今回は【Kiss】連載の人気おすすめ少女漫漫画を紹介していきます!
kissは講談社出版の女性漫画雑誌で、20代~40代の女性読者を中心に読まれています。
キャッチフレーズは「読むと恋をする」だそうで、働く女性のリアルと本音が詰まった女性漫画雑誌となっています!
また、女性の強さや悩みなど、細やかに心理描写が描かれた作品が多い印象です。
【Kiss】連載の人気おすすめ少女漫画12選
アレンとドラン
マスコミ就活考えてますか? 映画好き、フェチにもうれしい話
マイナー映画が大好きな女子大生、映画がげきれば原語で見たいし、ひとりで行くのも気にしない。もともとマニアな映画なので一緒に行ってくれる人も少ない。大学生で学校生活も忙しい、話が合う人にはどんどん突き進んでしまう、これと決めたら猪突猛進、周りの空気を読むよりも映画。読んでいて気持ちがいいほどオタク。たぶん、作者も映画が好きなんだろう。人に語れないフェチなネタで、読んでいてわからなくてもOKでしょう、と強い態度があちらこちらから読み取れます。隣に癖の強いバイト学生バーテンダーが住んでいたり、ネット経由や学内で声をかけられたり勘違いされたり、と恋愛要素も満載。そして女同士の会話は本音がオブラートに包まれずに炸裂する。けれども女子大生は負け続けもせず、開き直って歩きつづける。
主人公の目を通して学業、就活、新しい友人との関係を追体験させてくれます。映画の話が止まらない女子大生、就職活動に向かって、どういう経験をしてくれるか、楽しみになってきます。また、読みつつ自分の過去も振り返ってしまいました。あの時もっと趣味に走っていれば、好きなことはとことん突き詰めれば糧になる、いやいや今からでもやればいい、自問自答しながら読みました。隣の一人暮らしの男性と、いい仲になるラブストーリーと見せながら、恋愛よりもっと深い付き合いになっていく。恋愛も大事、付き合いも大事、けれど本当に大切なのは、その相手をよく知ることじゃない? 表面的な付き合いで終わらせない、人の本音に触れていく話、いろいろなことに気づかせてくれる本です。
タケコさんの恋人
秘書室のスーパーウーマン タケコさんは仕事も恋も完璧?
七光物産の社長秘書を務める北条猛子(タケコ)は仕事は完璧で見た目はお局様のようだが、仕事帰りにホテルで着替え踊る日々を過ごしていた。たまに隣のアパートに住む恋人の海棠静(しーちゃん)と夜を過ごしている。しーちゃんは大学院卒なのに、今は道路工事の仕事をしている謎の男。たまにふらっといなくなってしまい、タケコは不安になる。秘書室のメンバーはタケコのプライベートの姿を知らないが、彼女たちの恋愛問題に巻き込まれることに、それぞれにアドバイスをするが、自分はつかみどころのないしーちゃんに振り回されるばかり。しーちゃんとは進展するのか。
バブル期の感じです。今ではハラスメントになりそうな言動をタケコは言うけど、自分の恋愛には不安だらけ。仕事は完璧だけど、時々不安すぎて仕事にも影響してしまう。人間味あるタケコだんが魅力的です。いろんなパターンの恋愛があり、どこか自分に当てはまる気がします。時々脱線して、ホラーなものとかあったりしますが、バブル期の女性役員の悲哀を感じさせます。今よりも、女性が全然活躍していなくて、タケコが託児所問題とか、女性が働きやすい場所を作るために活動するのがかっこいいです。すごく身近なテーマを扱っているので、共感できるところが多いです。
東京アリス
20代女子の恋愛を描いた東京ラブストーリー!
東京でOLをしている有栖川ふうは恋よりも買い物に夢中な女の子。学生の頃からの友達理央、みずほ、円城寺とは大人になっても仲良し!同じ会社の上司が気になるけど素直になれないふう、お金のないダメ男ばかりと付き合ってしまうみずほ、ふうに密かに想いを抱く理央、結婚をせかされ家のしきたりで東大出身の男と見合いを繰り返すお嬢様の円城寺。欲しいものは決まっているのに中々手に入らない…、このまま環境に流されてしまっていいの?本当に大切な物ってなに?東京で迷える4人のアリス達は自分の幸福を見つけることができるのか⁉︎
主人公のふうに接点を当てたストーリーになっていますが、他の3人の友達それぞれのストーリーを違った視点から見ることができるのがこの作品の見所です!4人とも性格が全然違い、それぞれの環境や悩みがあるので読んでるうちに自分と共感できるキャラクターが見つかるでしょう。東京でのキラキラした生活、大人になってからする友達とのルームシェアなど楽しそうな環境でありつつ、20代後半の女性が抱える結婚・友情・仕事の悩みが4人の視点でうまく描かれています。女友達とおしゃべりする感覚で読んでもらいたいちょっと大人な作品です!
