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「大人買い・まとめ買い」にオススメの少女漫画100選を一挙に紹介!

2021年7月11日

こんにちは、みけさんです!

今回は「大人買い/まとめ買い」にオススメの少女漫画を紹介していきます!

「まとめ買い/大人買い」にピッタリの名作揃いの面白い少女漫画ばかりを集めてみました。

また、比較的巻数の長いものを集めており、読み応えのある作品ばかりとなっています!

どの少女漫画も被ることのない独創的なストーリーとなっており、一度読み始めると手が止まりません!

少女漫画を「まとめ買い・大人買い」したい気分の方は是非参考にしてみて下さい。

それでは、行ってみよう!
【2022年版】人気おすすめ女性漫画100選!大人の女性の魅力がタップリ!

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「大人買い・まとめ買い」にオススメの少女漫画100選

青空エール

みんなの夢を応援したくなる!

小学生の頃、テレビで白翔高校のブラスバンド部が甲子園で応援しているのを見てから、それに憧れていたつばさ。高校は白翔に入学し、ブラスバント部に入ります。名門の白翔高校には初心者はほどんどいない中、つばさは初心者でトランペットを始めます。周りからも無理だと言われ続け、ネガティブですぐに落ち込んでしまうつばさを、いつも励ましてくれるのは、同じクラスの野球部の大介くん。大介くんは甲子園でプレーすること、つばさはアルプスから野球部の応援をすることを目標に、ふたりで励まし合いながら、一緒に甲子園を目指します!

ネガティブですぐに泣いてしまうつばさを、いつも前向きに励ましてくれる大介くん。ふたりで励まし合っている姿がとてもステキです!同じ目標を持っている仲間だと思っていたふたりですが、お互いに好きな気持ちに気付きながらも、目標をかなえるために関係をそのままに、でも今まで以上に応援しあい、成長していく姿が本当に青春っていいな!と思えます。吹奏楽部や野球部の仲間も、クラスメイトもステキな子ばかりで、こんな高校生活を送りたかったと思いながら、みんなの成長を楽しめました。何度も挫折しながら、少しずつ夢に近づいていくふたりを応援したくなるステキなお話です。

 

アオハライド

思春期特有の感情や思いが爆発!

主人公・双葉は高校1年生。双葉は、中学の時に好きだった、田中君という男の子のことを未だに忘れられず、引きずっている女の子。ある日双葉は、高校で同じクラスの女友達と共に廊下を歩いていると、田中君そっくりの男子を見かける。すれ違った男子は、背格好も、声も、田中君とは全然違う。でも双葉は、何故か彼が気になり、後を追いかけることにする。しかし彼は、同級生たちから「馬淵」と呼ばれており、双葉は「田中君じゃなかったみたい。彼に声をかけなくて良かった」と思う。しかしその日の帰り道、例の「馬淵」と地元で出会う双葉。馬淵は、とある神社に立ち寄る。その神社は、双葉が昔田中と雨宿りをした神社だった。

とても美人で友達想いな主人公・双葉がとある事件をきっかけに、わざとガサツな女の子を演じるようになる。しかし、双葉は恋をしてから、シャンプーを変えてみたり、化粧を始めたり、少しずつ女の子らしくなっていく。その過程が、見ていてとても楽しい。高校2年生に進学した双葉の新たな友人、牧田や村尾も、はじめは双葉とは共通点が皆無で、全然仲良くなれない。しかし、高校でのオリエンテーションをきっかけに、段々と絆を深めていき、やがて大切な仲間となっていく。まさに青春を丁寧に描いている良作だ。是非沢山の人に読んで欲しい少女漫画だ。

 

赤ちゃんと僕

2歳児の赤ちゃんとお兄ちゃんによる心暖かい成長物語!

交通事故で母親を亡くした拓也は残された父親と幼い赤ちゃんの3人で生活を送っていた。父親は優しいけど仕事で忙しいため、拓也は2歳の弟である実のお世話を一人でしていた。同級生の友達たちが遊んでいる中、拓也は送り迎えから身支度まで実を中心とした生活を送っていた。お兄ちゃんだからと自分の時間を我慢して弟の世話をする毎日だが、それでも泣き止まない実。そんな毎日に嫌気がさしそうになる拓也だが、実のお世話をしていく中で徐々に実の可愛いさに引き付けられていく。優しいお兄ちゃんと無邪気で可愛い2歳児、二人の心温まる日常生活。

優しくてカッコイイお兄ちゃんは見ているだけでニンマリしてしまいますし、赤ちゃんに対して抱く感情はとても共感できる所が多いです。家ではお母さん代わりに赤ちゃんの面倒を見ていますが、時には小学生らしく友人達と遊んだりと、色々な経験を経て成長していく様子には感動してしまいます。パパとの関係も素敵で、よくこんなにいい子に育ったなあと感心してしまいます。また、絵の描写も非常に可愛く、赤ちゃんの手足の短さやよちよち歩きなどがとても可愛らしく表現されており、読んでいて非常に癒されます。

 

綾。ホステス、18歳。

ちょっとほのぼのしたキャバクラの裏側が魅力

主人公・直子は大学生。居酒屋でアルバイトをしていますが、収入にはいまいち不満をいだいていました。そんな折、直子はキャバクラのスカウトに出会います。その時給に驚く直子。周りの友人は止めますが、直子は面接へと向かいます。無事採用され、源氏名「綾」となってキャバ嬢に。しかし、お客さんを見送ったときにキスを要求されるなど、かなり仕事内容に衝撃を受けます。なんとかそれにも慣れ、様々な客との出会いで少しずつ成長していく綾。やがて綾は店長に惹かれていき、想いあう仲になります。しかし、水商売の世界でホステスと男性従業員が付き合うのはご法度。キャバクラの世界と、綾の恋が絡められて物語が進んでいきます。

綾が働く店・M&Hのほのぼのとした雰囲気が魅力的です。店長もどこかとぼけていて笑ってしまうこともしばしば。お客さんのシリアスな部分など、物語の明暗が巧みに表現されています。作中でも触れられていますが、この世界はキャバ嬢の入れ替わりが激しいとのこと。しかし、M&Hは女の子の定着率が高いのです。それが顕著に描かれているのがM&Hの親会社が新たに開店した、別店舗のお話。綾は店内恋愛禁止に限界を感じ、そこへ移るのですが全く違う雰囲気のお店でした。息抜きにM&Hに訪ねるとバカバカしくも微笑ましいイベントが開催されていたのです。新店舗の店長・神谷の考え方と、M&Hの店長のそれとの違いも描かれています。この辺りが本作の注目ポイント。各巻の後書きにある、作者と担当さんのやりとりも面白いです。

 

&(アンド)

働く独身女性なら共感できる恋愛

薫は派遣の医療事務として働いている26歳・独身。派遣社員としての行き詰まりも感じ、また夢だったネイルサロンを開業しようと奔走し始める。開業先の場所を探し回っていた時に、偶然大学の後輩だった「シロちゃん」と再会する。サークルも大学も途中で辞めた薫のことが好きだった城田は、ひそかに再び恋をする。薫はというと、医療事務で働く病院の医師、矢飼が気になっていた。人に触られるのが苦手、そう思っていた薫だが、矢飼には自分から触れたいと思う。この恋を育てていきたい薫と、自分を裏切ったかつては大事な女性だったひとを抱える矢飼。恋愛初心者でありかつ結婚適齢期の独身女性と、恋愛を諦めた中年外科医師の切ない恋愛模様。

一言でいうと「切ない」です。切なすぎる運命なのです、薫と矢飼先生が。初めて触れたいと思った相手が、複雑すぎる人生を背負った矢飼なのがつらいです。もっと辛いのは矢飼先生。でもこの人は、背負わなくても良いものを、自分の罪悪感から全部ひとりで背負おうとしています。それなら恋愛なんぞするな!と怒りたくなりますが、しようと思っても出来ないのが恋愛、したくなくてもしてるのが恋愛です。仕方ないのかもしれないけど、一人で生きていく覚悟を決めていたのに、愛したいと思う女性が目の前に現れてしまった。二人で一緒に背負えばいいじゃない、という人もいるかもしれないが、抱えているものを降ろせばよいのではないかと思う。自分で自分の首を絞めているようで痛々しいです。また何年後かに自立した薫と再び恋愛してほしいと願います。

 

イタズラなKiss

押して押して押しまくる、一念岩をも通すのド根性ラブコメ

相原琴子は高校の入学式で、王子様のような理想の男子に一目ぼれしてしまう。頭もよくルックスも端正なその男子は、周囲からも天才と評判が高い、入江直樹君だった。学校のクラス編成が成績順のためになかなか接点が持てずにいたが、3年生になり、琴子は思い切って入江君にアタックする。しかし、思った以上の入江君の冷たいリアクションに琴子は愕然とする。そんな中、琴子の父が新築した家が地震で倒壊。父の友人を頼りに仮住まいに転居することになる。ところがその仮住まいは、琴子を振った入江君の家だった。気まずさと期待が入り混じる中、家族ぐるみの付き合いを通じて様々な事件が勃発する。

つれない態度の入江君に「これでもか!」とアタックしまくる琴子のど根性がとにかく凄い作品。時折やはり多少くじけてしまい、もう入江君をあきらめてしまおうかと思うと、入江君のほうが期待を持たせるような行動に出てきます。そのため、やっぱり琴子は押すのをやめられないという、一途の代名詞のようなストーリーです。また、琴子と入江君が真逆の性格のために、お互いが不足している部分に気づかされるという人間的な成長も魅力的。琴子の友達や、入江君の弟の裕樹など、琴子の周囲の人たちのラブストーリーも胸にグッとくるシーンが多く、見どころがたくさんある作品です。

 

一週間フレンズ。

清い純愛ストーリー

いわゆるお人好しでどこまでも純粋な性格をしている主人公の長谷祐樹。そんな長谷は、クラスメイトである藤宮香織のことが気になって仕方がなかった。少しでも近づけたらとあれこれ行動に移してみるものの藤宮はいつも煩わしそうな態度を見せるだけで一向に心を開いてくれない。嫌われているのかと思いきや、それには深刻な事情があったのである。なんと藤宮は、友だちに関する記憶を1週間しか保つことができない特殊な体質だったのだ。その驚愕の事実を知った長谷は、それでも尚藤宮と仲良くなろうと奮闘する。そして、その長谷のひたむきな努力によって藤宮の心は開かれていく。

ここまで清い心を持っている高校2年生が現実にいたら、戦争なんて酷いことは全てなくなって世界中が平和になるだろうなと思いました。控えめに言っても長谷くんと藤宮さんが尊くて、交わされる言葉一つにしても微笑ましさ満載でした。2人から発せられる空気はある意味神聖さを孕んでいて、誰であってもそれを壊してはならないと思いました。そして、そんな微笑ましい2人に胸をときめかせている一方、桐生くんと沙希ちゃんの凸凹コンビにもたまらない気持ちにさせられました。個人的には、沙希ちゃんが「桐生くんのために流す涙は惜しくない」と言ったシーンが好きすぎて何度読み返したか分からないくらい読みました。どうぞ永遠にお幸せにと直接伝えたくなりました。

 

嘘解きレトリック

「人のウソが聞き分けられる」少女の探偵劇!

時は昭和初年、人のウソを聞き分ける能力を持った少女・浦部鹿乃子は、その力のせいで疎まれ、生まれ故郷を出ることに。辿り着いた九十九屋町でぐうたらな貧乏探偵・祝(いわい)左右馬と出会い、その能力を買われて探偵助手の職に就くことに。方々に借金を作っては踏み倒しているだらしない左右馬だったが、その推理力はピカイチで数々の難事件を解決していく!そんな左右馬に憧れを抱きながらも、人の嘘と向き合うことで葛藤する鹿乃子。一方の左右馬もその頭の良さで邪険にされた過去があり、誠実な鹿乃子に心を開くようになる。2人はそれぞれ自分の能力に悩みを抱えながらも、次第にお互いを信頼するようになり、生きるとは何かを知るのだった。

鹿乃子は着物におかっぱ眼鏡という非常に地味な女性で、かつ能力を卑下して暗い性格だったのですが、九十九屋町での様々な出会いを通じて、自分の正義感や能力に正面から向き合うようになる様子には非常に感動しました。一方の左右馬も推理能力が高すぎるが故に周りに疎まれて、自己防衛のためだらしない性格になってしまったというのがとても悲しかったです。彼らのもとにやって来る数々の難事件も、左右馬が非常に分かりやすくカラクリを説明してくれるので読んでいてとても分かりやすかったです。鹿乃子と左右馬の関係性が次第に進展していく様も読んでいてとてもドキドキしました!

 

うわさの翠くん!!

女は強い

趣味や特技、好きな言葉は「サッカー」とサッカーを愛してやまない主人公の山手翠。常に明るく無邪気な性格で、誰に対しても救いの手を差し伸べてしまうかなりのお人好し。そんな翠は、自身にサッカーの楽しさを教えてくれた初恋の相手である氷野司に数年の時を経て再会を遂げる。将来結ばれることを信じて疑わなかった翠は、司に初めてを捧げることになる。しかし、後にそれが司のお遊びであったことを偶然知ってしまう。その報復として翠は、大好きなサッカーで司に勝つことを決めて、髪型や髪色など容姿をすっかり男の子に変えて男子校である青葉三高へ入学する。

翠ちゃんの圧倒的な心の強さに幾度となく驚かされました。私だったらまず遊ばれていたと知っても決して復讐のために行動をすることはないだろうと思いました。1人で都会に出るだけでもかっこいいし、何より男子校に入学してしまうというのが本当に凄まじいなと感心しました。それだけの熱意を持って何かに打ち込めるのは、人として尊敬したいなと心から思いました。たとえ目的が復讐であっても、ひたむきに努力してサッカーの技術を向上させようとする翠ちゃんは凄く素敵で心をうたれました。また、どんな酷い相手であっても助けてしまう根っからのお人好し体質も最高に好きでした。

 

おいしい関係

明るく元気な百恵が頑張るグルメストーリー

主人公・百恵は元気いっぱいのお嬢様。しかし、父が突然亡くなり、その結果父が経営していた会社も傾いてしまいます。これまで住んでいた家から引っ越し、母とのふたり暮らしが始まるのですが……。実は百恵も母もお料理ができません。グルマンだった父を持つ百恵もまた舌が肥えていました。レトルトの食品を食べたところ、余りの不味さに驚いてしまいます。そしてなにより切実なのは日々の生活費。ある日ふと立ち寄ったレストランで、百恵は衝撃的に美味しいコンソメスープに出会います。百恵は思い切ってそこで働きたいと申しでるのでした。

登場する料理がとにかく美味しそうです。百恵が働き始めたのは小さなお店「プチ・ラパン」。小さな飲食店特有の悩みなども描かれているのがいいです。そこではオーナーもシェフですが、メインのシェフは雇われの織田さん。彼はかなり尊大な人物でしたが、百恵と出会ったことで少しずつ変わっていきます。登場人物が非常に多く、どの人物も魅力的。個人的には百恵の恋のライバルとなる可奈子さんが好きです。パーフェクト美女にみえる彼女。しかし、その裏側にある人間味が大変リアルです。百恵は全く料理ができない状態でお店に就職。しかし、繊細な舌で味を見極め、少しずつ成長していくのも見どころです。

 

王妃マルゴ

中世を愛と官能に生きた王妃のビルドゥングス・ロマン!

16世紀フランス、王アンリ2世と正妻カトリーヌの間に生まれた王女マルグリット・ド・ヴァロワ(マルゴ)は、幼少期より生き生きとした美貌と官能性を表し、兄たちは魅了され、宮廷の大人は誹謗中傷し、母は末恐ろしいと警戒した。「清く正しく」育てられたマルゴだったが、初恋の美男の幼なじみ・ギーズ公と密かに愛し合い極秘に男の子を出産。しかしギーズ公は政敵のため別れさせられ、ナヴァルの王子アンリ(後のアンリ4世)と政略結婚させられてしまう。初恋に敗れ、愛を求め何人もの男を相手に官能を開花させ、ますます美しくなっていくマルゴ。王女という立場をもろともせず、自由に自分に誠実に、ただ愛のために、中世という乱世の時代をしたたかに生き抜いていく…

史実に基づいたフィクションであり、歴史を見ると物語の結末はすでにわかっているのですが、なぜその物事(サン・バルテルミの虐殺など)に至ったのか、それにともなう人物たちの心の動きなどが細やかに描かれていて、最後まで楽しく読めました。ギーズ公一筋の「清い乙女」が、なぜ溢れ出る官能のまま、何人もの男に身を任せる女性に変貌したのか。愛の対象を求めるため、時には自分の身を守るためでした。マルゴ以外にも保身のため「身体を張る」(なんとしても王の子どもを産みたい!とか)女性たちは何人も登場します。この時代の女たちの戦いも、とても興味深かったです。

 

オオカミ少女と黒王子

オオカミ少女は真っ直ぐ一途な女子高生!

主人公・篠原エリカには自分の見栄のために嘘をついてしまう悪いクセがある。高校に入学した花は新たな友達作りで、恋愛経験のない自分には畑違いなギャルグループに入ってしまう。会話の話題は彼氏の事ばっかりで、恋愛経験のないエリカは彼氏がいると嘘をついて有りもしない恋愛話で話を合わせていた。そんなエリカだったが恋愛経験がないために彼氏がいることを徐々に友達から疑われることに。焦ったエリカは街で見かけたイケメンを思わず盗撮してしまい、そのイケメンの写真を見せて彼氏だと嘘をついてしまう。しかし、その写真のイケメンは同じ学校に通うモテ男・佐田恭也だった?!恭也に嘘がばれたエリカだったが、佐田の優しい笑顔にほだされて理由を話して彼氏の振りをしてほしいとお願いする。彼氏の振りをしてもらう事を了承してもらい喜んでると……「じゃあ3回まわってお手からのワンだな」。実はこのモテ男の正体は根っからのドS王子で……。

佐田のドSっぷりは少し引いてしまうほど強烈なものですが、時折見せる優しさや男気にキュンキュンしてしまいます!また、そんなドS王子の命令を聞くエリカもかなり振り切った所があり、犬になりきって投げられた棒を必死で探すシーンはかなり印象的でした(笑)。しかし、エリカもただ大人しく従っている訳ではなく、正面から噛み付いたり、ドSの佐田に振り回されたりと、感受性が非常に豊かで見ていて面白かったです!嘘から始まった恋ですが、お互いの存在が徐々に掛け替えのないものへと変わっていく様子は見ていて優しい気持ちになれます!

