞれの自己実現を果たして欲しい気持ちとの葛藤がありますが、最後は爽やかな気分で読み終わりました。
ダイヤのA
熱い魂をボールに!!バカな男達による強豪校の野球漫画!
主人公は沢村栄純。物語は中学野球の最後の試合から始まる。栄純の中学は廃校になる事が決まっており、野球部を作り素人集団でもちろん初戦敗退。たまたま東京の強豪のスカウトが栄純のマウンドでの投げっぷりを見て、「是非、我が青道高校で野球をしないか」と誘われる。最初は地元のメンバーと一緒に甲子園を目指すと意気込んでいた栄純だが、周りの後押しもあり、青道高校に入学する。東京の強豪校なので同級生には県外から入部した者もおり、もちろん先輩達も寮生活で毎日野球に打ち込んでいた。青道高校の目標は「全国制覇」。栄純はこの中でエースになることは出来るのか。
登場するキャラクターは個性豊かです。同じ高校の選手だけでなく、ライバル校もたくさん出てきます。青道高校野球部の目標は「全国制覇」ですが、同地区には成宮率いる稲城実業や轟率いる薬師高校など、天久率いる市大三校などがいます。また、沢村には共にエースの座を競い合う降谷暁が登場します。この二人は入学当初からマウンドは誰にも譲らないとピッチャーとして強い信念を持っています。入学から2年生になるまでに二人の立ち位置が大きく変わるシーンは読んでいてすごく見所があります。短い高校生活で全国制覇に向け、エースになるための努力や姿勢をすごく感じれる漫画になってます。
男子高校生を養いたいお姉さんの話
主人公を溺愛する謎のお姉さん
高校生の空本実はある日、借金だけを残した両親に蒸発され、1人で途方に暮れていた。しかし、そんな実の前に現れたのが謎のお姉さん!このお姉さんはその日から実の面倒を見ることになったのだが、ほぼ母親のような役割をこなすお姉さんのおかげで、実は何不自由ない暮らしを実現することができたものの、このお姉さんはかなり変わった特徴を次々と露呈していきます。特に顕著だったのは実のことをあまりにも溺愛しすぎている点で、その状況に関しては実も引くほどでだった。実はこのお姉さんとこの先上手くやっていくことができるのか?!
この作品では、突如実の前に現れたお姉さんの実態に関して非常に注目することができます。基本的には実のことが好きすぎるあまり暴走することが多いので、そういったシーンに関しては特に見所になります。しかし、このお姉さんは本名など、自分の素性に関することはほぼ明らかにしない面があり、謎めいた部分がかなり多く存在しているのです。したがって、読んでいる中で、お姉さんの正体に関する部分は少なからず気になってくるでしょう。また、実のクラスメイトやご近所の人たちとの付き合いのシーンに関しても、楽しめるポイントだと思います。
ダーウィンズゲーム
進化とは何か?人間の進化の秘密に迫るゲームファンタジー
主人公のカナメは平凡な高校生。友人のキョウダから送られてきたスマホゲーム「ダーウィンズゲーム」に参加することで生活は一変することに。ダーウィンウゲームは、殺し合いのゲームでカナメも命を狙われることになります。しかもダーウィンズゲームによって殺された人の遺体は、その場に残らず消えてしまうという不可解現象もおこります。殺し合いゲーム、ダーウィンズゲームに参加することになってしまったカナメですが、平凡な高校生だったとは思えないほどの活躍を見せます。個性的な仲間を増やしながらダーウィンズゲームの秘密に迫っていきます。
ダーウィンズゲームでは、参加者はみんなシギルと呼ばれる能力を与えられます。その能力をどのように使うかが勝負のポイントになります。カナメははじめ自分の能力がわかりませんが、ゲームを進めるうちに、戦略の中にうまくシギルをつかえるようになります。また、殺し合いゲームでありながら主人公カナメとヒロインシュカの恋愛模様を楽しむこともできます。シュカは登場時点ですでにかなり強いメンバーです。ですが、カナメとの恋愛のことになると、ごく普通の女の子のように嫉妬をしたり、かわいく見られたいと努力したりします。バトルシーンの合間にあるほのぼのとした恋愛シーンも見どころの一つです。
ちるらん
幕末に散った漢たちの鎮魂歌
明治45年、女性記者の市川真琴は土方歳三の真実を知るために新選組の生き残りでかつて2番隊組長の「永倉新八」である杉村義衛が住む北海道小樽市へやってきた。杉村は真実を墓まで持っていこうと考えていたが、彼女が土方歳三の孫だと気づき真実を語り始める。かつて、土方歳三は石田散薬の行商の傍ら、道場破りをしてボコボコにした相手に薬を売りつけながら剣の腕を磨いていた。ある日偶然立ち寄った試衛館で道場主の近藤勇に勝負を申し込む。だが圧倒的な力で土方は敗北するが、そこには土方の求めていたものがあり、土方は試衛館の門を叩く。
物語は土方歳三が試衛館に入門するところから始まるため、新選組を題材とした話では時系列としてはかなり前の段階から始まります。土方が様々な武士と戦い、強くなっていく作品なのですが、歴史上の土方歳三は「鬼の副長」と呼ばれるほど冷酷でストイックなイメージで語られていますが、この作品では純粋に強さを求める武士として描かれています。そして土方だけでなく、芹沢鴨を含む新選組の面々、土方たちと戦うことになる実在した幕末四大人斬りなど様々な武士たちも個々に過去などの物語を丁寧に描かれているのもポイントです。細かいところなど作者オリジナルの話もありますが、かなり史実に近い内容になっていると思います。
テニスの王子様
天才達がしのぎを削る!!天才達による超次元テニス漫画!
テニスの名門校・青春学園中等部へと入学した越前リョーマ。アメリカJr.大会で4連続優勝を果たした天才少年の越前だったが、青春学園テニス部のある決まりに直面する!越前達は並み居る強敵を打ち倒し、試合を制することができるのか?天才少年が中学テニスでライバル達と共に切磋琢磨して成長していくテニス漫画!
テニスの王子様の魅力は登場人物のほとんどが持つ必殺技です!球技競技のはずのテニスですが、格闘漫画のような激しさと格好良さがあります。また、登場人物が皆中学生なのですが、性格やテニスに打ち込む姿などがストイックで格好よすぎます!登場人物の魅力に加えての試合の派手さなど、少年漫画ならではの要素がたくさん詰まった作品です。
転生したらスライムだった件
異世界漫画と言えばこれ!!最弱のスライムが最強へ
通り魔に刺されて命を落とした主人公、気がつくと周りは暗い洞窟の中。状況を確認しようと手を伸ばそうとするが…………あれ、俺スライムじゃね?!通り魔に刺された主人公は異世界で最弱のスライムに転生していた!洞窟内を探索していると、目の前には世界最強の暴風竜が?!暴風竜との出会いをきっかけに最弱スライムの新しい冒険が始まる!転生したスライムが最強への道を歩む王道ファンタジー漫画!
異世界漫画ブームの火付け役とも言える王道ファンタジー漫画です!主人公のスライム以外にも、数多くの個性的な種族が登場するのでお楽しみに!キャラクターごとに固有スキルなどの設定があるので、バトルシーンは最高にカッコイイです!また、バトル的なストーリーの中にも、のんびりとした生活が描かれており、非常に気持ちよく読める漫画になっています!
DAYS
ひたすらに走り抜け!!努力で勝ち取る青春サッカー!
運動音痴で引っ込み思案の主人公・塚本ツクシは高校入学前に風間陣と偶然出会いフットサルに誘われる。華麗にプレーする風間とは裏腹に、初めてのプレーでまともにボールも蹴る事ができない塚本だが、諦めず必死に走り抜きゴールを奪う。この事がきっかけでサッカーの楽しさにハマったツクシは高校からサッカーを始める事にしたのだが、彼の進学した高校はサッカーの名門・聖蹟高校だった。新入部員の中で唯一の初心者という事もあり、当然1人だけ練習について行けず悪戦苦闘するツクシ。誰よりも多く練習し誰よりも長い時間を走り続け、ツクシはドンドンと成長していく!
最初は下手っぴだったツクシが、聖蹟高校のレギュラーを経て試合で得点した時には非常に感動しました!まさに努力の人・ツクシなのですが、性格的にはひっこみ思案な所があり、多くの人に注目される様な場面では人一倍ストレスを感じてしまうという可愛らしい愛着のあるキャラクターとなっています!また、ツクシの他にも個性豊かなチームメイト達やライバルなどが登場するので、ツクシの成長を温かく見守りつつも白熱する試合展開を楽しんで下さい!
DEATH NOTE
そのノート、拾うなかれ……!
頭脳明晰な高校生・夜神月(やがみライト)はある日、黒いノートを拾う。それには「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」などのルールが書かれていた。実際に試してみてノートが本物と確信した月は、犯罪者のいない新世界を実現するため、世界中の犯罪者の名をノートに書いて殺害していく。また月の前に死神のリュークが現れ、ノートの掟に従い、憑いて回るように。やがて法では裁けない犯罪者を始末する者の存在に気付いた人々は、その存在を「キラ」と呼び、中にはキラを神とまで崇める者も現れる。キラの存在に気付いたICPOは世界的な名探偵Lに事件の調査を依頼。Lは罠を仕掛け、キラの居場所が日本の関東地方にあると証明する。こうして月とLの壮絶な頭脳戦の幕が上がった……!
