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【2022年版】おすすめ少女漫画100選!胸キュンが止まらない!

2021年7月19日

こんにちは、みけさんです!

今回は名作のおすすめ少女漫画100選を厳選して紹介していきます!

「少女漫画と言っても、数がありすぎてどれを読めば良いの?」「有名な少女漫画を知りたい!」などの方に向けて、おすすめ出来る少女漫画を集めてみました!

今回選んだ作品は基本的に定番のものばかりで、少女漫画を読み始めた方や名作の少女漫画を探している方向けのチョイスとなっています!

また、選んだ作品は私の個人的な好みなので、入っている作品のチョイスは大目に見て貰えると嬉しいです(笑)

作品は「あいうえお順」に並べてあります!

名作おすすめ少女漫画100選

アオハライド

思春期特有の感情や思いが爆発!

主人公・双葉は高校1年生。双葉は、中学の時に好きだった、田中君という男の子のことを未だに忘れられず、引きずっている女の子。ある日双葉は、高校で同じクラスの女友達と共に廊下を歩いていると、田中君そっくりの男子を見かける。すれ違った男子は、背格好も、声も、田中君とは全然違う。でも双葉は、何故か彼が気になり、後を追いかけることにする。しかし彼は、同級生たちから「馬淵」と呼ばれており、双葉は「田中君じゃなかったみたい。彼に声をかけなくて良かった」と思う。しかしその日の帰り道、例の「馬淵」と地元で出会う双葉。馬淵は、とある神社に立ち寄る。その神社は、双葉が昔田中と雨宿りをした神社だった。

とても美人で友達想いな主人公・双葉がとある事件をきっかけに、わざとガサツな女の子を演じるようになる。しかし、双葉は恋をしてから、シャンプーを変えてみたり、化粧を始めたり、少しずつ女の子らしくなっていく。その過程が、見ていてとても楽しい。高校2年生に進学した双葉の新たな友人、牧田や村尾も、はじめは双葉とは共通点が皆無で、全然仲良くなれない。しかし、高校でのオリエンテーションをきっかけに、段々と絆を深めていき、やがて大切な仲間となっていく。まさに青春を丁寧に描いている良作だ。是非沢山の人に読んで欲しい少女漫画だ。

 

赤髪の白雪姫

観る者を惹きこむ王宮ファンタジー

珍しい赤髪をもつ白雪は、そのせいで危険な目に合い、自国を出ることとなった。その途中であったのは隣国の王子ゼン。お互いにかけがえのない存在になっていく2人だが、白雪は自分の居場所を見つけるために新しい世界でたくさんの人と出会いながらさまざまな困難を乗り越えていく。赤髪のせいで命をも狙われ、攫われるも諦めることなく自分を信じて自分の居たい場所を求めていく。その時々での出会いが繋がり、その先へ続き、白雪もゼンもお互いが胸を張れるように自分に正直に真摯に向き合いながら成長を続け、新たな世界へと突き進んでいく。

まず世界観がとても綺麗で、ファンタジーであることを忘れるほど世界に引き込まれます。衣装も風景もとにかく洗練されていてうっとりするほどです。そして言葉選びが丁寧で、高貴で上品です。言葉のやりとりにも面白さがあり、私もこの世界で生きたいと本当に思えるほどどの登場人物も魅力的です。白雪が自分を偽ることも人を欺くこともなく、ただ真っ直ぐに自分の目指すべきことに突き進む姿は見ていて勇気をもらえます。それと同時に自分も頑張ろうと励まされてモチベーションが上がります。何度読んでも新たな気付きや見方があり、飽きることなく楽しめます。

 

赤ちゃんと僕

母性本能をくすぐってくれる漫画

まだ幼い子供たちを残して母親が死んでしまい、父と容姿が良い子供たち2人が取り残されてしまいます。最初は弟がまだ赤ちゃんでお兄ちゃんも小学生のため弟のわがままやなぜ面倒を見なきゃいけないのかと悩んだり怒ったりします。しかし周りの優しいご近所の方々のサポートや、悩みがあったら聞いてくれる周りの友達などにも助けられて2人とも肉体的にも精神的にもすくすくと成長していきます。10巻あたりでは2人とも初期の頃と比べてだいぶ落ち着いて父の生い立ちやサブキャラクターたちの家族事情もより詳しく書かれていたりして全体的に様々な家族愛を見直すことができます。

見所はやはり弟とお兄ちゃんの家族愛です。漫画で基本的に小学生ばかりが登場しているはずの漫画なのにめちゃくちゃ泣けます。弟がお兄ちゃんのことが大好きで(もちろんお兄ちゃんも弟のことが大好き)バレンタインデーでは弟が通っている保育園で保育園の先生がバレンタインは好きな人にチョコをあげる日なんですよー!と園児たちに説明をしたら大好きなお兄ちゃんにバレンタインチョコレートをあげるため自分の保育園出るお菓子を残していて小さな子供にはおやつを我慢するってとっても大変なことで、チョコレート一粒だけどそのチョコレートの価値は計り知れない!!と感動してしまいました。要所要所に感動ポイントが入ってきます。

 

暁のヨナ

大海を知らない少女が運命に導かれていくファンタジー

高華王国の皇女として大切に育てられいた主人公のヨナ。民のことを知らずに何不自由なく育っていたヨナがある日、幼馴染みであり従兄であり、恋心を抱いていたスウォンの手によって父親である国王を殺されてヨナの命も狙われます。同じく幼馴染みであり、護衛のハクによって助けられたヨナは国を追われながら逃げ延びます。ハクの故郷である風の部族の地にたどり着くも、平穏な日々は続かず、追われる身であることからハクと共に旅立つことにします。旅の途中で神官から神託を受けることができたヨナは、四龍の戦士を探す旅に出かけます。

何も知らなかった皇女が、国を追われる中で己を知り、国を知り、民を知り、生き延びるために大切な人を守るために自らが戦い立ち向かうことを決めて身も心も少しずつ強くなっていくストーリーの展開に見応えがあります。序盤になる四龍との出会いもそれぞれが深く、心に残りました。その後も運命に導かれながら戦に巻き込まれて、辛い体験やハラハラする展開を何度も乗り越えて周りの人との関係を築きながら成長していく姿に引き込まれます。その中に、逆ハーレム要素や恋愛模様、ギャグ要素も含まれているので見ていて飽きない作品になっています。

 

アシガール

若君一直線の平成少女!

平成生まれの女子高校生・唯(ゆい)。勉強も部活もそれなり。弁当は女子らしさゼロの”おっさん弁当”。「彼氏」という言葉は彼女の辞書には存在しない。「足の速さ」だけが、唯一の取り柄だった。そんなある日、唯の弟・尊(たける)は、自宅の倉庫で”あるモノ”を試作していた。それは、刀型のタイムマシン。刀を抜くことで、タイムスリップしてしまうのだ。そんなこととはつゆ知らず、唯はその刀を抜き、タイムスリップ。気がつくと、キレイな満月。と思ったのも、つかの間。全く知らない男達に囲まれていた。殺されないように「足軽」に変装した唯は、なんとかその場を離れる。しかし、晩ご飯を食べずにタイムスリップした唯。空腹すぎて、目の前の毒キノコを食べそうになったその時、運命の相手・若君に出会うのであった。

「タイムスリップ」と「恋愛」が合わさった、歴史好き&少女漫画好きにはたまらない作品。作者は『高台家の人々』『ごくせん』の森本梢子さん。両作品とも、映画化・ドラマ化されている。タイトルの『アシガール』は”アシガル”の”ガール(女の子)”で、パンチが効いている。タイムスリップする時代は、歴史の王道・戦国時代。まず、ここが歴史好きにはたまらない。次に、女子高生が、ただタイムスリップするだけではないことも、魅力の1つだ。”アシガル”になって戦うのだ。愛する人を守るために。そういった、主人公・唯の”まっすぐさ”に心揺さぶられる。1人の人間の”純粋な恋心”の威力を感じる。本作品も、NHKでドラマ化されている。興味がある方は、見ていただければ幸いだ。

 

イタズラなKiss

片思いが実るかも!?恋する乙女必見の胸キュンラブコメディ

ドジで平凡な女子高生の相原琴子は高校の入学式で新入生代表挨拶をした天才でイケメンの入江直樹に一目惚れ。2年間片思いし、高3になると勇気を振り絞ってラブレターを手渡すが「いらない」と冷たく拒否され、「頭の悪い女は嫌いだ」とまで言われる始末。大撃沈の琴子に追い打ちをかけるように、新築したばかりの自宅が地震で倒壊する。結局家を再建するまでの期間、父の親友宅にお世話になることになったがその居候先は直樹が住む入江家だった。同居することになっても直樹は琴子に冷たく、琴子も直樹を忘れようとするが時折見せる直樹の優しさに心打たれ諦めずにアタックを続ける。当初は琴子を拒絶していた直樹も自分にないものを持っている琴子が気になる存在になっていく。次々に個性豊かなキャラクターが登場する胸キュンラブコメディ。

IQ200の天才で容姿端麗、スポーツ万能、家柄も良い完璧人間だけど意地悪で他人を見下す入江直樹と、人一倍ガッツはあるけどドジで何をやっても失敗ばかりの相原琴子、対照的な2人の恋がどう進展していくかが見所です。作品自体コメディ色が強いので思わず笑ってしまうシーンが多く、読者を飽きさせません。最初は冷酷だった直樹が琴子と出会いドジぶりに振り回されながらも、自分にない根性や明るさ、ひたむきさを持った琴子に惹かれていくストーリーの流れも必見です。個性的で魅力的な登場人物の暴走ぶりも面白いし、恋愛や友情、家族っていいなと思える作品です。残念ながら作品は未完ですが、今読んでも非常に面白く心がほっこりします。若い世代が読んでも楽しめるはずです。

 

うそカノ

ウソから始まる天然女子と完璧主義男子のラブストーリー!