 

狼陛下の花嫁

バイト花嫁と二面性の王様の仮初め結婚生活!

白陽国の下級役人の娘の夕鈴は、お金に困っていた。父親がすぐに借金を作るからだ。そんな時、高賃金で割の良い仕事があると、父親からバイトを紹介された。後宮の下働きだと言われていたのに、ふたを開けてみればあの冷酷非情な「狼陛下」と言われている珀黎翔の花嫁役だった。高賃金だし、お金にも困っていたためバイトを引き受けるか悩む夕鈴だったが、断ろうと陛下の側近の元へ向かう。そこには「狼陛下」とはほど遠い、子犬のように雰囲気の柔らかい、優しげな陛下の姿があった。そんな陛下の秘密を知ってしまったが為に、臨時花嫁を引き受けざるを得なくなってしまった。はたして夕鈴は無事に下町に帰ることができるのか。

下町に住んでいる庶民の夕鈴は、騙されて冷酷非情と噂されている国王陛下の臨時花嫁をさせられることになります。しかし、仕事を始めてすぐに、実は陛下が子犬のようなふんわりした優しい性格の青年である、という国家機密をうっかり知ってしまいます。陛下の本性を知ったことで、国を想いがんばっている陛下のために、自分も協力しようとする夕鈴が、とっても良い子で好感が持てました。人前で陛下といちゃいちゃする仕事は恥ずかしいし、居たたまれないけれど、仕事を全うしようとする夕鈴がかわいかったです。そんな夕鈴に陛下がどんどん惹かれて行っている姿に、きゅんとしました。お互い好きなのになかなか進展しないもどかしい感じも楽しめる正統派な少女マンガでした。

 

思い、思われ、ふり、ふられ

好きだから頑張りたい、青春恋愛群像劇

人見知りで内気な市原由奈は、高校進学で引っ越してしまう友人を見送りに行く途中、子供の頃に絵本で見た王子様に似ている男子を見かける。同じく離れ離れになってしまう友人を見送りに来ていた山本朱里と知り合い、朱里が同じマンションに引っ越してきた同級生だとわかる。それをきっかけに、性格や恋愛観が全く違う二人だが、仲良くなり、由奈が前に見かけた王子様が朱里の弟の理央だと判明する。恋愛未経験の由奈は、理央に対する気持ちが恋であると少しずつ気づき、朱里は由奈には理央を薦められないとしていたが、由奈の初めての恋を応援しようと決める。そして朱里は、由奈が唯一親しく話せる男子で幼なじみの乾和臣と関わっていく中で、少しずつ意識し始め、恋をしていく。

高校生4人の甘酸っぱい恋愛や友情、大人でも子供でもない感じが微笑ましく、見守りたくなります。由奈、朱里、理央、和臣それぞれの関わり方や感情の動き方が気になって、これからどうなっていくのか、4人全員が幸せになる結果になるのか、ドキドキしながら読んでしまいます。高校生だからこそまだ子供っぽい考えや行動をしてしまったり、将来のことを考えていく大人への第一歩でもある立場で決断していく姿が、リアルさもあり、成長を感じさせます。4人が何を思い、誰を思い、何を決意し、どう進んでいくのか、優しい気持ちで最後まで見届けられる作品です。自分の高校時代を思い出し、重ねながら読むのも面白いと思います。

 

俺物語!!

少女漫画界にニューヒーロー現る!

主人公の剛田猛男は身長2mの大柄で、太眉と角刈りの高校生。正義感あふれる剛田は同姓にはモテモテだったが、剛田が好きになる女の子はいつも幼なじみの砂川誠を好きになっていた。高校入学早々、剛田は電車内で痴漢に会っている女子高生・大和凛子を助け、凛子に一目惚れしてしまう。凛子もそのお礼にお菓子を焼いたり、電話番号を聞いたり積極的に剛田にアプローチを続ける。しかし、凛子の態度を見た剛田は凛子が砂川を好きだと勘違いをしてしまう。友人として凛子と砂川の恋を応援しようと決意する剛田。しかし、凛子が好きだったのは砂川ではなく剛田だった。そのことを砂川から聞かされてなお信じれない剛田はある時、凛子の思いを知り……。

主人公の剛田はイケメンとはほど遠い見た目をしているのですが、真っ直ぐで正義感の強い性格は見ていて気持ちが良いです!落ちてきた鉄骨を支えたり、2階から窓ガラス突き破って降りたりと、もはやギャグとしか思えない凄まじい行動の数々は見ていて安心します!また、剛田の友人である砂川はクールなイケメンですが、猛男の前では笑顔を見せるなどの一面もあり、剛田の代わりにイケメン役を担っています。私もどっちかというと砂川君が好きです(笑)。しかし、剛田と凛子の二人が互いに相手を一途に思い合っている様子を見ていると、一度で良いから私もこんな恋がしてみたかったなと羨ましく思ってしまいます!また、凛子の友達が剛田を無理と批判しても、伝え方が悪かったのか?でも好きになって取られたら困る!などと悩んでる姿はピュアで可愛かったです!

 

orange

愛と友情のパラレルファンタジー

ある日、高校生の高宮菜穂は自分から自分宛の手紙が届きイタズラかと思います。しかし、そこに書かれていた内容は、日記のようなもので、寝坊したことと「成瀬翔」という転校生がやってくると書かれていました。すべてがその手紙の通りになり驚きます。菜穂には、須和、あずさ、朔、貴子という仲間がいて、そこに翔が入りいつも6人一緒に過ごすのでした。どこか影のある翔に次第に惹かれていく菜穂。そして、自分から何故手紙が届くのか段々と気が付きます。後悔しない未来のために仲間に助けてもらいながら、もう一つの人生へと導く、パラレルラブファンタジー。

見どころは、愛と友情です。パラレルワールドに興味ある人に是非見て欲しい作品。タイムスリップではなく、パラレルワールドなのにというところに菜穂の愛を感じます。逆にいえば、パラレルワールドだから須和も協力的だったのかも知れません。誰しも、あの時ああしていればと思うことはあります。命にかかわることならなおさら。翔のために必死になる菜穂ですが、その必死さのおかげで菜穂自身も成長していくたくましさを感じ、応援したくなるのです。絵もキレイで、田舎の風景が心に響いてきます。どんどん仲間が団結していくところにグッときました。

 

カカフカカ

だいぶこじれたルームシェア

「自分にはなにもない」と、自分自身に値引きシールを貼り重ねるようになった、自分に自信がない寺田亜希24歳。同棲中の彼氏の浮気現場に遭遇したことをきっかけに家を失い、ルームシェアを始めることになる。そのルームメイトとして現れたのが、中学時代のクラスメイトで、付き合いお互い初めてのHをした相手、本行智也だった。ひょんなことから、その本行がここ2年ほど勃たないEDになっていることを知るのだが、それがなんと亜希には反応するという。ED治療のために添い寝をすることになる2人。そんな2人の関係に、他のルームメイト2人も関わりこじれすぎた展開に!!

自分に価値がないと思っている亜希に対して、「寺田さんしか頼れない」と本行は必要としてきてくれるのです。そんな本行のお願いを断れず、添い寝をすることになるのですが、亜希の心のなかの葛藤と本行の考えが読めない性格が、関係をどんどんこじらせていきます。そんな2人のすれ違いや、感情の変化が見どころです。また、ルームメイトで、小説家の本行がデビューしたときから本行を大好きな栗谷あかりと、ルームシェアをしている家の主、長谷太一も加わり、展開が大きく変わります。ひとつ屋根の下の4人の四角関係なんて今後の展開に注文するしかありません。

 

学園ベビーシッターズ

笑えて泣ける学園子育て劇場!

竜一と虎太郎の兄弟は、飛行機事故で両親を亡くしてしまった。そして、身寄りをない2人は、同じ飛行機事故で息子夫婦を亡くした森ノ宮学園の理事長に引き取られることになった。竜一は優しいおばあさんに引き取られることになったと、まだ幼い虎太郎に説明して、慰めていた。しかし、実際に会ったおばあさんは、タダで2人の面倒をみることはしないと宣言する。成人するまで面倒をみる交換条件として、学園の職員達の子どもを預かる「保育ルーム」で子どもたちの世話をするベビーシッター部に入部することだった。竜一と虎太郎の保育ルームでの楽しい生活が始まる。

中学生で両親を亡くしてしまう経験をしたにも関わらず、まだ幼い虎太郎を一生懸命支える竜一のけなげな姿に感動します。そんなお兄ちゃんが大好きな虎太郎もとってもかわいいです。保育ルームのみんなと海に行ったり、動物園に行ったり、クリスマスパーティーをしたり、遊んでいる姿もかわいいし癒やされます。一見、怖くて言動も厳しいおばあさんですが、熱を出せば看病してくれたり、忙しくても発表会に来てくれたり、不器用ながらも優しさを示してくれる姿に感動します。竜一と虎太郎が優しい人たちに囲まれて、楽しく生活する姿を見守り続けたいと思える作品です。

 

かけおちガール

かけおちの先に見つかる2人の居場所

大学院生のももとみどりちゃんの女の子同士の恋物語。女子校時代明るくて不思議な魅力をもつみどりちゃんに、ももは恋をした。はつこいだった。暗くて慎重な性格のももとは正反対。学生時代に終わってしまった恋だったが、ある日、ももの前にみどりちゃんが突然現れた。あの頃と変わらない屈託のない笑顔で。久しぶりの再会にももは歓喜するが、みどりちゃんには夫がいた。お腹に赤ちゃんがいた。一見幸せそうなみどりちゃんだが、ふとした瞬間に寂しそうな不安そうな表情をする。みどりちゃんの背景を知れば知るほど当時の恋熱が蘇る。そして、ももの純粋な好意にみどりちゃんはある決心をする。

女性同士の恋模様を描いた作品ですが、いやらしさを感じず、みどりちゃんに対するももの気持ちが純粋で感動します。タイトルにあるようにかけおちする二人ですが女性同士、しかも既婚者のみどりちゃんを連れ出すということに問題がたくさんありますが、応援してくれる周りのキャラクターが温かい人ばかりです。特に惹かれる場面は、無気力で何に対してもやる気を感じられなかったももが、みどりちゃんのことに関してだけはいつも一生懸命になるところです。家族を説得する場面は、みどりちゃんへの気持ちが溢れ出していました。現実的に考えると難しい問題ばかりですが、この漫画を通してLGBTや多様な家族のあり方などを考えるきっかけになるのではないかと思います。

 

神様はじめました

人間界と異世界で繰り広げるロマンチックファンタジー!

桃園奈々生は、ギャンブル好きの父を支えながら生活を送る女子高生。しかし、ある日突然父が家出してしまう。借金のせいで家を没収され奈々生は帰る家を失った。途方に暮れる奈々生だったが、偶然出会った怪しい男から「私の家を譲ろう」と話を持ちかけられる。男から手渡された地図を頼りに目的地を目指すも、着いた場所は廃神社だった。男に騙されたと思いうなだれたのも束の間、奈々生の目の前に妖怪たちが現れる。実は、怪しい男の正体はこの地の土地神様だったのだ。土地神の位を譲られてしまった奈々生は、男に代わり神様の仕事を務めることになる。

神社を起点としたファンタジーな世界観が魅力的なマンガです。起承転結が明瞭で、作り込まれたストーリーと、ちりばめられた伏線回収は鮮やかで心を奪われます。主人公の奈々生は表情がコロコロと変わり、感情豊かな愛らしい少女です。それでいて、目的のため危険にも飛び込んでいく強い意志には憧れを抱きます。トラブルに巻き込まれながら異世界へと足を踏み入れていく奈々生を見ていると、ワクワクすると同時に応援したくなります。女子高生と妖怪、人間界と異世界との間で繰り広げられるロマンチックな恋愛模様に、夢中になること間違いなしです。

 

君に届け

憧れの君に、近づくために。

陰気な見た目のせいで周囲に誤解され、これまで孤立して生きてきた爽子。しかしその内面は超前向きな女の子!そんな爽子は高校に入学し、爽やかな学年の人気者・風早に恋をする。最初は恋とは気が付かず「風早くんのようになりたい」と奮闘する爽子、それがキッカケで少しずつ周囲の誤解も解けていく。念願の友達もでき、ここからようやく爽子の青春がスタート!恋や友情、ライバルと過ごし、人としてどんどん成長していく爽子。3年生になってからはそんな楽しかった仲間たちと別れ、自分がどのような進路に進むべきか頭を悩ませます。誰もが色濃い高校生活の3年間が描かれ、全ての青春が詰まった学園ラブストーリーです。

見どころは何といっても「爽子の成長」。とにかく懸命に、自分の周りで起こること全て真面目に取り組みます。爽子が思いを寄せる風早はみんなの人気者で太陽のような存在。そんな彼はほかの誰も見ようとしなかった爽子の前向きで努力家な一面に惹かれており、それらは自分にないものと憧れを抱きます。人気者と陰気(に見える)少女の恋は順当に進むはずなく結ばれるまで時間がかかりますが、それを支えるのは新にできた友達。どうしても自分を卑下する癖がついてしまっている爽子は、誤解されて友情に亀裂が入ることも。しかしお互いに歩み寄り、また強い絆で結ばれる姿は感動的です。恋だけでなく友情にもスポットが当てられており、青春のすべてを体感できる少女漫画です。

 

きみはペット

キャリアウーマンの癒し漫画

主人公のすみれは実家は名家、東大・ハーバード大学卒の超エリートで、出版社で記者として勤務するバリバリキャリアウーマン。容姿端麗でスタイル抜群、語学も堪能、武術にも通じる非の打ち所のないが、男運がなかったりちょっと間抜けな一面もある28歳。ある日、自宅マンションの近くでダンボールに入った少年を拾い、部屋で匿うことに。若い男の子を幼い頃に飼っていた犬の名前にちなんで「モモ」と名付け、恋人関係禁止、スキンシップ禁止のペットとして飼い始める。奇妙な関係が始まり、彼氏や周りへの説明に苦労しつつも、モモの存在がすみれの癒しとなっていく。

誰もが羨むようなルックスと能力と経歴の持ち主である主人公の人間らしい孤独や悩みや自然体の姿に魅力を感じ、見守りたくなります。周囲から一目置かれる一方で近づきがたいと距離を取られてしまう彼女の心に触れられるモモが癒しとなり、すみれがお世話をしているように見えて徐々にモモが必要不可欠な存在になっていく様子がいいです。ところどころにギャグ要素というか、登場人物たちのボケとツッコミが絶妙な間合いで入っており、テンポよくクスッと笑いながら読めて楽しい作品です。ラストに向けてシリアスな展開が増えていく所では、人生についても考えされられ、最後は感動的です。

 

キャットストリート

挫折を乗り越えて成長するヒロイン。

子役として活躍していた恵都は、9歳の頃のミュージカル「サニーデイズ」の舞台上で大観衆の前で何も喋れず立ち尽くしてしまい、芸能界を引退して不登校になり引きこもりになってしまいます。そんなある日、街で突然フリースクールに誘われフリースクール「エル・リストン」に通い始めることになります。そこで出会った元天才サッカー少年の玲と天才でIQ200の浩一とゴスロリ少女の紅葉と出会い、「エル・リストン」での生活は新鮮で楽しく恵都は徐々に周りに心を開いて変わっていきます。しかし、子役時代のライバルだった奈子が現れ再び恵都の心を乱していきます。

小さな頃から母親の期待を背負って芸能活動していたヒロインの恵都が、子役時代に挫折を経験して学校にも行けなくなってしまい引きこもりになってしまい、全てを失ったかのように感じながらもフリースクールに行くことになって少しずつ前に進んでいく様子は見ていて応援したくなります。「エル・リストン」で出会った個性的なメンバーとの友情や絆が素敵ですし、恵都の過去を乗り越えるためにも必要な奈子とのシーンは色々な意味で心を動かされるシーンばかりなので見どころです。一度進む道を失い希望を失ってしまった恵都が、再び希望を取り戻していく様子に励まされる作品です。

 

きょうは会社休みます。

地味な事務職OLの初めての恋愛

主人公は青石花笑 33歳、地味で真面目な事務職OLで恋愛経験はゼロ。そんな彼女は、誕生日当日に酔って正体をなくし、バイトで来ている大学生 田之倉と一夜を共にすることに。恋愛経験の豊富な田之倉は職場でヒッソリかつ積極的にアタックしてくるが、花笑は戸惑い友人に相談する。友人に反対されるし、年の差など気になることはあるが、ゆっくりと初恋を進めてみることにした。地味だった花笑の変化に気付き興味を持った男性が現れる。同じビルに会社があり、そこのCEOである朝尾 35歳。花笑は、どちらの男性を選ぶのか、はたまたどちらも選ばないのか。そして、有休を滅多に使わない花笑が会社を休む理由とは。

主人公 花笑を綾瀬はるか、田之倉を福士蒼汰が演じたドラマの原作漫画です。私は、ドラマがきっかけで原作を読みました。職場で田之倉が、スマートに花笑のフォローに入るだけでも年下ながらもイイ男感が溢れているのですが、そこでコッソリとアタックしてくるという場面では自分のことのように勝手にドキドキしていました。朝尾の方も、人に興味がないと言いながらも花笑の変化にはしっかり気付く。ちょっかいの出し方は、好きだと言えない少年がイタズラするかのような感じで私は好きです。私も大学生の年下彼に迫られたことがあったので、ちょっと親近感が沸いた話でした。

 

GREEN

最高のラブコメ、笑いの余韻が凄い!

