今回は漫画が原作のアニメ化された少女漫画を紹介していきます!
アニメ化された少女漫画は数多くありますが、その中でもおすすめの少女漫画を厳選して集めてみました!
一度アニメ化を見た後でも、原作を読むとアニメ化では放送しきれなかった部分など新しい発見があるのも楽しいですよね。
アニメ化を見たことがある方にこそ、立ち返って見てほしい作品ばかりとなっています!
アニメ化された少女漫画
アイドリッシュセブン
これを見ればアイドルを応援したくなる!
アイドルグループ結成のためのオーディションが行われ、選ばれた7人で寮生活をすることになります。デビューまでの道のりは険しく、いきなり大きなライブ会場でライブをしても認知度や人気が無ければお客さんが入るわけでもなく、たくさんのバラエティ番組や音楽番組で経験を積み重ねていきます。メンバー個性豊かで、バラエティ番組でメンバーに話をふって面白くすることを得意としていたり、演技力に優れてドラマ出演をするメンバーもいます。アイドルのライバルも登場し、お互いに切磋琢磨しながら成長していきます。あなたはどのメンバーを応援したいですか?
アイドルを応援したくなります。彼らがどんな思いで、どんな苦労を積み重ねてアイドルという仕事をしているのか。アイドルを志した理由は人それぞれ違います。憧れのアイドルのようになるため、歌が好きでみんなに聞いてほしい、など様々です。どんどん成長していく姿を見ることができ、なによりメンバー同士の絡みも可愛くてきゅんきゅんしてしまいます。ライバルが登場し、たくさんの出来事を経て、アイドルのトップを目指す姿は、私たちに勇気を与えてくれます。アイドルの応援をして、また明日から頑張ろう!ときっと思える作品です。
アオハライド
思春期特有の感情や思いが爆発!
主人公・双葉は高校1年生。双葉は、中学の時に好きだった、田中君という男の子のことを未だに忘れられず、引きずっている女の子。ある日双葉は、高校で同じクラスの女友達と共に廊下を歩いていると、田中君そっくりの男子を見かける。すれ違った男子は、背格好も、声も、田中君とは全然違う。でも双葉は、何故か彼が気になり、後を追いかけることにする。しかし彼は、同級生たちから「馬淵」と呼ばれており、双葉は「田中君じゃなかったみたい。彼に声をかけなくて良かった」と思う。しかしその日の帰り道、例の「馬淵」と地元で出会う双葉。馬淵は、とある神社に立ち寄る。その神社は、双葉が昔田中と雨宿りをした神社だった。
とても美人で友達想いな主人公・双葉がとある事件をきっかけに、わざとガサツな女の子を演じるようになる。しかし、双葉は恋をしてから、シャンプーを変えてみたり、化粧を始めたり、少しずつ女の子らしくなっていく。その過程が、見ていてとても楽しい。高校2年生に進学した双葉の新たな友人、牧田や村尾も、はじめは双葉とは共通点が皆無で、全然仲良くなれない。しかし、高校でのオリエンテーションをきっかけに、段々と絆を深めていき、やがて大切な仲間となっていく。まさに青春を丁寧に描いている良作です。
赤髪の白雪姫
どっぷり浸かれる王宮ファンタジー!
白雪は髪の色が珍しい赤色で、それによって危険な目に遭うことも多かった。元々は隣国タンバルンに住んでいたが、タンバルンの王子の愛妾となるよう言われ逃げた時にクラリネス第二王子ゼンと出会い、その繋がりが広がりクラリネスの宮廷薬剤師として働くようになりました。ゼンをはじめ、様々な人との繋がりが白雪の人生を大きく変えていき大きな世界へと広がります。クラリネスで自分の居場所を探し、見つけていく白雪とその周りの人たちとの出会いが素敵な縁となってストーリーが次々と進んでいきます。それぞれの立場が変わっても大切なことは変わらず突き進む白雪やゼンの姿は見ていて眩しいです。
ストーリーが進んでいく中で、白雪やゼンを始め周りの全てのキャラが成長していく姿は飽きることなく次々と引き込まれていきます。登場人物全てが素敵な人ばかりで嫌な気持ちになることがありません。絵も丁寧で綺麗で、特にドレスや城、夜空などはうっとりするほど圧巻です。白雪とゼンと関係も気になるのはもちろん、その周りの人物との関係も全て重要で話の内容もとても作り込まれていて物語の世界にどっぷりハマってしまいます。言葉選びもとても上品で憧れの気持ちが読み進めるうちにさらに強くなっていきます。今後もますます目が離せません!
赤ちゃんと僕
2歳児の赤ちゃんとお兄ちゃんによる心暖かい成長物語!
交通事故で母親を亡くした拓也は残された父親と幼い赤ちゃんの3人で生活を送っていた。父親は優しいけど仕事で忙しいため、拓也は2歳の弟である実のお世話を一人でしていた。同級生の友達たちが遊んでいる中、拓也は送り迎えから身支度まで実を中心とした生活を送っていた。お兄ちゃんだからと自分の時間を我慢して弟の世話をする毎日だが、それでも泣き止まない実。そんな毎日に嫌気がさしそうになる拓也だが、実のお世話をしていく中で徐々に実の可愛いさに引き付けられていく。優しいお兄ちゃんと無邪気で可愛い2歳児、二人の心温まる日常生活。
優しくてカッコイイお兄ちゃんは見ているだけでニンマリしてしまいますし、赤ちゃんに対して抱く感情はとても共感できる所が多いです。家ではお母さん代わりに赤ちゃんの面倒を見ていますが、時には小学生らしく友人達と遊んだりと、色々な経験を経て成長していく様子には感動してしまいます。パパとの関係も素敵で、よくこんなにいい子に育ったなあと感心してしまいます。また、絵の描写も非常に可愛く、赤ちゃんの手足の短さやよちよち歩きなどがとても可愛らしく表現されており、読んでいて非常に癒されます。
赤ずきんチャチャ
魔法使いの赤ずきんと愉快な仲間達が繰り広げるドタバタ学園コメディ
赤ずきんがトレードマークの見習い魔法使いのチャチャは、世界一の魔法使いであるセラヴィーの弟子として、もちもち山の小さな家で魔法の修行をしながら過ごしている。しかし、魔法の腕はイマイチで、失敗ばかり。ある日、幼なじみでボーイフレンド、そしてペットでもある狼男のリーヤと共に、セラヴィーの世界一の称号を奪おうとしている魔女どろしーの城を訪れる。そこで出会ったどろしーの弟子のしいねは、チャチャに一目惚れし、共に行動するようになる。一流の魔法使いを目指し、魔法使いの試験としてセラヴィーとチャチャ、どろしーとしいねは鬼ごっこをすることになった。試験に合格するため、チャチャ、しいね、リーヤの3人は、師匠達を探す旅に出る。試験終了後、3人はうらら学園に入学することになる。
チャチャ達がうらら学園に入学してから、ドタバタ学園コメディになります。そこでたくさんキャラクターが出てきますが、全員個性的でキャラが濃く、勢いもあって笑えます。セラヴィーに恋する魔法使いのやっこ、リーヤに恋する人魚のマリン、しいねに恋するお鈴も出てきて、恋愛模様もギャグテイストで描かれています。スパイとしてうらら学園にやって来た超能力者のポピィとは仲良くなり、今後一緒に行動していくことになります。うらら学園を卒業後、急展開もありますが、最後までギャグの勢いは止まりません。笑える漫画が読みたい人にオススメです。個人的には、リーヤが回を重ねる毎にどんどん幼児退行していき、子供っぽい喋り方で、ほとんど狼の姿で過ごしているのが可愛くて好きです。
暁のヨナ
強く生きていく少女の旅の物語!
高華王国の姫ヨナは、国王の娘であり、安全で平和な城内で大事に育てられた。幼馴染でヨナの専属護衛ハクと思いを寄せている従兄のスウォンと共に、これからも平和な日々を送ると思っていた。しかし、ヨナの16歳の誕生日、スウォンによって父が殺されてしまう。ヨナは現実を受け入れられないまま必死で逃げるが、その途中で捕まってしまい殺されそうになる。その時、この事態に気づいたハクがヨナを命懸けで守り、城からの脱出に成功する。父と帰る場所を失い絶望に沈むヨナだったが、ハクの故郷・風牙の都で人の温もりを知り生きることを選択する。ハクと共に旅に出ることを決意したヨナは様々な経験を経て強く成長していく!
今まで大切に守られてきた温室育ちのヨナが一晩で全てを失い、失った物を取り戻すかのように人と関わり成長していきます。今まで見ようとしなかった現実を直視することで、生きていることの奇跡や大切さについて学んでいく姿が心を熱くします。料理は当たり前に出てきますが、実際はたくさんの命を殺して、それを頂いている。そんな当たり前のことにすら気づいていなかった。それはヨナだけではなく、私たちにも当てはまることだと思います。また、誰かを思う気持ち、それはどんな人でも同じであり、国境は関係ない。誰かを助けたいと、そのために強くなりたいと思うヨナの姿は非常にカッコよく感じました。このような当たり前のこと、暖かい気持ちを教えてくれる作品になっています。
あたしンち
日常あるある?
みかんという主人公の家庭と、それを取り巻く日常風景が描かれています。弟のユズヒコ、ユニークな母、寡黙な父の織りなす日常あるある?な漫画です。共感できるものからできないものまで、うちの家庭だけ?というような疑問を投げかける形でほのぼのとストーリーが展開されていきます。淡い色で着彩されたフルカラーなところも嬉しいポイント。季節に合わせたお話が多いところも、共感が増します。個人的には、母の不思議なキャラクター性が見どころで、オリジナリティあふれる歌を歌っていたり、少し変わった動作で楽しませてくれます。
暗い話がないので、子どもの頃にお菓子を食べながらや、眠る前などに軽い気持ちで読めました。日常ものなので家族や友達とも回し読みして楽しさを共有できます。コミュニケーションツールとして楽しむことができました。母のキャラクターが見どころなので、母の行動に驚かされたり笑ったり、ときには少し引いたりもします。メインキャラクターに不快なキャラクターがほぼいないので、嫌な気持ちにさせられることはほとんどないかと思います。疲れたときにもあまり深く考えずに読めるので、リラックスしたいときなどにもおすすめできる漫画だと思います。
イタズラなKiss
押して押して押しまくる、一念岩をも通すのド根性ラブコメ
相原琴子は高校の入学式で、王子様のような理想の男子に一目ぼれしてしまう。頭もよくルックスも端正なその男子は、周囲からも天才と評判が高い、入江直樹君だった。学校のクラス編成が成績順のためになかなか接点が持てずにいたが、3年生になり、琴子は思い切って入江君にアタックする。しかし、思った以上の入江君の冷たいリアクションに琴子は愕然とする。そんな中、琴子の父が新築した家が地震で倒壊。父の友人を頼りに仮住まいに転居することになる。ところがその仮住まいは、琴子を振った入江君の家だった。気まずさと期待が入り混じる中、家族ぐるみの付き合いを通じて様々な事件が勃発する。
つれない態度の入江君に「これでもか!」とアタックしまくる琴子のど根性がとにかく凄い作品。時折やはり多少くじけてしまい、もう入江君をあきらめてしまおうかと思うと、入江君のほうが期待を持たせるような行動に出てきます。そのため、やっぱり琴子は押すのをやめられないという、一途の代名詞のようなストーリーです。また、琴子と入江君が真逆の性格のために、お互いが不足している部分に気づかされるという人間的な成長も魅力的。琴子の友達や、入江君の弟の裕樹など、琴子の周囲の人たちのラブストーリーも胸にグッとくるシーンが多く、見どころがたくさんある作品です。
オオカミ少女と黒王子
オオカミ少女は真っ直ぐ一途な女子高生!