すばるは同級生の入谷にずっと片思いしていた。ある日、入谷が「彼女のふりをしてくれる人」を探していることを知ってしまった。そこですばるは入谷のうそカノに立候補することにした。今まで話すこともできず、遠くで見ているだけだったので、入谷との接点が持てたことにすばるは喜んだ。シャーペンを交換したり、一緒に下校したり、デートしたり、恋人らしいことをするようになった。入谷が笑っていると自分もうれしく感じ、いつか本物の彼女になれたらと願っていた。しかし、ひょんなことから入谷がうそカノを必要としている理由を知ってしまう。うそから本物になれる日が来るのだろうか。

最初は初恋の女性のためにウソの彼女を探していた入谷でしたが、いつの間にかすばるを溺愛していくようになります。勉強はできるけれど、人の感情の機微に疎く、無自覚にすばるのことを不安にさせていました。すばるにどれくらい自分のことが好きか聞かれても上手に誤魔化すこともできず、すばるが自分を好きなほどには好きじゃないと素直に応えてしまいました。しかし、すばるに近づく男にはちゃんと嫉妬し、すばるとのデートを完璧に成功させようと努力もするようになりました。すばるが望んだようなお互いが大好きな両思いの本物の彼女になることができて、本当に良かったと思えました。かわいいお話が多くて、2人の恋を純粋に応援したくなる作品でした。

 

嘘解きレトリック

嘘がわかる少女と探偵の人情ミステリー

昭和初年の九十九夜町が舞台。生まれ故郷の村を出ることになった浦部鹿之子でしたが、空腹で行き倒れていたところを貧乏探偵の祝左右馬に助けられます。鹿之子は物心ついたころから「人のウソが聞き分けられる」能力を持っており、そのために人々から疎まれ孤独な思いを抱えてきましたが、左右馬はその能力を「探偵として素晴らしく、金儲けをするのに便利だ」と言い、行く当てのない鹿之子を探偵助手として受け入れることに。分かる少女と分からない探偵が次々と事件を解決していくという、不思議な二人のレトロでモダンな路地裏探偵活劇。

現代ではなく、昭和初期の街並みや服装がまず読んで面白いところだと思いました。全10巻あるうちの9巻後半から最後の締めの事件です。初めこそ金儲けができる便利な少女だと思っていたけれど、鹿之子と過ごすうちに、お互いが声を聞かなくても信頼できる大切な人へと変化し、必死に事件解決と鹿之子の奪還に挑む様を見て、日常ではいつもユルい左右馬ですが、必死に推理する様子がやっぱり目端の利く探偵なのだと思わせてくれ、普段とのギャップにやられます。最後は幼馴染の君ちゃんと和解ができ、ずっと一緒にいる約束を果たします。いつまでも、今のホントウをつなげて、ずっと幸せでいてほしいと思います。

 

うるわしの宵の月

恋をするのは王子様と王子様!?

ヒロインの滝口宵は、ショートカットで美男子のような見た目かつスマートなふるまいで「王子」と呼ばれる女の子。「少女漫画のヒーローみたい」と周囲の女子たちに憧れの眼差しを向けられ、ときには告白されたりもすることに、複雑な思いを抱いていました。そんなある日、彼女は同じく「王子」と呼ばれている一つ年上の男子・市村先輩と出会います。彼の自由奔放なふるまいやちょっと失礼な物言いに「全然王子っぽくない」と思っていた宵。しかし、彼に振り回されていくうちに、そのふるまいや言動に徐々に惹かれていきます。そして、それは市村先輩の方も同じで…。今後の展開から目が離せない、ふたりの「王子」によるラブストーリーです!

「王子様」のような女の子、というありそうでなかなか少女漫画にはない設定に、まず引き込まれます。女子が憧れるヒロイン・宵の実は「女の子」な一面だったり、甘党だったり…といった可愛いギャップがたまりません。愛すべきヒロインです。ヒーローの市村先輩もなかなか感情が読めないキャラクターで魅力的です。その思わせぶりな態度や言動に宵と一緒にドキドキして、振り回されること間違いありません。また、彼にはまだ多くの秘密が隠されているような気がしますので、今後の展開からも目が離せませんね!やまもり三香先生の絵柄もとても綺麗で、まさに「うるわしい」ふたりがどのように距離を縮めていくのか期待しています!

 

王子が私をあきらめない!

規格外の王子からのラブコール

お金持ちが通う私立王冠学園高等部に通うこととなった吉田小梅は、ある日ひょんなことから学園の王子さまである一文字初雪に興味を持たれてしまう。初雪を守る生徒会執行部の怒りを恐れて、初雪から離れようとする小梅。だが、初雪は小梅をお姫様だっこすると友達になってくれと言うのだった。初雪が孤独だと知り、小梅の心は揺れる。だが、初雪の側にいるといろいろ気苦労が耐えない小梅は、初雪から離れよう離れようとする。だが、離れようとすればするほど初雪の心は小梅に向かうのだった。そして、初雪は気がついてしまった。小梅に対する気持ちが恋だということに。それからというもの、初雪の猛アタックは更に激しくなるのだった。

王子さまからのアプローチは、庶民にとってはかなりストレスになるのだということがわかる作品です。初雪がすることは、とにかく規格外のことばかりです。小梅ではなくても、初雪の行動にはドン引きしてしまうだろうと思います。ですが、小梅がする些細なことに顔を赤くしたり、喜んだりする初雪はとてもチャーミングで、小梅が初雪を拒否しきれない意味がわかります。初々しくてほっとけない、そんな初雪と小梅の恋がどうなってしまうのか、気になって仕方ありません。最初はアクシデントでキスをしてしまいますが、その後のカーテンに隠れてのキスはかなりドキッとさせられます。

 

王の獣~掩蔽のアルカナ~

半人半獣の"亜人"が兄弟の仇を討つ為に皇宮へ。

半人半獣の亜人と呼ばれる少女の藍月。亜人は優れた身体能力を持つも、一般人からは蔑んだ目で見られていた。生まれつき異能を持っていた藍月の双子の弟、蘇月は皇宮で王族に仕える"従獣"として連れて行かれ、皇宮内で謎の死を遂げてしまう。藍月は亡くなった蘇月の仇を討つために、男を装い皇宮で第四皇子・天耀の"従獣"になることに。弟の仇と信じ込み、最初は天耀の命を密かに狙い暗殺のタイミングを計っていたが、天耀と接するうちにその人となりにだんだんと心が揺れ動くようになる。皇宮で繰り広げられる様々な皇子とその従獣たちとの掛け合いや、憎しみから信頼へ変わっていく藍月と天耀の甘酸っぱい関係性が楽しめる濃密なストーリー。

異能・獣人・皇宮など、ワクワクする要素がたくさんあるが、決して盛り過ぎという事は無く、全てが絶妙なバランスで絡み合っていてサクサク読める。亡くなった弟の為に、強い信念を持って皇宮に入るも、心の中は弟を亡くした悲しみから抜け出せずにいる藍月が、真っ直ぐな"人間"の天耀に出会う事によって少しずつ心が解放され、お互い信頼を築いていく過程が楽しめる。ストーリーの展開に伴う藍月と天耀の表情の移ろいも美麗なイラストで綺麗に描写されていて、背景や小物なども細かく作画されており、近世中華風の世界観も見どころの一つ。

 

大奥

男女逆転の大奥とは!?

江戸時代、男ばかりが掛かる赤面疱瘡という病気で男子の人口は激減した。男の子は子種を持つ宝として外出させないなど大切に育てられ、女が働き手となり家を継いでいった。江戸城内でも3代家光 以降、女子が将軍職を継いでいた。時は流れ8代吉宗の時代に。財政難を立て直すため役職など全てを見直していく。そんな折、水野というお目見え以下の者が大奥総取締 藤波の目に留まり、お中臈に抜擢される。将軍の大奥朝の総触れのため、着飾った男たちがお鈴廊下に並ぶ。その中には、黒の裃を着た水野も。お掻取りに足を取られた吉宗を笑った者を庇い水野が名乗り出る。吉宗は、夜に水野をと藤波に所望した。ご内証の方のしきたりを知った吉宗は水野を助ける術を探し、水野に新たな人生を与えた。

1巻は水野を二宮和也が、吉宗を柴咲コウが演じて映画化されている作品です。水野には好きな人がいたけど、家の財政難などがあり嫡子ではない自分は口減らしに大奥へ上がると決めたところは非常に辛い思いで読みました。せっかく両想いなのに…と。男女が逆転したとはいえ、大奥の中はイジメや嫉妬が渦巻いていて閉ざされた世界に入ると性別は関係ないのかなと感じました。一番恐ろしいと思ったのが、総取締 藤波の計画です。自分のお気に入りを守るために、そんな策を練っていたとは。2巻以降は、1巻から時代を遡り男女逆転の始まりからそれぞれの将軍たちの物語が描かれています。赤面疱瘡の種痘(ワクチン)が見付かったというところまで読みましたが、これによりこの世界がどう変わっていくのか続きが楽しみです。