DEATH NOTEの魅力は、月とLの頭脳戦・スピーディーな展開・魅力的なキャラクターの3点に集約されます。冒頭で、月がLの仕掛けた罠にまんまと乗ってしまったことで、謎の存在だった「キラの実在」「殺せない相手もいる」「関東にいる」ことが証明されてしまい、ここから月とLの頭脳戦の応酬が始まる。読者のほとんどが「面白―っ」と感じるところだ。その戦いはスピーディーに展開され、一つの出来事が起きるとそれに関連した次の事件があり、読者を全く飽きさせない。本編は単行本12巻で終わるが、無駄がなく密度が濃い。そして全編を彩る強烈なキャラクター達。次第に狂気をはらんでいく月。ユニークだが驚異の推理力と行動力をもつL。この2人を軸に様々なキャラクターが織り成すドラマにハマること間違いなしです!
ドラゴンクエスト ダイの大冒険
残された弟子達の勇気ある大冒険
勇者の指導を受けた二人の弟子達が、死んだ勇者の仇を討つために島を出て冒険に旅立ちます。旅の途中では死んだ勇者の遺志を受け継ぐ者たちが出てきて仲間に加わり彼らを助けていきます。彼らの協力も得て、人間的にも大きく成長を遂げていく勇者一行は対峙する魔王にもひるむことなく勇敢に戦います。仲間はそれぞれ自分たちができることを仲間のために考え、チームワークを結集して魔王の更に背後に潜む黒幕を倒すべく立ち向かいます。冒険の終盤には、驚くべきサプライズも。最後の最後まで目が離せないとても面白い冒険物語!
勇者の遺志を受け継ぐ二人、一人は勇者といっていい勇敢な少年。もう一人は、臆病で逃げてばかりの少年。この臆病で逃げてばかりの少年ですが、いざという時には怖がりながらも勇気を出して精一杯立ち向かいます。多くの経験を経て最初は弱くて頼りなかった少年がたくましく人間的にも大きく成長していくところはこの物語の大きな見所です。特に物語の終盤では、人生の大きな転機となるような衝撃な出来事に彼は直面し大きな決断を迫られます。これを契機に仲間との関係にも大きな影響を与えることになるのでぜひ注目して読んでみてください。
東京喰種
人間と喰種の狭間で、成長と葛藤の物語
物語の舞台、東京には人間社会の中に人を喰らう正体不明の喰種(グール)という生き物が蔓延していた。主人公・金木研は人間として平凡な日々を過ごしていたが、ある日出会った女性・リゼにより襲われるが、偶然リゼの頭上に落下した鉄骨が落下したことにより瀕死の重症は負うものの一命を取り留める。しかし病院に運ばれた際重傷であったため、医師の判断によりリゼの心臓が移植されてしまう。目覚めてから今までの口にしていた食べ物が食べられなくなり人間の肉を欲してしまう金木。気づかぬうちに半喰種となってしまった彼の成長と葛藤がここから始まる。
最初は捕食シーンなどが多く怖いイメージがあるかもしれないが、物語が進むにつれそ手が気にならなくなるくらいの友情や恋愛など人間ドラマが繰り広げられています。喫茶店「あんていく」で働く喰種たちそれぞれにいろいろな背景や思いがあり感動するシーンも多く、金木は人間であり喰種でもあるのでどちらの気持ちもわかるが故の葛藤に心打たれる場面もたくさんあります。ラストのシーンは涙なしでは見られないです。グロそうだからと避けずに、多くの人に見てもらいたい作品です。
東京卍リベンジャーズ
新しいタイムリープ物語
フリーターとして底辺の生活を送っていた花垣武道。何気なくみていたニュースで、中学時代に付き合っていた橘日向とその弟の直人が暴走族東京卍會の暴走に巻き込まれてしまい亡くなったことを知ったのでした。翌日、駅にいた花垣は何者かによってホームに突き落とされてしまいます。目が覚めると、花垣は中学生の自分にタイムリープしていたのです。そこで花垣は、当時付き合っていた橘への気持ちを思いだします。あるきっかけで再開した直木と協力し、橘の死の原因となった暴走族東京卍會の暴走を止めるべく、花垣は試行錯誤しながら未来を変えるのであった。
ヤンキー漫画かと思いきや、ヤンキー要素はありつつもタイムリープものという意外性がとても面白い漫画です。フリーターとしてダメダメだった花垣が、タイムリープをするなかで、逃げてばかりの人生を変えようと一生懸命努力し、未来をいい方向に変えていく姿には毎回感動します。どんなに無理な相手でも立ち向かっていく花垣をみていると、勇気をもらえるし、自分も花垣みたいに強くなりたいと思わせてくれる、とても素敵な作品です。ヤンキー漫画が好きな人はもちろん、ドキドキハラハラしたい人、勇気がほしい人に是非読んでほしい作品です。
Dr.STONE
原始世界から文明を作り出す
謎の光線によって地球上の全人類が石化してしまう。数千年後に、石化を破った科学大好きな少年・千空が大樹らをコウモリの糞から作った復活液で復活させます。千空は、文明が朽ち果てた世界で石化していない人類と出会う。そして、新しい人類の協力をこぎつけた千空は科学知識を使って文明を次々と作り出して行きます。電球、発電機、車、船、インスタントラーメン、缶詰、飲み薬など、電化製品から乗り物・食品や医薬品に至るまでをゼロから作っていく。
科学の楽しさや大変さを漫画で学ぶことが出来る作品になっています。身近にある物がどんな風に作られているのかなど、読んでいると関心したり勉強になることばかりです。漫画に登場した一部の科学知識を試して何となく形になったので、何かあった時のために覚えておいて損はないなとも思いました。化学的や機械的な部分など難しいところもありますが、メカ千空の補足説明で大部分は理解することができます。ストーリーとしては地球上の全人類が石化してしまうという衝撃的な始まり方をしますが、大気汚染や自然破壊など人間がどれだけ地球環境を荒らした上で生活をしているのかということを思い知らされました。
DRAGON BALL
いざ出発!冒険の旅へ
世間知らずの田舎者、主人公の孫悟空は、おじいさんの形見であるドラゴンボールを大事にしています。実はそのドラゴンボールというのは、7つ集めると願いを叶えてくれる不思議な球でした。ドラゴンボールを集めて願いを叶えようとする少女、ブルマと出会い、他のドラゴンボールを探す旅に出ることになります。ドラゴンボールを探す中でいろんな敵と出会い、仲間と出会い、別れ、悟空とブルマは成長していきます。いろんな経験を積み、たくさんの仲間ができた悟空とブルマはドラゴンボールを7つ集めてどんな願いを叶えようとしているのか、2人の冒険を見守っていくお話です。
キャラそれぞれに個性があります。みんな生きているかのような行動をするのでこちらも引き込まれてしまいます。例えば、悟空の極度に田舎者なところをブルマはすごく嫌悪します。しかし、のちのほかの仲間たちと出会っていくうちに、お互いのいいところが見えたり、また悪いところが見えたり、そうやって仲良くなっていく様などにはかなり惹かれます。もう一つ特筆すべき魅力は、なんといっても絵のうまさです。最近の漫画にはない、独特な表現を鳥山明先生はされていました。背景だったり、モブだったり、様々なところに散りばめられた鳥山節を感じながら読み進められるのではないでしょうか。
トリコ
感謝を込めて、頂きます!新感覚のグルメバトル漫画!
時は世界中の美食屋たちが最高のフルコースを求めて食材を奪い合う美食時代。凶暴な危険食材から幻の絶品食材まで、ありとあらゆる物が食材となるその世界で、誰よりも大食らいの男がいた。男は生涯をかけた最高のフルコースを作るため、世界のありとあらゆる食材を求めて大冒険へと繰り出した……。時を同じく、シェフの小松は食材調達の依頼をするためにある場所へと向かっていた。崖に座っている大男を見つけた小松は彼を「美食屋トリコ」と呼び、巨大ワニの捕獲を依頼する。トリコは小松の依頼を受けて巨大ワニの潜む土地へと足を踏み入れる。巨大ワニの恐ろしさにビビリ散らす小松と、巨大ワニを食すため立ち向かうトリコ。捕食者となるのはどちらか?!騒がしい凸凹コンビが繰り広げる野生バトル!
この漫画に出てくる食材はどれも個性的な上に美味しそう!しかし、そんな食材達には「捕獲レベル」というものが設定されており、プロのハンターが10人がかりでやっと仕留められる程の強さが捕獲レベル1と称される程ですから、捕獲の難しさや危険度は相当なものです。そんな食材達を調査・捕獲するのが美食屋であり、主人公であるトリコはカリスマ美食屋と呼ばれるほどの実力者です。トリコと食材である生き物達との命の駆け引きは正に野生生物同士のバトルで、そこにあるのは狩るか狩られるかのみ。また、小松はトリコが捕獲した食材を調理する事でめきめきと料理の腕を上げて行くのですから、二人の成長の様子は留まるところを知らず、一時も目が離せません!
ドリフターズ
歴史上の猛者たちが異世界に飛ばされた!