東京タラレバ娘
過去を振り返りまくる女子達の話。
主な登場人物は、30代アラサー女子三人組。主人公は、脚本家として、個人事務所を構えるキャリアウーマンの倫子。そして、ネイルのお店を営む香。そして、居酒屋の看板娘の小雪。3人には、共通点がある。それは、未だに独身であるということ。3人それぞれ、過去には、それなりに恋愛など色々と経験を積んできた。バンドマン彼氏と同棲したり、職場の人からプロポーズを受けたり。しかし、未だに、3人ともお一人様。「あの時、こうしていれば、こうしていたら」女子会での、タラレバ合戦が始まる。すると、一人カウンターで飲んでいた若い男性が、3人に辛辣な言葉をかける。「タラレバ女」。突然3人の前に現れた、この男性の正体とは?
登場人物の3人は、30代で結婚を焦る時期である。しかし、一人一人の経歴を見ていくと、倫子は、脚本家。香は、ネイリスト。小雪は、居酒屋店員など、それぞれ好きなことを仕事にして、生き生きとしているところがよい。20代は、仕事や生活に追われて、気が付けば30代になっていた!なんて女性は、今の世の中多いだろう。30代から焦るくらいなら、もっと早くこうしれいれば…と考えるシーンは、誰でも当てはまるし、強く共感させられる。それは、結婚などの恋愛だけではなくて、やりたいことや、勉強など、ありとあらゆることがタラレバに繋がる。そんなタラレバの世界を、3人を中心に、コミカルに面白く描いていて、読んでいて非常に楽しかった。
東京タラレバ娘シーズン2
夢も恋もないタラレバ娘のシーズン2!
タラレバ言っていたら30歳になっていた令菜は、実家暮らしでぬくぬくとフリーター生活をしています。令菜は、派遣の仕事を転々としていましたが、立ち仕事が厳しくなりはじめ図書館司書のパートをはじめることに。そこで知り合った40歳の森田昭子。ある日、「タイムカプセルを掘り起こし同窓会」の案内のハガキが届きますが、令菜は自分が小学生の時の書いた夢を思い出せません。その夢が気になり同窓会に行きますが、自分の夢に自分でもビックリします。令菜は、森田昭子に連れられてイケメンがたくさんいるバーに行き、そこのオーナーから夢について指南を受けるのでした。
見どころは、「東京タラレバ娘シーズン2」の令菜と昭子と、「東京タラレバ娘」の倫子と香と小雪が同じ時空に存在しているところです。もちろんメインは令菜のお話ですが、倫子と香と小雪と令菜が交わるお話もあります。令菜は令和に存在する30歳の今どきの女性として描かれていますが、いつの時代でもいくつになっても自分の夢や目標が見えない人っていると思うので、チャラくてちょっとおバカっぽいバーのオーナーの意見に耳を傾けてみるのも面白いと思います。また、30歳の令菜と40歳の昭子の価値観の違いも職場ではあるあるだと思いますが、なんだかんだと仲良しな2人を見ているのも楽しいです。
透明なゆりかご
幸せで喜ばれる妊娠ばかりじゃない
原作者が高校の看護科の学生だった時に、バイトで行った産婦人科医院をメインに体験した実際の話このバイトに乗り気じゃないまま看護師見習いとして産婦人科医院にやってきた沖田。産婦人科での出来事は、出産という喜ばしいことばかりでなく少なからず悲しいこともある。望まない妊娠による中絶、流産、死産など。中絶手術で取り出された赤ちゃんは、ガラス容器に入れられ纏めて業者が引き取っていく。沖田は妊婦の介助を無感情でこなしていたが、業者へ引き渡す役をするようになり気持ちが変わっていった。また、様々な事情の妊婦や家族と会って、いろいろなことを知っていく。
産婦人科の話になると喜ばしい出産という話題の方が取り扱われるが、この話はそうではない部分に目を向けたものです。中絶、流産、死産など悲しい場面が多いですが実際にあることなので女性である以上、これを読んでおくべきではないかと思いました。中絶手術で取り出された赤ちゃんたちを業者に引き渡す場面が何度かありますが、初めはただの業務だったのが「あなたたちが見るはずだった世界を少しでも見せてあげたいと思って」と言うところでは、赤ちゃんの形をしていなくても赤ちゃんなのであると改めて気付かされました。そして、私たち誰しもがこの過程を経てきたのだと。望まない妊娠をしたお金の無い女性たちが駆け込む医院の老夫婦の優しさなど、人の温かさも感じられる作品でした。
ながたんと青と―いちかの料理帖―