 

オオカミ少女と黒王子

嘘から始まる本当の恋

篠原エリカ、通称オオカミ少女。「ぼっちの高校生活なんて嫌だ!」と友達グループの話題についていくため、架空の恋愛話を続けるもバレそうになる。街で見掛けた恭也を盗撮し、彼氏だと偽る。盗撮された恭也は、同じ高校で同学年で「王子」と呼ばれていた。エリカが見せた写真が恭也であると気付いたエリカの友人。エリカは恭也を落ち着いて話せるところに連れていく。そこで、恋愛話をでっち上げてる話など洗いざらい話して、彼氏の振りを頼んだ。「いいよ」と簡単に返事をする恭也。その瞬間、ドSの黒王子が本性を現す。「3回まわって、ワン!って言って」とエリカを完全に犬扱いする。嘘から始まる本当の恋の物語。

ぼっちの高校生活が嫌だから、聞こえてきた話題に知ったかぶりで乗ったか。別にぼっちの高校生活でもいいじゃないかと、あまりいい印象を持たずに読み始めました。街で見掛けたイケメンを堂々と盗撮して、その盗撮した相手がまさか同じ高校で同じ学年と知ったあたりから面白くなってきました。エリカを犬扱いして、その内容がドS過ぎて笑えます。でも、守るべき時はきっちり守るところは、さすがにカッコイイなと思いました。初めは犬扱いとかよと笑っていましたが、エリカが恋愛不信の恭也の心を解かしていったのは凄いパワーだなと思いました。大変かもしれないけど、こんな黒王子もいいなと思っている自分がいました。

 

狼陛下の花嫁

バイト花嫁と二面性の王様の仮初め結婚生活!

白陽国の下級役人の娘の夕鈴は、お金に困っていた。父親がすぐに借金を作るからだ。そんな時、高賃金で割の良い仕事があると、父親からバイトを紹介された。後宮の下働きだと言われていたのに、ふたを開けてみればあの冷酷非情な「狼陛下」と言われている珀黎翔の花嫁役だった。高賃金だし、お金にも困っていたためバイトを引き受けるか悩む夕鈴だったが、断ろうと陛下の側近の元へ向かう。そこには「狼陛下」とはほど遠い、子犬のように雰囲気の柔らかい、優しげな陛下の姿があった。そんな陛下の秘密を知ってしまったが為に、臨時花嫁を引き受けざるを得なくなってしまった。はたして夕鈴は無事に下町に帰ることができるのか。

下町に住んでいる庶民の夕鈴は、騙されて冷酷非情と噂されている国王陛下の臨時花嫁をさせられることになります。しかし、仕事を始めてすぐに、実は陛下が子犬のようなふんわりした優しい性格の青年である、という国家機密をうっかり知ってしまいます。陛下の本性を知ったことで、国を想いがんばっている陛下のために、自分も協力しようとする夕鈴が、とっても良い子で好感が持てました。人前で陛下といちゃいちゃする仕事は恥ずかしいし、居たたまれないけれど、仕事を全うしようとする夕鈴がかわいかったです。そんな夕鈴に陛下がどんどん惹かれて行っている姿に、きゅんとしました。お互い好きなのになかなか進展しないもどかしい感じも楽しめる正統派な少女マンガでした。

 

お嬢と番犬くん

ヤクザの孫のお嬢様を見守ってきた番犬やくざ

一咲の両親は5歳のとき、交通事故で亡くなった。そこで一咲を引き取ってくれたのが唯一の肉親である祖父だった。三代目瀬名垣組組長、瀬名垣太助である。つまり瀬名垣家はヤクザで、一咲はヤクザの孫である。そして、一咲が瀬名垣家に来てから10年間一緒に暮らしてきたのが宇藤啓弥、瀬名垣組の若頭である。ヤクザの家で暮らしてきたことで普通の生活に憧れる一咲。今まではやくざであることを怖がってろくに友達が出来なかった。普通に友達をつくり、普通に学校生活を送り、普通の恋愛をする、そんな普通の青春を夢見ていた。そのために家から遠くの高校を受験し、無事に合格できた一咲。ドキドキする一咲の目の前に現れたのは、制服を来た啓弥だった。

絵がとても綺麗で見やすい漫画です。主人公が可愛いので皆守りたくなるのが頷けます。突っ込みどころがあるとすれば、いくらヤクザの力を使ったとしても、26歳が高校生になるのは無理があるのではないかと思いました。びっくりして焦った一咲が、ヤクザのおっさんがコスプレって、新しいシノギか?!と叫ぶのが面白かったです。シノギという言い方がだいぶヤクザの世界に染まっているのがわかります。普通の家庭の男の子との恋愛は性格的にも周囲の影響からみても無理だろうなと思います。なので一咲と啓弥の恋愛が叶いますように祈っている読者です。

 

おとななじみ

両片想い同士の幼馴染のドタバタコメディ

主人公の加賀屋楓は子供の頃から幼馴染の青山春に片思いしていた。しかし鈍感で天然は春は楓の恋心にまるで気付かない。大人になっても二人の関係は変わらず、楓はやきもきしていた。やがて楓は実家を出てアパートで独り暮らしを始めるが、紆余曲折あって春がお隣さんになる。春への思いに見切りを付けた楓は、自身が働いている弁当屋のマネージャーと交際を始めるものの、彼は既婚者であることを隠していた。知らない間に不倫の片棒を担がされていた楓はショックを受けるが、春の活躍によって無事マネージャーと縁を切る。やる時はやる春の頼もしさに惚れ直す楓。彼の部屋に通い妻して尽くす日々だが、一方の春はといえば、職場の同僚をセクハラから助けたのがもとで無職になってしまい……。

本作の見所は楓と春、ともに大のお人好しな二人の無自覚両片思いが生み出すドタバタコメディです。お互い憎からず思いながらも、幼馴染というのがネックになってあと一歩踏み出せないじれったさがたまりません。お互い幼馴染なんて恋愛対象にならないと思ってすれ違い、だけど相手にちょっかいを出す異性が現れたら心穏やかでいられず空騒ぎをする、似た者同士な微笑ましさにニヤニヤが止まりません。春の底抜けのおバカっぷりも楽しく、妄想が行き過ぎてぶっとんだ発想やセリフ回しのテンポの良さが笑いを誘います。幼馴染の恋愛ものが好きな人にはおすすめです。

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

来るなら来なさい、破滅ルート!私が相手になってやるわ!

公爵家の一人娘として甘やかされて育ったカタリナは、我儘で傲慢な性格の少女だった。そんな彼女はある日、王子様の目の前で石につまづき頭をぶつけてしまうが、その瞬間に重大なことを思い出してしまう。そう、私は前世でプレイしていた乙女ゲーム「FORTUNE・LOVER」のライバル役だったカタリナであり、確か彼女に待ち受けている未来は、良くて国外通報、悪くて死亡の2択だったはず!?今度の人生は途中退場してたまるものですか!穏やかに老後を過ごすのよ!と願うカタリナの、周りを巻き込んだ大奮闘が始まるのであった…

見所はなんといっても、カタリナの人間性にあると思います。どんなにおバカでどんなにお間抜けでも決して落ち込まず、前向きで明るく周りの人間たちを無意識に幸せな気持ちにしてしまうのがカタリナです。その天性のタラシ能力は、元々攻略対象だった男性ばかりではなく、周りの女性キャラにも発揮され、気付けば本人が知らないところでカタリナを自分のものにしたい人たちが溢れていきます。そこがきっとよくあるハーレムものと違い、男性にも女性にも受け入れやすいストーリーだと思います。観ていて嫌な気分にならず、何があっても前向きなカタリナに元気をもらえる作品になっています。

 

俺様ティーチャー

シリアスもラブもコメディもつまった新しい少女マンガ!

女子高生の黒崎真冬は、番長を務めた経験もある生粋の不良だ。しかし、ある日警察に捕まり、高校退学を余儀なくされる。真冬は転校を機に普通の女子高生として生活することを心に誓った。そんな中、コンビニへとご飯を買いに出かけた帰り道、ひとりの男に絡む不良集団と遭遇する。不良を追い払った真冬であったが、なぜか助けられた男は、真冬が前の学校を退学になったことを知っていた。ケンカをしたことをバラされたくなければ口止め料としてご飯を渡せと言われ、真冬はやむを得ずご飯を渡すことになる。翌日、転校初日の真冬はお腹を空かせながら、昨日出会った男への復讐を考えていた。その最中、目の前に目的の男が現れる。なんとその男は真冬のクラスの担任だったのだ。

少女マンガでありながら、コメディ要素の強い作品です。シリアスなエピソードを挟みつつ、定期的に読者を笑わせるシーンも登場し、ここまで笑いにこだわった少女マンガは稀だと思います。また、主人公が女子高生でありながら、男子高生に混ざって無邪気にはしゃぐ姿には憧れを抱きます。恋愛描写もありますがこの作品いちばんの魅力は、真冬が隣の席の不良早坂と出会い、友情を深めていく過程にあります。真冬は早坂とは普通の友人でいたいという気持ちが強く、自身が元不良であることを隠しています。真冬が友人に嘘をついているという罪悪感に苛まれる姿には心が痛みます。二人の友情の行きつく先に注目です。

 

俺物語!!

純情で不器用な大男と可憐で天然な少女の胸キュンピュアラブストーリ!