関ケ原での撤退戦・島津の退き口にて、島津豊久は異世界へ飛ばされる。そこで出会ったのは、何と織田信長に、那須与一。歴史上有名な武将らだが、時代が違って本来なら出会うことはなかったはずなのに異世界で一堂に会してしまった。そして、異世界で虐げられている亜人たちと共に戦いへ身を投じることとなる。日本史のみならず、世界史からも歴史の著名人が登場し、一癖も二癖もある猛者たちがそれぞれの知略と武力をもって衝突する様は圧巻。ただの戦いや軍略ではなく、かつて歴史に名を刻む程の戦人がそれぞれの武器を取り戦うアクションファンタジー。
歴史にそこまで詳しくなくとも知っている武将や著名人が登場するので、歴史ファンでなくても楽しめます。主人公の島津豊久、織田信長、那須与一といった戦国武将はもちろん、菅野直や山口多聞など戦時中の軍人、西部開拓時代の列車強盗団・ワイルドバンチ強盗団、カルタゴの将軍ハンニバル、ローマの用兵家・スキピオなど、日本だけではなく世界で様々な活躍をした有名人が登場します。日本史や世界史で有名だといっても、同じ時代に生きてはいなかったはずの戦人が、異世界で同じ瞬間に存在していると言う面白さ。敵対勢力にも歴史の武将らが揃い、エルフやドワーフといった亜人や人間たちを加えて全面戦争が巻き起こるという、本格アクションとダークファンタジーが見事に融合した素晴らしい漫画です。
とんでもスキルで異世界放浪メシ
サラリーマンの異世界転生!!モンスターも絶賛の放浪しながら美食旅!
気がつくと剣と魔法のファンタジー世界にいた!?「勇者召喚」に巻き込まれたサラリーマン・向田剛志。他の勇者は異世界転生特有の能力を持っていたが…召喚時に得られたスキルは「ネットスーパー」?王様の話を聞くが胡散臭さから早々に国から逃げ異世界生活が始まった。スキルを駆使して作った料理は食べるだけで能力が上がるチート級の能力を持っていた…。そして、魔物の肉を使って「猪肉の生姜焼き」を作っていたら伝説のフェンリルを呼び寄せてしまう!とんでもスキルを駆使して美味しい料理を作る男と伝説のフェンリルの旅が始まる!!
異世界転生ものですが主人自体が強いわけでもなく普通のサラリーマンをしていた向田剛志が「ネットスーパー」を駆使して美味しい料理を作っていく一見変わった異世界転生物語。食いしん坊なフェンリルと一緒に旅しながら現代日本の料理を再現していて読んでいてすごくお腹がすきます!!異世界ものは異形系の絵の上手さで読める読めないが分かれますが、絵が凄く上手なので料理の美しさとモンスターの作画に注目です。ストーリーもかなり面白いのでスラスラと読めてしまいます!!物語が進むにつれてどんな料理がでてくるか、どんなモンスターが出てくるかワクワクします!
NARUTO―ナルト―
忍者達が繰り広げるバトル漫画!うずまきナルトの成長物語!
作品の主な舞台「木の葉隠れの里」に住む主人公・うずまきナルトは、里一番の忍者である「火影」になることを夢見る少年。晴れて忍者アカデミーを卒業し下忍となったナルトは、上忍のはたけカカシが率いる第7班に配属され、仲間のうちはサスケ・春野サクラと共に様々な任務を遂行する。忍者アカデミー時代は万年成績ドベ(最下位)の落ちこぼれだったナルトだが実はかつて木の葉隠れの里を窮地に陥れた「九尾の妖狐」が体内に封印されており、類まれな潜在能力を秘めていた。様々な任務や過酷な試練に立ち向かう中で、やがてナルトは少年らしいまっすぐな心で世界に平和をもたらすべく奮闘することとなる。
作者・岸本斉史先生の画力もあいまって、少年漫画らしい迫力のあるバトルシーンは明朗な魅力です。作品で登場する「忍術」を始め、世界観の設定や理論がとても丁寧に作りこまれているのも好印象です。そして、少年漫画の王道であるバトルシーンや「努力・勝利・友情」要素を一通り抑えつつ、中盤以降は孤独との戦い・命の奪い合い・力を得た代償・仲間の裏切り・復讐・戦争といった忍の世界らしいダークかつシビアな展開が繰り広げられます。そんな世界の中で、誰より純粋でまっすぐな心を持つナルトがどのような結論を出していくかといった、重厚で深みのあるストーリーが最大の見所です!
逃げ上手の若君
少年は逃げて英雄になる!
西暦1333年、鎌倉に開かれた日本初の幕府は衰退の一途を辿っていた。総帥・北条高時は実権を側近に握られるお飾り。鎌倉幕府は後の英雄・足利高氏によって支えられていた。これは英雄・高氏の栄光の物語ー…。否!主人公はお飾り総帥高時の息子・北条時行。鎌倉と平和を愛す少年は、ある日突然の謀反によって家族も故郷も地位も全てを失う。絶望の中にあった時行の前に現れたのは信濃・諏訪大社の神官・諏訪頼重。彼の助けにより鎌倉を脱出した時行は天性の”逃げ”の才を使い、生き延びるために高氏に復讐を誓う!天下一の”逃げ上手”北条時行の英雄譚!
南北朝時代という最近になってできた歴史区分を舞台にするという新しさ。授業でもさらっとしか習わない謎に満ちた時代なのでとてもワクワクして読めます。しかも主人公は北条時行。足利尊氏では無く、彼によって滅ぼされた鎌倉幕府の王子が主人公。舞台設定も主人公も全く新しいので、ロマンがあります。南北朝時代は分からないことも多い難しい時代ですが、松井先生の絶妙なコメディーとシリアスと演出でとても面白くなっています。聞きなれない言葉や歴史用語も多いですが、きちんと注釈もついていますし、コミックスにはしっかりしつつ分かりやすい解説もあるので、歴史が苦手だったり分からない人でも楽しめます。
信長協奏曲
タイムスリップで信長に?!
高校生のサブローは、学校帰りに塀から落ちて、なんと戦国時代にタイムスリップ!落ちた先は、サブローそっくりな本物の信長の上。自分の運命を嘆いて逃亡中だった信長は、自分にそっくりなサブローに"信長"を押し付けて逃げて行きました。「これ何の撮影?」と呑気なサブローは、池田恒興に連れて帰られます。顔はそっくりでも性格の全く異なるサブローに、周囲の人は「うつけになった」と嘆きます。全く勉強のできなかったサブローは、織田信長の名前は分かるものの、何で有名なのか曖昧です。確か天下を取ったような…と歴史への理解が乏しいサブローは意図せず戦乱の流れへと巻き込まれていく。
サブローはとにかく"軽い"!考えも浅いし、行動も軽薄で、身も軽い。そこがサブローの短所であり、長所でもあり、読んでいて笑みがこぼれます。サブローは、周りの武将たちのこともあだ名で呼び、とてもフレンドリーに接します。他のマンガでは武将は無骨に描かれていたり、孤高に描かれていたりしますが、とても身近に感じます。天下を取るためには人手が足りないと、あっちこっちでスカウトしたり、そのフットワークの軽さで、敵を倒したり。スピード感ある話の展開に、読んでて清々しいです。それだけでなく、忠臣と言われている羽柴秀吉が、実は腹黒い考えを持っていたり、続きが気になりどんどんのめり込みます。
ハイキュー!!
汗と感動と涙!青春を詰め込んだ部活マンガの頂点!
ある日、町のテレビで春高バレーの中継を見かけた主人公・日向翔陽。彼はその試合で活躍していた「小さな巨人」に心を奪われ、バレーボールを始める。「小さな巨人」同様小柄な日向であったが、類まれなる瞬発力と機動力を持ち合わせていた。しかし、入学した中学のバレー部には自分以外の部員はいなかった。中学三年の夏、なんとか最初で最後の公式戦への出場を果たすも初戦の相手は強豪校で結果は惨敗。さらに、相手チームのセッター影山飛雄に中学での三年間を否定される。高校生になった日向は影山へのリベンジを果たすべく、憧れの「小さな巨人」もかつて活躍していた烏野高校バレー部へと足を踏み入れた。しかし、なんとそこにはリベンジを誓ったはずの影山の姿があったのだった。
キャラクターひとりひとりの存在がリアルに感じられる作品です。どのチームのどのキャラクターも個性豊かでありながら、バレーというスポーツを通して性格の不一致や相性の悪さすら超越し、自然と互いを尊重しあう姿に感動します。性格や好みや意欲に差があれど、それぞれが様々な感情でバレーと向き合っていることをひしひしと感じます。部活だけに限らず、何かに夢中になったことがある人ならばキャラクターの前向きな感情も後ろ向きな感情も共感できると思います。キャラクターたちが真剣にバレーに向き合う姿を見ていると、思わず応援したくなります。爽やかで感動的な部活マンガであると同時に、バレーの魅力も存分に描かれており、勝ち負けを超えた青春が詰め込まれた作品です。
鋼の錬金術師
まさにダークファンタジーの金字塔!
まるで魔法のような技、錬金術が存在する世界。12歳でその錬金術の国家資格に合格し、天才錬金術師と呼ばれる主人公エドワード・エルリック。彼には弟のアルフォンス・エルリックと共に求めるある探し物があった。それは、奇跡を可能にするといわれる『賢者の石』。過去に犯した過ちによって失ったものを取り戻すため、奇跡の石を探し求める。ただでさえ望みの薄い旅の中で兄弟に多くの困難が降りかかる。時に非情な現実に打ちひしがれながらも、前を向き歩みを止めることはない。その道の先で、兄弟は望むものを手に入れることは出来るのか!?