主人公・篠原エリカには自分の見栄のために嘘をついてしまう悪いクセがある。高校に入学した花は新たな友達作りで、恋愛経験のない自分には畑違いなギャルグループに入ってしまう。会話の話題は彼氏の事ばっかりで、恋愛経験のないエリカは彼氏がいると嘘をついて有りもしない恋愛話で話を合わせていた。そんなエリカだったが恋愛経験がないために彼氏がいることを徐々に友達から疑われることに。焦ったエリカは街で見かけたイケメンを思わず盗撮してしまい、そのイケメンの写真を見せて彼氏だと嘘をついてしまう。しかし、その写真のイケメンは同じ学校に通うモテ男・佐田恭也だった?!恭也に嘘がばれたエリカだったが、佐田の優しい笑顔にほだされて理由を話して彼氏の振りをしてほしいとお願いする。彼氏の振りをしてもらう事を了承してもらい喜んでると……「じゃあ3回まわってお手からのワンだな」。実はこのモテ男の正体は根っからのドS王子で……。
佐田のドSっぷりは少し引いてしまうほど強烈なものですが、時折見せる優しさや男気にキュンキュンしてしまいます!また、そんなドS王子の命令を聞くエリカもかなり振り切った所があり、犬になりきって投げられた棒を必死で探すシーンはかなり印象的でした(笑)。しかし、エリカもただ大人しく従っている訳ではなく、正面から噛み付いたり、ドSの佐田に振り回されたりと、感受性が非常に豊かで見ていて面白かったです!嘘から始まった恋ですが、お互いの存在が徐々に掛け替えのないものへと変わっていく様子は見ていて優しい気持ちになれます!
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった
転生したのは悪役令嬢?!破滅フラグを跳ね返せ!!
頭を強打した主人公はその衝撃で前世の記憶を思い出し、自分が前世でプレイしていたゲームの悪役令嬢である事に気付く!破滅フラグを知っている主人公は何とかして破滅フラグを回避しようと必死に立ち回る。知らず知らずの内に主人公の優しい性格は周りの人々を惹き付けていき、破滅フラグへの運命がドンドン変わっていく!大胆で優しい主人公が特徴のほっこり異世界漫画!
主人公の大胆で明るい性格が気持ちの良い異世界漫画です!悪役令嬢系の異世界漫画として有名な作品で、乙女ゲーム系の異世界漫画が好きな方には是非とも読んで頂きたい異世界漫画です!ストーリーの展開も速く、展開がコロコロと変化していきながらも、ほっこりと優しい気持になれます!
思い、思われ、ふり、ふられ
好きだから頑張りたい、青春恋愛群像劇
人見知りで内気な市原由奈は、高校進学で引っ越してしまう友人を見送りに行く途中、子供の頃に絵本で見た王子様に似ている男子を見かける。同じく離れ離れになってしまう友人を見送りに来ていた山本朱里と知り合い、朱里が同じマンションに引っ越してきた同級生だとわかる。それをきっかけに、性格や恋愛観が全く違う二人だが、仲良くなり、由奈が前に見かけた王子様が朱里の弟の理央だと判明する。恋愛未経験の由奈は、理央に対する気持ちが恋であると少しずつ気づき、朱里は由奈には理央を薦められないとしていたが、由奈の初めての恋を応援しようと決める。そして朱里は、由奈が唯一親しく話せる男子で幼なじみの乾和臣と関わっていく中で、少しずつ意識し始め、恋をしていく。
高校生4人の甘酸っぱい恋愛や友情、大人でも子供でもない感じが微笑ましく、見守りたくなります。由奈、朱里、理央、和臣それぞれの関わり方や感情の動き方が気になって、これからどうなっていくのか、4人全員が幸せになる結果になるのか、ドキドキしながら読んでしまいます。高校生だからこそまだ子供っぽい考えや行動をしてしまったり、将来のことを考えていく大人への第一歩でもある立場で決断していく姿が、リアルさもあり、成長を感じさせます。4人が何を思い、誰を思い、何を決意し、どう進んでいくのか、優しい気持ちで最後まで見届けられる作品です。自分の高校時代を思い出し、重ねながら読むのも面白いと思います。
俺物語!!
少女漫画界にニューヒーロー現る!
主人公の剛田猛男は身長2mの大柄で、太眉と角刈りの高校生。正義感あふれる剛田は同姓にはモテモテだったが、剛田が好きになる女の子はいつも幼なじみの砂川誠を好きになっていた。高校入学早々、剛田は電車内で痴漢に会っている女子高生・大和凛子を助け、凛子に一目惚れしてしまう。凛子もそのお礼にお菓子を焼いたり、電話番号を聞いたり積極的に剛田にアプローチを続ける。しかし、凛子の態度を見た剛田は凛子が砂川を好きだと勘違いをしてしまう。友人として凛子と砂川の恋を応援しようと決意する剛田。しかし、凛子が好きだったのは砂川ではなく剛田だった。そのことを砂川から聞かされてなお信じれない剛田はある時、凛子の思いを知り……。
主人公の剛田はイケメンとはほど遠い見た目をしているのですが、真っ直ぐで正義感の強い性格は見ていて気持ちが良いです!落ちてきた鉄骨を支えたり、2階から窓ガラス突き破って降りたりと、もはやギャグとしか思えない凄まじい行動の数々は見ていて安心します!また、剛田の友人である砂川はクールなイケメンですが、猛男の前では笑顔を見せるなどの一面もあり、剛田の代わりにイケメン役を担っています。私もどっちかというと砂川君が好きです(笑)。しかし、剛田と凛子の二人が互いに相手を一途に思い合っている様子を見ていると、一度で良いから私もこんな恋がしてみたかったなと羨ましく思ってしまいます!また、凛子の友達が剛田を無理と批判しても、伝え方が悪かったのか?でも好きになって取られたら困る!などと悩んでる姿はピュアで可愛かったです!
学園アリス
元気な少女のスクールコメディー!
主人公の蜜柑は選ばれた者しか入れない”アリス学園”に大親友・蛍が入学したのをキッカケに、寂しさから思わず後を追うようにしてアリス学園へと入学することに。普通の人間だと思っていた蜜柑だが、実はある能力を有していたことから無事入学することに成功する。そんな蜜柑の入学に納得がいかないクラスメイト達、初めは敵対視していたクラスメイト達だが、蜜柑の真っ直ぐでバカ正直な姿を間近で見るうちに次第に蜜柑と打ち解けていく。どんな事にも一生懸命に取り組む蜜柑、彼女が来てから徐々に学園全体が変わっていく!
蜜柑の天真爛漫で真っ直ぐな性格がとても良く、蜜柑の一生懸命な姿を応援したくなります!また、個性豊かなキャラクターが沢山いるのにも関わらず、どのキャラクターも被ることなく、それぞれが魅力的に見えます!その中でも蜜柑と棗、そして流架の恋模様には非常にキュンキュンさせられました。また、恋模様以外にも、ベアやペンギーなどの動物達と蜜柑の絆なども素敵なストーリーとなっているので、是非注目して読んでみて下さい!!
学園ベビーシッターズ
笑えて泣ける学園子育て劇場!
竜一と虎太郎の兄弟は、飛行機事故で両親を亡くしてしまった。そして、身寄りをない2人は、同じ飛行機事故で息子夫婦を亡くした森ノ宮学園の理事長に引き取られることになった。竜一は優しいおばあさんに引き取られることになったと、まだ幼い虎太郎に説明して、慰めていた。しかし、実際に会ったおばあさんは、タダで2人の面倒をみることはしないと宣言する。成人するまで面倒をみる交換条件として、学園の職員達の子どもを預かる「保育ルーム」で子どもたちの世話をするベビーシッター部に入部することだった。竜一と虎太郎の保育ルームでの楽しい生活が始まる。
中学生で両親を亡くしてしまう経験をしたにも関わらず、まだ幼い虎太郎を一生懸命支える竜一のけなげな姿に感動します。そんなお兄ちゃんが大好きな虎太郎もとってもかわいいです。保育ルームのみんなと海に行ったり、動物園に行ったり、クリスマスパーティーをしたり、遊んでいる姿もかわいいし癒やされます。一見、怖くて言動も厳しいおばあさんですが、熱を出せば看病してくれたり、忙しくても発表会に来てくれたり、不器用ながらも優しさを示してくれる姿に感動します。竜一と虎太郎が優しい人たちに囲まれて、楽しく生活する姿を見守り続けたいと思える作品です。
神様はじめました
人間界と異世界で繰り広げるロマンチックファンタジー!
桃園奈々生は、ギャンブル好きの父を支えながら生活を送る女子高生。しかし、ある日突然父が家出してしまう。借金のせいで家を没収され奈々生は帰る家を失った。途方に暮れる奈々生だったが、偶然出会った怪しい男から「私の家を譲ろう」と話を持ちかけられる。男から手渡された地図を頼りに目的地を目指すも、着いた場所は廃神社だった。男に騙されたと思いうなだれたのも束の間、奈々生の目の前に妖怪たちが現れる。実は、怪しい男の正体はこの地の土地神様だったのだ。土地神の位を譲られてしまった奈々生は、男に代わり神様の仕事を務めることになる。
神社を起点としたファンタジーな世界観が魅力的なマンガです。起承転結が明瞭で、作り込まれたストーリーと、ちりばめられた伏線回収は鮮やかで心を奪われます。主人公の奈々生は表情がコロコロと変わり、感情豊かな愛らしい少女です。それでいて、目的のため危険にも飛び込んでいく強い意志には憧れを抱きます。トラブルに巻き込まれながら異世界へと足を踏み入れていく奈々生を見ていると、ワクワクすると同時に応援したくなります。女子高生と妖怪、人間界と異世界との間で繰り広げられるロマンチックな恋愛模様に、夢中になること間違いなしです。
彼氏彼女の事情
重量感のある王道少女マンガ!