友達とキャンプ中に川からキノコが流れてくるのに気が付いた和子。おかしいと思い、川の上手を見るとおばあさんが倒れていて、助けようとしたところ孫のマコトと出会います。マコトは、和子の理想の王子様に見えました。荷物を持って来て欲しいと頼まれた和子は、喜んでついていきおばあさんがケガをしたせいで人手が足りない農家を手伝うことにしました。友達とのキャンプ中だったのにも関わらず、すぐにマコトの家に住み込みで1週間農業を手伝うことにした和子でしたが、周りはすぐに逃げ出すと思っていました。和子は、東京の調理師学校の生徒でしたが、あれ以来週末は農業を手伝う生活を送り、ゆくゆくはマコトのお嫁さんになりたいと考えるのでした。

深田恭子主演でドラマ化もされたこの漫画ですが、隠れ名作といえます。とにかく和子のキャラが激しくて、現在には絶滅したような厚かましい女性。けれど、その強烈なキャラクターから元気がもらえるのです。和子が、マコトと出会う前に元々田舎が好きだという描写があることで、マコトがイケメンだからそれだけにならずに和子を応援できるのだと思います。そのあたりが、単なるコメディにならずに楽しめる理由です。何度読んでも笑えるのは、テンポのよさと巻数が丁度良いからだと思います。一途な愛は勝つ!和子もマコトも真っすぐな性格な所がとても好きです。

 

黒伯爵は星を愛でる

吸血鬼ハンターとダンピールの恋。

主人公は吸血鬼と人間のハーフであるダンピールのエスター。母が亡くなり双子の兄弟のアルが貴族の家へと拾われて行ってから、エスターは下町で花を売りながら慎ましく暮らしていた。貧しくても笑顔を忘れずに毎日懸命に生きていたエスターはある日、麗しい貴族のレオンと出会う。レオンはエスターに対して迎えに来たと言い、自分の屋敷へとエスターを連れて行くのだった。今までの暮らしから急に華やかな世界に連れてこられたエスター。そして、優し気に見えたレオンだが、実は吸血鬼ハンターでエスターがダンピールであることを知っていたのだった。エスターはいなくなってしまったアルの行方を探すことを条件に、レオンの屋敷に住みながら婚約者として吸血鬼ハンターの仕事を支える決心をするのだった。

エスターは本当に前向きで一生懸命な女の子で、とても魅力的でした!また、レオンの貴族の所作は見入ってしまうほど綺麗で、ヨーロッパを舞台にした貴族社会を連想させる絵と相まって、幻想的な雰囲気に包まれています!絵の描写を見ているだけでも、キラキラとした物語に引きこまれてしまいます。吸血鬼ハンターとダンピールといったオカルトチックな二人の関係ですが、二人の間に愛情が生まれる様は少女漫画そのもの。二人の関係に凄くドキドキしましたし、本当のカップルになってほしいと心から思いました。

 

恋する母たち

3人3様の不倫の結末は?!

息子の通う名門中学で知り合ったママ友・石渡杏、蒲原まり、林優子。杏は夫に失踪され、女手一つで息子を育てています。蒲原まりは、横柄な弁護士の夫に嫌気がさしていました。優子は、引きこもりの息子と上手く行かずも、家庭のことは夫に任せコジカビールの課長として忙しさに逃げているのでした。3人は、おのおの新しい男性との出会いに変化を見せて行きます。しかし、杏は失踪していた夫が見つかり、会いに行ったところ記憶喪失になっていて動揺します。まりは、落語家の丸太郎に心惹かれ、優子は部下の赤坂を次第に異性として意識していくのでした。

ドラマ化もされた「恋する母たち」ですが、微妙に原作とは異なっています。3人3様の不倫に目が離せませんが、一番注目したいのは、蒲原まりと丸太郎の不倫の結末が皮肉であり、それだけではなく未来を感じさせるラストになっています。そして優子のラストは、自立した女性らしいものでした。杏のラストが一見ハッキリとわかりやすいハッピーエンドでしたが、それは形だけで杏の心の中は、本当はそうではないのかも知れないと暗示させるラストはさすが柴門ふみって感じです。3人の女性の不倫の落としどころに注目して読んで欲しい作品です。

 

恋は雨上がりのように

女子高生とファミレス店長の甘酸っぱい思い出

女子高生の橘あきらは自身のアルバイト先のファミレス店長に好意を寄せていた。店長はバツイチ子持ちで10円ハゲのあるうだつの上がらない男で、他のバイトやパートからは下に見られている節がある。それでもあきらは自分が部活で怪我をし、大好きな陸上ができなくなって落ち込んでいた時にコーヒーを出してくれた店長を好きになった。あきらと自分では釣り合わないとあきらの気持ちは受け取れずにどうしようか悩む店長と、自分の想いをまっすぐ届けて人を好きになるのに理由はないと断言するあきら。2人の思いがどう重なりあうのかぜひ読んで確かめてみてほしい。

歳の差を扱った作品に多い年上の方が相手にぞっこんということはなく、店長は極めて大人の目線からあきらに接し、そういった関係にはなれないと諭しつつ良い関係を築こうと頭を悩ませている点がリアルであまり抵抗感なく読むことができる。こんな年上のくたびれた人がいたら好きになってしまう女の子は一定数いるのではないだろうか。それに対しあきらは自分の気持ちにまっすぐで、時には母親、他のバイトや部活の仲間ともぶつかりながら成長していくのがいい。あきらは店長に対しては興味津々と言った様子だが、同じクラスの男子から好意を寄せられているがそれに対しては全く無関心な点も面白い。

 

恋はつづくよどこまでも

魔王に立ち向かう勇者、その結果は!?

主人公 佐倉七瀬は5年前、お年寄りを助けた医師に出会って看護師を目指す。そして、呼吸器科の看護師になった。七瀬は天堂浬という医師の下に付けられるが、その医師がなんと5年前のあの人。イケメンだが人当たりが悪く「魔王」と呼ばれていた。浬は患者からの信頼は篤い。七瀬を邪険に扱うが必要なことはしっかりと教えていく。七瀬はそんな浬に付いていこうと様々な努力をする。周囲からは「勇者ちゃん」と呼ばれる。浬はそんな七瀬の姿を見ているうちに惹かれていく。浬が人当たり悪くなった悲しい理由とは。様々な障害を乗り越えた先の勇者ちゃんと魔王の関係はいかに。

佐倉七瀬を上白石萌音が、天堂浬を佐藤健が演じたドラマの原作漫画。七瀬のドジっぷり、酒癖の悪さには思わず目を覆ってしまいました。この作品に出てくるキャラクターは皆、個性豊かでそれぞれに面白みがあって、特に浬の姉 流子はスピンオフが出来るんじゃないかと思うほどでした。浬が5年前のこともちゃんと覚えていているのに、最初から言わないというドS感にはとてもワクワクしました。けど、人当たりが悪くなった理由を知った時には、これでは恋愛したくなくなるなと思いました。他人を大切に思うが故の人当たりの悪さなんだなと思ったら心が痛くなりました。

 

恋わずらいのエリー

変態エリーのお相手は学校イチのイケメン?!

地味で目立たず、まるで透明人間のような高校生活を送る女子高生の市村恵莉子。彼氏いない歴=年齢……いわゆるモテない女の喪女である彼女にはウラの顔があった。それはSNSで"恋わずらいのエリー"として日々の妄想をつぶやくこと。妄想のお相手はかっこよくて爽やかで学校イチの人気者、「オミくん」こと近江章。叶うはずの無い妄想を垂れ流す恵莉子だったが、ひょんなことからSNSがオミくんにバレてしまい……。だんだんと明らかになるオミくんの裏の顔にドキドキさせられっぱなしの恵莉子。果たしてエリーの妄想は現実を超えるのか?!変態エリーとオミくんの妄想ラブコメディ!

この作品の魅力は何と言っても愛すべきキャラクターたちです。主人公の市村恵莉子ことエリーをはじめ、妄想のお相手のオミくんや友人のサラちゃんなど、どのキャラクターも一途で頑張り屋で、でも弱いところやボケている部分もあり、応援したくなる魅力があります。特にエリーは作中で「変態エリー」と呼ばれるほどの妄想好きで「オミくんのジャージを借りる」という、たったそれだけの事でも妄想を大爆発させSNSにつぶやきを垂れ流していきます。果てしない妄想の内容は推しのいる女性なら共感できること間違いなし?!完結済の本作は最後までストーリーもテンポよく、絵柄もとてもきれいなのでサクサク読めてオススメです。

 

高校デビュー

ボーイッシュ女子のシンデレラストーリー!

ヒロインは、中学でバリバリのソフトボール部ピッチャーのハルナ。モテとは無縁だったハルナが、高校では、ソフトを辞めて、モテるために雑誌の切り抜きを集めては、自分なりのモテ本を作って高校デビューを目指すのだが、気合が入りすぎてて全くモテないイタイ女子に...ナンパ待ちをしているハルナの前に、現れるヨウは、めちゃイケメンのハルナとは正反対の頑張ってなくてもモテちゃう系男子。ヨウからハルナは、モテを、教えてもらいたく、師匠にしてくれと頼みヨウを説得する。ヨウは、ハルナに絶対に俺のことは好きになるなよ。ということを条件に師匠になることを引き受け、友達を紹介したり頑張るが、二人の関係がだんだんと師匠と弟子ではなくなって行きます...ハッピーエンドの笑いあり涙ありの青春ストーリーです。

中学で部活ばっかりだった女子、恋愛なんかできなかったという女子には、憧れのストーリーなのではないでしょうか。まぁ、こんな話実際にはありえないのですが、夢を見せてくれる漫画です。実写の映画化もされているので、そっちから見て読むのもありですが、漫画から読むのもありです。ハルナも全然かわいいのになぜモテないんだろうと私には不思議でしたが、これを読んで何となく天真爛漫な女子ではだめなんだというのが勉強になりました。元気キャラで、モテない人にオススメです。(笑) 近くにいる女の子からの裏切りなんかもありで、あぁ。わかるわぁという共感できる漫画でもあります。

 

こどものおもちゃ

子供の視点から描いた大人にこそ読んでほしい少女漫画

主人公の倉田紗南は、人気子役タレントとして活躍する小学6年生。幼い頃から劇団こまわりに入団して、映画やドラマ・バラエティ番組にも出演する売れっ子。仕事ではもちろん、学校でも人気者の紗南だが、クラスではボス猿・羽山秋人を中心として男子が暴れ、授業すらまともに受けられない事態に。かつての平和な学校生活を取り戻すべく真っ向から羽山に関わっていく紗南は、羽山の暗い家庭事情を知り次第にほっておけなくなる。一方の羽山も、紗南の底抜けの明るさに救われて心を開いていき、お互いにとってなくてはならない存在へとなっていく。

幼い頃は「紗南ちゃんのハイテンションってちょっと苦手」といった印象を受けた作品ですが、大人になってから読み返すと印象がガラリと変化しました。頑張り屋の紗南はいつも全力投球で周りの問題を簡単そうに解決していきますが、実は誰よりも繊細でか弱い印象です。物語は主に紗南の小学校~中学校時代までですが、家庭や学校、いじめ、社会問題など幅広く描かれており、羽山と出会いに始まり支え合いながら大人になっていく過程は非常に見応えがあります。自身が親になってから読むとまた違う視点から楽しめ、一生のうちに何度も読み返したくなる名作です。

 

桜蘭高校ホスト部

がんばれ庶民、負けるなハルヒ!

ひょんなことから入ってしまったホスト部の花瓶を割ってしまった庶民の女子高生藤岡ハルヒが、花瓶の代償としてなぜか男子と勘違いされたままホスト部員として働くことに。超お金持ちのホスト部のメンバーとは、価値観が全く違い、各面々に振り回されながらも、それぞれとの関係が徐々に変化していく。女子だと気づく部員がいたり、なかなか気づかず自分のハルヒに対する気持ちを、父と子の関係だととんでもない解釈をする部長がいたり。ホスト部のメンバーは全員強烈な個性を持ち合わせているから、自分の推しメンを見つけることもできるかもしれない。

ラブストーリーが苦手な私でもすんなり作品に入り込んで読むことができた。全体的にラブ要素よりも、圧倒的にコメディ要素が多く、冷めた目でホスト部のメンバーに振り回されるハルヒが特に好きで全巻買って読んでしまった。いまでも時々読み返しては、同じところで爆笑してしまうくらい気に入っている。ホスト部の中でも、ハルヒと同級生の双子との絡みがとても好きで、メインの環よりも、双子の方が話にはやく出てこないか期待しながら読んでいた。最後はハルヒと環が結ばれるけれど、その後もホスト部全員と良い関係が続いていて、最終話を読んでほっとした。

 

サプリ

キャリアウーマンにオススメ

大手広告代理店で男性に混じって激務をこなす27歳の藤井ミナミは、仕事では中堅の年次に差し掛かり、プライベートでは結婚を意識する年頃になる。そんな中、大学時代から7年付き合い半同棲していた彼氏と破局。「仕事と俺とどっちが大事?」という、おきまりのようなセリフを男女逆転バージョンで言われてしまい、「このまま働いていたらどうなるのか」という漠然とした疑問と焦りを感じ始める。彼氏と別れたことを機に、職場関係者との交流が充実し、様々な境遇の働く女性との繋がりができていき、もがきながら進んでいく。恋愛面でも別れから立ち直って進んでいく様子を描いたキャリアウーマンの人生漫画。

27歳という、女性にとってかなりセンシティブな年頃のキャリアウーマンが主人公で、日本でバリバリ働く20代女性の葛藤や悩みをとても的確に表していると思います。仕事は楽しい、新卒から数年経ってできることも増えてきたしもっと頑張りたい、けれどまだまだ古い価値観が残っている職場もあって、若い女性であるというだけで壁が高くなることもある。でもプライベートでは若いとも言えなくて、結婚はどうするのか、一生一人で生きていけるのか?など揺れ動きながら日々頑張っている主人公を応援したくなります。登場人物の一言一言が仕事や人生の格言として心に響きました。

 

シックス ハーフ

記憶喪失になった女子高生の葛藤物語

詩織はバイクで事故にあい、これまでの記憶を失ってしまった。目を覚ますと、心配性で優しい兄のあーちゃんと、詩織のことをひどく嫌っている妹の真歩がいた。詩織は記憶を失くしたことで学校での立ち位置もわからず、家族にも馴染めず孤立していく。孤立した詩織をあーちゃんは側で話を聞き、優しく寄り添っていた。そんなあーちゃんに少しずつ惹かれていく詩織。ある時、芸能の仕事をやらないかと詩織に声がかかる。それをきっかけに学校でも居場所をつくっていくことになる。家族仲も良くなりこのまま記憶が戻らなくても良いのでは、、と思っていた矢先に詩織はある人物との出会いで記憶が戻る。事故前の記憶は、再び家族仲に亀裂をいれてしまう悲しい事実があった。

記憶喪失の物語は他にもあるがこの漫画の特徴は詩織が記憶を失くすことで、「幸せな家族」が成り立つ珍しい話の展開です。記憶が戻って欲しくない、でも詩織だけを犠牲にして申し訳ないと内心感じているあーちゃんの葛藤が苦しいです。どうして真歩はそこまで詩織を嫌っているのか、あーちゃんはどうして家族にこだわっているのか。詩織の記憶が戻る過程で少しづつ解き明かされてきて、一気に記憶が戻る部分はゾクッとします。また、あーちゃんの幼馴染2人の悪者っぷりにも味があり登場人物も魅力的です。事故後、空虚だった詩織が家族や恋人、仕事に支えられ少しづつ生き生きとしていく様子も見所です。

 

12歳。

ピュアな初恋に酔いしれる!

綾瀬花日・12歳。恋はしたいけど男子はデリカシーないし彼氏はなんかまだ恥ずかしい、そんなお年頃。理想のキスなんかをお友達と話し合う年頃の花日、今日も明るく元気に学校生活を送っていた。そんなある時、リコーダーの授業で隣の席の少し大人びた男の子・高尾と共に屋上でリコーダーの練習をしていた。そこで花日は先生同士がキスをしているのを見てしまう。さらに花日は隣にいた高尾と自然とキスをしてしまう。初めてのキスをしたことで高尾を意識してしまう花日だが、当の本人は言うと普段の様子と何も変わらない。気にしているのは自分だけ?それでも、ついつい高尾を目線で追ってしまう。初々しい12歳の少女による等身大の少女漫画。

12歳という異性を気にし始める年頃の少女の等身大の姿を描いており、その初々しいやり取りは見ていて心が洗われます!少女の悩み、葛藤、恋愛など実際に経験したことがあるかのようなリアルさがあり、昔を懐かしむ気持ち、こんな小学生生活を送りたかったと憧れる気持ち、少年少女の尊い様子を慈しむ気持ち、様々な気持ちで胸がいっぱいになります。子供の頃に真っすぐに相手を好きになった気持ちを思い出し、子供から大人になるにつれて失った大事な物を思い出させてくれます。

 

親愛なるA嬢へのミステリー

探偵が事件を引き寄せる!?少女と探偵が織り成す文学ミステリー!!

フィクションをこよなく愛する少女・綾乃は、文学に没頭するあまり現実への興味がない。ある日、綾乃は母からの頼みで、親戚の啓千の手伝いをすることになる。啓千は元小説家で、現在は警察に手を貸しいくつもの事件を解決する名探偵だ。啓千は特異な存在であり、彼が事件を引き寄せている節がある。世界が彼を放っておかないのだ。啓千が引き寄せた事件を啓千自身が解決する。事件を解決したことによる周囲からの賞賛も、啓千を苦しめ悲しみを背負わせる。今まで現実に興味のなかった綾乃だが、啓千との関係を通じて現実の自分の居場所について目を向けることとなる。

元小説家が登場する作品なだけあり、文学的な要素を多く含んだ作品です。マンガでありながら、美しく熱情的な文章が際立ち、思わず言葉を指でなぞりたくなります。人と人との関係に名前なんて必要ない、そんな風に思えるストーリーです。綾乃が啓千の悲しみを感じ取り、癒しを与えていく姿には、救いを見出すことができます。その反面、二人の閉じた関係性からは啓千の執着がみえ、不安定な精神に感情が揺らぎます。読者に解釈を委ねる場面もあり、読み込むことで深く楽しめる作品です。綾乃が小説に没頭する姿が魅力的で、気づけば主人公のようにこの作品に入り込んでしまいます。

 

素敵な彼氏

神様、わたしに「彼氏」をください!