16歳年の差婚で老舗料理屋を守ることができるか。
第二次世界大戦終結後6年が経った頃の京都。いちかは女だてらに洋食のコックとしてホテルのレストランで頑張っていたが、実家の老舗京料理屋「桑乃木」を守るため、35歳で19歳下の大学生・周(あまね)と政略結婚をすることに。戦死した夫の遺していったながたん(包丁)を大切に思いながらも、まだ若く、少しとげとげしさのある青と(青唐辛子)のような周が桑乃木を守るために考えてくれる気持ちに触れるうち、最初は援助を受けるための形だけの結婚と思っていたのに、いつしか心が揺れるようになるいちか。女が厨房に入って料理人として生きることはまだまだ認められない時代に、周はいちかの背中を押して、どんどんいちかを料理の世界で輝かせてくれるように。
昨今、簡単なレシピまで掲載している料理漫画は珍しくありませんが、戦後、まだ物資も少なく、おおっぴらに洋風料理が受け入れられていない時代に、洋食のコックの経歴を持ついちかが、実家の京料理屋の厨房で、敗戦国の日本の人にも、接収中のアメリカ人をも魅了する料理を作るという、「工夫のレシピ」が秀逸です。また、35歳再婚のいちかと19歳学生の周(あまね)の16歳もの年の差がありながら、それぞれの性格の持ち味で頼り頼られをくりかえしながら心が近づいていく様が、温かくて読んでいて気持ちの良いストーリーだと思いました。夜の営みはなし、と決めながら抱き合いたい夜がある、親戚筋からの養子を迎えれば自然、父と母のように力を合わせる、そんな優しい物語を読みたいときにぜひオススメの一冊。
逃げるは恥だが役に立つ
職無し、家無しの大ピンチから始まるムズきゅんストーリー kiss
主人公 森山みくりは、派遣切りに遭い無職になってしまう。そんなみくりを見かねた父が、元部下の津崎平昌の家の家事代行を紹介する。お試しで一度行き継続が決まったが、その間に父は田舎暮らしがしたいと自宅を引き払うことが決まっていた。みくりは住むところが無い。かといって、部屋を借りる余裕もない。そこで、平昌に相談して契約結婚に至る。表向きには正式に結婚したことにして、秘密の契約結婚の生活が始まった。自分を守るための心の壁が分厚く高い平昌と、それを心理学的に分析して壊しに行くみくりとのムズきゅんラブストーリー。
森山みくりを新垣結衣が、津崎平昌を星野源が演じて話題となったドラマの原作漫画。平昌の自分を守るための心の壁を作る気持ちが、よく分かると思いながら読んでいました。平昌を好きかもしれないと自覚してから、過去の失敗を振り返りながら慎重に壁を崩しにいくみくりは凄いなと思いました。私なら業務のままでいいやと思ってしまうところです。心の壁が崩れてからの平昌の行動や作中に出てくる妄想のパロディーは好きな場面で、楽しく読みました。契約結婚を経て、正式に結婚して妊娠まで。私がこれから読もうとしている最終巻では、子供が誕生しているようでどんな家族になっているのか楽しみです。
のだめカンタービレ
汚部屋女子が恋をする。音楽が繋ぐ恋の物語
玄関の前でイケメンが酔い潰れて寝ていた。千秋 真一、音大のピアノ科4年で有名ピアニストの息子だ。彼が目覚めたのは、ゴミの山と悪臭とピアノの演奏の中だった。この部屋の主は、野田 恵。千秋と同じ音大のピアノ科3年。好き勝手にピアノを弾く天然不思議少女だった。この日から、野田 恵こと"のだめ"は千秋を追いかけ回す。千秋のスタイリッシュな部屋に、こたつを持ち込むなど自分の家のようにする のだめに苛立ちを感じていた。しかし、のだめ がキッカケで個性豊かな人たちと嫌々ながらも関わったり、有名指揮者シュトレーゼマンから様々なことを教えてもらったりと千秋が人として成長していく。怒りから始まったが、いつの間にか恋になっていく。そして、2人はパリに留学した。
野田恵を上野樹里が、千秋真一を玉木宏が演じたドラマの原作漫画。作中に登場するクラシックは、動画サイトで検索して聴きながら読んでいました。この漫画の面白いところは、個性豊かな人たちがテンポよく面白いことをしていくところです。読んでいるこちらも、彼ら彼女らのテンポに合わせてペースが上がっていきました。あまりにコミカルなところが多くて、のだめと千秋の恋の話でもあることを忘れかけてました。千秋を飛行機と船のトラウマから解放してパリ留学させてしまうのだめのパワーの凄いこと。あのパワーは、千秋への愛が出させたのか、不思議ちゃんパワーだったのか。