最大の魅力は錬金術を駆使したバトルシーンです。錬金術は決して万能の技ではなく、等価交換という絶対の法則にのっとって使えるものです。金属の形を自由自在変形させたり、炎を操ったりと戦闘に特化したものが数多くあり、主人公は特殊な錬成方法に加え体術も相当の使い手のため、迫力のある戦闘が繰り広げられます。もちろん魅力は戦闘シーンだけではありません。まだ幼い兄弟が旅の途中、降りかかる数多くの理不尽に立ち向かう姿に勇気をもらえることであろう。登場人物もそれぞれがとても魅力的で、敵対する相手にもしっかりとした思想があり、つい感情移入してしまう。物語のテーマはかなり暗いが、キャラクター達の明るい振る舞いがバランスをとり、読後の気持ちは重くならないのが素晴らしい。
バクマン。
マンガに全てを注ぐ、2人の10年物語
「俺と組んでマンガ家になってくれ」中学3年生の真城最高は、ある日突然クラスメイトの高木秋人にマンガ家の道へと誘われる。最初は乗り気でなかった最高だが、片想い中の亜豆が声優を目指していると分かり、勢いでまんが家になる事を宣言してしまう。更に自分達のマンガをアニメ化させ、亜豆が声優としてそのアニメに出るという夢を約束した。最高と秋人は学校に通う傍らマンガ作りに励む。秋人はストーリーを、最高は絵を練習し、いよいよ2人は出来上がった作品を編集部に持ち込みに行く事に!持ち込みからデビュー、更にライバルも現れ一歩ずつ前進していく2人の10年の物語。
2人の少年がどのようにしてマンガ家になり、どんな壁に当たるのかを10年の物語にまとめているのでとても読み応えがあります。マンガ家を目指している人にはもちろんのこと、幼い時からマンガに親しんで来た人には興味深い内容が詰まっており、テンポ良く進んでいくので読んでいてとても気持ちがいいです。バトル漫画ではないですが、ライバルとの戦いや友情には胸が熱くなります。上手くいく事ばかりではなく、基本前を向いている主人公達に気持ちが引っ張られます。読んでいると自分も何かしたくなる、そんなワクワク感を感じさせる作品です。
バトルスタディーズ
PL学園をモチーフに?!優勝候補の強豪校によるリアルな野球生活!
主人公の狩野笑太郎は中学野球の日本代表にも選ばれる才能の持ち主で、野球強豪校のDL学園から特特生のオファーを受けることに。元々DL学園に強い憧れを抱いていた狩野はそれを受けDL学園に入学し、甲子園優勝という輝かしい栄光を思い描いて、DL学園・野球部寮へと入寮した!しかし、そんな狩野を待っていたのはDL学園野球部の厳しい規則と上下関係だった!奴隷の様な扱いを受ける1年生、逃げ出す者が何人も出る中、憧れの先輩達の素晴らしいプレーを間近で見て、自分もいつかレギュラーになりDLのユニフォームを着るんだという思いから厳しい規則と練習に耐え続ける狩野。しかし……甲子園大阪予選のある日、事件が起きる?!
PL学園という実在する強豪校をモデルとしているため、生活からメニューまで非常に管理された野球漫画かと思いきや、読んでみるとコメディ要素が強くて非常に面白かったです!個人的に1番面白かったのは、放課後の練習前になんとか水が飲みたい1年生達が、先輩の前では水を飲んではいけないというルールを守る為、各々がなんとか隠れて水を飲むシーンには声を出して笑ってしまいました!それとは逆に、DL学園の厳しい規則が外部に漏れ1年生の飲酒運転による事故と重なりDL学園は一気に境地に立たされます。3年生にとっては最後の甲子園予選も、途中で断念せざるを得なくなるのを監督から選手に伝えるシーンはとても泣けました。
火ノ丸相撲
小さい体に大きな心。相撲にかける熱い想い!
物語は主人公の火ノ丸が高校に入学するところから。日本の国技相撲に恵まれない体格ながらも懸命に向き合うスポーツ漫画。身長が小さいことから、相撲の世界に飛び込むには高校横綱を目指さなければならない火ノ丸の奮闘が始まる。熱い戦いに、仲間との絆、時には恋愛も。相撲という競技の面白さを感じさせてくれる名作です。誰になんと言われても、決して諦めない姿に感動させられます。個性豊かなキャラクター達の相撲の日々は応援せずにはいられません。高校編の後には相撲界での様子も描かれ、苦難の多い火ノ丸の生き様が描かれていきます。
絵も上手く、迫力のある描写。王道のスポーツ漫画で、努力や友情が描かれていって子供に是非読んでもらいたい漫画だと感じています。我が子もドハマりで全巻ありますが、大人の心もつかむ作品です。キャラクター達それぞれの想いや、絆も素敵で胸をうたれます。涙したという大人は多いと思います。ハンデがあってもそれを補おうと必死に頑張る姿は応援したくなります。どんどん強くなっていったり、努力が実を結ぶのは気持ちがいいです。ちょっとした脇役さえも愛すべきキャラクターだったりするのもこの漫画の良いところ。ちょっとした会話のやり取りなども思わず笑ってしまいます。
ピンポン
ヒーローは必ず現れる!!卓球少年の感動の青春物語!
主人公の星野裕(通称ペコ)は幼馴染で同級生の月本誠(通称スマイル)と片瀬高校に通い卓球部に所属していた。同じ県内の辻堂学園に中国から留学生が来ることを知った2人は偵察に行くことに。昔から敵なしで大した練習をしなくても試合で勝てていたペコだったが、それも中学生までの話だった。留学生の孔文革(通称チャイナ)に一点も取れずに負けてしまう。その後、神奈川県予選でも旧友の佐久間学(通称アクマ)と当たり再び負けてしまう。自分の才能に自信を失ったペコは卓球を辞めてしまうが……。ヒーローは必ず現れる、二人の少年が夢を追いかける青春卓球漫画!
序盤ではペコよりもスマイルの強さが目立つ本作品ですが、ペコが再び輝きを取り戻していく過程はメチャクチャ興奮します!かつて3人の中で1番強かったペコ、気づけば1番弱くなってしまっていた事にショックを受け辞めてしまったペコに佐久間が説得に行くシーンは男の熱い友情を感じました。また、立ち直ったペコが卓球にのめり込んでいく成長スピードはまさに才能の塊で、ドラゴンとの対決で更に才能を加速させていく場面はとても興奮しました!ラストにかけての物語の盛り上がりは最高で、後半の試合はシビれること間違いなしです!
BEASTARS
様々動物達による、青春群像劇
様々な動物達が、人間の様に二足歩行で言語を喋り、生活をする世界で、狼である主人公のレゴシが、学園生活を送っています。学校では、レゴシの様な肉食獣と、草食獣が一緒に仲良く生活を送っていました。ところが、そんなある日、レゴシと同じく演劇部に所属する、アルパカのテムが肉食獣に捕食され殺されるという事件が起こりました。肉食獣による草食獣の捕食はこの世界ではタブーとされていました。この事件を通して、草食獣の肉食獣に対する不信感は一層強くなってしまいました。テムを殺した犯人は誰なのか、肉食獣と草食獣はどのように共存していくのか、レゴシの学園生活が始まります。
本作は、動物達が二足歩行で歩き、言語を話し共存するという独特な世界観でありながら、動物達は容姿をはじめ、それぞれの動物ごとの反応や生体を持ったままであり、フィクションでありながらとてもリアルな作品となっています。それぞれの動物の特徴を捉えた個性的なキャラクターが多い登場する点はおおきな見所です。また、肉食獣が草食獣を食べることはタブーとされている世界で、肉食獣が本能と葛藤する姿はとてもリアルに描かれています。また、オオカミであるレゴシが、草食獣のハルのことを好きになるのですが、肉食獣と草食獣という大きな壁がある中、どのような進展を見せるのかも見所のひとつです。
BLEACH
あの世と現世をつなぐ死神代行!心沸き立つ王道のバトル漫画!
生まれながらにして強い霊感を持つ黒崎一護はその強すぎる霊感のため、日常生活の中で幽霊を見るのが普通となっていた。高校生活の傍ら幽霊と関わり合いながら生活していたある日、自身を死神だと言う黒い死覇装を纏った少女・朽木ルキアと出会う。そして、同時に普段見る幽霊とは明らかに一線を画す異形の怪物・虚(ホロウ)が現れる。虚との激しい戦闘の中、瀕死の重傷を負ってしまったルキヤは敗北必至の状況を打破するため、黒崎にある方法を提示する。それは自身の死神の力を分け与え、一護自身が死神として虚を倒すことだった。こうして死神の世界に触れることとなった一護は大事なものを守るため、死神代行として大きな戦いの渦へと巻き込まれていく!
死神としての戦闘シーンはとにかく熱く、次々と強敵たちが現れるので興奮が止まりません!また、敵味方問わず登場するキャラクター達が一癖も二癖もあり物語へ引き込まれます!最初は好敵手として現れたキャラでも物語が進むにつれ、友情を育んだり共闘したりと熱い展開が広がります。そして、なんと言っても各々のキャラクター達が放つ必殺技に興奮します!主人公を含む死神の武器「斬魄刀」の名前やそれを使用するための口上、敵キャラの虚についた名前まで、とにかく全てがカッコイイです!迫力のある戦闘と唯一無二の世界観に浸れる名作のバトル漫画です!