小さいころに見た、カウントダウンのイルミネーションに参加する幸せそうなカップルたち…。わたしも、あんな風に幸せそうに笑いたい!カップルでカウントダウンイルミに行きたい!彼氏がほしい!!そんな夢を原動力に、彼氏探しに邁進する主人公・ののか。当たり前にできるだろうと思っていた彼氏は一向に現れず…。出会いを求めて参加した合コンで桐山と出会います。掴みどころのない桐山と接していくうちに、少しずつ感情が変化していき、自分が欲しいのは「彼氏」ではなく、「ちゃんと好き合った」相手なのだとようやく気が付くののか。果たして夢のカウントダウンイルミに「彼氏」と行くことができるのか?!

鈍感な主人公・ののかの可愛らしさにとにかく癒される作品です。クールで掴みどころのない桐山に恋をしてからと言うもの、ののかの目には誰よりも彼が素敵に写ります。もちろん読んでいるこちらも、ののかの感情に巻き込まれてそう見えてきちゃいます。桐山くん、素敵!しかしののかは超恋愛初心者で、対して桐山は本気の恋をしたことがない。くっつきそうでくっつかない二人にはジレンマの嵐です。友達から始まって初めて本気の恋をして、向き合い始めた二人の関係にときめきが止まりません!ちょっと笑っちゃうような、心がほっこり温まる可愛い二人に注目です。

 

ストロボ・エッジ

はじめて恋をしたのは、王子様!

おっとりした主人公・仁菜子が初めて恋をしたのは学年で一番人気のイケメン・蓮。でも恋って一体何だろう?この気持ちは何だろう?仁菜子は初めての感情ひとつひとつに向き合いながら、ゆっくりと蓮への気持ちを育みます。しかし蓮にはモデルの彼女の存在が。友達のアドバイス通り自分とは住む世界が違うと諦めて、好いてくれる別の人と一緒にいるべきなのか悩む仁菜子。でも、自分の気持ちにうそをついてもいいの?一方で仁菜子と関わるうちに少しずつ気持ちが動き始めるも、彼女もためにその感情を見て見ぬふりをする蓮。すれ違いながらも自分の気持ちに真っすぐ正直に、全身で「初恋」と向き合うピュアなラブストーリーです。

恋をした時の小さな感情の動きや、その一瞬が描写されていて「初恋の美しさ」が詰まった作品です。初めての感情に迷いながらも懸命に突き進む仁菜子をつい応援したくなります。そんな仁菜子を中心に、自分の気持ちに正直になろうともがく恋愛・友人関係も見どころです。相手の気持ちや関係性に悩みながらも、それぞれ皆が成長していきます。いつも一生懸命な仁菜子と不器用な蓮がすれ違い続けるシーンにはかなりやきもきしますが、その分思いが通じ合ってからの幸せモードはときめきが止まりません!恋する女の子を全力で応援してくれる、そんな少女漫画です。

 

砂時計

胸キュン必須のラブストーリー

主人公の杏がさまざまな出会いや別れを経験して、大人の女性へと成長していくまでを描いたラブストーリーです。杏は幼なじみの大悟を始めとする周りの人たちの支えもあって母親の死を乗り越え、やがて支えとなってくれた大悟と付き合うことになります。中学校を卒業すると遠距離恋愛が始まるなど不安になる出来事もあって、恋路は順風満帆なものではありません。しかし二人は何とか恋愛を続けていくのでした。時に辛い出来事もありますが、杏は前を向いて生きていこうとします。作中では杏と大悟のやりとりが大きな見どころになっています。

大悟の言動に大きな感動がありました。杏が母親を亡くしたとき、大悟が彼女に言葉をかけるシーンがとても心に刺さりました。一人になってしまったんだと深く落ち込む杏に「ずっと一緒におっちゃるけん」と言う大悟がとても好きです。この後しばらくして杏と大悟の恋愛が始まるのですが、落ち込んでいる時にこんな風に言われたら胸キュンしないわけがありません。心温まる恋の始まりがとても素敵で、最初に読んだ中学生時代こんな恋愛がしたい!と憧れたものです。恋愛において思いやりはとても大切なもので、それが見事に描かれた作品だなと思いました。

 

S・A(スペシャル・エー)

両想いの二人によるじれったい恋愛模様!

華園光と滝島彗は幼馴染でありライバル関係でもある。二人が通う学校には成績上位者7名のみが入学できるS・Aクラスというものがあり、彗はトップの成績を維持し続けている。一方、光は万年2位で彗から「2位さん」と馬鹿にされる日々を送っている。光を小馬鹿にするそぶりを見せつつも、彗は内心では光の努力家な一面を高く評価していて、その思いは友人の枠を超えたものになっている。光も彗にライバル心を抱くとともに恋愛面でも彗に対し特別な思いを抱いていることに、本人は未だ気が付いていない。学園生活を通して光はことあるごとに彗に勝負を挑むが、光の恋に決着がつく時はくるのか──。

運動・勉強・芸術…あらゆる分野で彗に勝つことを夢見る光の姿が健気で応援したくなる。鈍感で天然という王道の組み合わせのヒロインではあるが、その一生懸命さは見ていていじらしくなるようなものではありません。彗は光のことが大好きでしょうがないのだが、今の関係を壊したくなくて一歩踏み出せずにいる。本当は光も彗のことが好きなのに、自分の気持ちを認めることができないというよくある展開にもかかわらず、もどかしい二人の関係性をこのままずっと見ていたいがために、こちらも結ばれて欲しいやら欲しくないやらで胸がいっぱいになります。ギャグ要素も多く周りのキャラもいい味を出しているので、全17巻ありますが最後まで楽しく読むことができます。

 

3D彼女 リアルガール

オタク×美女の純愛物語

冴えないオタクの男子高校生・筒井と、美女で男子からの人気は高いものの、女子からは嫌われているヒロイン・色葉が、ひょんなことから半年という期限付きでお付き合いをすることになります。始めは興味本位だったものの、お互いの純粋な一面に惹かれ合い、次第に愛情が深まっていきます。主人公の筒井は、色葉と付き合っていく中で対人関係を広げたり、学校行事に参加したり、これまで経験してこなかった事柄に一生懸命奮闘しながら進んでいきます。一方色葉は、葛藤の末、手術のため半年後に筒井の元を離れることを決断。一度は離ればなれになった2人が、7年後に再会する恋愛物語です。

まず、少女漫画において主人公が男の子であることが珍しいと思います。心を許せる友達がたった1人しかいなかった主人公ですが、恋を知ることで、彼の日常が色鮮やかに染まり、世界が広がっていくところが素敵です。また、些細なことでケンカしたり、すれ違ったりする場面も、リアルに感じました。困難を乗り越えながら、どんどん強まっていく絆が上手く描かれていると思います。恋愛することが、とても前向きに捉えられていて、人を愛することの素晴らしさを教えてくれます。主人公を取り巻く友達のストーリーもしっかりと描かれていて、感情移入しながら楽しむことが出来るストーリーです。

 

世界は中島に恋をする!!

かっこかわいい!

175cm57kgの抜群のスタイル、サラサラの茶髪、射るような強い瞳、中性的な綺麗な顔で、区立西中学92代目生徒会長を務め、女子生徒からの圧倒的な支持を得ており「西中の王子さま」とまで呼ばれて慕われている主人公の中島。一方、持ち前の愛くるしい容姿で数々の男を虜にし、交際を求む人が後を絶たない、「西中の白雪姫」と呼ばれている木村美虎都。美虎都は、その日も猛烈なアプローチをかけてくる男子から全力で逃げていた。そして、ギリギリ間に合った電車内で目の前に立っていたのは、中島だった。一目惚れをしてしまった美虎都はその場で中島に告白するもののバッサリ断られてしまう。なぜなら、中島はれっきとした女の子だったからなのである。

本当に全女子が目を輝かせて憧れちゃうような正しく王子さま!っていう感じの中島くんがとても大好きでした。勉強もスポーツも文字通り何でもスマートにこなすし、自分の学校にいたら私も美虎都ちゃんみたいに恋をしちゃうだろうなと幾度となく思いました。そんな最高にかっこいい中島くんではあるけれど、徐々に乙女な一面が開花していってめちゃくちゃ可愛くなっていくのがたまらなかったです。かっこいいのに可愛い、この素敵すぎる2つの魅力を兼ね備えている中島くんが愛おしくてしょうがなかったです。一方、告白は玉砕に終わったけれどその後も良き友達として良い関係を築いていった美虎都ちゃんの真っ直ぐさや健気さに心うたれて大好きになりました。

 

先生!

生徒と教師の苦しくも切ない、リリカルなラブストーリー!

高校生の島田響は、男友達の浩介や友人の千草が先生に恋をしているのを知るが、自分自身は今一つ「人を好きになること」が分からないでいた。しかし、世界史の伊藤先生の包容力に惹かれ、気づいた時には伊藤先生を一人の男性として好きになっていた。女性不審らしき伊藤先生に、自分の思いをぶつけていく響。自分の立場や戸惑いから、先生のちぐはぐな態度に翻弄されながらも、二人は気持ちを通わせるようになる。しかし、本当に大変なのは教師と生徒という立場で恋愛をしていくことだった。響の友人、浩介や千草、後輩の渚との恋愛も交錯し、さらに人間模様は複雑になっていく。多感で不器用な恋が繰り広げる、リリカル青春ロマン。

男性教師と女子高生の恋を描いたストーリーですが、社会的立場はあるものの、主人公響をはじめとする浩介や千草などの生徒たちと、伊藤先生や他の教師が人間として平等に描かれています。伊藤先生が生徒に全幅の信頼を置いて、響との恋を響の友人には話し、友人たちも口外をしないで応援するという「対等で誠実な関係性」の斬新さが見どころでもあります。途中で各登場人物に「自分を好いてくれる人」などが現れたり、問題にくじけそうになったりで、色々なハプニングがありますが、この問題をどう解決していくのか?という点が非常に興味深い作品です。また、一見「普通」の外見の響や千草といった女生徒が、恋を通じてどんどん美しく成長していくところが見どころです。

 

たいようのいえ

幼馴染とイキナリ同棲?!年の差ラブストーリー

両親の仲が悪く、向かいの中村家に入り浸っていた少女・真魚(まお)。中村家には長男・基(ひろ)、次男・大樹、長女・陽菜の三兄弟がおり、幼い真魚をいつでも温かく受け入れてくれた。しかし、突然の事故により両親が他界した中村家は兄弟離散してしまう。数年後、父親の再婚により家庭内に居場所を失った真魚は、とあるきっかけで中村家を独りで守る基の家に住まわせてもらうことになる。昔と変わらず優しく接してくれる基に真魚は次第に恋心を抱くようになり……。家族とのつながりを求め続ける、幼なじみの切ない年の差ラブストーリー!

父親の再婚により家庭内に居場所が無くなってしまった真魚と、両親を事故で無くし兄弟が引き取られてから中村家を守ってきた基。独りぼっちで、しかし何よりも家族の絆を求めていた二人が、お互いがお互いを支えあうように一つ屋根の下で家族となっていく、高校生×社会人の年の差ラブストーリーです。門限があること、旅行に行くこと、お祝いをすること……そんな当たり前のことをおおげさに喜ぶ真魚がかわいすぎます!キャラクターの背景やストーリーは重たいのですが、絵柄や描写はとてもシンプルなのでとても読みやすいです。完結しているのでぜひ最後まで読んでほしいです!

 

高台家の人々

設定と人物がマッチした面白さ

他人の心の声を聞くことができる高台光正と、趣味が妄想という地味なOLの木絵の恋愛物語。聞き取ろうとしなくても勝手に他人の心の声が聞こえてくる能力に、自身の中では折り合いをつけて、日常生活を送る事は出来ても、その能力が原因で恋をすることがなかった光正が、他の人とは違う心の声を発する木絵に興味を持ち、その人となりにひかれて、初めての恋をし、めでたく恋をすることになります。イケメンで優秀な光正に、地味で普通、自分に自信が無い木絵は不安になっては空回りしつつも、二人の絆を深めていきます。途中、同様の能力を持つ光正の弟妹との関係も描かれつつ、少しづつ幸せになっていくお話しです。

この作品の面白さを高めているのは、何よりも木絵の特殊な妄想力。どんくさく天然、口下手だけど、頭の中で展開される妄想はほんの一瞬で無限に世界が拡がっていきます。ある時は、光正が他の女性に渡ってしまうのではないかと不安な気持ちを紛らわせるために動き出した妄想は、オリンピック選手を目指して水泳をはじめ、恐ろしい練習量からムキムキの一回りも二回りも大きな筋肉に包まれた木絵を生み出し、そんな心のイメージを読み取る事が出来る光正は、どうしてこうなった、と疑問に思いつつも原因を探ってフォローしてあげるなど、そのやり取りがすごく作品の面白さをつくりあげています。
また、このコメディの流れこそが、光正にとっても、木絵にとっても、お互いが唯一無二の存在と言える関係を読み手に感じさせて名作に仕上げています。

 

だから私はメイクする

私は誰のためでもない、私のためだ。

「自分のメイク」を突き詰めるうちにあだ名が「マリー・アントワネット」になった女性、推しアイドルへの感動をセルフネイルで表す女性、周囲の男性からのアドバイス気取りな押しつけにうんざりする女性、仕事と美容を両立させる女性、「男性受け」するメイクから「推し受け」するメイクへチェンジした女性…。「女性として社会で生きる」ことで悩んだり苦しんだり疲れたりしている、リアルで等身大な登場人物たちが、それぞれの価値観で、メイクやファッションを通してより「自分らしく」楽しく生きていく方法を見つけ出すオムニバス作品です。

「メイクをすること」をワクワク楽しめる漫画です。女性にとって、メイクというのは「押しつけられる」一般常識・礼儀だと思います。メイクをすること自体苦手な人もいれば、思い描くメイクをしても他人に批評されてしまう人もいると思います。この作品は、自分が思うままで良い、と教えてくれる漫画です。主人公たちはみんな、様々なきっかけ、様々な理由でメイクをしていますが、共通するのは「自分の好きなようにする」という考え方。他者になにか言われても、TPOを考えつつ、根底では「私がしたいからする」というスタンスを貫く彼女たちがカッコイイ!主人公たちは誰もが自分の「好き」を貫き、けれど他者の批判はしないので、とにかくスカッとすがすがしい気持ちになれます。私も、あんな風に自分の「好き」を貫きたいな。

 

たそがれたかこ

中年女性の痛くも愛おしい青春やり直し物語

高齢の母親と2人暮らしの、冴えない中年バツイチ女性・たかこ。つまらない日々を送っていたが、ある日ラジオで「ナスティインコ」という若手ロックバンドの存在を知り、そのボーカル・光一くんに恋をしてしまう。その日から彼女の人生が輝き始める。髪の毛を赤く染めたり、オシャレに目覚めたり、同じアパートに住む、ナスティインコのファンの男子と仲良くなったり…。だがそんな時、元夫のもとで暮らしていた娘・一花が、摂食障害を患ってしまう。かつての自分と同じ病気になってしまった娘を救おうとするたかこだが、道は険しく…。人生のたそがれ時にさしかかった主人公が、過去の自分自身と向き合いながら、今を懸命に生きる物語。

地味な中年女性だった主人公が、「好き」に出会って変わっていく物語です。ずっと周りに気を遣ってビクビクと生きてきた彼女が、不器用ながらも少しずつ自分の殻を破っていく姿に、頑張れ!と応援したくなります。ナスティインコの歌にパワーをもらった主人公は、娘の病気という難題に果敢に立ち向かいます。昔のままの彼女ならば決して出来なかったでしょう。そう思うと「好き」というパワーが人を変える威力に圧倒されます。ラストで主人公はとんでもないことをします。これには賛否両論あると思います。でも、今まで我慢ばかりしていた彼女にとって、過去の自分と決別して新たに生き直すのに、どうしても必要なことだったんだな、と私は思いました。自分に自信をなくした時に読み返しては、勇気をもらって前に進む力をもらえる、そんな作品です。

 

ダメな私に恋してください

ダメアラサー女の恋の行方

会社が倒産して無職となったアラサー女子の主人公「ミチコ」は、無職でお金が無いにも関わらず年下彼氏に貢ぎまくるホントにダメダメな女の子。そんな彼女が街で偶然元上司で主任だった「黒沢」と出会います。ミチコは黒沢のことが何かと厳しくてとても苦手だったのですが、お金のないミチコに黒沢はご飯を作ってくれ、しかも喫茶店を開くということでミチコをバイトで雇ってくれることになります。なんだかんだ黒沢の元で働くことを決めたミチコはこの先どうなっていくのか。そしてミチコと黒沢の関係はこの先どうなっていくのか見ものです。

中原アヤ先生の作品ということで、恋愛のキュンとする部分もありますが、やはりギャグ要素も満載で面白い部分もたくさん。読んでいてとても飽きません。ミチコの変顔も沢山堪能出来ます。二人を取り巻く周囲の人たちも色んな人が出てきますが、読み終わって誰ひとり嫌だなと思う人物が出てきませんでした。皆本当にいい人たちばかりです。そしてテンポよく話が進んでいくので、凄く読みやすい漫画だと思いました。恋愛漫画は苦手だと言う人にも是非読んでほしいです。そして続編も出ているので、読み終わった方は是非続編も読んでミチコと黒沢を堪能して欲しいです。

 

つくおき生活 週末まとめて作り置きレシピ

簡単作り置きレシピで美味しい生活を始めましょう

社会人1年目の梅尾仁太は姉が結婚したことで、自炊をしなければならなかった。しかし、仕事の進行が遅く、スーパーの開いている時間にさえ帰れなかった。梅尾の家では昔から外食が少なく、母や姉の手料理ばかり食べていたため、せめて一食でもいいから毎日手料理が食べたかった。今まで姉と同居だったおかげで当たり前に食べることが出来ていた手料理。残業ばかりの職場でも手料理が食べたいと、探し求めた答えは姉が教えてくれた作り置きレシピだった。週末にいっきに作って、平日には温めるだけ。これで何時でも美味しい手料理を食べることが出来る。こうして、作り置き生活がスタートしたのだった。

毎日激務で、スーパーにも行けない主人公が、それでも美味しい手料理が食べたいと、作り置き生活をスタートさせる作品です。元々レシピ本があっての漫画化なので、おいしそうで簡単なレシピがたくさん登場します。行程もしっかりと描かれているので、まねしてみたいと思わせてくれます。また、漫画としては社会人1年目の男の子が慣れないながらも仕事に、自炊にとがんばっている姿が楽しく描かれています。先輩や同僚と料理の話で盛り上がったり、お姉さんと一緒に料理をしたりする姿もほのぼのしていておもしろいです。レシピ本としてだけでなく、お話としても楽しめる作品でした。

 

椿町ロンリープラネット

女子高生家政婦×時代小説家の胸キュン共同生活。

父親の借金返済のため、住み込み家政婦をすることになった高校生の大野ふみ。時代小説家 木曳野暁の家で働くことになったが、木曳野は不愛想で何を考えているかわからない。父親以外との男性との共同生活に戸惑いながらも、忙しいシングルファザーの父に代わって家のことをしていた経験から、家政婦として、同居人として木曳野をサポートする。ふみは一緒に過ごしていくうちに、木曳野の仕事に対する真剣な姿勢や優しい一面に惹かれていき、木曳野もふみの気遣いや思いやりを感じる中で、単なる雇い主と家政婦の関係から距離が縮まっていく。年齢も立場も異なる二人の共同生活はどうなるのか?