女子高生の宮沢雪野は、容姿端麗、スポーツ万能で周囲から一目置かれる存在。しかし、それらは彼女の偽りの姿だった。本当の彼女は他人からよく見られたいために、優等生を演じている超見栄っ張りだったのだ。そんな彼女が唯一勝てないのが、同じクラスの有馬総一郎。彼は雪野以上の優等生であり、雪野の念願である新入生総代をかっさらった人物だ。心の内で有馬を敵対視していた雪野だが、ある日彼に告白されてしまう。有馬の告白を断った雪野だが、ひょんなことから有馬に自分の本性を見られてしまう。しかし、実は優等生の有馬にも裏の顔があり、二人の関係に変化が生じていく。
少女マンガでは定番の高校生の恋愛を描いた作品です。序盤は明るく楽しい高校生同士の恋愛を描いているのですが、物語が進むにつれてストーリーに重みが増してきます。共通点が多く似た者同士と思われた雪野と有馬ですが、過去の因果が彼らの関係を複雑にします。その過程で、二人が心に抱えている問題を解消していく過程は、涙なしでは読めません。主人公の雪野は愛嬌があり可愛らしく、読者が感情移入できるキャラクターです。雪野が自分自身で道を選んだことで生まれる、喜びや後悔と葛藤には心を揺さぶられます。重量のあるストーリーと、緻密な心理が描かれた彼らの物語から目が離せません。
カードキャプターさくら
ピュアな少女の成長と初恋物語!
友枝小学校に通う小学4年生の主人公・木之本桜はある日、父の書庫でとある本の封印を解いてしまい、魔力を帯びたカードが町中に散らばってしまう。クロウという人物が作り出した、通称「クロウカード」を再度集めるために、同じく封印を解かれた際に現れた黄色い関西弁のぬいぐるみのような獣「ケロちゃん」とともに、さくらは自身に宿る魔力に戸惑いつつも奮闘していく!さくらの秘密を知るのは、同じ小学校に通うお金持ちのお嬢様、大道寺知世と、謎の転校生の李小狼などわずかな人物。兄や父、兄の友達であり、さくらの憧れの人である雪兎さんなど、身近な人たちに活動がバレないように試行錯誤しながら、街に潜み事件を起こすカードを封印し、そしてカードの謎に迫りゆく、可愛らしいファンタジー少女漫画!
主人公のさくらは小学生らしくピュアで、とてもいい子です。さくらの傍でいつも優しくサポートしてくれる親友の知世ちゃんも、とにかくいい子。さくらの周りには、優しさで溢れるキャラクターがたくさんいて、読むたびに心が洗われるような気持ちになります。しかし、小学生という設定ながらも、年上の高校生へ寄せる恋心であったり、学校の先生に思いを寄せる同級生がいたり、ませた恋模様もあらゆる場面で描かれており、大人顔負けの表情で物語を盛り上げる要素が多々あると感じます。そして知世ちゃんがさくらへ寄せる想いや深い言葉は、大人になってから見てもハッとさせられることが多いです。
カーニヴァル
華麗なキャラクターたちが織り成すカーニヴァルの世界!
腕輪を手掛かりに「嘉禄」(カロク)という人物を探す旅をする主人公・无(ナイ)。彼は旅の途中、ミネという怪しげな女の屋敷に囚われてしまう。そこで无の持っている腕輪は国家防衛機関「輪」(サーカス)の身分証であることをミネから聞かされる。時を同じくしてミネの屋敷に窃盗に入っていた少年・花礫(ガレキ)。隠れて聞いていた会話の一部始終から、无には利用価値があると判断し、偶然出会った无を屋敷から連れ出すことにする。なんとか屋敷の脱出に成功したのも束の間、今度は治安部の人間の罠に嵌められ无はお尋ね者となってしまう。絶体絶命のピンチに陥った二人であったが、そこに「輪」の人間が現れ……?!
世界観が作り込まれていて、現代的な部分と空想的な部分の融合が心地よい作品です。設定が凝っており、それに合わせて描かれる華やかなキャラクターたちの個性溢れる衣装や武器に注目です。丁寧に描かれた装飾品や小物は細部にまでこだわりを感じます。たどたどしくて可愛らしい主人公の无と、口は悪いが面倒見のよい花礫のコンビは、相性が抜群です。ボケっとしているように見えて人の心に敏感な无が、花礫の隠れた感情を見透かす場面では、癒しと安らぎを感じます。また、「輪」が敵と繰り広げるバトルシーンは強く美しく、この作品の大きな見せ場です。バトルが優勢でも劣勢でも、懸命に戦うキャラクターたちの華麗な振る舞いから目が離せません。
君に届け
憧れの君に、近づくために。
陰気な見た目のせいで周囲に誤解され、これまで孤立して生きてきた爽子。しかしその内面は超前向きな女の子!そんな爽子は高校に入学し、爽やかな学年の人気者・風早に恋をする。最初は恋とは気が付かず「風早くんのようになりたい」と奮闘する爽子、それがキッカケで少しずつ周囲の誤解も解けていく。念願の友達もでき、ここからようやく爽子の青春がスタート!恋や友情、ライバルと過ごし、人としてどんどん成長していく爽子。3年生になってからはそんな楽しかった仲間たちと別れ、自分がどのような進路に進むべきか頭を悩ませます。誰もが色濃い高校生活の3年間が描かれ、全ての青春が詰まった学園ラブストーリーです。
見どころは何といっても「爽子の成長」。とにかく懸命に、自分の周りで起こること全て真面目に取り組みます。爽子が思いを寄せる風早はみんなの人気者で太陽のような存在。そんな彼はほかの誰も見ようとしなかった爽子の前向きで努力家な一面に惹かれており、それらは自分にないものと憧れを抱きます。人気者と陰気(に見える)少女の恋は順当に進むはずなく結ばれるまで時間がかかりますが、それを支えるのは新にできた友達。どうしても自分を卑下する癖がついてしまっている爽子は、誤解されて友情に亀裂が入ることも。しかしお互いに歩み寄り、また強い絆で結ばれる姿は感動的です。恋だけでなく友情にもスポットが当てられており、青春のすべてを体感できる少女漫画です。
今日、恋をはじめます
地味な昭和女とイケメン最低男の青春ラブストーリー
日比野つばきは真面目なことだけが取り柄の女子高生。そんなつばきは妹の髪を可愛くしてあげることが大好き!けど自分にはおしゃれなんて似合わないと思っていた。真面目すぎるつばきは三つ編みおさげで入学式へ。そこで偶然隣の席になる最低最悪のロン毛男の椿京汰に「昭和女」とバカにされてしまう。そのことがきっかけでつばきは京汰にファーストキスを奪われてしまう。女子高生と言う響きに心躍らせていたつばきは京汰にファーストキスを奪われたことで、恋なんて、はじまるわけがない。とそう思っていた。しかし遊ばれているとわかっていてもつばきは次第に京汰に惹かれていく。
未成年だけどコドモじゃないの水波風南先生の作品で、設定やキャラクターは純少女漫画。まさに王道!「こんなやつ好きになるわけない!」というタイプの男の子にだんだん心惹かれていく主人公という内容です。しかし!!一般的な少女漫画にはなかったストーリーのリアルさがとても面白いです。恋愛の楽しいところだけではなく、高校生ならではの壁や不安などが少女漫画チックになりすぎず、現実的に描かれているところがこの作品の魅力だと思います!イチャイチャするだけの少女漫画は読み飽きた、キュンキュンだけじゃなくて刺激も少し欲しい!という方におすすめしたい作品です!
きらりん☆レボリューション
アイドルを目指す少女の物語。
主人公である月島キラリは14歳の中学2年生。超がつくほどの大食いで、クレープとたこ焼きを何よりも好む女の子。頭はさほど良くなく天然と思われる発言で周りを驚かせてしまうことが多い一方、持ち前の明るい性格で誰からも好かれていた。そんなキラリはある時、同世代から絶大な支持を得ている大注目のアイドルグループである「SHIPS」の日渡星司と偶然に出会って恋に落ちてしまう。そして、星司への恋心を切っ掛けにアイドルを目指すことを決意したキラリは芸能界へと足を踏み入れていく!しかし、生半可な気持ちでは務まらない厳しい世界に揉まれていくうちに、アイドルへの意識が変わり、ヒカリはアイドルの仕事に真摯に向き合っていくようになる。
最初のうちは恋心が切っ掛けということもありアイドルに対しての意識が低いヒカリですが、様々な仕事を通してアイドルの仕事がいかに大変かを知りながら仕事への意識が明確に変わっていきます。その中でどんなに厳しい壁が立ちはだかっても決して逃げることなく果敢に立ち向かっていくキラリちゃんが凄く素敵でした!心の底からキラリちゃんがトップアイドルとして活躍する未来が訪れることを応援したくなります。そして、宙人くんとの恋愛はドキドキの連続で、特にキスシーンの描写が最高に綺麗なのでお楽しみに!
グッドモーニングコール
胸キュンの癒しラブストーリー!
ヒロインの菜緒は両親の都合で一人暮らしをすることになるが、なんと引っ越し当日に同部屋に別の男子が引っ越してくることに?!その男子は菜緒と同じ高校に通っていて女子から人気のある上原だった!同じ不動産屋の二重契約の詐欺に遭ったことが判明した二人だが、お互いに他に行く所もなく、各々の事情もあるため仕方なく寮に空きが出るまでの間、2人で一緒に同居生活を送ることに。知らない同士で初めは対立していた2人だが、一緒に暮らしていくうちにお互いの距離が縮まっていき……。
上原くんが大人っぽく格好良くて、少し幼い菜緒とのバランスが絶妙でした!天然でおとぼけキャラの菜緒に冷静にツッコミを入れる上原くんという構図が面白く、2人のやり取りに毎回癒されてしまいます!モテモテの上原くんですが、基本的に女子に興味がないクールな感じで、そんな上原くんを好きになる菜緒は非常に素直で魅力的な女の子なので、見ていて純粋に応援したくなる2人でした!いきなり一緒に暮らすことになるというドキドキの展開ですが、まったりとした癒されるシーンが多く、そんな中でたまに恋愛要素が強いシーンがあるとギャップを感じてキュンキュンしてしまいます!