身長2m体重120㎏!だけど純情で正義感の強い高校1年生の主人公・猛男は人望は厚いものの、その厳つい見た目からこと恋愛に関しては惨敗の日々。しかしある日電車で痴漢被害を受けていた可憐な女子高生・大和凛子を助けたことから大和に一目ぼれされ、二人の恋ははじまる。不器用な猛男と天然な大和は猛男の親友スナ(砂川)の手助けもあり、少しずつ心を寄せ合い絆を深めていく。しかしある日、父親の転勤で大和は一年間スペインに行くことになってしまう。同じ大学に通うことを誓い合い、遠距離恋愛を始める二人だが離れて過ごす日々に思いは少しずつすれ違う。受験勉強が順調な猛男とは対照的にどんどん元気を失っていく大和。二人の遠距離恋愛の結末は!?泣いて笑ってキュンとするアオハル恋愛物語!

猛男と大和、恋愛初心者同士のほわほわした恋愛がとにかく可愛いです。またコメディ要素が満載なので二人の恋愛にキュンキュンしつつ笑って楽しめる作品です。恋人同士のイベントを一つ一つ経験していく中で絆を深めていく二人の姿は忘れかけていた甘酸っぱい恋心を思い出させてくれます。また暑苦しいほど熱血な猛男とクールなイケメン親友のスナの友情も見どころです。見た目も性格も正反対の二人ですが、ともすれば猪突猛進に突き進んでいく猛男にアドバイスを与え、猛男が間違っている時は全力で正してくれる二人の関係性が男の友情を感じさせとても素敵です。猛男の見た目に惑わされがちですが恋愛・コメディ・友情と少女漫画の王道を行く読後感のさわやかなラブストーリーです。

 

orange

愛と友情のパラレルファンタジー

ある日、高校生の高宮菜穂は自分から自分宛の手紙が届きイタズラかと思います。しかし、そこに書かれていた内容は、日記のようなもので、寝坊したことと「成瀬翔」という転校生がやってくると書かれていました。すべてがその手紙の通りになり驚きます。菜穂には、須和、あずさ、朔、貴子という仲間がいて、そこに翔が入りいつも6人一緒に過ごすのでした。どこか影のある翔に次第に惹かれていく菜穂。そして、自分から何故手紙が届くのか段々と気が付きます。後悔しない未来のために仲間に助けてもらいながら、もう一つの人生へと導く、パラレルラブファンタジー。

見どころは、愛と友情です。パラレルワールドに興味ある人に是非見て欲しい作品。タイムスリップではなく、パラレルワールドなのにというところに菜穂の愛を感じます。逆にいえば、パラレルワールドだから須和も協力的だったのかも知れません。誰しも、あの時ああしていればと思うことはあります。命にかかわることならなおさら。翔のために必死になる菜穂ですが、その必死さのおかげで菜穂自身も成長していくたくましさを感じ、応援したくなるのです。絵もキレイで、田舎の風景が心に響いてきます。どんどん仲間が団結していくところにグッときました。

 

学園アリス

少し前に"女の子"だったあなたにオススメします

どこにでもいる普通の女の子「佐倉蜜柑」がある日転校して親友の「蛍」を追いかけて田舎を飛び出し【アリス】という摩訶不思議な個性を持つ生徒が通うアリス学園へと入学する所からストーリーが始まります。アリスと同じくらい性格も容姿も個性豊かなクラスメートや先生と出会い、恋愛や青春を共に過ごし少しずつ成長していくお話です。学園もの?と思いきや、ファンタジー要素満載で、独特な世界観にも関わらず、その世界観の中で友情、恋愛、青春全てを網羅している夢いっぱいで少し前に女の子だった大人女子に「懐かしい!」と思って読んで頂きたい話です。

まずキャラクターが魅力的です。主人公の佐倉蜜柑は最初は落ちこぼれで我が儘な女の子ですが、巻数を重ねるごとに成長していき思わず自己投影してしまえるくらい親近感が湧きます。そんな彼女の前に現れるのがいわゆる男の子が「穏やかで癒し系の王子様タイプ」と「クールなオレ様タイプ」の二種類で王道少女マンガにはありがちな展開ですが、こういうシチュエーションにドキドキしてしまいます。
また、世界観も独特で生徒たちは「アリス」という個性を持っていますが、夢と魔法に憧れてた少女時代を懐かしく思わせる、今でも時々読み返すくらい好きな作品です。

 

学園ベビーシッターズ

笑えて泣ける学園子育て劇場!

竜一と虎太郎の兄弟は、飛行機事故で両親を亡くしてしまった。そして、身寄りをない2人は、同じ飛行機事故で息子夫婦を亡くした森ノ宮学園の理事長に引き取られることになった。竜一は優しいおばあさんに引き取られることになったと、まだ幼い虎太郎に説明して、慰めていた。しかし、実際に会ったおばあさんは、タダで2人の面倒をみることはしないと宣言する。成人するまで面倒をみる交換条件として、学園の職員達の子どもを預かる「保育ルーム」で子どもたちの世話をするベビーシッター部に入部することだった。竜一と虎太郎の保育ルームでの楽しい生活が始まる。

中学生で両親を亡くしてしまう経験をしたにも関わらず、まだ幼い虎太郎を一生懸命支える竜一のけなげな姿に感動します。そんなお兄ちゃんが大好きな虎太郎もとってもかわいいです。保育ルームのみんなと海に行ったり、動物園に行ったり、クリスマスパーティーをしたり、遊んでいる姿もかわいいし癒やされます。一見、怖くて言動も厳しいおばあさんですが、熱を出せば看病してくれたり、忙しくても発表会に来てくれたり、不器用ながらも優しさを示してくれる姿に感動します。竜一と虎太郎が優しい人たちに囲まれて、楽しく生活する姿を見守り続けたいと思える作品です。

 

風光る

激動の時代を駆け抜けた少女と天才剣士の純愛物語

壬生浪士組に一人の小柄な少年が入隊を志願する。この少年の正体は男装の少女・富永セイであった。診療所を営み穏やかに暮らす家族を反幕府勢力に殺されたセイはその現場で壬生浪士組、後の新選組の天才剣士・沖田総司に助けられる。セイは性別を偽り入隊し、家族のかたき討ちを目指す。沖田をはじめ、厳しくも優しい仲間たちとの生活の中でセイは隊士として実力をつけまた沖田との仲もゆっくりと育んでいく。しかし時は幕末。加速する倒幕の動乱に新選組は飲み込まれ、セイもまた隊士として激動の時代に身を投じていく。史実をベースに隊士として、また女性として熱く生きた少女を描いた歴史もの傑作ストーリー!

ただ守られるだけの少女でなく最愛の人とともに戦う隊士であり続けようとする主人公セイがとてもけなげでかっこいいです!また恋の相手・沖田や副長土方など史実でも人気のあるキャラクターもとても人間味あふれる魅力的な人物として描かれています。史実ベースの作品では歴史の流れをなるべく変えずに物語を展開していくことになりますが、この作品は歴史の隙間をうめるように日常のストーリーや二人の関係の進展が描かれていて違和感なく読めます。ストーリーベースが新選組であることから沖田や土方など史実に存在するキャラクターの結末がわかっているのでとても切ない、でもそこがこの物語の醍醐味だと思います!

 

神様はじめました

二人の出会いは人生最大のピンチの時に!?人と妖怪のラブファンタジー!

奈々生(ななみ)はギャンブル好きな父と二人暮らしをしている女子高生。ある日父が行方をくらまし家も失ってしまうことに。途方に暮れた奈々生だが、人助けをしたことで家を譲ってもらうことになった。そこは神社で、麗しき狐の妖怪が住んでいた。名は巴衛(ともえ)と呼ぶ彼は、神の使い。奈々生は巴衛が眷属となっている土地神に、人間ながら就任することになった。神の使いである巴衛は、主である奈々生の命令には絶対服従なのだが、とにかく気に入らないようだ。ことあるごとにきつい言葉を投げてしまう。崖っぷち女子高生と美形妖怪の恋愛ファンタジー!

何といっても、二人が話が進むにつれ打ち解けていくところが良いです。様々な妖怪が現れて事件に巻き込まれていくのですが、巴衛は最初こそドSで気難しいのです。途中から奈々生のたくましさ、トラブルに負けない強さそして優しさに惹かれていき距離を詰めていく部分が、純粋に二人の関係を応援したくなります。また、二人に関係する過去の女の存在も登場し泥沼化していきますが、最後は愛の力で乗り越えていきます。また二人と同じ妖怪と人間の数年越しの恋物語もあります。強い愛があればハンデがあっても想いは伝わる、そう思わせてくれる作品です。

 

君に届け

想いを君に届けたい!いつまでも色あせない、王道少女漫画

高校一年生の黒沼爽子は陰気な見た目と長い黒髪のせいでクラスメイトから「貞子」と呼ばれ怖がられていた。クラスにまったく馴染めない爽子だったが、そんなことはまるで気にしないクラスメイトの風早翔太と親しくなる。男女問わず誰からも好かれ、自分とはまるで正反対の爽やかな風早くんに憧れる爽子は、彼の言葉をきっかけに変わろうと努力をする。そんないつでもまっすぐな爽子の変化に風早くんも段々と惹かれていき……?!家族や周囲の友人に囲まれ、学校生活や進路、そして恋愛を通して成長する爽子の高校生活三年間。爽子の想いは風早くんに届くのか?!