女子高生が成人男性の家で住み込み仕事をするという非現実的な設定ですが、主人公の二人も周囲のキャラクターも派手過ぎない設定や性格のため、感情移入しやすいと思います!メインキャラクターのふみと暁が、お互いを大切に思い、思いやる姿にきゅんとします!主人公のふみは、いわゆる「今どきの女子高生」とはかけ離れた、主婦のような行動をしますが、そこにふみの優しさや生い立ちの大変さが感じられて、応援したくなります。暁もスマートなイケメンのうえ、第一印象は不愛想だけど実は一途で誠実というギャップが最高です。二人の距離がどう変わっていくのか、読み始めるとついつい続きが気になってしまうマンガです!

 

出口ゼロ

本当に『なかよし』掲載?脱出不可能の演劇学校

主人公の赤羽夕日は、女優志望の前向きな15歳。名門の演劇学校「D・A・アカデミー」に入学する。憧れの先輩・咲良も入学した「D・A・アカデミー」での学校生活に期待が高まる夕日。しかし、そこは「退学」か「デビュー」のみで卒業できる、恐怖の演劇学校だった。廃人となる者、行方不明となる者、自分以外の別人となり芸能界デビューする者...…。「出口がない」いわくつきの名門校。自分たちの命に直結するリアルな即興演劇の授業。夕日は仲間たちと生き残ることができるのか?入学したはずの咲良は無事なのか?

「なかよし」で連載されていたとは思えないほどの、スリルを通り越した恐怖満載のサスペンス少女漫画です!ばっちり少女漫画!な絵柄なのに、内容は少年漫画のような緊迫感があるのが興味深いです。「これ、本当に『なかよし』で連載してたの?」と言いたくなる、スリリングなストーリー展開と意外性が魅力的で、『なかよし』のターゲット層である小中学生女子の中には少し怖いと思う方もいたと思います。絶望的な設定の中、主人公の赤羽夕日の機転・行動・前向きさが、状況をどう打開してくれるのか?それが気になって、一気に読み進めてしまいます!演劇学校が舞台なので、実際に俳優たちを宛ててドラマ化したら、面白そうだと思いますね。

 

電撃デイジー

トキメキもあり!ギャグもあり!

唯一の肉親である兄を病気で亡くした、天涯孤独の少女、紅林照(くればやしてる)。貧乏ながらも奨学金で高校に通い、仲間たちと高校生活を過ごしていた。貧乏なことを理由にいじめにあってもめげず、明るい性格の照の心の支えは、兄がくれた携帯電話に届く「DAISY(デイジー)」と名乗る謎の人物からのメールだった。「何があっても、守ってあげる」「僕はいつでも、君の味方だよ」兄の知人ということ以外、DAISYの正体はなにもわからない。照も、何か言えない事情があるのかもしれないと、詮索はしなかった。ある日、照はひょんなことから、金髪の不良公務員・黒崎の下僕として働くことになってしまう。仕事はサボるし、口も悪いし乱暴者の彼の正体は...?

シリアスな場面とギャグの場面の対比がたまりません。少女漫画の主人公なのに、照は鼻血は出すし、お顔にヒゲも描いちゃう。ノリの良い友達との絡みや、黒崎との掛け合いが最高におもしろいです!甘すぎる少女漫画が苦手な人に、ぜひおすすめしたい漫画です。また、ミステリー要素もこの漫画の見どころだと思います。DAISYの正体、兄とDAISYの関係は?そして黒崎もタダモノじゃなかった!常に先が気になります。そして、何といっても恋愛要ですよね。目まぐるしく事件が起こり、弱った時に駆けつけてくれる黒崎カッコいい!大人の男の頼もしさにキュンキュンしちゃいます。照と黒崎、それぞれの切ない心理描写には、こっちまで切なくなっちゃいます。恋愛、ギャグ、ミステリーがうまく混ざり合った「電撃DAYSY」ぜひ読んでみて下さい!

 

天使なんかじゃない

リーゼントと高校生のラブストーリー!

新しく出来たばかりの高校に入学した翠。何もかも新しい事ばかりでワクワクの日々だった翠に「新しい生徒会役員の候補としてクラス代表で出てくれ」というお願いが。頼まれ事を断りきれない翠は仕方なく引き受けることに。立候補の演説の日に高校に入った時からいつも探していた彼を見つける。それは晃だった。高校3年間の生徒会を中心に、各々のカップルが付き合ったり別れたりと色々な試練が巻き起こる!翠と晃は果たして幸せになれるのか、そしてその周りのカップルはどうなるのか?明るくて誰とでも仲良くなれるという特技を持った冴島翠と、リーゼントで悪ぶってるけど実は優しい須藤晃のラブストーリー。

見た目が少し怖い晃が時々見せる可愛らしさにキュンとしました!生徒会の皆も個性豊かで見ていて飽きず、必ずお気に入りのカップルが見つかると思います!カップルの等身大の形が描かれており、読んでいる人が共感出来るラブストーリーになっています。また、登場人物達の服が非常にオシャレで、作者の矢沢あいさんが元々デザイナー学校の卒業生だというのもあると思いますが、実際にマネしてみたくなるコーディネートばかりで見ていて楽しいです!

 

天然コケッコー

田舎で胸キュン!でも、それだけじゃない

ド田舎の生徒たちが少ない学校に、超都会の東京から転校生がやってくる。イケメンの転校生にみんな大騒ぎ。しかし、そのイケメンは都会の男の子らしく、ズケズケ本音を言っては、主人公をハラハラさせ、ムカつかせる。平和な田舎に突然やって来た、イケメン男子にも色々と事情があるようで、主人公や生徒たち、田舎の環境に馴染みつつも、その心にはなにやら複雑な思いがある様子で。周りの大人たちをも、ちょっとだけざわつかせるイケメンと、主人公の女の子と胸キュンなラブストーリーなんだけど、一筋縄ではいかない少女マンガの名作です。

誰もが思い出す初恋のような、甘酸っぱいラブストーリーでありながらも、都会と田舎の対照的な環境で育った、何もかもが違う二人が、いつしか心を通わせていく様子が一番の見所です。とにかく、主役の二人が、どこにでもいそうな普通の男女で、年齢問わずに共感するマンガだと思います。少女マンガの主人公は、いわゆる何の取り柄もない女の子になりがちですが、この女の子は美少女設定だけど、自分では気づいてないところがかわいくて良いですね。逆に男の子は自分の事をイケメンだとわかってるところが面白い。でも、彼女の方はそんなにイケメンとかピンときてないので、そこに彼はひかれるんでしょうね。

 

東京アリス

20代女子の恋愛を描いた東京ラブストーリー!

東京でOLをしている有栖川ふうは恋よりも買い物に夢中な女の子。学生の頃からの友達理央、みずほ、円城寺とは大人になっても仲良し!同じ会社の上司が気になるけど素直になれないふう、お金のないダメ男ばかりと付き合ってしまうみずほ、ふうに密かに想いを抱く理央、結婚をせかされ家のしきたりで東大出身の男と見合いを繰り返すお嬢様の円城寺。欲しいものは決まっているのに中々手に入らない…、このまま環境に流されてしまっていいの?本当に大切な物ってなに?東京で迷える4人のアリス達は自分の幸福を見つけることができるのか⁉︎

主人公のふうに接点を当てたストーリーになっていますが、他の3人の友達それぞれのストーリーを違った視点から見ることができるのがこの作品の見所です!4人とも性格が全然違い、それぞれの環境や悩みがあるので読んでるうちに自分と共感できるキャラクターが見つかるでしょう。東京でのキラキラした生活、大人になってからする友達とのルームシェアなど楽しそうな環境でありつつ、20代後半の女性が抱える結婚・友情・仕事の悩みが4人の視点でうまく描かれています。女友達とおしゃべりする感覚で読んでもらいたいちょっと大人な作品です!

 

東京タラレバ娘

過去を振り返りまくる女子達の話。

主な登場人物は、30代アラサー女子三人組。主人公は、脚本家として、個人事務所を構えるキャリアウーマンの倫子。そして、ネイルのお店を営む香。そして、居酒屋の看板娘の小雪。3人には、共通点がある。それは、未だに独身であるということ。3人それぞれ、過去には、それなりに恋愛など色々と経験を積んできた。バンドマン彼氏と同棲したり、職場の人からプロポーズを受けたり。しかし、未だに、3人ともお一人様。「あの時、こうしていれば、こうしていたら」女子会での、タラレバ合戦が始まる。すると、一人カウンターで飲んでいた若い男性が、3人に辛辣な言葉をかける。「タラレバ女」。突然3人の前に現れた、この男性の正体とは?

登場人物の3人は、30代で結婚を焦る時期である。しかし、一人一人の経歴を見ていくと、倫子は、脚本家。香は、ネイリスト。小雪は、居酒屋店員など、それぞれ好きなことを仕事にして、生き生きとしているところがよい。20代は、仕事や生活に追われて、気が付けば30代になっていた!なんて女性は、今の世の中多いだろう。30代から焦るくらいなら、もっと早くこうしれいれば…と考えるシーンは、誰でも当てはまるし、強く共感させられる。それは、結婚などの恋愛だけではなくて、やりたいことや、勉強など、ありとあらゆることがタラレバに繋がる。そんなタラレバの世界を、3人を中心に、コミカルに面白く描いていて、読んでいて非常に楽しかった。

 

動物のお医者さん

リアルに描かれた動物が可愛いコメディ漫画!

高校3年生の冬、西根光輝(通称ハムテル)は学校の帰り道、H大学獣医学部の解剖実験室の側で険しい顔をしたシベリアンハスキーの子犬と出会う。H大学獣医学部の教授と思わしき人物が子犬を捕まえて戻っていく様子をみたハムテルは思わず教授に声をかける。そんなハムテルの様子を見た教授はハムテルが子犬を預けるに足る信頼できる人物だと判断して、子犬をハムテルに押し付けることに。そして教授は「君は将来獣医になる!」と言う。様々な動物を飼っている西根家に新しくシベリアンハスキーが加わり………。

色々な動物たちが登場するのですが、動物たちが非常に可愛く描かれており、動物好きにはドストライクな作品です!動物たちにもセリフが割り当てられており、動物たちを擬人化しているようで非常に面白いです!獣医学部を舞台に主人公や同級生、動物たちの愉快な日常を中心に描かれており、生き生きと活動する動物たちに注目です!北海道大学の獣医学部をモデルにしており、シベリアンハスキー犬ブームの火付け役ともなった作品です!

 

図書館戦争

鬼教官と熱血部下の独特で気になる恋バナ!

本の検閲が厳しい時代の話。高校生の時に欲しかった検閲対象の本を守ってくれた図書隊員に憧れ、図書隊へ入隊した主人公・笠原 郁。憧れの図書隊員"王子様"を目指し、まずは憎き上官を超えると不器用ながらも奮闘していく。ピンチの時に必ず現れる憎き上官を「王子様みたい」と思うようになっていく郁。実は、王子様はずっと見守り続けていたのだった。郁がその事実に気付いてから戸惑い、悩みながらも王子様としてではなく今の上官を見つめて改めて好きになっていく。難関任務の後に郁がきちんと告白し、行動で返事をもらう。そそっかしい郁と、大切に思うあまりにちょっとだけ不器用になってしまう上官とのムズきゅんラブストーリー。

タイトルに戦争と付いていたので物騒な内容なのかなと思って、しばらく避けていました。あるキッカケでこの作品を手にしたのですが、想定していたほどの物騒な内容ではなく、言論・出版についても考えさせられるラブストーリーでした。顔も覚えていない王子様の姿を求めて独力で司書資格を取り図書隊に入隊し、どんな理不尽にも耐え一直線に進む郁の姿がとても素敵でした。一方の王子様も、危険な職を選ばせるキッカケを作ったことに罪悪感を感じ辞めさせようと態と厳しくしたり、危険な時は助けたりと郁を思う気持ちが溢れていて素敵でした。ムズきゅんからの急なベタ甘展開は、何度読んでも心の中で叫んでしまいます。

 

となりの怪物くん

恋と友情それから将来。あなたにもきっと覚えのある青春ストーリー!

成績がすべて、それ以外のものに興味はないー…。ドライアイス、とあだ名をつけられていたほどの冷たい女、水谷雫。高校入学直後、一冊の参考書につられたばかりに学年一の問題児・吉田春になつかれてしまう。ハルは噂通りのやばいやつで、暴力は振るうし意味の分からない言動ばかり。私は勉強ができればそれでよかったのに!と悩む雫。しかし、不器用なだけで一生懸命な彼に、雫の心は動かされる。不器用な二人が、時に傷つき、時に相手の痛みを知り、心を通わせていく。人と触れ合うことで自分の心も見えてくる、人生にたった一度の成長を描いた珠玉の青春ストーリー。

なんといっても最大の見どころは登場人物たちの成長です!友人関係、恋愛それから将来に…理想はあるのになんでか現実はうまくいかない、そんな悩みを実際に抱いていた方もいらっしゃると思います。この作品の登場人物たちも一緒です。リアルな悩みに時に涙し、それでも少しずつ人と触れ合っていく中で何かを見つけていきます。一生懸命な登場人物たちを見ていると、胸がキュッとしてしまいます!登場人物それぞれの恋模様も必見です!読んでいくうちに登場人物全員を応援してしまうことでしょう…。そして怒涛のコメディと胸キュンの連続にガンガン読み進めてしまうこと間違いなし!

 

トナリはなにを食う人ぞ

作ってみたくなる飯テロ漫画

大学生になり、上京し一人暮らしを始めた稲葉すずなですが、生活能力のなさから早くも金欠。自宅のあるマンションで行き倒れそうになります。そんな時、お隣に住む大学のクラスメートの瀬戸晴海から救いの手が。なんと彼は手料理をご馳走してくれました。がっちり胃袋を掴まれたすずなは実家から送られる大量の野菜と引き換えに、晴海から料理を教わることになります。厳しくも優しい晴海にだんだんと心惹かれるすずなですが、初対面ではっきりと「タイプじゃない」と言われたすずなは早くも諦めモードに。料理の腕は上がれど、二人の関係は遅々として進まず…?