紅茶王子
紅茶が飲みたくなる恋愛漫画
主人公は風早橋学院のお茶会同好会に所属する奈子。お茶会同好会に所属するのはたった3人だが楽しく活動していた。3人はある夜、月夜のお茶会を開くことにする。実は「満月の夜、その月を写したティーカップの紅茶に銀のスプーンをひとかきすると、紅茶王子がティーカップの中から現れ、ささやかな願いを3つだけ叶えてくれる」という伝説があり、それを実行してみることにしたのだった。そこでアッサムとアールグレイで伝説を実行してみたところ、本当に2人の紅茶王子がやってきた。そして、2人は呼び出した人間の願い事を3つ叶えるまでは帰れないというのだった。
この作品の見どころは、なんといっても主人公の奈子と紅茶王子アッサムの恋愛です。物語の最初の方から結構2人とも意識していて、胸がきゅんとするシーンがたくさんあります。人間ではない紅茶王子との恋愛、また魔法が出てくるお話なのですが、現実よりの生活が主なので見やすいです。もし私も紅茶王子を呼び出せたらなあと考えて楽しくなります。またアッサム以外にも、最初に一緒に呼び出したアールグレイや他の紅茶王子も出てきます。どのキャラクターもすごく魅力的でワクワクします。また紅茶のお話も結構出てきて、自分も紅茶を淹れて飲みたくなる漫画です。
ご近所物語
ご近所ラブハッピーモード
小さい頃ずっと一緒のツトムとミカコは、ヤザガクという個性豊かな服飾学園の高校へ通う高校生。いつも一緒だったツトムがナイスバディの通称バディコと付き合うことになりいく動き出します。ツトムもミカコを幼馴染みとして認識していたが、ミカコも他の男から狙われてると知り、ミカコに対する今まで抱いたことのない感情に気がつき始めます。そんな二人の気持ちは、お互いに通じ合ってるのになかなかお互い素直になれず、くっつきません。そんな二人の嫉妬ややきもちを通しながら、ミカコの周りの愉快な仲間たちの恋愛模様も垣間見れます。
ご近所というどこにでもある設定で読者を引き込みます。淡い高校生活を思い出せてくれますし、情熱的に自分のブランドを持つという明確な夢に向かって邁進していくミカコをどこか応援したくなります。高校生ならではの焼きもちもあってとても可愛らしいです。二人の恋模様がもどかしく、ご近所という近さから素直になれない部分がよく描かれていて、見ていてドキドキします。また服が個性的で見ていておしゃれでファンキーさが出てます。とても魅力的な絵力があります。ファッションやお化粧も白黒ではもったいないなと思うようなきめ細やかさがあります。
ごくせん
こんな先生いたら最高
白金学院新米教師、山口久美子。着任した2年4組はガラの悪い生徒ばかりの不良クラス。初日から生徒にバカにされ、ヤンクミと呼ばれるようになる。生徒達から嫌がらせを受けながらも顔色ひとつ変えずに授業を進めるヤンクミ。それもそのはず。山口久美子の実家は任侠黒田一家の1人娘だったのである。帰宅するなり「お嬢、御勤めご苦労様です」と若い衆に囲まれ「高校生ごときがなめんじゃねー!」とどなるヤンクミ。正体を隠す事を前提に白金学園で教師として働く事を許されていたのだ。そんなヤンクミに、生徒達には次から次へと問題が!果たして自分の正体を隠しながら、教師として生徒達を更生させることができるのだろうか?
見所はヤンクミのお嬢の一面です。ドラマ化されているのでストーリーはご存知と思いますが、原作の漫画では任侠一家側のストーリーがたくさん描かれています。お嬢とテツとミノルは、しょうもない事でいつもケンカしていたり、京さんはいちいちお嬢に過保護で涙脆い性格だったり。沢田慎を兄貴と慕う黒田一家と沢田のやりとりは毎回笑ってしまいます。もちろん事件や問題を解決に導いていくヤンクミもカッコいいですが、ぽろっと任侠言葉が出てしまうヤンクミもビシッと決まってかっこいいですよ。ぜひヤンクミの素の一面に注目して読んで欲しいと思います。
こっちむいて!みい子
笑いあり涙ありのギャグ少女漫画!
誰よりも明るくて元気なことが最大の取り柄である山田みい子。誰に対しても分け隔てなく接することができる友だち思いである一方、成績が悪かったり料理や片付けがからっきしダメなだらしない一面も……。料理はもっぱら食べる専門の食いしん坊ではあるが、身長は120cm台と小学校低学年の子どもとほぼ変わらないため、初対面の人にはたいてい低学年に間違われてしまう。そういったことが何度となく訪れるため、みい子自身も身長の低さにやや悩み気味。そんなみい子を中心に起こる日常を面白おかしく、時には恋愛のドキドキとちょっぴり切ない部分も織り交ぜて展開していく元気いっぱいのストーリー!
登場するキャラクターが皆いい人ばかりで気持ちよく読む事が出来ました!私のお気に入りはみい子の友だちである小川ゆう子です!聖母さながらの優しさや包容力が凄まじい一方で、甘やかすのではなく、みい子やマリちゃん、ケンタくんが誤った道に進もうとする所を食い止めようとしてくれるツッコミ役の一面も持っており、非常に魅力的なキャラクターでした!また、主人公であるみい子も非常に明るい性格で、読んでいるこっちが元気を貰えるようなパワーがありました!個性豊かなキャラクター達が繰り広げる日常をお楽しみ下さい!
こどものおもちゃ
子供の視点から描いた大人にこそ読んでほしい少女漫画
主人公の倉田紗南は、人気子役タレントとして活躍する小学6年生。幼い頃から劇団こまわりに入団して、映画やドラマ・バラエティ番組にも出演する売れっ子。仕事ではもちろん、学校でも人気者の紗南だが、クラスではボス猿・羽山秋人を中心として男子が暴れ、授業すらまともに受けられない事態に。かつての平和な学校生活を取り戻すべく真っ向から羽山に関わっていく紗南は、羽山の暗い家庭事情を知り次第にほっておけなくなる。一方の羽山も、紗南の底抜けの明るさに救われて心を開いていき、お互いにとってなくてはならない存在へとなっていく。
幼い頃は「紗南ちゃんのハイテンションってちょっと苦手」といった印象を受けた作品ですが、大人になってから読み返すと印象がガラリと変化しました。頑張り屋の紗南はいつも全力投球で周りの問題を簡単そうに解決していきますが、実は誰よりも繊細でか弱い印象です。物語は主に紗南の小学校~中学校時代までですが、家庭や学校、いじめ、社会問題など幅広く描かれており、羽山と出会いに始まり支え合いながら大人になっていく過程は非常に見応えがあります。自身が親になってから読むとまた違う視点から楽しめ、一生のうちに何度も読み返したくなる名作です。
ゴーストハント
ユーレイとサイキックの悪霊シリーズ
視聴覚教室で怪談をしていた谷山麻衣と友人達。最後に数を数えると一人増えていて、その一人は霊だと言われている。電気を消して数を数えた四人は、五の数字を告げる声に驚いて騒ぐ。その時、電気がついて一人の男性が入室してきた。五を告げたのは彼だったとわかり安心する友人たちの中で、麻衣は何となく嫌な感じを覚える。ニコニコする渋谷と名乗る17歳の美形男子に無邪気に話しかける友人たちだが、麻衣は渋谷の目が笑っていないことに気付いた。何かウラがあると思った麻衣は早く別れようとしたが、また怪談をする時に会うことになってしまう。翌日、早朝から学校に来た麻衣はボロボロの旧校舎が気になってそっと様子を見に行く。すると何故かカメラが設置されていて、気になった麻衣は中に入ると……。
小説が好きだったのでコミックも買ってみたのですが、漫画になるとまた印象が変わって新たな気持ちで読むことが出来ました。漫画版は麻衣さんのしっかりしているけれどかわいらしいところが強調されているように感じます。幽霊退治でイメージされる内容とは異なっていて、調査として多くの機材を使うのに改めて驚きます。そしてジョンさんの挨拶が漫画になると破壊力を増していて面白かったです!日本人形のような真砂子さんは、カメラ越しの登場シーンで幽霊なのかとビックリしてしまう雰囲気があります。麻衣さんが夢の中で見た渋谷さんの笑顔も、漫画になるとこんなに柔らかい印象になるんだなと驚きます。
桜蘭高校ホスト部
がんばれ庶民、負けるなハルヒ!
ひょんなことから入ってしまったホスト部の花瓶を割ってしまった庶民の女子高生藤岡ハルヒが、花瓶の代償としてなぜか男子と勘違いされたままホスト部員として働くことに。超お金持ちのホスト部のメンバーとは、価値観が全く違い、各面々に振り回されながらも、それぞれとの関係が徐々に変化していく。女子だと気づく部員がいたり、なかなか気づかず自分のハルヒに対する気持ちを、父と子の関係だととんでもない解釈をする部長がいたり。ホスト部のメンバーは全員強烈な個性を持ち合わせているから、自分の推しメンを見つけることもできるかもしれない。
ラブストーリーが苦手な私でもすんなり作品に入り込んで読むことができた。全体的にラブ要素よりも、圧倒的にコメディ要素が多く、冷めた目でホスト部のメンバーに振り回されるハルヒが特に好きで全巻買って読んでしまった。いまでも時々読み返しては、同じところで爆笑してしまうくらい気に入っている。ホスト部の中でも、ハルヒと同級生の双子との絡みがとても好きで、メインの環よりも、双子の方が話にはやく出てこないか期待しながら読んでいた。最後はハルヒと環が結ばれるけれど、その後もホスト部全員と良い関係が続いていて、最終話を読んでほっとした。
地縛少年 花子くん
妖怪と人間のコメディ恋愛
学校の七不思議七番目の「トイレの花子さん」、呼び出した人の願いを叶えてくれる。好きな人と両想いになりたくて、女子トイレの3番目の扉を3回ノックした八尋寧々。「はーあーい」と出てきたのは、なんと!学ランを着た、男の子の花子さんだった!!寧々の願いを叶える方法は全部健全で時代を感じるものばかり。怒った寧々は、花子くんが落とした縁結びの「人魚の鱗」を飲み込んでしまう。すると、寧々は魚の姿に!人魚の鱗は、縁結びと呼びれているが本当は二人で鱗を飲むと、飲んだ二人が同じ人魚の呪いをうけることで、特別な縁でつながるというものだったのだ。寧々の人間に戻りたいという願いを、自ら鱗を飲んで叶えた花子くん。その願いを叶えた代わりに、寧々は花子くんの助手として、七不思議が起こす事件へと立ち向かうことになってしまう!
花子くんというミステリアスでエロカッコイイキャラクターが、恋愛に不慣れな寧々を惑わせていくところは、胸のときめきがとまりません。妖怪と人間、絶対に同じ世界でずっと一緒にはいられない二人の今後の展開には目が離せません。そこに、花子くんの双子の弟も登場するのですが、そこには花子くんが死ぬ前の秘密が隠されています。なぜ、花子くんは死んだのか、なぜ七不思議の七番目の位置にいるのか、謎が多々多くてそこも大きな見どころです。また、他の七不思議の登場や、祓い屋の少年源光の活躍もぜひ見てほしいです。面白さと切なさを合わせ持つファンタジー漫画です。
12歳。
ピュアな初恋に酔いしれる!