不滅のあなたへ
さまざまな人の生き様をみてゆく
ある日世界に"球"が投げ込まれた。その球は石に姿を変え、次はコケに姿を変えていく。これが主人公です。コケだった主人公は次はオオカミに姿を変えます。オオカミが歩き続けると1人の少年に出会います。彼はそのオオカミの飼い主でした。村の人は楽園を夢見て皆出て行ってしまい、彼は一人で生活していました。ある日ついに彼も楽園を求めて、オオカミを連れて旅に出ます。しかし少年は志半ばで命が尽きてしまいます。オオカミだった主人公は、次はその少年の姿になります。遂に人間の姿を手に入れた彼はその姿でまた旅を続けていく。
主人公フシが色々な人の生き様を見てゆく短編ストーリーの連続のような作品です。しかし一見短編ストーリーのようですが、フシのおかげで全ての物語がまるで一本の糸のように繋がっていくとても不思議な作品です。物語に登場するフシに関わる人たちは、皆誰かや何かに対する希望や他者に対する優しさを持ち、彼らのおかげで最初は動物のようだったフシが、だんだんに人間のように振る舞えるようになる点は感慨深いです。フシは基本的に死んだものにしか変化できません。そのため作中では多くの人が亡くなりますが、皆何か大切なものを守るために亡くなっていきます。そんなストーリーのため読み終えた後は深く考えさせられる作品です。
ブラッククローバー
努力と根性で突き進む!魔法ファンタジー!
魔法が当たり前の世界でクローバー王国の最果ての村ハージの協会の前で同じ日に捨てられた二人の赤ん坊、服にはアスタとユノと名前が書かれていた。時は過ぎ成長したアスタとユノ、しかしアスタは一向に魔法を使うことが出来ずにいた。対してユノは魔法の才能に恵まれていた。アスタはそれでもあきらめずにいつかは魔法を使えると信じて、貧民でも捨て子でも生まれつき魔力が少なくても、この世界で誰よりもすごくなれると証明する為に、魔法使いの頂点である魔法帝になる為に体を鍛えていた。年に一度クローバー王国の各地で15歳になる者を集めて、持ち主の魔力を高めるグリモワールの授与式に参加する二人だが…。諦めないのが俺の魔法だ!魔法がすべての世界で、魔法が使えない少年のバトルアクションファンタジー!
まわりからバカにされて絶対に無理、諦めろと言われてもめげずに、明るくて前向きに頑張る主人公が活躍していく物語は見ていて気持ちが良い。個性豊かな仲間達と絆を深めて困難に立ち向かう姿は胸が熱くなり、感動します。他にも魅力的なキャラがいっぱいいて、それぞれにストーリーがあり、敵だったキャラも好きになりました。この作品の一番の魅力は主人公のアスタとライバルのユノがお互いに高めあい、強くなっていくライバル関係だと思います。どちらか一方が強くなるのではなく二人とも同じくらいに強くなっていくので、主人公を引き立てさせるライバルじゃなくて、どっちも主人公と言えるライバル関係はすごく熱いです。
ブルーピリオド
「青い世界」を見た高校生
高校に通う屋口八虎は成績にも友達にも恵まれ、何不自由なく日々を過ごしていました。ある日、忘れ物を取りに美術室へ入った八虎は、先輩の描いた一枚の絵に目を奪われる。そんな中、美術の授業の課題で「私の好きな風景」を題材にした絵を描く事になった八虎は、友人たちと徹夜した帰りに見た渋谷の街が青色に染まって見えた風景を描く事にした。言葉では伝わらなかった朝の渋谷の雰囲気が、絵を通して周りに伝わった事が嬉しく、八虎は思わず涙を流してしまう。その事がきっかけとなり、八虎は今まで自分の進路の選択に入ることのなかった東京藝術大学を目指す。
何事にもほどほどで本気を出してこなかった主人公が、絵を通して自分が夢中になれる事を見つける姿や全力でぶつかってもまだまだ先の見えない芸術という世界の深さが描かれています。美術系の大学の最高峰である東京藝術大学をはじめ、実在するアート系の学校や芸大受験についても描かれているので、実際に美術系の進路に進もうと思われている方には、物語の世界を楽しめるだけでなく参考にもなる作品です。作中に登場する美術の道に進む友人やライバルの存在も多彩で、物語が進むにつれてそれぞれのキャラクターについても詳しく描かれていて、どんどん物語の世界に奥深さが増していきます。
ブルーロック
全員フォワード?!エゴイスト育成プロジェクト始動!
主人公であり、高校サッカー部でフォワードを務めている潔世一(いさぎ よいち)、全国大会出場まであと一歩及ばず、悔しい思いを噛み締めながら試合から帰った彼の元に強化指定選手の通知が届く。「なぜ自分の元に?」という思いと選ばれたことに対する喜びを胸に、指定場所に向かうと、そこには全国から才能を見出された300人のフォワードが集まっていた!そこで告げられたのは日世界に通用するエゴイズムあふれるストライカーを作り出す実験、青い監獄(ブルーロック)プロジェクトについて。たった一人の世界一のストライカーを作り出すため、セレクションを行い落選した者は今後のサッカー人生を絶たれる、スポーツ版デスゲーム!自らのエゴイズムに突き動かされプロジェクトに参加する選手たち。今ここが世界で最もフットボールの熱い場所だ!
サッカー漫画なのに主要な登場人物が全員フォワードという斬新な設定とスポーツ版デスゲームとも言える選考内容は、今までに見たことがないものに仕上がっており、それでもしっかりサッカー漫画として描かれているのが見どころです。また、キャラクター1人1人の個性が際立っていることはもちろん、それぞれの特技を活かしたプレーは見ているものを飽きさせず、逆境に立たされた時に発揮されるそれぞれのエゴイズムと成長は見ものです。選考内容自体も工夫が凝らされており、ボールあて鬼ごっこやフォワードだけでディフェンス、キーパーの役割もこなしていくチーム戦など、次の選考内容に毎回興味をそそられます。感情剥き出しでサッカーをする彼らの姿に心揺さぶられること間違いなしです!
FAIRY TAIL
妖精に尻尾はあるのか?永遠の冒険を体験できる名作漫画!
魔導師と呼ばれる魔法を操る人間と魔法を持たない人間が共存している世界。魔導師たちはギルドに所属し、魔法の力で仕事依頼を解決してきた。モンスターの討伐依頼から魔法による劇の演出まで幅広く依頼を受けているギルドが数多く存在する。主人公が所属するギルドはフィオーレ王国にあるFAIRY TAIL。このギルドは、魔法回の秩序を保つための評議員たちも手を焼くほどの問題児が集まるギルドだった!はちゃめちゃな冒険と仲間を超えたギルドのメンバーとの絆。思いっきり笑えて、思いっきり泣ける、王道バトルファンタジー漫画!
あることがきっかけで、問題時だらけのFAIRY TAILに入ることになったルーシィーと火竜(サラマンダー)と呼ばれるナツ。すぐに裸になってしまう氷の魔道士グレイと妖精の女王と呼ばれる剣と鎧の魔法を使うエルザ、空を飛ぶ青い猫のハッピーの5人チームが繰り広げるドタバタ冒険ストーリー!ひとつひとつの冒険にテーマがあり、それを乗り越えて強くなって行くという好きな人にはたまらないお話となっています。FAIRYTAILメンバーの過去や他のギルドメンバーとの関係にも注目!子供の時に読んだ印象と大人になって読んだ印象とではだいぶ変わりました。大人になった今、読んでほしい作品です!
僕だけがいない街
さりげない人とのつながり
主人公の藤沼悟は不思議な能力・リバイバルを持ち合わせていた。リバイバルは悟にとって何か不都合な事が起こるとそれが起こる前に戻り、その原因を解明するまで無限に行われる能力。悟はある時、子供を助けるために自身が身代わりとなり交通事故に遭ってしまう。大事には至らず無事に退院できた悟だが、その後バイト先から帰って来た悟が見たものは彼の家に同居し始めた佐和子が刺殺された姿だった。その現場を周囲に発見された悟は容疑者として警察に追われることに。必死な思いで逃げ出した悟にリバイバルが起こり、何故か18年前の北海道に戻ってしまう。何故この時代なのか状況が把握できない悟だったが、一人の少女・加代と出会う。それがキッカケで腑に落ちなかった過去の事件を思い出し、悟はその事件の謎を解いていく。
この物語の魅力としては一つ一つの人の行動や人が言った発言の違和感などが全て事件解決の一つの視点に通じているのでストーリーに飽きがありません。また、基本的には事件の真実を知っているのは悟本人だけなので常に一人で、孤独にさいなまれることもあります。しかし悟はどんな困難からも逃げず次第に成長していきます。悟自身も最初は人に心を閉ざした感じですが、事件を解明するために嫌でも積極的に相手との距離を縮めないといけないため懸命に人と接していきます。謎を解き明かしていく過程で彼の周りには信頼できる仲間がたくさん集まり、謎解きもさることながら、悟自身の成長も楽しめる作品です。
僕のヒーローアカデミア
逆境を乗り越えろ!ナンバーワンヒーローを目指す少年の王道バトル漫画!
多くの人間が「個性」と呼ばれる超人的な能力を持つ社会。そんな社会で個性を悪用して犯罪を犯す集団に対抗するためヒーローという職業が誕生した。無個性な少年・デクもまた同級生に馬鹿にされながらもヒーローになることを夢見ていた。そんなある日、デクはナンバーワンヒーロー・オールマイトとの出会いをきっかけに、オールマイトから個性を継承される。ナンバーワンヒーローの最強の個性を使いこなすのは難しく、苦労しながらも多くのプロヒーローを送り出した雄英高校ヒーロー科に入学する。様々な個性を持つクラスメイトと切磋琢磨しながら、テロ集団・ヴイラン連合から人々を守るため、ボロボロになりながらも挑み続ける。ヒーローに憧れる少年の王道バトル漫画!