大学デビューしたすずなちゃんは、おしゃれも勉強した、というほど生真面目な女の子です。元来の向上心の高さから、どんどん晴海くんから料理を学び、あっという間に上達していきます。そんな努力家を読者が好きにならないはずがありません。一方お相手役の晴海くんもまた初対面からざっくりと失礼なことを言うのですが、徐々に親しくなっていくすずなちゃんに対して垣間見える優しさや真摯さから、決して悪い子でないのがわかります。手先は器用なのに、二人とも不器用だなぁという気持ちになります。そして何よりもメニューを聞いているだけでお腹の空く料理の数々が、本作品を深夜に読んではいけないと告げてきます。可愛い登場人物と美味しそうな料理を是非ご堪能ください。

 

とりかえ・ばや

生きたいように生きること

この作品は、平安時代の古典 とりかえばや物語をさいとうちほが漫画家したもの。女として生まれた沙羅と男として生まれた睡蓮の兄弟は、お互いに女らしくなく男らしくなかった。それが2人にとって自然で親と周りを悩ませていた。とりかえばや (とりかえたい!)と。そのまま本人の意向で成人の儀は沙羅双樹の君、睡蓮の姫として性を逆で行う。都での仕事も帝や周りの同僚を偽りながら働いていく2人だった。そのうち帝に憧れを持ちはじめた沙羅、帝を欺きながらも惹かれていく恋心は沙羅をどんどん女性として美しくする。男装しても隠しきれぬほど美しい。そしてついにプレイボーイで評判の同僚に沙羅が女ではないのかと疑われてしまう。

平安時代、帝を欺くことは大罪。それでも2人の力は沙羅は男性として、睡蓮は女性として発揮されます。それは幼少期から好きを極めて培ったもの。その仕事ぶりに周りも高く2人を評価します。同じ女性として力強い沙羅はとても魅力的です。また男装していながらも華奢で美しく帝を恋い慕う気持ちをひたすら隠してお仕えする姿が健気で好感を持てます。そして王子様、帝は少女漫画の王道イケメンでちょいちょいグイグイくるのですが、沙羅が隠していたのは男装していたことだけでなないので帝も戸惑い悩み苦しみます。平安時代に現代にも通用する小説があったのかとキュンが足りてない大人の女性に贈りたい作品です。

 

逃げるは恥だが役に立つ

職無し、家無しの大ピンチから始まるムズきゅんストーリー

主人公 森山みくりは、派遣切りに遭い無職になってしまう。そんなみくりを見かねた父が、元部下の津崎平昌の家の家事代行を紹介する。お試しで一度行き継続が決まったが、その間に父は田舎暮らしがしたいと自宅を引き払うことが決まっていた。みくりは住むところが無い。かといって、部屋を借りる余裕もない。そこで、平昌に相談して契約結婚に至る。表向きには正式に結婚したことにして、秘密の契約結婚の生活が始まった。自分を守るための心の壁が分厚く高い平昌と、それを心理学的に分析して壊しに行くみくりとのムズきゅんラブストーリー。

森山みくりを新垣結衣が、津崎平昌を星野源が演じて話題となったドラマの原作漫画。平昌の自分を守るための心の壁を作る気持ちが、よく分かると思いながら読んでいました。平昌を好きかもしれないと自覚してから、過去の失敗を振り返りながら慎重に壁を崩しにいくみくりは凄いなと思いました。私なら業務のままでいいやと思ってしまうところです。心の壁が崩れてからの平昌の行動や作中に出てくる妄想のパロディーは好きな場面で、楽しく読みました。契約結婚を経て、正式に結婚して妊娠まで。私がこれから読もうとしている最終巻では、子供が誕生しているようでどんな家族になっているのか楽しみです。

 

のだめカンタービレ

汚部屋女子が恋をする。音楽が繋ぐ恋の物語

玄関の前でイケメンが酔い潰れて寝ていた。千秋 真一、音大のピアノ科4年で有名ピアニストの息子だ。彼が目覚めたのは、ゴミの山と悪臭とピアノの演奏の中だった。この部屋の主は、野田 恵。千秋と同じ音大のピアノ科3年。好き勝手にピアノを弾く天然不思議少女だった。この日から、野田 恵こと"のだめ"は千秋を追いかけ回す。千秋のスタイリッシュな部屋に、こたつを持ち込むなど自分の家のようにする のだめに苛立ちを感じていた。しかし、のだめ がキッカケで個性豊かな人たちと嫌々ながらも関わったり、有名指揮者シュトレーゼマンから様々なことを教えてもらったりと千秋が人として成長していく。怒りから始まったが、いつの間にか恋になっていく。そして、2人はパリに留学した。

野田恵を上野樹里が、千秋真一を玉木宏が演じたドラマの原作漫画。作中に登場するクラシックは、動画サイトで検索して聴きながら読んでいました。この漫画の面白いところは、個性豊かな人たちがテンポよく面白いことをしていくところです。読んでいるこちらも、彼ら彼女らのテンポに合わせてペースが上がっていきました。あまりにコミカルなところが多くて、のだめと千秋の恋の話でもあることを忘れかけてました。千秋を飛行機と船のトラウマから解放してパリ留学させてしまうのだめのパワーの凄いこと。あのパワーは、千秋への愛が出させたのか、不思議ちゃんパワーだったのか。

 

BASARA

圧倒的読後感!

舞台は遠い未来の日本。高度な文明は20世紀末に滅び、日本列島は王とその一族によって支配されていた。物語の主人公は山陽地方の村に生まれた少女・更紗(さらさ)は村を襲った赤の王に家族と仲間を奪われる。赤の王へ復讐を果たすべく、運命の子と予言された双子の兄のふりをし、更紗は仲間と立ち上がった。旅の途中、偶然出会った青年・朱里(しゅり)に次第に心惹かれていく更紗。実は朱里こそが、全ての元凶である赤の王その人だったのだ。更紗と朱里はお互いの正体を知らないまま絆を深めあっていく。日本各地を巡りながら、次第に仲間を増やしていく更紗。復讐は果たされるのか?2人の恋の行方は?

「BASARA」の魅力は何と言っても個性豊かなキャラクターたちです。読めば必ず自分の好きなキャラクターに出会えます。物語の中でキャラクターたちが悩み、生きぬいていく姿に勇気をもらえます。特に主人公の更紗は素直さと優しさゆえに何度も傷つき、その度に立ち上がります。更紗の勇敢さ、儚さは作品中の仲間たちのみならず、読む人の心を引きつけます。幾重にも張り巡らされた伏線が次第に回収されていくストーリーの緻密さには脱帽です。残酷な展開があっても必ずその先に希望がある、読み応えのある作品を求める人には絶対にオススメの作品です!

 

はじめちゃんが一番!

普通の女子高生が芸能界の裏側に。女の子憧れのシチュエーションがいっぱいです。

高校生の女の子・はじめ。彼女の弟たちはなんと5つ子。当然のことながら家計は火の車。そんな折、ある芸能事務所に弟たちが見いだされ、アイドルグループとしてデビューすることに。付き人のような形で彼らに付きそうはじめは、同じ事務所のWEという二人組ユニットに出会います。そのユニットの和田瑞希に一目惚れしたはじめ。彼女に対し、ファンからの妬みも当然出てくるわけで……。しかし、それにもめげず明るく前をむこうとするはじめと、弟たちのがんばりが描かれています。はじめの恋はどうなるのか、芸能界の裏側がちらり、と女の子なら憧れる展開が山盛りの作品です。

初出は1989年とかなり古い作品ですが、今読んでも違和感のない絵柄です。弟たちとのやりとりもテンポがよく、笑ってしまうシーンもたくさん。彼らが所属している事務所は、実在する男性アイドルグループ事務所がモデルとなっているのは明らかです。そのため、この事務所のファンの方にはとてもおすすめです。WEのもうひとりの江藤亮もユニークな人物。すこし変わり者の彼は、はじめとはまったく息が合いません。はじめは彼を嫌っているのですが、完全に「嫌い」なのではなく複雑な感情もあるようで……。大人気アイドルに対して毒舌をはけてしまうなんて、女の子ならその立ち位置に憧れますよね。タイトルが回収されるのは物語の終わり。どう展開していくのかは読んでのお楽しみです。

 

ハチミツとクローバー

優しい気持ちになれるラブストーリー

美大生たちのキャンパスライフ、そこで生まれていく恋愛を描いた作品です。主人公のはぐみは美大で個性的な学生たちと出会い、学生たちと過ごしながら作品作りに励みます。やがてはぐみは作品に情熱を注ぐ森田にしだいに憧れの気持ちを抱くようになります。はぐみは森田が気になるようですが、森田は彼女をからかうようなことをしたり、時に優しくしたりと本当の気持ちがよくわかりません。はぐみのことをかわいいと思う竹本という学生もいて、ちょっと不思議な恋の三角関係ができ上がっていきます。読むほどに恋の行方が気になるストーリーです。

作中のはぐみの言動がとても印象的でした。真剣な面持ちで作品作りをする森田をはぐみが憧れの視線で見つめるシーンは、先輩に恋しているとも受け取れました。確かに作品作りに没頭している森田はかっこよく、はぐみに共感できました。さらに屋外で竹本に接するシーンも気に入っています。虫除けの薬になる葉っぱを竹本の体に貼るようにして「こうすると噛まなくなる」と言うはぐみには胸がキュンとしました。さりげない優しさが光っていたシーンで、竹本ははぐみに恋をした瞬間だと思います。終始はぐみの言動には心動かされっぱなしでした。

 

パティスリーMON

華やかなパティスリーで仕事に恋に奮闘する女子のお菓子のように甘いラブストーリー

主人公・音女(おとめ)は失業中に自分の家庭教師だった憧れの”先生”・土屋と再会、ひょんなことから彼の職場・パティスリーMONで働き始める。憧れの土屋と大好きなケーキの世界で働けることに胸を高鳴らせるおとめだが、MONのオーナーパティシエ大門はケーキに対するこだわりや強い職人気質を持ち、おとめのことを好意的にとらえてはいなかった。しかしながらおとめが真剣に仕事に取り組む姿勢を感じた大門は少しずつ彼女を認め、懸命な彼女に少しずつ好意を抱くようになる。土屋もまた可愛い教え子だったおとめを一人の女性として好きになっていることを自覚はじめるのだった。ある日店の方針と自身のこだわりとのずれから土屋が店を辞めてしまう。店は回らなくなり落ち込むおとめの前に、土屋の恋人でありMONの元従業員の雪が現れる。

純粋だけど自分をしっかりと持っている主人公おとめと職人肌で頑固なオーナーパティシエの大門、そして土屋、さらに土屋の彼女・雪の絶妙な四角関係が見どころです。素直になれない、感情のままに動けない大人の恋愛に共感すること必至です!また菓子業界の舞台裏やお菓子の技術に関しても監修がついているのでしっかりと描かれていて読みごたえがありますよ。メインとなる恋愛パートのキャラクター四人に加え、おとめと一緒に切磋琢磨する若手パティシエたちも時にはコメディ要素として、そしておとめを励ましながらともに成長する存在としてストーリーを一層面白く読みやすくしています。大人の恋愛物語、そしてお菓子の好きな人にも是非読んでほしい漫画です!

 

BANANA FISH

「BANANAFISH」を巡る陰謀の物語

ニューヨークでストリートギャングをまとめるボス、アッシュ・リンクスは、その手下によって襲われた瀕死の男から、ある場所の住所と、「バナナフィッシュに会え」と伝えられ、最後に小さな入れ物に入った薬物サンプルを受け取った。バナナフィッシュとは、ベトナム戦争で麻薬にやられて廃人になったアッシュの兄、グリフィンがよく口にしている言葉だった。そしてアッシュはバナナフィッシュを追うことになる。そして同じ時、ギャングをまとめあげる力を持つアッシュを取材する為、カメラマンのアシスタントとして日本からやって来た少年、奥村英二と出会う事になる。

私はアニメで初めて見ましたが、おそらく、これからもずっと一番好きなアニメになると思います。アッシュは端正な顔立ちでブロンド、グリーンアイのため男性にもモテるようで、その中で精神的、肉体的屈辱を受けていた暗い過去があり、表と裏ではこんな風に違うんだな、とアッシュを思うと悲しくなりました。それでも、英二と出会った事で、アッシュはだんだん、本当の愛ってどんなものなのかを、何となく知るようになっていき、それを見ると安心して涙が出ました。後に2人は絆で結ばれた親友になりますが、試練を潜り抜けた後、それを最後に二度と会うことは叶わなくなり、辛さと切なさが胸に込み上げてきてやりにれない気持ちになりました。それでもアッシュは最後、穏やかな表情でいた事が少しの救いだったのかな、と思いました。

 

花より男子

媚びない女・牧野つくしの夢物語!

お金持ち高校生とボンビーガールの牧野つくしの学園生活、貧乏というよりも入学先の学園の生徒が成金すぎる!そんな格差の大きい学園に通うことになったツクシ、もちろん浮いた彼女はいじめのターゲットにされてしまい、ついにF4を敵に回すことに。そんな戦いの日々のなかで道明寺司がつくしに惚れてしまうことからいじめも一転します。つくしと司のちぐはぐな関係がスタートするのです。身分格差からお互い理解しあえない暮らしぶり、考え方の乗り越えて2人は徐々に関係をちじめていくことに。
多くの障がいを乗り越えて本物かどうか気持ちを温めてゆくストーリーです。

財閥に好かれるボンビーガール。つくしの置かれた立場は女子にとって誰もが夢物語に近く、愛読者の女子の好奇心をくすぐります。もしもわたしだったら??という妄想を描きながら、楽しめるドタバタ劇です。つくしと司、2人がゴールインするまでに多くの試練が待ち受けています。そんな試練に立ち向かう2人のたくましさ。つくしのたくましさは少女漫画では例の見ないキャラクターでしょう。財閥に好かれても一切女として人間として媚びない女、そんな強い人間、牧野つくしのキャラクターが良い。彼女だからこそ共感でき応援し、愛読もしたくなるというものです。

 

パフェちっく!

恋心を揺れ動かす三角関係!

主人公はとにかく明るく元気な女子高生風呼、風呼のアパートにいとこ同士の大也と壱が引越してくるところからストーリーがはじまる。風呼ははじめ、モテる男の代表、元気でイケメンの大也に惚れるがフラれてしまう。そんな風呼を慰める寡黙な壱に次は惹かれていく…というまあなんとも少女漫画の王道をいくストーリー。しかし、壱には実は好きな女性がいて、それを知って傷つく風呼。そんな風呼を元気づけていく大也、大也も風呼が好きだと気づく。徐々に風呼はまた大也を好きになるが、壱がやっぱり風呼が好きだと風呼と大也に宣言する。それ以降大也と壱は険悪になってしまい、なかなか思うようにいかない3人だが、最終的には大也を選ぶ風呼。3人の恋心がゆれ動く青春ラブストーリーだ。

モテる男の王道大也と、寡黙だけど実は優しい壱のどちらがいいか風呼のゆれ動く恋心、わかるわかる、と何度も共感した青春時代が懐かしい。風呼の好きだと思ったら純粋に一生懸命伝えるところも愛らしく、いつのまにか風呼が大好きになっていく。好きになるからこそ傷つくこともあるけれど、傷を恐れない風呼の姿はなんだかエールを送りたくなる。そんな風呼に読者だけでなく大也も壱も惹かれ、2人とも変わっていく様子、素直になっていく様子が印象的だ。どっちと付き合っても幸せになれる、でも幸せの形が違っていて幸せを選ぶのも難しいんだと思った一冊だ。

 

Paradise Kiss

華やかなファッションの世界を舞台に繰り広げられる甘くほろ苦いラブストーリー

進学校に通う平凡な主人公の紫はある日たまたま出会ったファッションの専門学校・ヤザガクの学生実和子たちに自分たちのブランド・パラダイスキスのモデルとしてファッションショーに出てほしいとスカウトされる。ファッションも個性的で奇抜、勉強一筋で生きてきた紫とは見た目も価値観も違う彼らを馬鹿にした目で見ていた紫だったが、交流を深めるうちに自分の目標に向かって真っ直ぐに生きる彼らに惹かれていくのであった。そして彼らのブランドの中心人物であるデザイナーのジョージとぶつかりながらも深い恋に落ちていく。彼らは卒業を前にしてどのような選択、決断をしていくのか!?ファッション業界を舞台に、大人になりきる前の高校生の繊細な心情を描く人生の決断と恋の物語。

華やかなファッションの世界に知識ゼロの状態で飛び込んだ紫を中心に、物語の軸となる登場人物がそれぞれの決断をして出会い別れを経験して大人になっていく。純粋なハッピーエンドではないけれど、子供から大人になる過渡期に全力で自分と向き合う心理描写がとても丁寧で、大人にこそ響く青春ラブストーリーを超えた成長物語です。また主人公紫と恋人のジョージの恋模様以外にも実和子と嵐、浩行の幼馴染三人の絶妙な三角関係も必見です!そしてとにかく物語に登場するファッションが美しく豪華!同作者のご近所物語に登場したキャラクターも成長した姿で登場するのでそちらを見たことのある方にはさらに楽しめる作品だと思います。

 

春待つ僕ら

イケメン4人+1人との、青春恋物語!!

自分を変えたくて、本当の友達がほしくて、あえて遠くの高校を受験した主人公美月は、入学後いまだ友達出来ず……。そんな中、バイト先のカフェで人違いをされたことがきっかけで、バスケ部のイケメン4人組と絡むようになります。その中の一人、浅倉永久とは同じクラス。ふとしたことがきっかけで、自分の胸の内を話すことになり、それを黙って聞いてくれてた彼が、「素直でよろしい」と頭をくしゃくしゃされ………。その日以降、いつも一人だったお昼の時間も、なにかと彼ら4人組が付きまとうようになり、美月の毎日は動き出します!

バスケ部のイケメン4人組と仲良くなること自体が、羨ましい展開ですが、なにより主人公の美月が真っすぐでいい子なので、俄然応援したくなります。そして、イケメン4人それぞれが、バスケにも恋にも真面目で、最高にかっこいいです!全然チャラくないし、浅倉君が次第に美月に惹かれていく様も、とても自然で、奥手かと思いきや急に男気だしてくるところとか、たまらなくかっこいいです。恋も友情もバスケも、すべてがバランスよく組み込まれていて、ラストまで飽きたり間延びすることなく存分に楽しめます!最後に、それぞれの番外編もあって、みんなハッピーエンドなので、読後の爽快感はばっちりです!純粋に青春を感じたい人におすすめの作品です。

 

パーフェクトワールド

車イス?そんなの関係ない。大切なのは気持ち

川奈つぐみは、昔から絵が得意だった。高校卒業後は、東京のインテリアデザイン会社に就職。大学生の時に事故で脊髄を損傷して車イス生活になっていた鮎川樹と東京で再会し、付き合い始める。樹が心配なつぐみは、樹の家に通う回数を増やして疲労で倒れた。これをキッカケに、樹は別れを切り出した。そんな矢先に父親の病が分かり、退職して地元である松本に帰ることになった。そこで偶然再会したのが、つぐみと樹の高校の同級生である洋貴だった。洋貴は高校時代、つぐみに好意を抱いていた。再会したことによって思い出し、樹と別れたつぐみに告白をして恋人となった。高校の同級生の間での三角関係。つぐみは、どちらを選ぶのか。

つぐみと樹が付き合い始めて、樹の介護ヘルパーさんが樹に好意を抱いていると気付いたつぐみの気持ちが痛いほど伝わってきました。だったら、自分がと頑張ってしまうところも。倒れた時は、やっぱり無理がくるよなと思いました。そして、樹からの別れ話も納得でした。介護は短距離走じゃなくて、長い長いマラソンだから頑張り過ぎるつぐみを見ているのが辛かったんだと思います。言葉のひとつひとつに、つぐみを想う気持ちが詰まっているなと思いました。つぐみの気持ちが決まってからの強い意志と樹との固い絆には、涙が止まりませんでした。

 

ひつじの涙

前向きな少女が往く部活ラブコメ!

憧れの紫ノ塚学園に入学した蓮見圭は、同級生の神崎京介の部屋に入りたくて仕方がない。というのも、彼女にはある探し物があり、その探し物が彼の部屋にある“かも”しれないのだった。一方、神崎は過去の出来事から一人になりたくて地元から離れた学校へと来ていたのだが、圭に付き纏われる日々を送っていた。静かに暮らそうとしていた神崎だが、圭の言葉をキッカケに自身の過去と向き合うようになっていく。なんだかんだで持ち前の面倒見の良さから圭の探し物に付き合うことを決めた神崎。圭の探し物とは?そしてその探し物はどこにあるのか?!