綾瀬花日・12歳。恋はしたいけど男子はデリカシーないし彼氏はなんかまだ恥ずかしい、そんなお年頃。理想のキスなんかをお友達と話し合う年頃の花日、今日も明るく元気に学校生活を送っていた。そんなある時、リコーダーの授業で隣の席の少し大人びた男の子・高尾と共に屋上でリコーダーの練習をしていた。そこで花日は先生同士がキスをしているのを見てしまう。さらに花日は隣にいた高尾と自然とキスをしてしまう。初めてのキスをしたことで高尾を意識してしまう花日だが、当の本人は言うと普段の様子と何も変わらない。気にしているのは自分だけ?それでも、ついつい高尾を目線で追ってしまう。初々しい12歳の少女による等身大の少女漫画。
12歳という異性を気にし始める年頃の少女の等身大の姿を描いており、その初々しいやり取りは見ていて心が洗われます!少女の悩み、葛藤、恋愛など実際に経験したことがあるかのようなリアルさがあり、昔を懐かしむ気持ち、こんな小学生生活を送りたかったと憧れる気持ち、少年少女の尊い様子を慈しむ気持ち、様々な気持ちで胸がいっぱいになります。子供の頃に真っすぐに相手を好きになった気持ちを思い出し、子供から大人になるにつれて失った大事な物を思い出させてくれます。
シュガシュガルーン
2人の魔女の可愛いが詰まったファンタジーラブコメ!
魔界の次期クイーン候補の魔女、ショコラとバニラ。2人は魔界のしきたりにしたがって人間界に降り立ち、恋するハートをめぐってラブバトルを繰り広げることに!「どっちが勝っても恨みっこなし、私達はずっと親友!」と約束した2人だったが、人間界に来てみると魔界の常識とは違うことだらけ。魔界ではモテモテだった強気な女の子ショコラは人間の男の子から怖がられてしまう…。一方大人しい性格のバニラは人間界に来てみると魔界と違ってモテモテに⁉︎クイーンの座を勝ち取るために繰り広げられる魔女達の愛と友情のファンタジー魔法ストーリー!
この作品の見所はなんと言っても絵のお洒落さ!可愛いファッション、キャラクター、世界観どれを取っても安野モヨコ先生のセンス溢れる素敵が詰まった作品です。女の子なら憧れる高層マンションの屋上に住み、家の中もバスルームや家具など全部がファンシーであふれていて絵を見ているだけでワクワクできます!ショコラとバニラの性格は真逆ですが、男の子達の恋心を掴むために考え、成長していく姿がみれるのもこの作品の魅力だと思います。恋に友情に試練とさまざまな経験を通して成長するショコラとバニラ、一度見れば魅力的なその世界観にハマってしまうこと間違いなしです!
シュガー*ソルジャー
進め、強くなれ、ひよっこ戦士!
高校生になった如月麻琴はあるコンプレックスを抱えていた。それは有名読者モデルの美人な姉・莉華と比べられる事だった。その経緯から自分に自信を持てずにいた麻琴だが、高校入学を機に「可愛くなろう!」とイメージチェンジをして入学式に臨むことに。しかし……同じ新入生の入谷瞬に激突され、残念な意味で目立った入学式になってしまった。最悪の出会い方をした入谷瞬だが、彼は他のクラスメイトたちとは違い、麻琴を1人の女の子として見てくれる数少ない優しい少年だった。次第に彼に好意を抱くようになった麻琴。そんなある時、彼女の前に瞬の友人・遊佐一誓が現れる。麻琴の恋は一体どうなるのか?恋にファッションに奮闘する女子とイケメン男子によるラブコメディ!
主人公がコンプレックスを抱えていて、それを克服しようとする姿に共感しやすく、応援したくなる点が魅力的です!また、たびたび現れるツッコミうさぎによる麻琴の言動に対するツッコミも面白かったです!入谷瞬は明るく優しい少年ですが、物語が進むにつれて様々な側面が明らかになってゆき、彼が麻琴にかけるストレートな言葉にはキュンとすること間違いなしです!一方でやんちゃなイケメン・遊佐一誓や麻琴の数少ない理解者の1人である森永雨季、個性の強い白雪ななみなどが関わってくる麻琴の人間関係にも注目です!外見だけでなく内面も成長していく麻琴の姿に感動するラブコメディーです!
ショコラの魔法
人間の本性に迫る魔法ファンタジー!
ミステリアスでどこか近寄り難い雰囲気を醸し出す主人公・哀川ショコラ。ゴシック・アンド・ロリータを好んで着ているショコラは幼少の頃に愛する父の秀我が他界し、悪魔のカカオから「人の心を抽出する力」を与えられて、黒き魔女・ショコラノワールになってしまう。父が他界した後、悪魔であるカカオと共に暮らすことになったショコラだが、ショコラは常に冷静沈着で取り乱すことは極めて珍しいクールな性格!そんなショコラが開店させた「ショコラ・ノワール」には様々な悩みを抱えた人々が願いを叶えてもらうおうと今日も足を運んで来るのだった。
チョコレートにかけられた魔法によって自分の願いが叶うという夢のある設定となっており、私も「ショコラ・ノワール」のチョコレートがほしいなあと思いながら読んでいました(笑)。しかし、願いを叶えてもらう代償として自分の大切なものを奪われるというリスキーな一面があり、ファンタジー色の強い世界観とは逆に、現実的な設定というギャップが面白かったです!また、人間の奥底に眠っている汚い感情がさらけ出される描写がなんとも巧みで、少女漫画の域を遥かに超えているなと驚きました!人間の心理をよく理解していないとこんなにもリアルな表現を取り入れることはできないだろうなと感心してしまいます!
人外さんの嫁
人外さんと高校生のほのぼの結婚ライフ
日ノ輪泊は、ごくごく普通の男子高校生だ。いつも通りの日常を送っていた泊は、担任に呼び出しをされる。そこでいきなり、「カネノギ」という人外の存在の嫁になったことを告げられる。入籍も済まされ、戸惑う泊だったが、とりあえず新居で結婚生活を始めることになった。カネノギさんは白くてふわふわの不思議な生き物だった。カネノギさんの白い体毛に触れたり、ふわふわのしっぽを見たり、甘噛みされたりしていくうちに泊はカネノギさんに魅了されていく。人外さんの嫁なんて、不安しかなかったけれど、想像していたよりも幸せな結婚生活になりそうだ。
最初は人外さんと結婚することにものすごく不安を感じていた泊ですが、徐々にモフモフな旦那様の虜になっていきます。抱きついたり、甘噛みされてうれしそうにしたり、カネノギさんとイチャイチャしている姿がとてもかわいいです。また、カネノギさん以外の人外さんもたくさん登場します。嫁仲間もどんどん増えて、一緒にプールで遊んだり、花火を見たり、体育祭や文化祭などの学校行事を楽しんだり、読んでいてとても癒やされます。夫婦ごとの関係性は少しずつ違いますが、ナチュラルに夫自慢をして、のろけ話をするところは共通しており、幸せのお裾分けをしてもらっているような感覚でした。
S・A(スペシャル・エー)
両想いの二人によるじれったい恋愛模様!
華園光と滝島彗は幼馴染でありライバル関係でもある。二人が通う学校には成績上位者7名のみが入学できるS・Aクラスというものがあり、彗はトップの成績を維持し続けている。一方、光は万年2位で彗から「2位さん」と馬鹿にされる日々を送っている。光を小馬鹿にするそぶりを見せつつも、彗は内心では光の努力家な一面を高く評価していて、その思いは友人の枠を超えたものになっている。光も彗にライバル心を抱くとともに恋愛面でも彗に対し特別な思いを抱いていることに、本人は未だ気が付いていない。学園生活を通して光はことあるごとに彗に勝負を挑むが、光の恋に決着がつく時はくるのか──。
運動・勉強・芸術…あらゆる分野で彗に勝つことを夢見る光の姿が健気で応援したくなる。鈍感で天然という王道の組み合わせのヒロインではあるが、その一生懸命さは見ていていじらしくなるようなものではありません。彗は光のことが大好きでしょうがないのだが、今の関係を壊したくなくて一歩踏み出せずにいる。本当は光も彗のことが好きなのに、自分の気持ちを認めることができないというよくある展開にもかかわらず、もどかしい二人の関係性をこのままずっと見ていたいがために、こちらも結ばれて欲しいやら欲しくないやらで胸がいっぱいになります。ギャグ要素も多く周りのキャラもいい味を出しているので、全17巻ありますが最後まで楽しく読むことができます。
3D彼女 リアルガール
オタク×美女の純愛物語
冴えないオタクの男子高校生・筒井と、美女で男子からの人気は高いものの、女子からは嫌われているヒロイン・色葉が、ひょんなことから半年という期限付きでお付き合いをすることになります。始めは興味本位だったものの、お互いの純粋な一面に惹かれ合い、次第に愛情が深まっていきます。主人公の筒井は、色葉と付き合っていく中で対人関係を広げたり、学校行事に参加したり、これまで経験してこなかった事柄に一生懸命奮闘しながら進んでいきます。一方色葉は、葛藤の末、手術のため半年後に筒井の元を離れることを決断。一度は離ればなれになった2人が、7年後に再会する恋愛物語です。
まず、少女漫画において主人公が男の子であることが珍しいと思います。心を許せる友達がたった1人しかいなかった主人公ですが、恋を知ることで、彼の日常が色鮮やかに染まり、世界が広がっていくところが素敵です。また、些細なことでケンカしたり、すれ違ったりする場面も、リアルに感じました。困難を乗り越えながら、どんどん強まっていく絆が上手く描かれていると思います。恋愛することが、とても前向きに捉えられていて、人を愛することの素晴らしさを教えてくれます。主人公を取り巻く友達のストーリーもしっかりと描かれていて、感情移入しながら楽しむことが出来るストーリーです。
それでも世界は美しい
少年少女の冒険ラブロマンス!
世界中に雨が降らない「少雨化」という現象に見舞われる世界。そんな世界で唯一雨を呼ぶことができる一族の第4皇女であるニケ姫は世界を制覇した少年王リヴィウス1世・通称リビの元に嫁ぐことになる。2人の出会いは最悪だった。幼いながらに世界を制覇したリビは、相手の気持ちなどお構いなしの冷酷無情な少年王だったのです。ニケはそんなリビを変えてあげたいと雨を知らないリビのために雨を呼び、リビを暗闇から救い出そうとします。次第にリビもニケに心を許し、2人の距離が近づいていく中、実はニケには世界を変えるほどのとてつもない能力が。その力はなんのために、なぜ「少雨化」は起こるのか、その真相を知るため運命に導かれし2人の冒険が今始まろうとしていた。
物語に登場するキャラクターの個性がそれぞれいい味を出しています。王道の冒険ロマンスものだと王子様が颯爽と登場してお姫様を助けるパターンが多いですが、この物語のお姫様はかなり強めです(笑)。結構自分でなんとかできちゃいますが、時には力及ばずにさらわれてしまい、さらわれたお姫様を助けに行くのが王子様ではなくて、王様しかも少年!?というのも面白いですね。最初はかなり意地悪な少年ですが、主人公のおかげで心も体も成長していくのを読んでいて良いなと感じられる作品です。また恋愛エピソードもたくさんあり、離れ離れになってしまうことが多々あるのですが、再び会えたときにはもう涙が止まらないくらい感動しました。
ちはやふる
熱い青春かるたストーリー!