主人公の爽子は地味で見た目も暗く周囲から怖がられていますが、そんな外見とは正反対に性格はとても良い子。クラスメイトから避けられているのも気にせず爽子と接する風早くんは、そんな爽子の性格の良さやまっすぐさ、努力家なところなどに気づき、どんどんと惹かれていきます。爽子と風早くんはもちろん、登場人物全員が魅力のある良いキャラクターなので読後感がとても爽やかです!爽子の高校入学~卒業までの三年間を描いているので爽子がどんどん成長していく姿にも感動します。特に恋のライバルとして登場したくるみちゃんと後半でともに受験勉強に励む姿など最高でした!誰にでもオススメできる王道の少女漫画です!

 

薬屋のひとりごと

ツンデレ猫猫vs美貌の壬氏!

舞台は古代中国の架空の国。花街育ちの薬屋の少女・猫猫(まおまお)はある日人攫いに売り飛ばされ、後宮の下働きをさせられる羽目に。揉め事は避けたい猫猫は大人しく過ごそうと決意するのですが、皇帝の幼子が次々と亡くなる事件が発生し、つい首を突っ込んでしまいます。ある日、皇帝の寵妃である玉葉妃に投げ文をしたことを知られ、天女のような美貌を持つ宦官・壬氏(じんし)に連れて行かれます。そうして玉葉妃付きの毒見役となった彼女は、その薬と毒だけに特化した知識で数々の難事件を解決していくのですが、そんな彼女を壬氏が気に入るようになります。しかし、老若男女誰しもの心を溶かすほどの美貌を持つ壬氏に対し、猫猫は彼をナメクジを見るような態度で接するのでした。

猫猫はその知識で事件を解決に導いていきますが、彼女の興味関心のほとんどは薬と毒にしかありません。他人の感情に疎く、壬氏に好意を寄せられていることすら全然気づかず、お陰で壬氏は空振りばかり。しまいには自ら毒を食べようとしたり、自分の体で人体実験をしようとしたり、若干サイコパスがかっています。しかし、困っている人になんやかんやで手助けしたり、壬氏の依頼を断れなかったりと、ツンデレな猫猫にハマってしまいます。一方、壬氏の本当の身分は物語の最初では明かされず、時が経つにつれ猫猫は彼の正体に少しずつ気づき始めるのですが、面倒ごとに巻き込まれまいとわざと知らぬふりをする猫猫が憎らしい!

 

黒執事

少年と執事が英国裏社会に立ちはだかる!

19世紀末英国。ファントムハイヴ伯爵家当主・シエル・ファントムハイヴは、12歳の若さで「女王の番犬」として英国裏社会の秩序を守る使命を背負っていた。ファントムハイヴ家には、幼い主人の世話から使用人たちの失敗のフォローまでこなす優秀な執事セバスチャン・ミカエリスがいた。彼は知識・教養・品位・料理・武術、すべてが完璧。それもそのはず、実はセバスチャンの正体はシエルと契約を交わした悪魔だったのだ。過去に両親を殺害され、自身も誘拐された経験のあるシエルは、復讐を果たすため自身の魂を対価に悪魔と契約した。その後、悪魔セバスチャンと共に闇の世界で様々な事件に関わっていく。

枢やな先生が描く美麗なキャラクターたちが際立つ執事漫画です。美しく逞しいキャラクターたちがふんだんに登場し、それぞれの魅力に目移りしてしまいます。きわどく残酷な描写が多く、ショッキングで目を背けたくなるシーンもあります。そのグロテスクな描写とコメディシーンの落差が激しく、混沌とした展開がクセになります。ミステリー要素を含む作品でもあり、意表を突く展開には感服させられます。作品全体にダークな雰囲気が漂い、純粋にカッコいいと思える設定とストーリーです。英国文化に関連する詳しい説明が端々にちりばめられ、楽しく学びつつもマンガの世界観に引き込まれていきます。

 

墜落JKと廃人教師

自殺から始まる禁断のスクールラブ!

女子高生の落合扇言は、学校の屋上から投身自殺を図ろうとしていた。授業中の屋上には誰も来ないと考えての行動だったが、そこへ現れた教師・灰葉仁に邪魔をされてしまう。灰葉は言葉巧みに扇言から自殺の理由を聞き出した。さらに灰葉は己の愚痴を語りつつ、過去に自身が同じ様にこの場所で自殺を図ろうとした過去があることを仄めかす。新しい恋を始めるよう説得する灰葉であったが、突然扇言に愛の告白をする。失恋が原因で自殺寸前の扇言であったが、灰葉の言動に気が削がれ、自殺を思いとどまることに。灰葉はこれをキッカケに扇言の後をつけたり、頻繁にちょっかいをかけるようになり……。自殺から始まる教師と生徒の禁断のラブストーリー!

恋愛の進行がじれったく、少女漫画らしいキュンキュンするシチュエーションが盛りだくさんの作品です。自殺から始まるラブストーリーなだけに、主要キャラクターがネガティブな感情をむき出しにしてきます。主人公・扇言が明るい表情をしている時は、決まってネガティブの中に幸福を見出したときです。灰葉は包容力で扇言を支え、扇言は存在そのものが灰葉に心の癒しを与えています。お互いがお互いを必要とする共依存が心地良く、彼らの思考から生まれる重く明るい愛情は、その振り切り具合から爽快感すらあります。ダークな描写の中に救いのある新鮮で独特なラブストーリーです!

 

恋わずらいのエリー

変態エリーのお相手は学校イチのイケメン?!

地味で目立たず、まるで透明人間のような高校生活を送る女子高生の市村恵莉子。彼氏いない歴=年齢……いわゆるモテない女の喪女である彼女にはウラの顔があった。それはSNSで"恋わずらいのエリー"として日々の妄想をつぶやくこと。妄想のお相手はかっこよくて爽やかで学校イチの人気者、「オミくん」こと近江章。叶うはずの無い妄想を垂れ流す恵莉子だったが、ひょんなことからSNSがオミくんにバレてしまい……。だんだんと明らかになるオミくんの裏の顔にドキドキさせられっぱなしの恵莉子。果たしてエリーの妄想は現実を超えるのか?!変態エリーとオミくんの妄想ラブコメディ!

この作品の魅力は何と言っても愛すべきキャラクターたちです。主人公の市村恵莉子ことエリーをはじめ、妄想のお相手のオミくんや友人のサラちゃんなど、どのキャラクターも一途で頑張り屋で、でも弱いところやボケている部分もあり、応援したくなる魅力があります。特にエリーは作中で「変態エリー」と呼ばれるほどの妄想好きで「オミくんのジャージを借りる」という、たったそれだけの事でも妄想を大爆発させSNSにつぶやきを垂れ流していきます。果てしない妄想の内容は推しのいる女性なら共感できること間違いなし?!完結済の本作は最後までストーリーもテンポよく、絵柄もとてもきれいなのでサクサク読めてオススメです。

 

高校デビュー

俺を好きになるなっていわれたけど、コーチは超イケメン

主人公晴菜は、中学時代、恋愛を全くしていなかったことから、高校からは、彼氏を作ろうと意気込みます。自分でモテようと勉強して実践しますが、うまくいきません。そんな中、親友のまみちゃんから恋愛のコーチをしてもらう人がいたらいいんじゃないかとアドバイスをもらい、コーチになってくれる人を探すことにします。そこで、とてもカッコいい男性に町で出会い、晴菜はときめきます。後日、偶然にもその男が同じ高校だとわかり、また、晴菜がモテない理由をばっちり言い当てたことで、コーチになってもらおうと決めます。男はヨウという名前で、最初は嫌がるもののはるなのひたむきな姿をみて、コーチをすることにします。ただし、自分のことを好きにならない条件を出します。恋愛経験なしの晴菜と女性不振のヨウの青春物語です。

この漫画は、誰もが経験したことのあるような物語で、すんなり入り込めます。恋愛経験なしで頑張る晴菜にヨウは厳しくコーチとして指導します。ヨウは女性不振ですが、実はとても優しいです。口は悪いのに、優しく真面目なのでそのギャップにやられます。晴菜は、恋愛することで、初めて傷つき、恋愛が楽しいばかりではないことに気づきます。そんなところも、とても共感できます。晴菜が最後、誰と付き合うのか、途中までとてもドキドキし、続きが早く見たくて仕方なくなります。ヨウもどんどん変化していくので、その変わりようがたまりません。晴菜とヨウだけでなく周りの登場人物の話もとても面白いです。それぞれ誰と幸せになるか、最後まで楽しみに読めます。

 

ご近所物語

幼なじみラブとオシャレの塊!

矢澤芸術学院・通称ヤザガクに通う実果子と幼なじみのツトム。人気バンドのボーカルに似ていたことからツトムにモテ期が訪れました。今まで実果子の側にいるのが当たり前だったツトムに彼女が出来てざわつく実果子。ツトムは実果子のことが好きだけど、一生狭いテリトリーで過ごすことに抵抗があったのです。そして実果子も自分がツトムに彼女が出来たことに対して、ヤキモチを妬いている事実をなかなか認めたくありませんでした。しかし、次第にお互いかけがいのない存在だと気づくのでした。そして実果子とツトムはヤザガクの仲間たちと「アキンド」というフリーマーケットサークルを立ち上げます。

見どころは、Paradise Kissと話がつながっているところ。「ご近所物語」の実果子はParadise Kissの実和子のお姉さんで、リサは嵐のお母さんで、徳ちゃんは徳森くんのお父さんです。舞台も同じヤザガク。実果子のキャラクターは、将来成功する人ってこんな感じといった独特な雰囲気が魅力です。才能ゆえに変わり者で不器用な部分をツトムが補ってくれているので、見ていて安心感があります。一緒にいるのが当たり前な兄妹のような感覚から恋人に変わって行く様が、幼なじみのいる人にしかわからないもどかしさがたまりません。漫画なのに、しみじみとお似合いの2人だと思ってしまいます。

 

こどものおもちゃ

大人も楽しめる!笑いも涙もある少女漫画!