圭と神崎のダブル主人公で展開する少女漫画なのですが、ヒーローサイドである神崎の視点で物語が進むことが多く、少女漫画としては少し新鮮な読み心地となっています。キャラクター同士の会話もテンポが良く、特に主人公の二人の掛け合いは非常に印象的です!また、主人公の二人はもちろんですが、クラスメートや先輩、圭のお兄さんなど二人を取り巻く登場人物も個性的で魅力的です。結構な人数が登場するのですが、一人一人に過去があり、考え方があり、感じ方があります。一つの出来事に対して様々な人物の視点から見ることができ、それぞれの登場人物達に共感してしまいます!伏線の回収も素晴らしいので是非二人の言葉に注目してみて下さい!

 

ひるなかの流星

田舎の女の子にも夢がある!

田舎でのほほんとした生活を送っていたが、両親の都合で都会の高校に転校し新しい生活を送ることになった与謝野すずめ。初めての都会で迷ってしまったところ、ひょんなことから獅子尾と出会う。しかし獅子尾はすずめの転校先の高校の担任の先生だった!すずめの新しい学生生活が始まると席が隣になった馬村と仲良くなる事ができる。そして最初は苦手に感じていた獅子尾に助けられることが多くなり徐々に惹かれていくすずめ。さらに馬村もすずめのことが気になっていく。一方獅子尾は…馬村、獅子尾、すずめの三角関係はどうなっていくのか!

見所はやはり馬村と獅子尾のかっこよさです。2人とも違うタイプのイケメンで自分だったらどっち派か考えるのがとても楽しいと思います。馬村とはクラスメイトとの恋愛なのですが、獅子尾は担任の先生なので先生と生徒の禁断の恋愛でもあります。獅子尾は自分の立場もわかっているがすずめに対する気持ちが抑えきれなくなるダメ男感もまたいいです。キュンキュンポイントがたくさんあるので好きなシーンを何回も読み返したくなります。獅子尾先生はすずめのことを「チュンチュン」と呼ぶのですがそれがとても可愛らしくて好きです。また、登場人物は全員動物の字が入っていると言う共通点もあったり、細かいところまで楽しめる作品だと思います。

 

ひよ恋

身長差に胸キュン!

超がつくほどの人見知り体質である15歳の主人公・西山ひより。自己紹介は1番苦手なイベントかもしれないと思っていたが、「名前くらいちゃんと言わなきゃ」と自分を鼓舞して名前を言おうとするものの、そのタイミングで教室に入ってきた1人の男子によって遮られてしまう。その男子は190cmという超がつくほどの高身長男子・広瀬結心だった。「こんなミクロサイズの高校生いるんだ」と半ば感心したような感想を、身長を気にしているひよりに向かって臆せず言ってしまう失礼な広瀬。さらには、ひよりのことを「ひよこ」に似ているとまで言ってしまい……。

年齢差とか身長差とか、差があるカップルって本当に素敵だなと凄く憧れを抱きました!さすがに50cmも身長差があったら何かと不便なことも多いかなとは思いますが、身長差故にお互いで見える景色が違うって面白そうですし、何よりその違いをお互いの間で共有していくのは楽しそうだなと思います(笑)。兎にも角にも、ひよりちゃんが可愛くて癒されました。思わず抱きしめて頭を撫で回したくなってしまうような、あんなに可愛い女の子が自分と同じクラスにいたら毎日がハッピーでしかないなと思います。胸がじんわりと温かくなって幸せな気持ちになれる作品です!

 

ピースオブケイク

20代の大恋愛叙事詩

主人公の志乃は24歳。流されるまま付き合っていた高圧的な彼氏と別れ、仕事も辞め、心機一転、叔父が所有するアパートに引っ越しをしてくる。引っ越してきた初日の夜、庭の草むしりをしていると、アパートの隣人である京志郎に出くわし、その笑顔に目を奪われる。その翌日バイトの面接に向かった先で、そのバイト先の店長として京志郎と偶然再会し、それから徐々に京志郎に惹かれていく志乃だったが、京志郎には同棲している彼女がいて…というストーリー。ストーリーが進むにつれ、京志郎の彼女であるあかりが出ていったことで話が大きく動いていきます。登場人物の心情が非常にリアルに描かれています。

ジョージ朝倉先生は本当に登場人物の心情を描くのが上手な漫画家です。主人公の志乃が店長である京志郎を好きになる場面や、あかりがいなくなってから京志郎と付き合い始めてからも自信の無さからあかりを気にしてしまう場面など、読者側が、あ、わかるといったリアルな感情を非常に叙情的に漫画に落とし込んでいると思います。コマどりなど魅せ方も映画的で本当に引き込まれます。また演出だけではなく、セリフがとてもキレイです。美しいのにどこか諦めがあるようなセリフがリアルで、それらが作品をロマンチックで魅力的なものにしているんだと思います。この作品は結果みんながハッピーエンドになれる最後だったのもよかったです。

 

フラウ・ファウスト

悪魔と契約した少女の旅の目的はー?

ある目的のために旅をするヨハンナ・ファウストはとある町で少年・マリオンを助ける。裕福な家の育ちではなかったマリオンだが、とても博識であり、ヨハンナはある条件のもと数日間彼の先生になる。そして新月の晩、マリオンは交換条件である”ある場所の扉”をあける。ヨハンナの旅の目的ーそれはかつて教会に封じられた己の悪魔・メフィストフェレスを取り戻すことだった……。不死と禁忌を犯したヨハンナは自らを狙う異端審問官や教会から己の悪魔を取り戻すことができるのかー。これは不死の禁忌を犯したファウスト博士の物語。ドイツを舞台したダークファンタジー。

悪魔や禁忌といった言葉が好きな人は好きになるかと。ドイツモチーフの世界観は珍しい。主人公もゲーテの戯曲に出てくるファウスト博士だったり、超重要悪魔はメフィストフェレスだったり、ヨーロッパの神話とかが好きな人には刺さる話です。ヨハンナが悪魔と契約した理由は探求心がある人は共感できると思います。それに教会が大分ブラックというかダークで、ダークファンタジーの王道をいってて非常に面白い。ヨハンナ、つまりファウスト博士は世間的には悪い奴で認識されているので、そういう人の真実は…みたいな話が好きな私にブッスリ刺さりました。全5巻でキレイに完結しているのでダークファンタジー好きにぜひとも薦めたい漫画です。

 

BLACK BIRD

妖怪と少女の恋愛ファンタジー

ヒロインの女の子美沙緒は、100年に1度生まれる「仙果の娘」で、妖怪の嫁に迎えると一族が繁栄されるとされ、狙われる運命に!そこで、幼馴染で小さいころに別れた、初恋のお男の子、匡と再会。でも、その男の子の正体は、天狗の長だった。自分は妖怪から狙われると知る美沙緒。でも、好きだった男の子は、自分を狙う妖怪。匡は美沙緒を好意を告げるが、思い通りにいかず。美沙緒は匡に惹かれているけど、妖怪という存在だから素直になれない。いろんな妖怪から狙われる美沙緒を、匡が守る。色んな試練を2人で越えながら、惹かれていく物語です。

全体的に物語がスムーズに進むので、飽きずに読み進められます。物語の流れは「付き合う前・付き合ったあと〜」というように、2人の関係が変わっていくのが見所の一つですね。毎回、キュンポイントがあるから、女の子はたまないです。また、シリアスなシーンもあるので、結末のドキドキ感も味わえます。けれど、シリアスなシーンが続く訳ではなく、「キュン・ギャグ・涙あり」の3拍子が揃っている少女漫画です。イケメンキャラクターも数人登場するから、推しが必ず見つかるはず!絵柄も綺麗で、特に表紙は凝っているので、巻数が揃うと圧巻です。

 

プリンシパル

自分の気持ちがわからない恋と友情のあるある!

学校で友達と上手く行かなくなった糸真は、家庭のゴタゴタもあり、実父を頼って北海道へ。そこで糸真は、和央と弦と出会い仲良くなります。しかし、和央と弦は学校の人気者で「抜けがけ禁止」の存在。糸真は、前の学校と同じ過ちを繰り返しそうになりますが、主犯の晴歌と向き合い親友になりました。糸真は、和央に好意を寄せてましたが、糸真の父と和央の母の再婚により、2人は兄妹となってしまうのでした。糸真と和央と弦は仲良しでしたが、和央は弦の過保護な態度から自立したくて3人の関係が少し崩れてしまいます。さらに、和央の好きな人は弦の姉だったのです。

学生時代の女子のあるあるが詰まっていて、最初すこし辛い展開ですが、すぐに解決しあとはラブコメへとシフトしていきます。後半は、自分の本当の気持ちがよくわからないといった恋愛あるあるが展開され共感できます。さっさとくっつけば周りの人を傷つけないのに、若気の至りが見どころです。糸真の心の声が、とっても正直で臆病で可愛らしく面白い。思い切ってそれを口にすればいいのにと思いますが、それが出来ないのが女子高生。その辺りの心理描写がとても上手くて入り込んでしまいました。辛いことから逃げても大丈夫。むしろ新たな出会いが待っているという感じの勇気がもらえる作品です。

 

古屋先生は杏ちゃんのモノ

一途でストレートな恋心を楽しみたいならこれがオススメ!

バイト先で女性に見事にフラれるシーンを見た主人公杏ちゃん。そして学校に行くとそのフラれ男性が新しく来た先生で…。先生の純なところや不器用なところにどんどん惚れていく杏ちゃん。そしてそんな杏ちゃんにいつのまにか惚れてしまう学校1のイケメンキミシマ君。杏ちゃんの恋を応援しつつも自分の心に嘘がつけなくなっていくキミシマ君の行動や表情に読者もどんどん引き込まれていきます。一途すぎる杏ちゃんに、先生もどんどん惹き込まれいつの間にか相思相愛。それぞれの恋を楽しい大阪弁に乗せて軽快な会話でテンポよく話は進んでいきます。

絵柄が可愛いことはもちろんのこと、内容がとにかく面白くて可愛い!1冊で何回吹き出して笑ってしまうかというほど大阪弁での会話が楽しい作品です。一づなのは主人公杏ちゃんだけでなく、登場人物それぞれが心に想っている相手を大切にし、寄り添い本当にほのぼのと、そして切なくなる漫画です。無料漫画で読み始めましたがやっぱり最後はどうしても読み進めたくて購入してしまいました。購入して後悔なし!の久々楽しい漫画でした。心をワクワクさせるのがやっぱり漫画の王道ですよね。この漫画はドストレートに王道をいってるオススメ漫画です。

 

フルーツバスケット

秘密が織りなす学園ラブストーリー。

主人公の本田透はすでに両親が共に他界しており、祖父の家で養われていた。その後、高校生になり遠回しに家を追い出された透は頼れる所もなく山にテントを張り生活を送っていた。しかし、その土地はクラスで人気者のイケメン男子・草摩由希が住む草摩家の敷地内で、そのまま草摩に見つかってしまう。草摩家のご厚意から家に居候させて貰うことになった透だが、透はそこで草摩家の一族に続く秘密を知ってしまう。なんと彼らは異性に抱きつかれると十二支と同じ動物に変化してしまうという特殊体質を持っていた。本来なら秘密を知ったものは記憶を消されてしまうのだが、透は家事を条件に草摩家で過ごすことになり……。

人が動物に変化すること以外はごく普通の日常が描かれており、透の学園生活などでは身近に感じることも多々ありました。また、草摩家に生まれたことで悩みを抱える彼らに、純粋な透がそっと寄り添うことで気持ちに変化が生まれる描写が印象的です。自分自身が嫌いと感じたり、大切な人には自分が犠牲になってでも幸せになってほしいと思うことは共感できる人も多いと思います。そんな自分を否定せず、自分の良い所を見つけてくれたり、自分が一番言ってほしい言葉をかけてくれる透の言葉にとても感動しました。そんな優しい言葉があふれた作品です。また、草摩家の人々の動物姿も非常に可愛いのでお楽しみに!

 

放課後、恋した。

甘酸っぱいスクールライフ

自分の存在意義が見出せず、夢中になれることが何もない女子高生の葉山夏生は後ろ向きな気持ちで男子バレーボール部の臨時マネージャーをしていた。夏生の兄は同じ学校で先生をしており男子バレーボール部の顧問でもある。ある日夏生は兄から同学年でバレーボール経験者の久世渚を必ず入部させるよう命じられる。逆らえない夏生は久世に入部を頼み込むが、とある理由でバレーボールの世界から離れていた久世は一向に首を縦に振ろうとしない。そんな中久世が誰もいない場所でひっそりバレーボールの練習をしている姿を見かける。久世のことを諦めきれない夏生は懸命に入部を促す。そんな夏生の姿に久世も徐々に心が動き入部を決断し再度バレーボールをすることに。バレーボールにかける思いと2人の関係が同時に少しづつ動いていく・・・

学生時代にしか味わえないであろう甘酸っぱい青春がたくさん詰まっている作品です。まっすぐな性格で少し鈍くさい主人公の女の子を、からかいながらもいつもさりげなく助けてくれる男の子が素敵です。2人の関係がくっつきそうでなかなかくっつかない、でもお互いを思いやる関係性は見ていて温かい気持ちになります。王道の恋愛ものですが、出てくるキャラクターの心情がとても丁寧に描かれており、登場人物それぞれに感情移入したくなります。みんなポジティブなので読んでいて前向きな気持ちになります。こんな恋愛したかったなと思わせてくれるリアルな描写に引き込まれます。

 

僕と君の大切な話

大切な話で近づく二人の距離……!

学校のマドンナ相沢のぞみは同じ学年の東四朗に片思いをしていた。ある日の帰り道、駅のホームでのぞみは東くんに告白!「ねえ…東くん、どうして男は――」。しかしマジメなツンデレ男子、東くんからの返答は予想外のものだった。なかなか話が嚙み合わず、すれ違いや勘違いの多い二人だけど、駅のホーム、学校のベンチ、図書館、休日のカフェ……毎日繰り返される大切な話に二人の距離もだんだんと近づいていき…?!軽快に繰り広げられる男女についての会話に共感すること間違いなし!不器用な高校生男女がお届けするラブコメディ、ここに開幕!

ヒロイン相沢さんと片思いのお相手の東くんが「どうして男って……」「どうして女って……」と会話をするラブコメディです。会話の内容が男女のあるある的で妙に的を得ているので読んでいてクスッと笑えます。また、少女漫画によくあるようなドロドロしたストーリーは一切ないので安心して読むことができます。基本は一話完結で二人の会話がメインのコメディとなりますが、駅のホーム、学校のベンチ、休日のカフェなど、1巻ごとにシチュエーションが変わり、友人やクラスメイト、家族など登場人物も増えていくので飽きません。絵もとても洗練されていて、作者の描くもどかしかったり、恥ずかしかったり、切なかったり……というキャラクターの表情が素晴らしいのでぜひ読んでほしいです。

 

ぼくの地球を守って

輪廻が織りなす壮大なSF少女漫画!

主人公の亜梨子は植物と交信ができる能力を持つ変わった女子高生。そんな亜梨子はある時、誤ってマンションのベランダからイタズラ好きの小学生・輪を転落させてしまう。意識が戻らない輪の回復を祈り続ける亜梨子。一方で、輪は亜梨子の祈りによって引き出された前世の記憶を夢の中で思い出していた。無事に回復した輪だが、亜梨子は自分以外にも同じような夢を見ている人がいることを知り、仲間を集め始める。何故自分たちは同じ夢を見るのか?自分たちが夢の中で見たものは何だったのか?自分達が何者かを知ったとき、彼らの壮大な物語が幕を開ける!

少女漫画とは思えない壮大なストーリーに圧倒されます!前世や輪廻、宇宙や超能力といったSF要素が詰め込まれおり、緻密に練り込まれた設定には素晴らしいの一言です!初めは物語の走り出しということで展開も抑え気味で、絵の描写も癖のあるものとなっていますが、物語が進む度にストーリーが盛り上がっていき、絵の描写もドンドン綺麗になっていきます!また、前世の記憶が明らかになっていくと共に恋愛も白熱していき、生まれ変わりが織りなす恋愛は非常に綺麗でした。結構前に出版された作品ですが、今読んでも心にも響く不朽の名作です!

 

僕等がいた

展開に思わず引き込まれるラブストーリー

主人公の七海と彼女の同級生の矢野との恋を綴ったラブストーリーです。七海は矢野と付き合っていますが、明るい七海に対し彼はどこか影のある人物として描かれています。矢野には忘れ難い過去があり、その過去を引きずってストーリーが進んでいきますが、やがて過去の出来事が明かされていきます。過去にはこれまでの矢野の恋愛が絡んでおり、これは後に七海との関係にも影響していきます。作中では高校生時代から社会人生活までが描かれており、かなり長編になっています。年月が流れるとともに変化していく七海と矢野の関係からは目が離せません。

長編漫画なのですが、矢野の過去、七海と矢野の関係が気になって一気に読んでしまうほどでした。読んでいる時間がとても楽しく、読み終えた後はしばらくロス状態になりました。矢野の過去では同級生の山本さんの姉と付き合っていたこと、さらに山本さんとも関係を持っていたことはかなり衝撃的でした。七海との関係を脅かすような過去があったものの、七海と矢野は幸せなラストを迎えることができて心からほっとしました。終盤で社会人になった七海と矢野が仲良さそうに朝を迎えるシーンが大好きです。最後まで二人を見守って良かったと思えました。

 

ホタルノヒカリ

職場には隠せ!秘密の共同生活

雨宮蛍 27歳、インテリア事業部に勤める「ソツのないOL」だ。そんな雨宮は家に帰ると、3本ストライプのジャージにちょんまげ頭でゴロゴロするのが大好きな干物女になる。ある日、雨宮が家でゴロゴロしていると誰かが入ってきた。雨宮の職場の部長、高野誠一だった。綺麗好きな高野は、汚い家に愕然とする。そもそも、高野の実家になぜ雨宮が住み着いているのか。なんと、居酒屋で呑んでいた時に出会ったオジさんと酔っぱらった状態で口約束で契約したというのだ。酔っぱらったオジさんというのが高野の父親だった。ここから、綺麗好き上司と干物女な部下の秘密の共同生活が始まる。

家に居るときの格好が一緒だ!と親近感が真っ先湧いた作品です。家でまったりしてる時に、高野が入って来たときは背筋が凍りました。その原因を使ったのが自由奔放な高野の父親だと知った時は笑えました。そして、高野の人柄がこんなにもキッチリしている理由も。父親を反面教師にしてたんだと。「アホ宮」と散々言いながらも、面倒を見ていく高野にはキュンとなりました。年上、頼り甲斐があっていいなとも。雨宮と高野が同居していることがバレそうになるシーンでは「うわ、バレる!そこ、そこにいる!」と何度思ったことか。このスリルも、この作品の楽しいところです。

 

ホリミヤ

一冊読めばあなたもホリミヤファンに!