主人公綾瀬千早が競技かるたと出会い、かるたを通して仲間と成長していく物語です。小学生で千早に競技かるたの魅力を教えた綿谷新。小学生でかるたチームを組んだことをきっかけに瑞沢高校でも千早とかるた部を創設する真島太一。3人の絆を中心に、瑞沢高校かるた部を取り巻く熱い青春ストーリーが進んでいきます。部活は主に5人1組の団体戦で優勝することを目標に、全国の高校生が3年間を切磋琢磨して過ごしていきます。一方で、競技かるたの頂点(名人、クイーン)を目指す個人での目標もあり、高校3年間で得た技術や人間関係をもとに、千早たちはさらに成長していきます。
みたかったな…」と思わせてくれるような素敵な青春ストーリーだと思います。瑞沢高校だけでなく、他校のキャラクターも魅力的な人がたくさんいるため、全国大会での戦いは涙なしでは見れません。また、顧問の先生など大人たちもかるたを通して人生を楽しんでいく姿が多く描かれているので、夢を追いかけ続ける人の魅力も知ることができると思います。様々な生い立ちや個性を持ったキャラクターたちが、「かるた」を通して一つになれる姿がとても良い作品です。
天使禁猟区
禁断の兄妹愛を描いたダークファンタジー!
男子高生の無道刹那は実の妹である無道紗羅への愛に苦悩していた。そんなある日、紗羅の友人である斉木翠雀は、道で出会った不審な男から「天使禁猟区」というタイトルのフロッピーディスクを受け取る。本来地味で控えめな性格をしていた翠雀だったが、フロッピーのデータを確認した後、明るく積極的な行動をとる人物へと変わってしまった。刹那と紗羅は、翠雀の要望により三人で会うことになった。その最中、三人は天使と邪鬼の戦いに巻き込まれ、そこで刹那は自身が大天使アレクシエルの生まれ変わりだと知らされる。実は一連の事件は、アレクシエルの双子の弟ロシエルの策略によって引き起こされたものだった。紗羅との関係に苛まれるばかりの刹那であったが、前世の因果から異世界へと足を踏み入れることになる。
天使と悪魔という設定を存分に活用した作品です。作中には実際に聖書や伝承などに記されている天使や悪魔が登場するので、神話の勉強にもなります。作者は倒錯した恋愛マンガを数多く生み出した由貴香織里先生で、どのページをめくっても耽美なイラストがお目見えします。現世では苦悩の日々を送っていた主人公の刹那ですが、異世界に行っても困難の日々が続きます。刹那が己の目的のために異世界へと旅経つシーンは、前向きでありながらも、ダークな雰囲気が立ち込めています。シリアスなシーンが多く、キャラクターの心の闇や苦悩、矛盾や悲しみが緻密に描かれています。禁断の兄妹愛を描いた少女漫画の最高傑作です。
図書館戦争
鬼教官と熱血部下の独特で気になる恋バナ!
本の検閲が厳しい時代の話。高校生の時に欲しかった検閲対象の本を守ってくれた図書隊員に憧れ、図書隊へ入隊した主人公・笠原 郁。憧れの図書隊員"王子様"を目指し、まずは憎き上官を超えると不器用ながらも奮闘していく。ピンチの時に必ず現れる憎き上官を「王子様みたい」と思うようになっていく郁。実は、王子様はずっと見守り続けていたのだった。郁がその事実に気付いてから戸惑い、悩みながらも王子様としてではなく今の上官を見つめて改めて好きになっていく。難関任務の後に郁がきちんと告白し、行動で返事をもらう。そそっかしい郁と、大切に思うあまりにちょっとだけ不器用になってしまう上官とのムズきゅんラブストーリー。
タイトルに戦争と付いていたので物騒な内容なのかなと思って、しばらく避けていました。あるキッカケでこの作品を手にしたのですが、想定していたほどの物騒な内容ではなく、言論・出版についても考えさせられるラブストーリーでした。顔も覚えていない王子様の姿を求めて独力で司書資格を取り図書隊に入隊し、どんな理不尽にも耐え一直線に進む郁の姿がとても素敵でした。一方の王子様も、危険な職を選ばせるキッカケを作ったことに罪悪感を感じ辞めさせようと態と厳しくしたり、危険な時は助けたりと郁を思う気持ちが溢れていて素敵でした。ムズきゅんからの急なベタ甘展開は、何度読んでも心の中で叫んでしまいます。
となりの怪物くん
恋と友情それから将来。あなたにもきっと覚えのある青春ストーリー!
成績がすべて、それ以外のものに興味はないー…。ドライアイス、とあだ名をつけられていたほどの冷たい女、水谷雫。高校入学直後、一冊の参考書につられたばかりに学年一の問題児・吉田春になつかれてしまう。ハルは噂通りのやばいやつで、暴力は振るうし意味の分からない言動ばかり。私は勉強ができればそれでよかったのに!と悩む雫。しかし、不器用なだけで一生懸命な彼に、雫の心は動かされる。不器用な二人が、時に傷つき、時に相手の痛みを知り、心を通わせていく。人と触れ合うことで自分の心も見えてくる、人生にたった一度の成長を描いた珠玉の青春ストーリー。
なんといっても最大の見どころは登場人物たちの成長です!友人関係、恋愛それから将来に…理想はあるのになんでか現実はうまくいかない、そんな悩みを実際に抱いていた方もいらっしゃると思います。この作品の登場人物たちも一緒です。リアルな悩みに時に涙し、それでも少しずつ人と触れ合っていく中で何かを見つけていきます。一生懸命な登場人物たちを見ていると、胸がキュッとしてしまいます!登場人物それぞれの恋模様も必見です!読んでいくうちに登場人物全員を応援してしまうことでしょう…。そして怒涛のコメディと胸キュンの連続にガンガン読み進めてしまうこと間違いなし!
夏目友人帳
妖と少年の優しい時間。
幼い頃に両親を亡くした夏目貴志、夏目の目には普通の人には見えない幽霊や妖怪といったものが映し出されていた。誰にも理解してもらえず、親戚をたらい回しにされた夏目の心は暗く閉ざされていた。高校生になり、遠縁の藤原夫妻の元で暮らすようになった夏目。藤原夫妻は優しく、転校した高校でもそれなりにうまくいっていた夏目だったが、最近しつこく妖怪たちに絡まれることが多くなっていた。それには今は亡き夏目の祖母・レイコが妖怪たちと交わしたある契約が関係していた。強力な妖力を有していたレイコが遺した「友人帳」をめぐり、夏目は用心棒のニャンコ先生と共に慌ただしい生活を送っていくこととなる。
妖怪がたくさん出てくるため怖い話なのか思いきや、そうではなく、そこには優しくて穏やかな時間が流れていました。夏目は、孤独に生きていたからこそ、人の気持ちも妖怪の気持ちも考えられる優しい少年です。そして、そんな夏目を側で見守る斑もまた、優しい眼差しを向けています。どんな時でも夏目を守ってくれる斑は、とても頼もしくて、胸がキュンとします。妖怪たちの中には切ない想いを抱えたものや、哀しい過去を背負ったものがおり、夏目の優しさに触れて心を癒しいく場面は読んでいるこちらが癒されていくようです。
夏雪ランデブー
低体温ラブコメディ?