物語の始まりの舞台は小学校です。子役をやっている主人公の女の子が、先生をいじめて学級崩壊を起こしてるクラスのボスの男の子を止めようとしたことで、主人公もいじめられてしまいます。しかし、主人公はいじめにはへこたれず、なぜクラスのボスは先生をいじめているのか原因を突き止めて、解決します。そのことがきっかけで主人公に好意を持ち始める男の子。中学校に進学しても、主人公はその好意には気が付かず、本当は両思いなのにすれ違ってしまい、なかなか付き合えません。さまざまな事件や問題を乗り越えて、ようやく付き合うことになっても、主人公が病気になってしまったりなどの問題が起きますが、2人で乗り越えていく話です。2人の恋の話だけではなく、家庭の問題や友達関係などのストーリーも描いてあります。

学級崩壊、いじめなどは少女漫画とはかけ離れているような話に思えるますが、主人公の明るさで思わず笑ってしまうギャグ漫画のような部分もあり、面白かったです。はじめは嫌なやつだったボスの男の子も、すぐに好きになり、次第にはカッコよく思えて、早く主人公と付き合って欲しい!とワクワクできました。主人公の周りのキャラクターも個性的なキャラクターで、どのキャラクターも好きになりました。複雑な家庭環境や、芸能人のしての仕事の部分や、殺人事件の部分が非現実感がありますが、大人でも読めるようなストーリー展開になっていて、楽しく読むことができました。

 

コレットは死ぬことにした

薬師コレットと冥王ハデス様との神話級キュン!ロマンス

薬師であるコレットは毎日、患者の往診や対応に追われる忙しい日々を過ごしていました。薬師の仕事が大好きなはずなのに朝から夜まで寝る暇もないコレットはある日、井戸に飛び込んでしまいます。死んでしまったかと思いきや、そこはまさかの冥府だったのです。冥府で出会ったハデス様の治療をすることになり、だんだんと冥府の住民とも打ち解け、冥府の事情を知っていくコレット。地上と冥府を行き来できるコレットの元には様々な患者がやってきます。患者との出会いの中で知る新たなコレットの真実や打ち解けていくうちにハデス様とコレットの関係にも新たな進展が生まれてきます。ロマンスだけじゃない、仕事に対するコレットの熱意や誠意からも感じるものがきっとあるはずです。

薬師の仕事が大好きなコレットを見ていると自分も仕事に対する気持ちや向き合い方を変えてみようと思えたり、コレットの熱意と誠意には学べることがたくさんあります。もちろんハデス様とのロマンスも見所の一つでキュンキュンするシーンもたくさんあって、読んでいるだけで満たされます。コレットの真面目さ、愛嬌、好奇心、聡明さを真似すれば、女子としてきっと自分自身も、自分の人生も変わるような気さえしてきます。ギリシャ神話の神様がたくさん登場する、謂わば非現実的な少女漫画ではありますが、コレットとハデス様の二人の冒険にはなぜか親近感が湧き、感情移入ができてしまうのがこの漫画の見所かと思います。

 

コーヒー&バニラ

コーヒーのように癖になる恋物語

田舎育ちの大学生・白城リサは、男性との交際に自信がなく、誘われても断り続けていました。そんなある日、男性に声をかけられて困っているところを、偶然居合わせた深見宏斗に助けてもらいます。お酒の飲み過ぎで寝てしまったリサは、宏斗の部屋で目を覚まして彼から告白されます。突然のことに戸惑いながらも、リサは深見との交際をスタートさせます。ですが、深見の立場を知ったリサは、自分では深見には不釣り合いだと思い悩むようになります。そんなリサの前に阿久津という男が現れ、リサを部屋に連れ込んで強引にキスしてくるのでした。

まるで、現代のシンデレラストーリーです。社長である深見は、なにもかもがハイスペックで、そんな彼に愛されているリサは本当に羨ましいです。そして、リサもすっごい美人なのにツンとしていなくて、とても控えめなので、女性から見ても守ってあげたくなる存在なんです。すぐにリサにキスをしてきたり、身体に触れようとしてくる深見に、困りながらもメロメロにされちゃうリサが可愛いです。ライバルは現れるのですが、あまりにもラブラブなので2人の間に割り込めるような人は、絶対に現れないだろうなと思わせてくれます。まるで毎日飲んでも飲み飽きないコーヒーのように、読む度に続きが読みたくなる、まさに癖になる漫画です。

 

桜蘭高校ホスト部

男装の女の子と天然王子さまの恋

超がつくほどのお金持ち学校「桜蘭学院高校」に入学することになった藤岡ハルヒ。ハルヒは、静かに勉強できる場所を求めて、偶然にも学内にあるホスト部に入ってしまい、誤って高価な壺を割ってしまう。借金返済のために、男としてホスト部の一員となるハルヒ。部長の環をはじめ、ホスト部の面々はハルヒを気に入り、なにかと助けてくれる。ハルヒとホスト部の間には、まるで家族のような絆ができていった。ハルヒのことを父親のように見守ってきた環だが、やがて恋愛相手としてハルヒを意識し始める。そして、ハルヒもまた環のことを考えると胸が切なくなるのだった。

ハルヒのまっすぐで一生懸命なところと、環のどこまでも天然なところが可愛い作品です。お金持ちと庶民というと、庶民が卑屈になってしまうシーンが多くなりがちなんですよね。でも、この作品ではほとんどそういったシーンがないんです。ハルヒが楽しそうにしていたり、喜んでいる姿に、ホスト部の誰もが優しい眼差しを向けているところが、とても微笑ましいです。なかなかお互いにその気持ちが恋だと気づかない2人ですが、周囲は2人の気持ちに薄々気がついているというところもまた面白いです。
笑えて、泣けて、そしてキュンとする優しさがたくさん詰まった作品でした。

 

昨今のシンデレラは靴を落とさない。

婚約破棄された令嬢と紳士な年上将軍とのラブロマンス

フレデリカ・キャストレイ子爵令嬢は、舞踏会の最中、衆人環視の中で婚約破棄を告げられた。フレデリカはおとなしく婚約破棄を了承し、会場を足早に去って行く。この時、婚約破棄よりも差し迫った問題がフレデリカの身に降りかかっていたのだ。古いひもパンが限界に達し、ずり落ちて来ているという問題が。婚約者の心変わりなんてたいした問題ではない。パンツが落ちる前に馬車までたどり着かなければとフレデリカは急ぐが、ブレナン将軍とぶつかり、転んでしまった。そして落ちたパンツを将軍に見られてしまった。ショックで気を失うフレデリカだったが、この出会いをきっかけに、年上の将軍に溺愛されることになる。

婚約破棄されたことを悲しむこともなく、婚約者の新恋人に嫉妬するでもなく、戸惑った表情をしていたのは、はきつぶしたパンツのヒモがちぎれてしまったから。ある意味とてつもない修羅場を体験しているフレデリカがかわいそうだけど、とてもおもしろいです。別に政略的な婚約だから、婚約破棄しても悲しくないというのは想像できましたが、パンツが落ちそうで焦るというのは想像できませんでした。また、ブレナン将軍とフレデリカの2人は、あんな出会いだったのに、年の差に悩んだり、恋愛に不慣れなため、両思いなのになかなか恋人になれなかったり、普通に恋愛をしている2人の姿がとてもかわいかった。この作品はコメディとしてもラブストーリーとしても楽しめる作品です。

 

さよならミニスカート

社会問題に切り込んだ新・少女漫画

学校内で唯一、女子でスラックスを履いて通学する女子高生がいた。そんな彼女、神山仁那は男子のような見た目でクラスでは浮いた存在だが、実はある秘密があった。それは人気アイドルグループ「PURE CLUB」の不動のセンター・雨宮花恋だったという事だ。しかしある事件をきっかけに芸能界を引退し、過去を隠しながら生活している。誰もその秘密に気づかなかったが、柔道部でクラスメイトの堀内光には正体を気づかれてしまう。だが光から感謝の言葉を伝えられ、今までの男子とは違う彼に仁那は少しずつ心を開くようになる。しかしある時、PURE CLUBのメンバー・サラから驚きの連絡が入った。その内容とは…?新感覚・少女漫画!

この作品の一番の着眼点は痴漢や女性軽視などの社会問題を扱っていて、性別・年代問わず興味・関心を向けて読めるところです。また普通の少女漫画とは一味違った内容で、サスペンス要素も含まれていて、毎回興奮しながら読む事ができます!シリアスなシーンも多いですが、仁那が光に心動かすシーンなど胸キュン要素もあります。「女の子がスカートを履く意味。」など今を考えさせられる、新しくも深い作品です。現実とリンクしている部分が多いので、いろいろ考えを廻らせながら感情移入できるとより楽しめると思います。現在休載中でまだ2巻しか出ていないので、初めての方は必見です!

 

37.5℃の涙

病児保育のリアル!