誰もが個性を持つ超人社会という設定で、登場人物それぞれの個性が本当に個性的で面白いです。無個性だったデクが助けを求める人のところに自分の犠牲を鑑みず助けに行く場面から、心はすでにヒーローなんだと感じます。ヴイランがどれほど強くても人々を守るため、平和な社会であり続けるために勇敢に立ち向かう姿がとてもカッコイイです。オールマイトという平和の象徴を失った今、プロヒーローやクラスメイトたちと一つになり、ヴイラン連合の陰謀を阻止することができるのか、これからの展開がとても楽しみです。週刊少年ジャンプらしい努力・友情・勝利の三拍子そろった作品です。
葬送のフリーレン
魔王を倒した勇者の後日譚。
魔法使いフリーレンを含む勇者パーティ4人は魔王を倒し、世界には平和が訪れた。フリーレンは1000年以上生きる長命の種族であるエルフ。人間にとっては長旅でしたが、フリーレンにとっては短い旅でした。月日が経ち、パーティの内の一人だった勇者のヒンメルが亡くなります。かつて一緒に旅をした戦友は皆老いていく中、フリーレンだけはあの頃と見た目も変わらぬまま。ヒンメルの葬儀でフリーレンは、彼のことを何も知らなかったことに気づき、人間を知る旅に出ます。その旅の中で彼女はかけがえのないものに気付くのです。
「冒険ファンタジー」の題材は使い古されていますが、その冒険が終わった後の物語とは…まずその着眼点に驚きました。また、主人公は勇者では無く、多くの作品では脇役になるであろう魔法使いのエルフです。物語の序盤で、半年に一度見られる流星群を「次も見よう」と約束をします。1000年生きるフリーレンにとっては、半年後もそのまた半年後も当たり前に見られるであろう流星群。ただ、人間はそうも行きません。かつての戦友が先に死んでしまう。こんなに切ないことはありません。生命の儚さを実感すると共に、どこか心があったまるストーリーです。
ましろのおと
津軽三味線の奥深さを知る
無名ながら伝説の三味線奏者だった松五郎の孫の澤村雪は松五郎の死をきっかけに上京。最初は売れないグラビアモデルの女性の家に転がりこむも母の梅子や兄の若菜の助けを借りて一人暮らしをする。梅子が息子の雪を有名にするために開催した三味線甲子園の松五郎杯の団体戦、個人戦両方に出場する雪。素人ながらチームを集めて猛練習して3位になる。大会終了後は三味線で生計を立てることを決心して学校を辞めてしまう。民謡酒場で働き者はじめ、また三味線甲子園で出会った仲間と三味線ユニットを組んで雪は徐々に活躍の場を広げていくのだった。
ひと昔前から増えてきた音楽を題材にした漫画。ジャズやオーケストラ、バンドなど取り上げられてきた中でこちらは津軽三味線です。なかなかのマイナーなジャンルでそもそもどうやって一流奏者として成り立っていくのかの過程もよく分からないジャンルなので非常に新鮮で楽しめます。また、ユニットを組んで全国をツアーして回る辺りはバンドものと同じ流れなのでスムーズに入れますが、民謡酒場の伴奏などは知らなかった世界なのでとても面白いです。上級者の技術の違いなども丁寧に描いていて、読書の大半がそうであろう素人にも分かりやすいようになっています。
魔導具師ダリヤはうつむかない
前世でうつむき続けた魔導具師の前向きクラフトストーリー
前世ではお客さんのクレームを処理し、上司に怒鳴られ、最期までうつむき続けて死んだ。次の人生ではうつむかずに生きられるようになりたい。そんな想いと共に転生したダリヤは、名誉男爵で魔導具師であるカルロ・ロセッティの娘だ。ダリヤは父の影響で、幼い頃から魔導具師を目指すようになる。娘に甘いカルロは、早速ダリヤに魔導具を作るための本やお下がりの素材などを与える。カルロの仕事を見学したり、魔導具の作り方を教えてもらったりと、毎日楽しく過ごすダリヤ。前世の知識を活用し、ダリヤはこの世界にあったら便利な道具も自由に楽しく作っていく
前世では、俯いてばかりで死んでしまった主人公でしたが、今世では自分らしく、好きなことに没頭して生きていきます。その姿がとても清々しく、楽しいです。しかし、順風満帆なことだけでなく、結婚証明書にサインをする直前に婚約者の浮気が発覚し、婚約破棄になってしまいます。その後の元婚約者の言動が非常識すぎましたが、主人公の周りにいる人達はとても常識的で主人公の力になってくれる良い人ばかりなので安心して読めました。辛いこともあるけれど、前向きに生きる主人公のことを応援したくなる作品です。また、所々にコミカルな表現が散りばめられており、楽しく読み進めることが出来る作品でした。
名探偵コナン
言わずと知れた、ラブコメミステリー!
主人公の高校生探偵・工藤新一は、ある日幼馴染と遊園地に行った。遊園地からの帰りに謎の取引を目撃するが、その際に黒ずくめの男に頭を殴られてしまう。殴られた際に毒薬を飲まされ、身体中が熱く焼けてしまいそうな感覚でもうダメかと思われた。がしかし、目が覚めた時にはなんと体が小さくなってしまっていた!助けを求めて知り合いの阿笠博士のもとへ向かい、工藤邸で今後をどうするか相談しようとしていると、幼馴染の毛利蘭が新一を探してやって来た。小さくなってしまった新一は江戸川コナンと名乗り、蘭の父親が探偵をやっていることから毛利家へ居候しながら、様々な事件に取り組むことになる。果たして、コナンは自身を襲った黒ずくめの組織にたどり着くことはできるのだろうか。蘭との恋模様も必見!
何と言っても有名なミステリー漫画なので、犯人の動機やトリックは大きな見どころであります。動機に関しては突っ込みどころが多く、面白いです。トリックに関しては、実現可能なものを使用されていて、トリック解説の度に学生にとっては勉強になるものが多いです。化学や生物、物理、英語などはかなりトリックに絡むことが多く、コナンを読むおかげで勉強への取っ掛かりを掴みやすくなります。また、個人的には登場人物の服装も大きな見所の一つになっていると思います。特に灰原哀という女の子は、小学生の服装ながら大人っぽいコーディネートが多く、とても可愛いです。
MAJOR
少年は大空に羽ばたく!!野球少年の挫折と栄光の野球漫画!
プロ野球選手を父に持つ幼稚園児の本田吾郎は自分もプロ野球選手を夢見て、いつも一人で野球の練習をしていた。そんなある時、吾郎の前に佐藤寿也という初めての野球友達ができ、寿也と共にキャッチボールをすることに。この時のキャッチボールを初めに、ピッチャーの吾郎とキャッチャーの寿也という後の黄金バッテリーが結成される!小学生のリトルリーグ戦、中学軟式野球編、高校野球編、メジャーリーグ編と吾郎の生涯にわたる挫折と栄光の野球人生が幕を上げる!
「MAJOR」は吾郎の生涯にわたる野球人生を描いていますが、野球以外の部分の描写も多く、小学生編ではいじめの問題、リトルリーグでは対戦相手であるリトルの監督が試合中に息子を殴り、その監督に吾郎がブチ切れるなど、プレーだけでなく野球人としての在り方を描いた野球漫画となっています!それから中学、高校編は熱血野球漫画の要素が強くなっていきますが、特に最大のライバルである海堂学園戦での試合の結末には予想できない感動がありました!
約束のネバーランド
鬼から逃げる孤児院の子供たち
とある孤児院では、子供たちが優しいママを筆頭にみんなで仲良く暮らしていた。だが、その孤児たちの中で、引き取りさきが決まると孤児院から出ていくことになる。ママに連れられて、今日もひとり、仲良しのコニーという男の子が里親のもとへ行くため、孤児院から出ていくことに。だけど、孤児院にコニーが大切にしていた人形が忘れてあるのを発見した主人公エマとノーマンは人形をコニーのもとへ届けようと、後を追いかける。だが、そこで目にしたものはコニーが里親のもとへ届けられる姿ではなく、食肉として化物に食われている姿だった。
里親たちのもとで、幸せに暮らしているだろうと思われたが、実は里親のもとに出されていたのではなく、食肉として出荷されていただけであった。このことを知ってしまったエマとノーマンは、孤児院からの脱出を試みるために、計画を立てて行く。ママに勘付かれながらも、エマ、ノーマン、さらにそこに新たな仲間が加わり、脱出と攻防が繰り広げられます。監視役として、新たにシスター(ママの仲間)が派遣されてきます。仲間だと思っていた同じ孤児院の子であるレイも何か企んでいるよう。誰を信じられるかわからない状況での脱出劇は必見です。
憂国のモリアーティ
ロンドンを舞台としたダークミステリー!