主人公の葉月亮介は花屋の店長、島尾六花に一目惚れし、花屋に通い詰めた末、ついにはアルバイトとして働くことに。葉月には闘病の末に亡くなった店長の亡き夫(今は幽霊)が見えるが、当の店長には見えない。夫の病死後、店長は新しい恋を始めることができないものの、徐々に葉月に心を開いていくことを快く思わない元夫(幽霊)。そんな中、葉月は亡き夫からの頼みで、一時的に身体を貸すことに。ところが身体を夫は全く返すつもりがないどころか、10も年下で生身の身体をもつ葉月に嫉妬し、髪は切るわ暴れ回るわの亡き夫に振り回されることに。葉月の生身の身体を戻す旅が始まる。
今どきな雰囲気の低体温・イケメン青年の葉月と、ベリーショートの髪型がボーイッシュなのに反応や性格が女の子らしく、そのわりに潔い、女性から見て「ずるい」の一言に尽きる店長の掛け合いがなんとも言えず良いです。元夫の彼も主人公へは敵意や嫉妬剥き出しで、主人公目線で出会う私達からするとびっくりする言動の数々ですが、生前の回想シーンからは、二人が思い合っていた様子も描かれ、切なくなります。また、舞台が花屋さんだけあり、主人公が店長に顔を覚えてもらうために次々と買い込んだ植物が出てくるシーンもあり(クッカバラとかこれで知りました)、観葉植物に親しむことができる作品です。
NANA―ナナ―
二人のNANAの物語
奈々は恋愛命の女の子。でも男運がないのか不穏な恋愛をしがちでほっとけないタイプ。ナナはバンドのボーカリスト。いつか売れる日を夢みているかっこいいバンドウーマン。そんな性格も全く違う二人だけど、ひょんなことから電車の車内で出会い、意気投合していきます。ある日、奈々が部屋探しをしていると、ナナも同じ部屋に内見しにきていて二人は再会します。そして二人は一緒に住むことになります。楽しい共同生活が続くと思いきや、奈々の彼氏をきっかけに少しずつ歯車が噛み合わなくなっていき、二人のNANAはすれ違っていきます。それでもお互いの思いは強く、生活の節々にNANAを思いながら物語は進んでいきます。
全く違うタイプの二人だけど、すごくいいコンビで不思議と二人一緒だと安心感を感じるようになりました。初めは、奈々は考えが幼稚だとばかり思ってましたが実はしっかり者で、毎回どうにかなっていく様子はさすがとしか言いようがありません。逆にしっかりしていそうに見えるナナの方が、本当は臆病で繊細。そして、そんなナナがいざという時にいつも頼りにしているドラムのヤス。ヤスはあまり多くは語らないけど、アドバイスが的確でとにかく優しくて紳士的で、私の理想の男性像です。いろんな出来事が重なり、二人のNANAの運命もその度に変わっていきドキドキしますが、しっかり見届けていきたいです。
のだめカンタービレ
汚部屋女子が恋をする。音楽が繋ぐ恋の物語
玄関の前でイケメンが酔い潰れて寝ていた。千秋 真一、音大のピアノ科4年で有名ピアニストの息子だ。彼が目覚めたのは、ゴミの山と悪臭とピアノの演奏の中だった。この部屋の主は、野田 恵。千秋と同じ音大のピアノ科3年。好き勝手にピアノを弾く天然不思議少女だった。この日から、野田 恵こと"のだめ"は千秋を追いかけ回す。千秋のスタイリッシュな部屋に、こたつを持ち込むなど自分の家のようにする のだめに苛立ちを感じていた。しかし、のだめ がキッカケで個性豊かな人たちと嫌々ながらも関わったり、有名指揮者シュトレーゼマンから様々なことを教えてもらったりと千秋が人として成長していく。怒りから始まったが、いつの間にか恋になっていく。そして、2人はパリに留学した。
野田恵を上野樹里が、千秋真一を玉木宏が演じたドラマの原作漫画。作中に登場するクラシックは、動画サイトで検索して聴きながら読んでいました。この漫画の面白いところは、個性豊かな人たちがテンポよく面白いことをしていくところです。読んでいるこちらも、彼ら彼女らのテンポに合わせてペースが上がっていきました。あまりにコミカルなところが多くて、のだめと千秋の恋の話でもあることを忘れかけてました。千秋を飛行機と船のトラウマから解放してパリ留学させてしまうのだめのパワーの凄いこと。あのパワーは、千秋への愛が出させたのか、不思議ちゃんパワーだったのか。
ハチミツとクローバー
優しい気持ちになれるラブストーリー
美大生たちのキャンパスライフ、そこで生まれていく恋愛を描いた作品です。主人公のはぐみは美大で個性的な学生たちと出会い、学生たちと過ごしながら作品作りに励みます。やがてはぐみは作品に情熱を注ぐ森田にしだいに憧れの気持ちを抱くようになります。はぐみは森田が気になるようですが、森田は彼女をからかうようなことをしたり、時に優しくしたりと本当の気持ちがよくわかりません。はぐみのことをかわいいと思う竹本という学生もいて、ちょっと不思議な恋の三角関係ができ上がっていきます。読むほどに恋の行方が気になるストーリーです。
作中のはぐみの言動がとても印象的でした。真剣な面持ちで作品作りをする森田をはぐみが憧れの視線で見つめるシーンは、先輩に恋しているとも受け取れました。確かに作品作りに没頭している森田はかっこよく、はぐみに共感できました。さらに屋外で竹本に接するシーンも気に入っています。虫除けの薬になる葉っぱを竹本の体に貼るようにして「こうすると噛まなくなる」と言うはぐみには胸がキュンとしました。さりげない優しさが光っていたシーンで、竹本ははぐみに恋をした瞬間だと思います。終始はぐみの言動には心動かされっぱなしでした。
BANANA FISH
「BANANAFISH」を巡る陰謀の物語
ニューヨークでストリートギャングをまとめるボス、アッシュ・リンクスは、その手下によって襲われた瀕死の男から、ある場所の住所と、「バナナフィッシュに会え」と伝えられ、最後に小さな入れ物に入った薬物サンプルを受け取った。バナナフィッシュとは、ベトナム戦争で麻薬にやられて廃人になったアッシュの兄、グリフィンがよく口にしている言葉だった。そしてアッシュはバナナフィッシュを追うことになる。そして同じ時、ギャングをまとめあげる力を持つアッシュを取材する為、カメラマンのアシスタントとして日本からやって来た少年、奥村英二と出会う事になる。
私はアニメで初めて見ましたが、おそらく、これからもずっと一番好きなアニメになると思います。アッシュは端正な顔立ちでブロンド、グリーンアイのため男性にもモテるようで、その中で精神的、肉体的屈辱を受けていた暗い過去があり、表と裏ではこんな風に違うんだな、とアッシュを思うと悲しくなりました。それでも、英二と出会った事で、アッシュはだんだん、本当の愛ってどんなものなのかを、何となく知るようになっていき、それを見ると安心して涙が出ました。後に2人は絆で結ばれた親友になりますが、試練を潜り抜けた後、それを最後に二度と会うことは叶わなくなり、辛さと切なさが胸に込み上げてきてやりにれない気持ちになりました。それでもアッシュは最後、穏やかな表情でいた事が少しの救いだったのかな、と思いました。
花より男子
媚びない女・牧野つくしの夢物語!
お金持ち高校生とボンビーガールの牧野つくしの学園生活、貧乏というよりも入学先の学園の生徒が成金すぎる!そんな格差の大きい学園に通うことになったツクシ、もちろん浮いた彼女はいじめのターゲットにされてしまい、ついにF4を敵に回すことに。そんな戦いの日々のなかで道明寺司がつくしに惚れてしまうことからいじめも一転します。つくしと司のちぐはぐな関係がスタートするのです。身分格差からお互い理解しあえない暮らしぶり、考え方の乗り越えて2人は徐々に関係をちじめていくことに。
多くの障がいを乗り越えて本物かどうか気持ちを温めてゆくストーリーです。
財閥に好かれるボンビーガール。つくしの置かれた立場は女子にとって誰もが夢物語に近く、愛読者の女子の好奇心をくすぐります。もしもわたしだったら??という妄想を描きながら、楽しめるドタバタ劇です。つくしと司、2人がゴールインするまでに多くの試練が待ち受けています。そんな試練に立ち向かう2人のたくましさ。つくしのたくましさは少女漫画では例の見ないキャラクターでしょう。財閥に好かれても一切女として人間として媚びない女、そんな強い人間、牧野つくしのキャラクターが良い。彼女だからこそ共感でき応援し、愛読もしたくなるというものです。
Paradise Kiss
華やかなファッションの世界を舞台に繰り広げられる甘くほろ苦いラブストーリー
進学校に通う平凡な主人公の紫はある日たまたま出会ったファッションの専門学校・ヤザガクの学生実和子たちに自分たちのブランド・パラダイスキスのモデルとしてファッションショーに出てほしいとスカウトされる。ファッションも個性的で奇抜、勉強一筋で生きてきた紫とは見た目も価値観も違う彼らを馬鹿にした目で見ていた紫だったが、交流を深めるうちに自分の目標に向かって真っ直ぐに生きる彼らに惹かれていくのであった。そして彼らのブランドの中心人物であるデザイナーのジョージとぶつかりながらも深い恋に落ちていく。彼らは卒業を前にしてどのような選択、決断をしていくのか!?ファッション業界を舞台に、大人になりきる前の高校生の繊細な心情を描く人生の決断と恋の物語。
華やかなファッションの世界に知識ゼロの状態で飛び込んだ紫を中心に、物語の軸となる登場人物がそれぞれの決断をして出会い別れを経験して大人になっていく。純粋なハッピーエンドではないけれど、子供から大人になる過渡期に全力で自分と向き合う心理描写がとても丁寧で、大人にこそ響く青春ラブストーリーを超えた成長物語です。また主人公紫と恋人のジョージの恋模様以外にも実和子と嵐、浩行の幼馴染三人の絶妙な三角関係も必見です!そしてとにかく物語に登場するファッションが美しく豪華!同作者のご近所物語に登場したキャラクターも成長した姿で登場するのでそちらを見たことのある方にはさらに楽しめる作品だと思います。
美少女戦士セーラームーン
意外と知らない!セーラームーン原作の面白さ!
中学2年生のドジで泣き虫な月野うさぎは、ある時、不思議な黒猫に出会う。三日月マークの黒猫ルナは月野が選ばれし愛と正義のセーラームーン戦士だと告げる。セーラームーン戦士へと変身することができた月野は黒猫ルナと共に仲間達を集めてプリンセスを探すことに。前世や未来を受け入れて成長していく月野、そんな彼女の前に立ちはだかる強敵達、月野は敵を打ち倒し勝つことが出来るのか?!
アニメが有名なため、漫画原作が思っているより重たいエピソードを扱っていたり意外とグロい敵が出てきたりしてビックリしました!しかし、そこが非常にリアルで「光と影はひとつ」といったように単純な話ではなく誰しもが心に抱える闇や影を扱っており、非常に考えさせられるストーリーとなっています!実はレイちゃんの性格や設定が若干異なっていたり、敵が可愛かったりとアニメでは扱いきれてない事も多く描かれており、アニメとは違った楽しみ方ができます!何よりも原作の竹内直子先生の絵が綺麗で、どのキャラクターも生き生きとしています!ひとつひとつの出会いや別れ、性格や外見など全て宇宙や星、宝石と関わりがあって導かれていくところが神秘的で面白かったです!
ふしぎ遊戯
壮大な恋愛ファンタジー
主人公である夕城美朱は明るくてちょっぴりドジな受験生の女の子なのですが、ある日図書館で不思議な本を見付けます。親友の本郷唯とこの本を読んでしまい、気が付くと現代の日本とは違う異世界に飛ばされてしまいます。どうやらそこは古代中国のようでした。そこで美朱は運命の人である鬼宿に出会います。本の中の人物だと知りつつも、どんどん鬼宿に心を惹かれていく美朱。元の世界に帰りたいという願いを叶える為に朱雀の巫女になり、朱雀七星士を探す旅に出ます。しかし、親友であった唯ともすれ違いが生じて敵対関係になってしまいます。美朱は元の世界に帰ることが出来るのか、唯と和解することが出来るのか、そして鬼宿との恋の行方はどうなってしまうのか。
とにかく色々な要素の詰まった作品です!恋愛・友情・戦いなど飽きることが一切ありません!美朱と鬼宿との恋愛シーンにはキュンキュンします。そして、何と言っても世界観が本当に素晴らしいです。古代中国という世界や朱雀や青龍といった聞きなれない言葉でしたが、この漫画を読んでそういうことにも興味を持つようになりました。キャラクター達もみんなキャラが立っており、涙なしには見られない展開や、予想をしない展開など続きが気になって仕方なかったです。現実的ではないストーリーですが、それが本当に面白くて、よくこんなことが思いついたなと感心します。
フルーツバスケット
秘密が織りなす学園ラブストーリー。
主人公の本田透はすでに両親が共に他界しており、祖父の家で養われていた。その後、高校生になり遠回しに家を追い出された透は頼れる所もなく山にテントを張り生活を送っていた。しかし、その土地はクラスで人気者のイケメン男子・草摩由希が住む草摩家の敷地内で、そのまま草摩に見つかってしまう。草摩家のご厚意から家に居候させて貰うことになった透だが、透はそこで草摩家の一族に続く秘密を知ってしまう。なんと彼らは異性に抱きつかれると十二支と同じ動物に変化してしまうという特殊体質を持っていた。本来なら秘密を知ったものは記憶を消されてしまうのだが、透は家事を条件に草摩家で過ごすことになり……。
人が動物に変化すること以外はごく普通の日常が描かれており、透の学園生活などでは身近に感じることも多々ありました。また、草摩家に生まれたことで悩みを抱える彼らに、純粋な透がそっと寄り添うことで気持ちに変化が生まれる描写が印象的です。自分自身が嫌いと感じたり、大切な人には自分が犠牲になってでも幸せになってほしいと思うことは共感できる人も多いと思います。そんな自分を否定せず、自分の良い所を見つけてくれたり、自分が一番言ってほしい言葉をかけてくれる透の言葉にとても感動しました。そんな優しい言葉があふれた作品です。また、草摩家の人々の動物姿も非常に可愛いのでお楽しみに!