37.5℃という体温は、こどもが保育園に行けるボーダーライン。働く親にとっては、保育園には預けられず、でも働かなくてはいけないという条件に置かれる。そんな親たちをサポートする存在として活動するのが「病児保育士」。本漫画は病児保育士・桃子を取り巻く病児保育のリアルを描いた物語。民放のドラマの原作にもなった。桃子が病児保育で訪問した各家庭を中心に、親の葛藤、こどもが感じる寂しさ、それを桃子がどのようにサポートしていくのかを1話1話丁寧に表現している感動物語。桃子自身のトラウマや恋愛要素もところどころで表現されており、この要素も欠かせない!

「病気のこどもの看病をするのは親の仕事」「病気のときに親がそばにいないなんて、こどもがかわいそう」。病児保育を利用する親であれば、何度もこのような言葉を外部から投げかけられてきたと思う。だけど、生活のために仕事をしなくてはいけない、キャリアのために仕事をしたい。親が働く理由はいろいろとあるけれど、自分自身も働くことが好きなため、この葛藤にすごく感情移入してしまい、毎話感動する。病児保育のような、外部のサポートを活用することに、もっと世間の理解が深まり、このような業界で働く人が増えたり、利用する親への偏見がなくなると良いなと思う。

 

自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。

悪役になりたい令嬢とアンドロイド王子のラブストーリー

アルファスタ王国王太子であるセシル・グロー・アルファスタは珍しく困惑していた。それは婚約者である宰相の一人娘、バーティア・イビル・ノーチェス侯爵令嬢との顔合わせの時、いきなり自分は悪役令嬢で将来婚約破棄される事になると嬉々として告げられたのだ。詳しく話を聞いてみると、バーティアは転生者であり、この世界は前世で遊んだ乙女ゲームの世界であるということだった。セシルの幸せのために、バーティアは清く気高い悪の華になると宣言する。いろいろと驚くことはあったけど、予測不能な行動をするバーティアに興味を持ったセシルは、彼女の行動を観察することにした。

悪役令嬢になるために、努力を惜しまないバーティアが良い子すぎてとてもかわいいです。でも、努力をすればするほど、悪役から遠ざかっていくことを本人だけが全く気づいていないところもおもしろかったです。そんな天然なバーティアを手のひらで転がしつつ、見守っているセシルの腹黒加減も楽しかったです。この作品は乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったバーティアではなく、攻略対象であるセシルの視点で描かれています。あまり表情の変わらないセシルが、斜め上に突っ走るバーティアの行動に戸惑っていたり、おもしろがっていたり、バーティアと過ごしたことで感情が育まれていく様がとてもおもしろいです。

 

失恋ショコラティエ

男性主人公という異例の少女漫画

主人公がまさかの男性、パティシエという異色の少女漫画です。ソータは高校生時代からの片思い相手、「サエコさん」を振り向かせるため(?)にパリに渡り、修行を積んで日本でチョコレート屋さんをオープン。昔から振り回されっぱなしのサエコさんと、ショコラティエとお客さんという立場で念願の再会を果たすものの、サエコさんは結婚間近という衝撃の事実が明らかになるところからストーリーが始まります。それでも諦めないソータの片思いアタックの日々と、片思いを原動力にお店をどんどん成長させていく仕事の日々と、お店スタッフや妹の恋愛、日常が詰め込まれたラブストーリーです。

ソータの一途でちょっと間抜けなところが憎めず、すくっと笑いながら応援したくなるところが見所です。恋愛をすると周りが見えなくなって、自分の都合のいいように考えたり解釈したりしてしまうのを地で行くソータと、的確かつぐさっとくるツッコミを入れながら見守る周りの人たちの温かみが素敵です。一方、お店の仲間とはいえ言えないことや秘めている思いもあり、人間関係ってそういうものだなあと納得しながら読めます。絵がとてもきれいで、作中に登場するチョコが本当に美味しそうに書かれているので、読んでいるとチョコが食べたくなります。

 

自転車屋さんの高橋くん

我慢して不器用に生きる女子と我慢しなくて不器用な男子

飯野朋子は、東京から地方へ就職して10年以上が経った。自転車で通勤し、上司のセクハラモラハラや同僚からの仕事の押し付けを仲の良いキミちゃんと愚痴り合うことで凌ぐ日々。キミちゃんが今の彼氏と結婚して退職してしまったら…と考え憂鬱になっていたある時、帰り道で自転車が故障し、それを突然直してくれた人物が。それが派手な髪の毛のヤンキー青年、高橋くんだった。これをきっかけに高橋くんの自転車屋さんへ更なる修理へ通うこととなり、朋子のうっかりが重なって2人の仲は進展していく。思ったことを言えずに「私なんか」で仕舞い込んでしまう朋子と、嫌なことははっきり主張し感情的になってしまう高橋くん、標準語の朋子と岐阜弁の高橋くん、対照的な2人はどんどん惹かれあっていく。

高橋くんが怒るシーンです。誰かが何かをないがしろにする時彼は怒ります。「しょうがないよ」「こんな相手に言っても無駄だ」と私達が日常で諦めてしまいがちな部分でも怒り「そうだ、でも見下されたままで良くないんだ」とはっと気付かせてくれます。恋愛マンガとしては、大人が主人公の女性マンガです。高橋くんの優しさは、下心も何もなく相手のことを考えてくれるストレートな優しさで、ただただときめきます。少女マンガの男の子のようにスマートでない、不器用で、微妙な心の機微に鈍くて口数も多くない。だからこそ伝わる愛されている感じが見所です。

 

地縛少年 花子くん

妖怪と人間のコメディ恋愛

学校の七不思議七番目の「トイレの花子さん」、呼び出した人の願いを叶えてくれる。好きな人と両想いになりたくて、女子トイレの3番目の扉を3回ノックした八尋寧々。「はーあーい」と出てきたのは、なんと!学ランを着た、男の子の花子さんだった!!寧々の願いを叶える方法は全部健全で時代を感じるものばかり。怒った寧々は、花子くんが落とした縁結びの「人魚の鱗」を飲み込んでしまう。すると、寧々は魚の姿に!人魚の鱗は、縁結びと呼びれているが本当は二人で鱗を飲むと、飲んだ二人が同じ人魚の呪いをうけることで、特別な縁でつながるというものだったのだ。寧々の人間に戻りたいという願いを、自ら鱗を飲んで叶えた花子くん。その願いを叶えた代わりに、寧々は花子くんの助手として、七不思議が起こす事件へと立ち向かうことになってしまう!

花子くんというミステリアスでエロカッコイイキャラクターが、恋愛に不慣れな寧々を惑わせていくところは、胸のときめきがとまりません。妖怪と人間、絶対に同じ世界でずっと一緒にはいられない二人の今後の展開には目が離せません。そこに、花子くんの双子の弟も登場するのですが、そこには花子くんが死ぬ前の秘密が隠されています。なぜ、花子くんは死んだのか、なぜ七不思議の七番目の位置にいるのか、謎が多々多くてそこも大きな見どころです。また、他の七不思議の登場や、祓い屋の少年源光の活躍もぜひ見てほしいです。面白さと切なさを合わせ持つファンタジー漫画です。

 

スキップ・ビート!

復讐を胸に大女優への道へ!

バンドマンの幼馴染とともに中学を卒業してすぐに上京した主人公。主人公は幼馴染の彼の夢を応援しながら、身の回りの世話をし、毎日働いていましたが、幼馴染からはただの家政婦として連れてこられただけで、デビューしたら、ポイっと捨てられてしまいます。主人公はそんな仕打ちをされて許すはずもなく、自分も同じ土俵に入って、ギャフンと言わせようと復讐を胸に誓います。ですが、世間に疎い主人公はどうしたらいいかもわからず、途方に暮れていましたが、ひょんなことからタレント事務所に所属でき、そこから自分の力で、女優への道を目指すことになります。

少女漫画なので、恋愛要素が多いのかと思いきや、主人公の女優になるための成長過程のほうが大きく描かれていて、とても面白いです。何より主人公が魅力的すぎます!ブラックな一面もあり、多重人格なのかってツッコミたくなるくらい、浮き沈みが激しいです。負けず嫌いなのか、その時その時で、色々問題が発生しますが、自分の力で乗り越えて、周囲に認めてもらっていくところは見ていて、とても気持ちがいいです。最初のほうでは、恋愛要素なんてなく、ただただ主人公が打ちのめされてるところばかりなんですが、だんだんと男性陣のほうが主人公に魅了されて、恋愛的なところもでてきます。ぜひ、実写化してほしいと思うほど面白いので、見てください!