クラス一モテる美人の堀京子(ヒロイン)と、見た目が陰キャで根暗の宮村伊澄(主人公)が織りなす超微炭酸日常系ラブコメディ。一見派手な見た目の堀ですが、プライベートでは弟の面倒をみたり、家事をしていたりと主婦のような女子高生。毎回友達からの誘いも断り弟の迎えに行くなど、遊ぶ時間がほとんど無いにもかかわらず親に対しては文句を言わず。一方宮村は学校以外ではピアスにタトゥーとかなり派手な格好。お互いに学校での様子からは想像の付かない彼ら。しかし、とある理由から学校の外でばったり出会い、秘密の関係が始まります。2021年1月からテレビアニメ化もされており、注目の人気作品です。

ホリミヤではただ美男美女だったり、理想の甘酸っぱいシチュエーションがおおかったりする一般的な恋愛漫画と異なり、リアルな人間性や恋の駆け引き、友情関係が描かれているため、読んでいると、つい「うんうん」と頷いてしまうシーンが沢山出てきます。また、ホリミヤのいいところは、どのキャラクターも憎めないということ。どの恋愛漫画も気に入らないキャラの一人や二人はいるのが常であるような気もしますが、ホリミヤは読めば読むほど全てのキャラに愛着がわいてきます。ホリミヤには主人公とヒロイン以外にもも数々のカップルが登場するので、是非お気に入りのカップルを見つけてみてください。

 

町田くんの世界

人間愛にあふれる優しい世界。

主人公の町田くんは物静かでメガネまさに地味系男子高校生。秀才そうな外見とは裏腹に成績は中の下でまずまず。またアナログ人間で不器用な一面がある。なのに運動神経は見た目どおりでギャップはなし。大家族で仕事でなかなか帰ってこない父親に代わって兄妹の面倒をよく見ています。得意なことが何もないと本人は思っていますが周りからはなぜかとても愛されています。その理由は町田くんが無意識のうちに人へ愛を注ぎ続けているからなのでした。この物語はそんな愛にあふれた町田くんとその愛に触れた人々とのほのぼのとした日常ストーリーです。

どんな人でも一度は人を憎んだり、嫌ったりしてしまった経験があると思います。ですがこの物語を読んで町田くんの人間愛に触れて考え直させられました。嫌なことを言ったりしてくる人にもいろんな背景がありその内側にある芯の部分を理解しようとする町田くんの健気さにとても惹かれました。それでいて自分は何もないと思っている天然さが可愛らしく、同級生の猪原さんへ徐々に恋心を抱く姿は学生時代の甘酸っぱい青春を思い出し懐かしさも感じます。一話読み終わるごとに新しい物の見方や考え方が知れて、すさんだ毎日を過ごしている人には特に読んで欲しい物語だと思いました。

 

瞬きもせず

たった一度の高校時代、そして大人へ。

小浜かよ子は、ちょっぴり過干渉なお父さんに悩む女子高生。高校に入学してからはテニスも始め、それなりに学生生活を楽しんでいた。ある日サッカー部の紺野芳弘に告白され、戸惑いながらも交際を始める。初めての交際に、不器用な二人は些細なことですれ違ってしまう。しかし、友人たちの助けもあり、様々な出来事を乗り越え、二人は絆を深め合っていく。そして、高校を卒業後、自分の将来をどうするか?故郷の山口県を離れて都会で生活する夢と、現実とのはざまでかよ子も紺野も葛藤する。自分の夢、恋愛、家族。大きな問題を前に、それぞれが最後に選んだ「道」とは…?

淡々としたピュアな高校生の日常を切り取った、ほのぼのとしつつもリアルな作品です。風景の描写も美しく、放課後の吹奏楽部の練習の楽器の音や、誰もいない校舎の空気感など、学生生活の記憶にあるものが見事に描かれています。そういう中でちょっと好きな人と目があった喜びだったり、些細なことで悩んだりという、心憎い読者との目配せに共感を感じます。山口県の方言もよい味を出しており、かよ子をはじめとする登場人物の人柄にぬくもりを感じる要素にもなっています。淡々とした日常をリリカルに描いた作品としては、少女漫画でも代表的作品と言えます。

 

水玉ハニーボーイ

侍女子高生とオネェ男子高校生のラブコメディ!

中学・高校共に強豪の剣道部主将を務め、「侍」とも呼ばれている仙石芽衣は、さっぱりとした男前な性格をしているため、女子からの告白を何度も経験していた。しかし、その芽衣でも今回の告白は、動揺していた。芽衣に告白してきた相手は、口調や仕草の女子力が高いと有名な隣のクラスの男子、藤司郎だったからだ。司郎は芽衣のファンで、以前からお菓子の差し入れなどをしていた。先日、けがをした時にも助けてもらい、芽衣に特別な感情を持つようになったとのこと。しかし、芽衣は恋人を作る気もないし、親切にするのは好意があるなどの理由ではないと告白を断る。それでも諦めないと司郎は宣言し、芽衣の告白されまくる日々が幕を開ける。

文武両道で正義感の強い侍のように男前な女子と、料理上手で手芸も得意で所作も綺麗な女子よりも女らしい男子の恋愛という設定がまずおもしろかったです。ヒーローとヒロインの役割が逆転してしるし、いろんな意味で正反対の2人。この濃いキャラたちの恋愛がどんなものになるか想像ができませんでしたが、話が進むにつれて芽衣の女の子らしい表情や司郎のかっこいいところを見ることができます。また、恋愛要素だけでなく、芽衣と司郎の掛け合いなどのギャグの要素もふんだんに盛り込まれていました。ラブコメとしてのバランスも良く、おもしろかったです。

 

ミントな僕ら

可愛い双子の学園ラブコメディー!

マリアとノエルは双子の姉弟で、幼い頃から二人でいつも一緒に仲良く過ごしていた。しかし、そんなある日、突然姉のマリアが初恋の相手を追いかけてノエルに黙って森ノ宮学園に転入してしまう。それを知りショックを受けたノエルはマリアを追いかけて森ノ宮学園に転入することに。しかし、森ノ宮学園は全寮制で女性寮しか空いておらず、マリアの双子の妹としてノエルはカツラを被り女装をして学園生活を送ることに。マリアが初恋の相手とうまくいくのを阻止して恋を邪魔するために奮闘するノエルだが、自身も学園内で恋をしていき……。

双子ならではのお互いに対する思いは、普通の姉弟とはまた少し違っていて強い繋がりや絆を感じました。女装してまでマリアのことを追いかけてくるノエルは少し依存しすぎな感じもしますが、同時にノエルの健気な姿にも胸を打たれました。双子のマリアとノエルの姿を見ているだけでも可愛くて楽しい気持ちになりますが、ストーリーもしっかりと描かれているので、それぞれのキャラクターに感情移入してしまいます。特に、お互いに好きなタイプとは真逆であるマリアと佐々が一緒にいるうちに惹かれていく様子は見ごたえがあり面白かったです!また、全体的にコミカルなシーンとシリアスなシーンのバランスが良くて読みやすい作品でした!

 

桃色ヘヴン!

ちょいエロコメディ漫画

普通の女子高校生でありながら主人公の桃子は、父の跡を継ぎやむを得ず官能小説を書くことになってしまいます。しかしながら、実は桃子は処女だったのです。そんな中、想像力を頼りに日々仕事に励みます。全部ひっくるめて恥ずかしさから絶対にバレたくない事実であり、弟等限られた人しか桃子の実態をしりませんでした。そんな中、ひょんなことから今売れに売れているスーパーモデルの蘭丸にすべてバレてしまいます。なぜか面白がられ、蘭丸は桃子を…。エロさもありつつ、桃子と蘭丸2人の恋愛模様が面白おかしく描かれていく、ラブコメエロストーリー漫画です。

最初は興味本位だった桃子に対し、どんどん蘭丸が本気で好きになっていくところが見所です。また、蘭丸の描写がシーンごとにカッコよさはもちろんのことキレイなので、そこにも注目です。そして、後に桃子と蘭丸は結ばれるのですが、その後に書いた漫画の内容が以前と違うと一発でバレてしまうところも面白いです。処女の桃子が良くあんなエロい表現書けるなと感心して見ていたのですが、実体験が加わるとやっぱり内容も変わってくるのかとニヤニヤしてしまいました。さらに、スーパーモデルでクールな蘭丸が桃子に対して必死になり熱くなっているところも注目して見てほしいです。

 

雪花の虎

苦手でもぐいぐい惹かれる歴史漫画

人気の戦国武将、上杉謙信の「女性だった説」を「女性」と断定して、謙信の生涯を描いた作品です。毘沙門天の生まれ変わりとして産まれた謙信は、父の強い希望により男として育てられます。幼少期より親元を離れての寺修行であらゆる事を学び、父からは戦を学び、たくましい男顔負けの表向きは男な姫武将として育ちます。やがて父が病に倒れますが、本来家督を継ぐはずの年の離れた兄は病弱で戦嫌い、謙信が女にして元服し、父のあとを継ぐことに。そして生涯のライバル武田信玄との意外な出会い…。女であるが故の苦労をいくつも乗り越えながら、その強さ、頭の良さ、優しさで次第に大きな大きな国の重要人物となってゆく謙信の波乱万丈な生涯を笑いを大いに交えて描かれています。

上杉謙信は女性だった!という設定に、歴史が苦手でも「面白そう」と惹かれるものがあります。難しい言葉や設定が理解できるか?入っていけるか不安でしたが、そんな歴史苦手な方のために、「作者のティータイム」として、難しい説明部分には要所要所にページの下半分は、言葉を噛み砕いて「要は県知事みたいなもの!」と漫画形式の説明ページが多数出てきます。そっちを読めばとてもざっくり簡単に理解できます。多少の創作や作者の想像部分も出てきますが、多くはこんな文献があって、それから察するに女性だったとしか思えないというエピソードがたくさんあり、読んでいてすっかり「女性説」を信じています。

 

ラブ★コン

キレッキレの大阪弁少女によるラブコメディ!

170cmという高身長に悩む女子高生、小泉リサは、同じクラスの小柄な男子・大谷敦士と喧嘩ばかりしている。お互いが「巨女・チビ」と夫婦漫才のように罵り合ってはいるが、音楽の趣味が同じだったり、遠慮なしに話ができる異性の友達でもあった。失恋や季節のイベントを通じ、リサは徐々に大谷の男らしい態度に惹かれていく。気持ちに気づいた後は、友達の助けも借りて、リサは何とか大谷に自分の気持ちを伝えようとする。しかし、鈍感な大谷は全く気付かず…。果たしてリサの思いは大谷に届くのか?また、リサや大谷に恋する伏兵も現れ、物語はさらにヒートアップ!青春を等身大で感じられるラブコメディ。

大阪が舞台になっており、終始漫才のようなテンポ良いセリフがギャグ要素もあるラブコメにぴったりな作品です。憧れの遠い人より身近な思いやりのある男性、ちょっと理想とは違うけど、それでも好き!という、ラブとコンプレックスとの融合が、凸凹コンビのリサと大谷の魅力をさらに引き立てます。高校一年から三年生、そして進学と、毎年毎年のイベントと恋の進捗が丁寧に絵が描かれるので、読者がリサと一緒に泣いたり笑ったりできる作品です。「キュン死に」などの流行語の語源になった作品とも言われており、その独特の言語感覚も要チェックです。

 

LOVE SO LIFE

ほっこり育児&恋物語

主人公の中村詩春(16歳)は母親を亡くし、孤児院で暮らしていた。保育士という夢を叶えるため、高校生活の傍ら孤児院に併設されている保育所でアルバイトをする日々を送っている詩春。そんな中、双子の茜・葵の保護者であるアナウンサーの松永政二(26歳)に「うちでベビーシッターとして働かないか」とスカウトを受ける。双子の育児と仕事の両立に疲れ切っていた松永は、すがるような目で詩春を見つめてくる。破格の給料といい経験になるという園長の言葉に背中を押され、双子のベビーシッターを引き受けることになった詩春。双子の成長を見守りながらも、同時に保護者である松永と詩春の恋物語もゆっくりと育っていく。

茜・葵は性格が正反対の男女の双子。そんな双子のそれぞれ違う可愛さに胸を打たれること間違いなしです!そして、詩春もとっても素直で良い子なんです。詩春の子どもへの接し方も「こうすればいいのか・・・」と勉強になることばかり!母親になる前から読んでいた作品でしたが、子どもが生まれてから読んでも目からうろこが落ちまくりです。この物語では親子の愛・恋人同士の愛など色々な愛の形が描かれており、疲れた心をそっと癒してくれます。そして、一歩一歩ゆっくり進んでいく詩春と松永の恋愛模様はもどかしく、でも自然と応援したくなる、そんな二人が10歳の年の差をどう乗り越えていくのか注目です!

 

リメイク

仕事の勇気を与えてくれる漫画

20代半ば、派遣社員として可もなく不可もなくなんとなく働いていた奥村かのこは、たまたまデパコスのタッチアップをしてもらったことを機に、張り合いもなく生きている日々を変えなければと決心する。事務の仕事の契約更新を断り、ビューティーアドバイザーとしてデパートの化粧品売り場に劇的なキャリアチェンジをしてデビュー。先輩BAの指導をもらいながら、ゼロからのスタートで悩んだり失敗したりしながらも、少しずつ実績を積んでお客様に信頼されるBAとして成長していくストーリー。職場で機になる人もでき、恋に仕事に挑戦する日々を描いた漫画。

なんとなくやっている仕事から勇気を出して離れ、全く知らない世界に飛び込んで挑戦していく主人公に勇気をもらい、すごいなあと感動するし応援したくなります。意地悪をしてくるわけではないけれど、新しく入った職場での人間関係やトラブル、仕事で失敗したり、自分よりできる人を見てやっぱり自分には無理だったんじゃないかと思ってしまう場面など、職種は違えど現実世界でもありそうなストーリー展開で入り込むことができました。転職して新しい世界が開けたことで、恋愛にも積極的になれた主人公の行先が気になってどんどん読んでしまいました。

 

ReReハロ

恋の始まりは胃袋を掴むことから!

実家がお金持ちで、一人暮らしをしている高校生の湊。実家から家政婦の派遣を止められてしまった湊はある便利屋のサービスを利用することにしました。便利屋からやってきたのは同じく高校生のリリコ。親が急病のため、代わりに派遣されてきました。湊はリリコが未成年のため、きちんと仕事をできるのか不信感を持っていました。しかしリリコの作る料理に胃袋を捕まれ、リリコが夕飯を作る代わりにリリコの家の便利屋の仕事を手伝うという条件で、雇用関係を結ぶことになります。日々、やり取りをするうちに、お互いが気になるようになり徐々に距離が近づいてきます。

好青年でハイスペックに見えていた湊は実は我儘で、生活能力がまるでないのがギャップで良かったです。リリコと湊の2人が徐々に惹かれあっていく姿は胸キュンするシーンが多く、読んでいてドキドキします。育った環境が2人とも異なり、お金持ちの家の子と庶民の家の子ですが、意外とリリコの方が強いのかなと感じられるのもバランスが良かったです。また、リリコの作る夕飯がいつも美味しそうなところもこの漫画のポイントかなと思います。湊がそれを美味しそうに食べるので、こちらもお腹が空いてしまいます。主人公の2人以外の登場人物も魅力的です。最初は意地悪なのに、リリコと触れると最後はみんな良い人なんだなとわかります。最後は気持ちよく読み終われる作品です。

 

わたしに××しなさい!

ラブミッション!

主人公の氷室雪菜は、目つきの悪さや素っ気なさから「絶対零度の雪女」と周りから呼ばれて恐れられていた。しかし、雪菜にはある裏の顔があった。それは、雪菜が女子高生を中心に人気を集めているケータイ小説家のユピナだということだった。周りとの関係が希薄な事に加えて、趣味が人間観察である雪菜はケータイ小説の執筆に精を出していた。そんなある日、雪菜はラブを書くために自身の恋愛経験が必要となる。しかし、どうやって恋愛に発展させるべきかと悩む雪菜はそんな時、クラスメイトの北見時雨の生徒手帳を偶然拾う。その生徒手帳には表向きはアイドル並みの人気を誇る時雨の裏の顔が窺える秘密が記されていた。思いがけず時雨の秘密を知った雪菜はラブを知るため……。

恋愛未経験の雪菜がラブを知るためにミッションに臨む姿は読んでいて非常にドキドキさせられました!未経験のはずなのに割と強引でハラハラもして、何かと心臓が忙しく動いていました(笑)。恋のドキドキに不慣れであるが故に、心臓がドキドキしているのを何かの病と勘違いして先生の元に言ってしまう天然っぷりがめちゃくちゃ可愛くて好きだなと思いました。ケータイ小説家のユピナの顔とは全く違う乙女な表情がストーリーが進むにつれてたくさん見られるようになり、キュンキュン度合いも高まっていくのが堪らなかったです!また、時雨との距離が日を追う事に確実に縮まっていくのが最高でした!

 

最後に:「大人買い・まとめ買い」にオススメの少女漫画100選

今回は「大人買い・まとめ買い」にオススメの少女漫画を紹介していきました!

有名な作品ばかりなので読んだことがある方も多いと思いますが、自信を持ってオススメできる作品ばかりです!

気になる作品があれば是非チェックしてみて下さい!

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