ぼくの地球を守って
輪廻が織りなす壮大なSF少女漫画!
主人公の亜梨子は植物と交信ができる能力を持つ変わった女子高生。そんな亜梨子はある時、誤ってマンションのベランダからイタズラ好きの小学生・輪を転落させてしまう。意識が戻らない輪の回復を祈り続ける亜梨子。一方で、輪は亜梨子の祈りによって引き出された前世の記憶を夢の中で思い出していた。無事に回復した輪だが、亜梨子は自分以外にも同じような夢を見ている人がいることを知り、仲間を集め始める。何故自分たちは同じ夢を見るのか?自分たちが夢の中で見たものは何だったのか?自分達が何者かを知ったとき、彼らの壮大な物語が幕を開ける!
少女漫画とは思えない壮大なストーリーに圧倒されます!前世や輪廻、宇宙や超能力といったSF要素が詰め込まれおり、緻密に練り込まれた設定には素晴らしいの一言です!初めは物語の走り出しということで展開も抑え気味で、絵の描写も癖のあるものとなっていますが、物語が進む度にストーリーが盛り上がっていき、絵の描写もドンドン綺麗になっていきます!また、前世の記憶が明らかになっていくと共に恋愛も白熱していき、生まれ変わりが織りなす恋愛は非常に綺麗でした。結構前に出版された作品ですが、今読んでも心にも響く不朽の名作です!
僕等がいた
展開に思わず引き込まれるラブストーリー
主人公の七海と彼女の同級生の矢野との恋を綴ったラブストーリーです。七海は矢野と付き合っていますが、明るい七海に対し彼はどこか影のある人物として描かれています。矢野には忘れ難い過去があり、その過去を引きずってストーリーが進んでいきますが、やがて過去の出来事が明かされていきます。過去にはこれまでの矢野の恋愛が絡んでおり、これは後に七海との関係にも影響していきます。作中では高校生時代から社会人生活までが描かれており、かなり長編になっています。年月が流れるとともに変化していく七海と矢野の関係からは目が離せません。
長編漫画なのですが、矢野の過去、七海と矢野の関係が気になって一気に読んでしまうほどでした。読んでいる時間がとても楽しく、読み終えた後はしばらくロス状態になりました。矢野の過去では同級生の山本さんの姉と付き合っていたこと、さらに山本さんとも関係を持っていたことはかなり衝撃的でした。七海との関係を脅かすような過去があったものの、七海と矢野は幸せなラストを迎えることができて心からほっとしました。終盤で社会人になった七海と矢野が仲良さそうに朝を迎えるシーンが大好きです。最後まで二人を見守って良かったと思えました。
ホリミヤ
一冊読めばあなたもホリミヤファンに!
クラス一モテる美人の堀京子(ヒロイン)と、見た目が陰キャで根暗の宮村伊澄(主人公)が織りなす超微炭酸日常系ラブコメディ。一見派手な見た目の堀ですが、プライベートでは弟の面倒をみたり、家事をしていたりと主婦のような女子高生。毎回友達からの誘いも断り弟の迎えに行くなど、遊ぶ時間がほとんど無いにもかかわらず親に対しては文句を言わず。一方宮村は学校以外ではピアスにタトゥーとかなり派手な格好。お互いに学校での様子からは想像の付かない彼ら。しかし、とある理由から学校の外でばったり出会い、秘密の関係が始まります。2021年1月からテレビアニメ化もされており、注目の人気作品です。
ホリミヤではただ美男美女だったり、理想の甘酸っぱいシチュエーションがおおかったりする一般的な恋愛漫画と異なり、リアルな人間性や恋の駆け引き、友情関係が描かれているため、読んでいると、つい「うんうん」と頷いてしまうシーンが沢山出てきます。また、ホリミヤのいいところは、どのキャラクターも憎めないということ。どの恋愛漫画も気に入らないキャラの一人や二人はいるのが常であるような気もしますが、ホリミヤは読めば読むほど全てのキャラに愛着がわいてきます。ホリミヤには主人公とヒロイン以外にもも数々のカップルが登場するので、是非お気に入りのカップルを見つけてみてください。
本好きの下剋上
本のためなら何でもやってしまうマインがすごい
現代を生きていた本須麗乃は本が大好きな女性です。しかし、彼女は図書館への就職が決まった日に不慮の事故で亡くなってしまいました。ですが、彼女は異世界の時代へ転生し、一般庶民の娘、マインとして生きていくことになりました。彼女が住んでいる都市は貴族に支配されていて、厳格な身分制度もありました。転生しても彼女は本須麗乃の時の記憶を持ち続けているので、まだ幼いマインですが、大人顔負けの話し方をし、物知りです。この時代は本はとても貴重で高価なもので、一般庶民は読み書きができませんでした。病弱ですぐに高熱を出してしまう彼女でしたが、本を思いっきりたくさん読みたいと言う強い願望がありました。そこで彼女は本を読むために、あらゆる行動をしていく物語です。
主人公のマインはまだ子供ですが、中身は大人の女性です。そのため、彼女の発言は大人顔負けですし、ビジネスにも長けていました。彼女が転生した時代は中世のようなので、今よりも文明が進んでいません。そんな中で、今の時代の文化を紹介していく彼女を周りの大人たちは神童だと思っていたようです。マインは庶民の娘として育っていきますが、病弱で、すぐに高熱を出してしまいます。その理由が後に分かりますが、彼女はとにかく本が読みたくて仕方がありませんでした。転生前は図書館司書になろうと思っていたくらいなので、やはり本の読めないこの時代は彼女にとっては耐えられなかったのでしょう。本が無ければ作ってしまえばよいと言う彼女の考え方は凄いと思いました。
ママレード・ボーイ
イケメン兄弟とのドキドキ生活!
主人公のミキはどこにでもいる普通の女の子だが、ある時、両親が離婚し、各々別の人と結婚すると言われてしまう。しかも、離婚して直ぐに全員で一緒に暮らす奇想天外な展開に戸惑うミキ。もう決まったことだからと言われ、しぶしぶ了承するミキは同居の日を迎えることとなるが、同い年の男の子・ユウが兄弟として紹介され、その格好良さに不覚にもドキッとしてしまう!しかし、ユウは見た目の良さとは裏腹に意地悪な一面があり、ミキをからかってばかり。それでもミステリアスで優しい所があるユウにミキは少しずつ惹かれていく。しかし、そんなミキとユウの二人には波瀾万丈な運命が待ち受けており……。
この漫画は、ユウとミキの恋の行方だけでなく、昔ミキが片想いしていたギンタ、ユウの元彼のアリミが二人の関係に関わっていき、四角関係になっていく様子が見所です!しかし、ドロドロしていたり嫌がらせとかはなく、登場人物の皆がいい人で各々の気持ちに共感してしまいます!。ミキの親友のメイコとナムラ先生の禁断の恋もドキドキします!穏やかな日常が描かれていますが、後半はまさかの展開に非常に驚きました!ユウとミキの二人がどうか幸せになってほしいと願わずにはいられません。高校生の方から大人の方まで胸がじんわりと温かくなって幸せな気持ちになれる作品です!
ラブ★コン
キレッキレの大阪弁少女によるラブコメディ!
170cmという高身長に悩む女子高生、小泉リサは、同じクラスの小柄な男子・大谷敦士と喧嘩ばかりしている。お互いが「巨女・チビ」と夫婦漫才のように罵り合ってはいるが、音楽の趣味が同じだったり、遠慮なしに話ができる異性の友達でもあった。失恋や季節のイベントを通じ、リサは徐々に大谷の男らしい態度に惹かれていく。気持ちに気づいた後は、友達の助けも借りて、リサは何とか大谷に自分の気持ちを伝えようとする。しかし、鈍感な大谷は全く気付かず…。果たしてリサの思いは大谷に届くのか?また、リサや大谷に恋する伏兵も現れ、物語はさらにヒートアップ!青春を等身大で感じられるラブコメディ。
大阪が舞台になっており、終始漫才のようなテンポ良いセリフがギャグ要素もあるラブコメにぴったりな作品です。憧れの遠い人より身近な思いやりのある男性、ちょっと理想とは違うけど、それでも好き!という、ラブとコンプレックスとの融合が、凸凹コンビのリサと大谷の魅力をさらに引き立てます。高校一年から三年生、そして進学と、毎年毎年のイベントと恋の進捗が丁寧に絵が描かれるので、読者がリサと一緒に泣いたり笑ったりできる作品です。「キュン死に」などの流行語の語源になった作品とも言われており、その独特の言語感覚も要チェックです。
ヲタクに恋は難しい
筋金入りのヲタクに恋は出来るのか!?
隠れ腐女子の桃瀬成海は転職先で幼馴染の二藤宏崇(重度のゲームヲタク)と再会。危うく転職先でヲタバレするが、なんとか危機を回避。腐女子ばれをきっかけに彼氏と別れた成海だったがゲーム、残業、さらにコミケの売り子同伴可など、まあ、なんやかんやで宏崇と付き合うことになる。しかし成海は擬態してきた隠れヲタク、素の状態でお付き合いをしたことがない。宏崇もゲームばっかりで付き合ったことがない。不器用なヲタク同士の恋はかなり難しくて…。腐女子、漫画描き、ゲーヲタ、コスプレイヤー、浅く広くなライトヲタ、濃ゆいヲタクたちによる、爆笑必須のラブ?コメディ!
ヲタクあるある満載。ヲタクなら大体どれかに共感できるし当てはまる。ヲタクじゃなくても笑えるであろう面白さがある。突然のドラクエ演出、かと思ったらとんでもない少女漫画演出。元ネタがわからなくても大丈夫な仕様になってます。成海ちゃんは宏崇に対してのみ鈍くなるので全力で宏崇を応援中。頑張れ。職場の先輩、樺倉先輩と花ちゃんは大丈夫です。くっついてるから大丈夫です。ヲタ恋は女性陣のヲタク濃度が高いですがヲタク的には女性陣の言動に共感しかないんですよね。男性陣はあんまりヲタクっぽい言動はしてないです。でもヲタクです。かっこいい、いい男が見たい人は樺倉先輩をオススメしておきます。彼はいい人でいい男。ゆっくり進む恋愛と、激しいヲタク脳のギャップに笑う事間違いなし!
最後に:アニメ化された少女漫画
少女漫画の中でも王道中の王道で、青春を全身で感じることができます!
気になる作品があれば是非チェックしてみて下さい!