舞台は19世紀末の霧深いロンドン。伯爵という貴族の身分にあぐらをかき、上流貴族以外はゴミの様に扱う家族達、それを当然とする社会に辟易していた長子のアルバート・モリアーティー。ある日、孤児院のステンドグラスの前で、美しくも妖しく孤児達に悪の正当性を説く少年に強く惹かれる。ウィリアムとの運命の出会いであった。実の両親と実の弟を事故に見せかけ殺し、ウィリアムとその弟ルイスを家族と皆をだまし、初めて3人で成し遂げた最初の完全犯罪となる。ウィリアムの非凡な頭脳による美しいほどに残酷なやり方で、腐敗したイギリスの階級制度を正していく。三人の偽りの兄弟こそ、かの犯罪卿”ジェームズ・モリアーティ”なのである。正義なのか悪なのか、華麗なる闇の舞踏会が始まった。
コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」をもとに、犯罪卿”ジェームス・モリアーティ”を主役に描かれたこの作品は、なんといってもその世界観と美しいキャラクターがおりなす華麗なる残酷な所業があまりにも美しい。ジェームス・モリアーティといえば、イメージするのは中年過ぎた数学教師のイメージしかないが、若く美しい男性、かつ3人が正体。差別に来るしむ下級が低い人たちからの、心から望む復讐を代わりに果たしてくれる様は、残酷な犯罪をおかしているはずなのに、正義はここにあるかの様にうつるのが面白い。豪華な客船やサロン、燕尾服や懐中時計、シルクハット、ドレスといったこれぞロンドンといった華麗な光と対照的な闇の部分を魅惑的に描かれて、完全犯罪となるのか、シャーロックは止められるのか。期待が膨らむ。
幼女戦記
銃と魔法を駆使し、戦場で戦い抜く幼女の記録
日本の合理主義エリートサラリーマンとして生きてきたが、自身がリストラを告げた男に殺されてしまった。そして神を自称する存在Xに会った。神の存在を信じることなど合理主義の人間には無理なことだった。しかし、存在Xはそれが気に入らなかったようだ。こうして、戦争が起こっている非科学的な世界で幼女に転生することとなった。この世界にターニャ・デグレチャフとして生を受けて数年、孤児ではあったが、魔法の才能があったおかげで、軍人になることができた。軍で出世し、安全な後方勤務に就くことを目標にしたが、順調に思い通りの人生を歩むことが出来たと思う。しかし、最前線で功績を残し、勲章を授与されたことで、ターニャの人生設計が崩れていくこととなる。
この作品の主人公は、見た目はかわいらしい小さな女の子ですが、考え方が超合理的で、敵にも味方にも容赦がなく、見た目とのギャップがあり過ぎてビックリしてしまいましたが、とても魅力的で面白いです。作品を読む前は、小さな女の子達が戦争に巻き込まれて軍人として成長していく物語かと思っていましたが、実際は想像していた物語とは全く違っていました。主人公は自ら志願し、軍人となり、少しでも自分にとって安全な生活を手に入れるために、奮闘する物語でした。戦闘シーンも多く、本格的な軍事モノの作品であることに驚きました。
弱虫ペダル
アニオタ主人公が自転車レースのヒーローに!
アニメ大好きな主人公・小野田坂道は高校に入学したばかり。同級生で自転車競技部の今泉俊輔は学校裏の急傾斜の坂を鼻歌交じりで昇っていく坂道に気づく。自転車レースでも重要な役割「クライマー」の資質を坂道に見出した今泉は、坂道に自転車で勝負を挑む。坂道は普段アニメグッズを買いに秋葉原まで行く際、交通費を浮かせるために千葉から秋葉原まで自転車で通っており、それが彼の強靭な足を人知れず育てていたのであった。ひょんなことから自転車競技部に入部することになった坂道は先輩や同級生達から支えられ協力し合いながらインターハイ制覇を目指していく。
部活モノという事もあり、先輩や仲間たちの想いがものすごく熱く描かれます。「絆」というものがこの漫画の根底にあるのだと感じました。初めの年は3年生、2年生から様々な事を教わり想いを伝えられ、支えられながら走り続けた坂道。自身が2年生になり、最も信頼していた先輩が卒業して年下の後輩までできてしまい、初めは思うように走れなかった坂道ですが、先輩・同級生・後輩の頑張る姿を目の当たりにしながらさらに成長していく姿に心打たれます。仲間やライバルとの「絆」で心身共に成長していく主人公を追いながら見ていくのはとても清々しい気分になります。
ラグナクリムゾン
シビれるバトル漫画!!少年は銀剣を手に、竜を屠る!
人類の敵である竜を銀剣で倒す狩竜人、新人狩竜人のラグナは近い将来、竜に大切な人を殺される事を知る。ラグナは運命を変えるため、世界中のすべての竜を狩り尽くす事をその銀剣に誓う!何度も死にかけ、生き延び、また挑む、限界のさらにその先へ。力を求める少年は強大な力を手に、果てしない竜の討伐の旅に出る!
とにかく格好いい!これに尽きます。銀剣、竜、バトルなど、男性なら誰でも憧れる要素が詰まっています!人類に敵対する竜の謎やラグナ以外の竜を屠る狩竜人の内容もストーリーと共に明らかになっていきます。また、バトル時の絵も非常に綺麗で、とても興奮します。バトル漫画が好きな方にオススメです!
ラストイニング
青春なんてクソ食らえ!監督の視点で描かれる異色の野球漫画!
かつて高校球児で今はインチキセールスマンとして働いている主人公の鳩ヶ谷圭輔は、会社の悪事を全て自分に押しつけられて警察に捕まってしまう。そんな鳩ヶ谷を釈放させたのは、母校の彩珠学園の現校長を務める狭山滋明であった。狭山は、鳩ヶ谷に彩珠学園を1年以内に甲子園に出場させなければ野球部が無くなってしまうことを告げ、監督になってくれるよう頼む。渋々引き受けた鳩ヶ谷が目にしたのは、弱小と成り下がった彩珠学園野球部だった。はたして鳩ヶ谷は弱小野球部を甲子園に出場させることができるのか?!
主人公が監督で受け持った野球部は弱小高校という今となっては定番の設定ですが、鳩ヶ谷監督が考える練習メニューや試合での采配、高校野球ならではのルール、監督が考えている事などマニアックな視点での展開がめちゃめちゃ面白いです!また、鳩ヶ谷は人の性格や癖を見抜く天才でそれを利用して選手のモチベーションを上げたり試合で虚をつく指示を出したりと、次は何を仕掛けてくるのか非常にワクワクします!
ランウェイで笑って
モデルとデザイナー、二人の主人公が織り成すファッションストーリー
モデル事務所“ミルネージュ”の社長の娘である藤戸千雪は、所属モデルがパリコレに出たステージを見て、自分もパリコレに出たいと夢見ていた。小学5年生で身長は158センチまで伸び、カリスマモデルとして活躍していた千雪は、将来有望だと絶賛されていたのだが……その後、身長は1ミリも伸びなかった。周囲からは見放され、これまでとは一転して冷たい視線を浴びる事に。夢は諦められないけれど、辛い現実が重くのしかかっていた。高校で進路希望を提出する時に、千雪の運命を変える出来事が待っていた。それは、デザイナー志望ながらも家庭の事情から就職しようとしていた、都村育人との出会い。これはモデルとデザイナー、二人の視点で描かれる夢への挑戦の物語。
低身長のモデルがパリコレを目指すというのが、特に面白いと思いました。雑誌のモデルだと、身長がなくてもモデルとして活躍できているイメージなのですが、パリコレは180センチくらいの高身長のモデルしか出られないものだと思っているので、いくら何でも160センチを下回るのは無理じゃないかと思ってしまいました。けれど、そこを覆していけるかもしれないと、そう思わせる魅力が千雪にはあります。そして何より、少し性格が歪んでいるのが着飾っていなくて好印象でした。個人的に可愛いと思います。もう1人の主人公である育人も、ナヨナヨしてそうな見た目に反して芯が強く、度胸もあります。何より2人の信頼関係が素敵で、お互いを高め合う仲間でライバルな関係が、とても微笑ましく、頑張れと応援したくなる作品です。
らんま1/2
男になったり、女になったりする高校生が巻き起こすドタバタ武闘派コメディ
天道道場の師範・早雲には3人の娘がいる。その3人娘の誰かが、早雲の友人の息子・乱馬と結婚することになっていた。しかし、天道道場に現れたのは、パンダと女の子。しかも、女の子は件の乱馬だという。まさかの事態にガッカリ感が隠せない早雲。ところがお風呂に入った乱馬は男の子の姿になり、パンダは乱馬の父・玄馬になっていた。なんと、2人は武者修行中に中国で、呪われた泉に落ち、水に濡れると乱馬は女、玄馬はパンダになってしまう体になっていた。それでも乱馬が男だという事がわかったため、乱馬と同い年の早雲の三女・あかねが許嫁とされてしまう。乱馬達がやって来たことで、賑やかな毎日が繰り広げられることとなる。
水をかぶると女になったり、パンダになったり、ブタになったりと斬新な設定が面白かったです。また、親が勝手に決めた許嫁に反発し、喧嘩ばかりする乱馬とあかね。しかし、あかねが危なくなると、いつも駆け付けるし、他の男の人と仲良くしていると嫉妬する、そんなケンカップルな2人がとても可愛いです。この作品は、乱馬とあかねを中心にした恋愛漫画であり、ギャグ満載のコメディ漫画であり、いろんな流派の武闘家が出てくるアクション漫画でもあります。たくさんのジャンルの要素が組み合わさっていても、ケンカせず、無理なく読むことが出来る作品です。
リィンカーネーションの花弁
前世を掘り起こし、無才と決別!