パーフェクトワールド
車イス?そんなの関係ない。大切なのは気持ち
川奈つぐみは、昔から絵が得意だった。高校卒業後は、東京のインテリアデザイン会社に就職。大学生の時に事故で脊髄を損傷して車イス生活になっていた鮎川樹と東京で再会し、付き合い始める。樹が心配なつぐみは、樹の家に通う回数を増やして疲労で倒れた。これをキッカケに、樹は別れを切り出した。そんな矢先に父親の病が分かり、退職して地元である松本に帰ることになった。そこで偶然再会したのが、つぐみと樹の高校の同級生である洋貴だった。洋貴は高校時代、つぐみに好意を抱いていた。再会したことによって思い出し、樹と別れたつぐみに告白をして恋人となった。高校の同級生の間での三角関係。つぐみは、どちらを選ぶのか。
つぐみと樹が付き合い始めて、樹の介護ヘルパーさんが樹に好意を抱いていると気付いたつぐみの気持ちが痛いほど伝わってきました。だったら、自分がと頑張ってしまうところも。倒れた時は、やっぱり無理がくるよなと思いました。そして、樹からの別れ話も納得でした。介護は短距離走じゃなくて、長い長いマラソンだから頑張り過ぎるつぐみを見ているのが辛かったんだと思います。言葉のひとつひとつに、つぐみを想う気持ちが詰まっているなと思いました。つぐみの気持ちが決まってからの強い意志と樹との固い絆には、涙が止まりませんでした。
ホタルノヒカリ
職場には隠せ!秘密の共同生活
雨宮蛍 27歳、インテリア事業部に勤める「ソツのないOL」だ。そんな雨宮は家に帰ると、3本ストライプのジャージにちょんまげ頭でゴロゴロするのが大好きな干物女になる。ある日、雨宮が家でゴロゴロしていると誰かが入ってきた。雨宮の職場の部長、高野誠一だった。綺麗好きな高野は、汚い家に愕然とする。そもそも、高野の実家になぜ雨宮が住み着いているのか。なんと、居酒屋で呑んでいた時に出会ったオジさんと酔っぱらった状態で口約束で契約したというのだ。酔っぱらったオジさんというのが高野の父親だった。ここから、綺麗好き上司と干物女な部下の秘密の共同生活が始まる。
家に居るときの格好が一緒だ!と親近感が真っ先湧いた作品です。家でまったりしてる時に、高野が入って来たときは背筋が凍りました。その原因を使ったのが自由奔放な高野の父親だと知った時は笑えました。そして、高野の人柄がこんなにもキッチリしている理由も。父親を反面教師にしてたんだと。「アホ宮」と散々言いながらも、面倒を見ていく高野にはキュンとなりました。年上、頼り甲斐があっていいなとも。雨宮と高野が同居していることがバレそうになるシーンでは「うわ、バレる!そこ、そこにいる!」と何度思ったことか。このスリルも、この作品の楽しいところです。
Love, Hate, Love.
夢を手放して見つけた、はじめての恋
夢を手放して見つけた、はじめての恋。バレエ講師の貴和子(28)は、プリマの道を諦めたばかり。今まで夢のために伸ばしていた髪を、今日、バッサリ切った。はじめてのタバコに手を出すも、当然むせてしまう。そんな折、隣のベランダから声をかけてきたのは、大学教授の隣人・縫原(52)だった。貴和子のバイト先の常連でもあった縫原の柔らかい言葉や姿勢に、貴和子は惹かれていくが、年齢や周りの声が貴和子を取り囲む。はじめてのショートカット、はじめてのポテチ、はじめての恋。そしてたくさんのスキとキライ。ふたまわり年の離れた貴和子と縫原の、静かな大人の恋を描いた作品です。
はじめて読んだのは大学生の時で、もう何度読み返したかわからないくらい大好きな作品です。ヤマシタトモコ先生の作品はどれもそうですが、貴和子と縫原の言葉がどれも文学的で、二人の恋を柔らかく繊細に包んでいます。スキなものを本当にキライになってしまったら戻れない。ずっと抱いていたスキがキライに変わってしまう前に、夢を手放し傷ついた貴和子が、新しくスキを見つける姿は、貴和子と同じ歳になった今でも胸を打ちます。何かを諦めたことがある人にはきっと響くのではないでしょうか。優しいけど少し臆病な縫原と、新たな日々を踏み出す貴和子の姿を、ぜひ見ていただきたいです。1冊完結でさっくり読めます。(三浦しをんさんのあとがきも秀逸です)
最後に
ドラマが有名ですが、ドラマにはない原作ならではの魅力を楽しんでください!
他にも気になる漫画があれば是非チェックしてみて下さい!