自らの首を切る事で前世の才能を掘り起こすことができる「輪廻の枝」。歴史に名を残した偉人や著名な殺人者など、「輪廻返り」をすれば前世の才能を現在の自分のものにする事ができる一方、前世でも才能がなければ死ぬだけ…。前世に才能があれば、無才から決別できる一か八かの賭け勝負。誰よりも強く才能を渇望する青年・東耶は才能を欲しながらも自身の平凡ぶりに絶望していた。そんな時、東耶の前にある一人の女剣士が現れる。東耶は「輪廻の枝」を手に入れる時、過去の偉人や殺人鬼たちが蘇る世界へと足を踏み入れていく。
誰もが聞いたことのある偉人や殺人者の名前から、マイナーな偉人達が数多く登場します。特に面白いのは、偉人の才能を使った異能力です。例えば「石川五右衛門の才能=盗む才能」、「宮本武蔵の才能=剣術」、「ニュートンの才能=重力操作」など、偉人達に適した能力が発動されます。才能vs才能の戦いが繰り広げられるのですが、何も戦闘向きのものばかりではありません。中には戦闘向きではなく頭脳戦向きな才能も登場します。才能(能力)のみが登場し、この人物は一体何の「偉人」なのだろう? と考えられる事もこの作品の面白いところです。また、前世の才能に振り回される少年少女達の深層心理も強く表現されており、戦闘以外も楽める作品です!
リクドウ
その拳は何のために?!少年は居場所を探しリングに上がる!
借金取りの元プロボクサー・所沢京介は借金の回収のため、芥生の家へと取り立てに来ていた。しかし、そこには首を釣って絶命している男と、その死体を殴っている息子・芥生リクの姿が?!孤児院へと送られたリクだったが、そこで初めて愛に触れる。大切なものをもう二度と失わないため、リクは所沢から拳の握り方を教えてもらう。理不尽に満ちたこの世界ででリクは何を思い、誰のためにその拳を振るうのか?血塗られた道を歩む男の壮絶なボクシング人生!
リクの歩む人生、そして試合中の攻防など、手に汗握る展開が止まりません!特にリクからは異常な狂気を感じ、試合時のリクの表情などは非常にゾクゾクします!対戦相手や登場するボクサーからも殺気がビンビンに漂っており、試合時では興奮すること間違いなしです!また、絵の描写が非常に綺麗で、試合中の鬼気迫る表情や緊張感、細かな体の動きまでが伝わってきて、まるで自分がリングに立っているような臨場感があります!
るろうに剣心
「不殺」最強の剣客、現る!
現在映画も大ヒット中の言わずと知れた名作。幕末から明治にかけて生きる伝説の剣豪「人斬り抜刀斎」こと「緋村剣心」。文明開化が進む明治時代、新政府となった日本では廃刀令が敷かれ、剣術も廃れていきます。そんな中、剣心は「不殺」の誓いを立てた剣豪として、あてもなく流浪していました。そんな旅の先に、神谷薫を始めとする多くの仲間たちに出会うことで、自分の居場所を見出します。過去に数えきれないほど多くの人を斬り、命を奪う戦争を経験してきたことによって、心に大きな傷を負っていた剣心。その重い罪を償うため、仲間たちを守るため、新たな時代を奮闘しながら生きていく剣客の物語。
実際に起こった史実をベースにしたフィクションです。日本が揺れるような激動の幕末を、ただ必死で生き抜いて来た若き頃の剣心。時代が変わって戦争が終わっても、罪の意識が変わることはなく、複雑で孤独な気持ちを抱えたまま旅をします。薫を始めとした「仲間たち」、そして新たに築く「平和な日本」という「希望」が、そんな彼を少しずつ変え、動かしていきます。繊細な剣心の心模様は見どころです。時には不殺の誓いを破りそうになることもあるものの、以前の人斬り抜刀斎に戻ることを許さず、ともに誓いを守りながら闘ってくれる仲間たちとの絆も必見です。そんな剣心が、新しい時代をどう生きていくのかぜひご覧ください。
烈火の炎
忍の戦いを終わらせる為の物語
主人公の花菱烈火は花火屋の一人息子である。烈火は忍者に憧れており、喧嘩する時も変わり身の術を使ったり、花火を使って地元じゃ負け知らずであった。喧嘩で自分に勝ったらその相手の為だけの忍となってやるといつも言っていた。ある時、輩に絡まれている少女を見かけ助ける。その少女は傷ついた生き物を癒す力を持っていた。烈火自身も手から火を生み出す力を持っており、互いの秘密を共有したのちに烈火はその少女・佐古下柳の忍となることを決める。そこに影法師と名乗る女性が突如現れ意味深なセリフを残し去っていく。烈火の忍としての戦いがそこから始まっていく。
操る火竜の数が増えるとともに烈火が成長していくのが見ていておもしろい。義理の兄・紅麗との因縁、戦いも見どころの一つ。物語がスムーズに展開していく中で、重めのエピソードもある為見ていて飽きない。特に森光蘭が天堂地獄と一体化するあたりから重苦しい雰囲気になるが、緊迫感が感じられ引き込まれる読者も多いはず。全体的に暗いエピソードが多いが、登場人物自体は明るく楽観的なキャラが多く良いバランスが取れている。悪人は死ぬが、味方陣営が死んだりすることはほとんどない為、勧善懲悪的な意味合いで言っても子供に見せて問題ないと思われる。
ワンパンマン
ヒーロー漫画の常識を破る!規格外の強さワンパンマン!
趣味でヒーロー活動を行っているハゲ頭のサイタマ。社交性や一般常識は乏しいが、命や情熱を燃やして戦う他のヒーローとは違い、どんな怪人でも一撃(ワンパンチ)で倒してしまうほどの作中最強の力を持っている。しかしその強さにより戦いに対して緊張感を失い喪失感を覚えていた。また、ヒーローとして正当な評価を得る為にヒーロー協会に所属するが、しがらみや派閥そしてサイタマ自身の自由な性格により、その強さを認める者は少なくなかなか評価は得られない。クセの強い他のヒーロー達はサイタマを倒そうとしたり弟子入りしたり、派閥に取り込もうとしたりとサイタマの望みとは裏腹にドタバタと動き回る。怪人たちも日に日に強く残酷になっていく中、サイタマは真のヒーローになれるのか。
主人公が才能の片鱗を見せ努力や経験で最強にのし上がっていく過程を見せていく他の王道漫画と違い、主人公が作品序盤から最強であるという常識破りの始まりをするワンパンマン。王道漫画によくある、いかにも強そうな敵の自己紹介的セリフや技がワンパンで倒されるフリにしかならない所が笑えます。サイタマ以外の特殊能力を持ったヒーロー達も登場し、努力したり様々な技を駆使したりピンチになるシーンもあり単純に読み応えがあります。サイタマの強さを知る者が徐々に増えていき社交性のないサイタマと関係性が変わっていく辺りも面白いです。
ONE PIECE
海賊王になるための壮大な冒険
世は大海賊時代、その引き金となったのは海賊王ゴールドロジャーが処刑された日だった。処刑前に財宝の隠し場について問われ、すべての財宝はある場所に置いてきたとゴールドロジャーは言う、それを聞いた諸民達は一斉に湧きあがった。これが大海賊時代の幕開けであった。人つなぎの財宝「ワンピース」を求めて…それから20年が過ぎ、ある少年が海賊王になる夢を見て旅立った。その名は「モンキ.D.ルフィー」。彼もまた海賊王になりワンピースを求めて旅立った。これからくる困難に数々の仲間を連れて立ち向かう、壮大な冒険ストーリーである。
ワンピースは仲間との絆が強く、幾度なく困難に立ち向かい挫折しますが、ルフィは純粋な気持ちで言葉を伝えて、勇気と感動を与えてくれます。また、仲間についてなぜ大切にしないといけないのかを伝えてくれます。自分がもし困難な状況になったり、挫折しそうになったらルフィの言葉を思い出して元気になれると思います。ストーリーは色々な旅を通して海賊としてキャラや役割がかぶらないように構成されています。また、どんどん進むにつれ強大な敵が現れてハラハラドキドキの展開が待っています。また、なんといっても伏線が多くあり謎が多いですが、話が進むにつれ伏線が回収されます。それが色々な場面て繋がるため、読んでる側も凄いと思い、作者の凄さが分かります。ぜひ見てください。
ワールドトリガー
集団戦闘が魅力のSF対戦!
舞台は三門市と呼ばれる都市。突如現れたネイバーと呼ばれる異形の怪物に現在の兵器はあまり効果がなく、壊滅は時間の問題に思われた。その時、ボーダーと自称する組織にが現れ、謎の技術トリガーを使いネイバーを撃退する。「我々はこの時の為に刃を研いできた」ボーダーにはネイバーの処理を行う専門機関として日本政府に様々な特権が与えられた。トリガー技術を使いネイバーの出現するゲートの発生位置を誘導し、戦闘区域を設けネイバーを撃退する。市民は戦闘区域から時折聞こえてくる爆音に段々と慣れていった。しかし、ある日戦闘区域外に発生するイレギュラーゲートが出現する…。
よく見られる漫画のように主人公やメインキャラが、修行回などを挟みどんどん強くなっていくというようなタイプの漫画ではなく、戦闘能力の向上は現実的な範囲に収められています。物語の主人公・三雲修はボーダー隊員であるが戦闘能力が特別高いという訳ではなく、むしろ平均より劣っているほどです。しかし、物語が進むにつれ、頭を使い工夫した戦い方を覚えていき、弱い自分をどう活かすか、周りの仲間をどう使うかといった面で成長していく。格上の相手にも物怖じせず、時折何をしでかすか未知数な部分もあり、非常に魅力的な主人公になっています。また、他のボーダーのメンバーも個性的なメンツばかりで、戦闘シーンではワクワクすること間違いなしです!
最後に:おすすめ少年漫画100選
少年漫画と言えばジャンプが有名ですが、ジャンプ以外からも多くの作品を集めてみました。
気になる作品があれば是非チェックしてみて下さい!