 

素敵な彼氏

純粋さにキュンとくる、共感度100%なラブコメディ

小さい頃に両親と行った年末のカウトダウンで見た幸せそうなカップルの姿に憧れ、高校生になったら彼氏がほしいと願う小桜ののか。しかし、高校に入学して半年が過ぎても一向に彼氏ができる気配がない。彼氏を作るため、焦って合コンに行き、そこで桐山直也と出会う。桐山は何を考えているかわからないけど、さり気ない気遣いができるイケメンな男の子。彼氏作りに頑張っているけど空回りしてばかりいるののかを面白がって、なぜかカウトダウンまで見守ることに。ののかは「素敵な彼氏」を作り、念願のカウトダウンを一緒に過ごすことができるのか。

恋愛経験ゼロのののかが純粋で、好きな人に対しても友達に対しても真っ直ぐぶつかっていく姿が、見守ってあげたくなります。桐山くんは恋愛経験豊富だけど肝心なことはなかなか伝えられない、器用に見えて不器用なところがあるのが可愛らしいと感じます。「ははは」と笑うクセも桐山くんらしさがあります。ののかや桐山くん以外にも個性的でめんどくさい部分もあるキャラクターがいて、高校生だからこそ悩んだり空回ったりすることもあって、青春だなと思います。ヒロインでふわふわした感じのあるののかだけど、友達の背中を押したり、優しく包み込んで受け止めたりと、誰よりも芯がしっかりしていると感じるので、応援したくなります。

 

ストロボ・エッジ

王道の少女漫画

恋に奥手な女子高生の主人公・木下仁奈子。そんな彼女が恋するのは、学校でクールなイケメンとして人気の一ノ瀬連。そんな彼女の初恋、勇気を出して告白するもあえなく玉砕。還付なきまでに振られてしまう。なんと彼にはモデルの彼女が…。そして、モデルの彼女は主人公の幼馴染の姉だった!四角関係が始まる。だが、蓮への気持ちをあきらめない仁奈子。ピュアで天然な彼女が彼女なりにストレートに蓮にぶつかっていく。そんな蓮は少しづつ心動かされ、彼自身も彼女の影響で変わっていくが…高校生活3年間を通して、恋や学生生活を通して成長していく主人公らは輝いており、忘れていた高校時代を誰もが思い出すことのできる作品となっています。

仁奈子のピュアさ、蓮の優しさ。定期的に読み返したくなる作品の一つです。好きな人に会える電車内での描写が好きです。会話することが増えてきたのに、仁奈子への気持ちに気付き始めた蓮は、距離をとってしまったり、きゅんと胸の締め付けられるシーンが多いのは電車の中でのシーンかなと思います。実写映画化をされたこともあり、多くの人が読み、きゅんとした作品です。自分自身はこんな恋はしなかったけれど、自分を仁奈子に置き換えて頑張れがんばれと応援したくなる恋物語です。初めて読んだ高校時代から数年経ち、読み返すとほかの登場人物の気持ちもわかるようになっていたりと何度読んでも、何年読んでも楽しめる作品となっています。

 

3D彼女 リアルガール

ぼっちオタクの俺が「超3次元女子」と急接近!?

冴えないオタクの男子高校生・筒井光はある日、男グセと女受けの悪さで有名な同級生の美少女・五十嵐色葉と一緒にプール掃除をする事になる。色葉に「気持ち悪い」と言われ、光も色葉の印象は最悪だったが、後日光は、ハンバーガーショップで偶然遭遇した色葉に助けられる。色葉の「気持ち悪い」という言葉も誤解だった事が分かり、光の色葉に対する感情は変化していく。しかしそんな中、光は色葉が他の男子生徒2人と修羅場を迎えている場面に遭遇する。逆上した男子生徒から色葉を守った光は次の日、色葉に「あたしと付き合って」と告白され……

地味なオタク男子がチャラチャラした美少女と恋に落ちる話はラノベ等でよくありますが、本作は少女漫画でその題材を描く珍しいストーリーになっています。主人公の光の外見はぼっちオタクらしからぬ繊細なかっこ良さがありますが、その卑屈で厭世的な思考回路はぼっちそのもので思わず共感してしまいます。ヒロインの色葉も、派手で軽々しい見た目の印象にそぐわない義侠心を備えていて好感の持てるキャラクターです。個人的には色葉が、友達の女子に酷い陰口を言っていた男子を持っていた鞄で殴るシーンがカッコ良くて好きです。また絵が非常に綺麗で、色葉の派手でパッチリした目の描き込みなどがとても美しく見ごたえがあります。

 

全力で、愛していいかな?

30代女子、おじさんのキュン度にやられる

こんなおじさんが実際にいるかどうかはさておき、男社会でのもがき頑張る女の子(とはいえ、30代)が乙女なおじさんに出会い、純粋に恋をしていくという話です。建設会社で現場監督をしている女の子が主人公なので、ふだんは女らしさを出さないようにしているし、発言にも気をつけているし、なんなら男性に嫌味を言われても受け流すことが多々。そんな中、ごはん屋さんで出会った男性は、以前に彼女が助けたことのある男性だったというはじまりです。自分の周囲にいるおじさんとは違うタイプのおじさんにとまどいながらも惹かれるところが見どころ。

乙女なおじさんというと、キモいといわれそうですが、そういうタイプではなくて、どちらかというと純度100%な感じです。描かれている環境も現実味がありますし、キャラクターもきっちりと描かれており、読む側もきちんと感情移入できます。なにより、なんかこの二人ってとても似ていて、それだけに共感できるのです。うまくいくことを願うしかない、ときにもどかしい二人ではありますが。いろいろと恋の進行の順番がちがっていたりすもするのですが、二人のほほえましいやり取りがとにかく読んでいてぐっときます。そして乙女なおじさんの周囲にいる男が優しい。

 

高台家の人々

地味な空想女子とイケメンなテレパスのラブコメディー

主人公の平野木絵(ひらのきえ)は、どこにでもいるような平凡で地味なOLです。人と話すのが苦手で、小さいころから空想好き。そんな木絵の会社に、家柄も良く高身長でイケメンのエリート・高台光正(こうだいみつまさ)がニューヨーク支社から転勤してきます。自分とは別世界の人だと思った木絵。でも、エレベーターで高台さんと一緒になった時や独特な風貌のお客様を見たときに、いつものように空想をしていると、そばで笑っている高台さんがいて……。『ごくせん』や『アシガール』等を描いた森本梢子先生によるラブコメディー。

タイトルが『高台家の人々』とあるように、シリーズの中で、長男の光正だけでなく、妹の茂子、弟の和正の恋模様、さらに両親や祖母アンの過去の恋話も描かれます。1巻の途中でわかるように、高台家の光正たち兄弟3人と祖母アンはテレパスなのですが、人の心がわかるからこその悩みも描かれます。でも、暗い感じはなく、とにかく木絵の奇想天外でユーモラスな空想(妄想?)に毎回笑えます。「ドダリー卿」「ダッフンヌ神父」「ビョーン」等々空想の中の登場人物がおもしろいです。木絵は恋のライバルっぽい人が現れた時も、光正の母親に交際を反対された時も、ばかばかしい空想で乗り越えます。笑いながら読んで、読んだ後ほっこり心温まる、おすすめの漫画です。

 

ちはやふる

かるたという畳の上の競技にかける青春!

モデルである姉の成功だけを夢見ていた少女・綾瀬千早は、ある日、小学校へ転校してきた少年・綿谷新と、ひょんな事から百人一首をする事になる。そこで百人一首の奥深さ、面白さにひかれ、友人の真島太一も交えた3人でかるた会に行き、かるたを習うことに。初めて自分の夢を持つことができ、このまま3人でずっとかるたが出来ると信じていた千早だが、新が福井に引っ越す事になり…高校になって、念願だったかるた部を作り、かるたに打ちこむ千早と、その千早の熱意に巻き込まれながら、どんどんと百人一首の魅力にのめり込んでいく友人達の、青春かるた物語!!

これは、胸キュン少女漫画ではありません。どちらかというと、スポ根ものです笑。この漫画の最大の見所は、キャラクターだと思います。天才的にかるたが上達していくがちょっと抜けている千早、人一倍の努力で力をつけていくが最後の最後で惜しい太一、生まれ持った才能があるが故の苦労を持つ新、誰よりも百人一首を愛している孤独なしのぶ…と、キャラクター1人1人が個性豊かで愛おしくて、あげていったらキリがありません。千早の高校の部員も、ライバル高の部員も、誰1人嫌な人はいなく、みんなが素敵なのです。そして、みんな、かるたが大好きなのです。そんなみんなが、かるたという畳の上での競技で、戦い、涙し、切磋琢磨する姿が、この漫画1番の見所だと思います。忘れた頃にやってくる千早・新・太一の恋愛も見所です笑。

 

椿町ロンリープラネット

家政婦女子高生と小説家の穏やかな日常

大野ふみ、高校2年生。母親が亡くなり父親との倹約生活にも慣れてきた頃、ある日父親が600万円もの借金を負ってしまう。その父親は借金を返すためマグロ漁船に乗り込むために旅立った。ふみは住んでいた家を出て、父のツテをつかい住み込みで家政婦をすることに決める。さっそく奉公先の木曳野暁先生の家を訪ねると、玄関先に若い男が倒れていた。起きるや否や、嫌味なことを言う先生に悔しさがわくふみ。見返してやろうと家事に精を出すが、気がたっていた先生に「家族ごっこなら自分の家でやれ」と言われてしまう。ふみが買い物に出た後、ふみには帰る家がないことを知る先生。迎えに来た先生は、少しだけ優しくなっていた。

借金を負わされ家政婦になる、という設定はよく見かける。しかしこの主人公、結構しっかりしていて感心する。倹約生活が生き甲斐なのかとさえ思うほど、生き生きと家事をしているのである。若い内から苦労をしていると否が応でもしっかりしなければならないのであろうが。そんな健気なふみちゃんにたいし、先生は癖のある性格が中々変わらない。あの性格だからこそ良い小説が書けるのかもしれないが、毎回作品を書く度に機嫌が上下する生活は少し疲れそうでもある。健気に支えるふみちゃんは女将さん気質でお似合いなのだと思った。頼ることを知ったふみちゃんが可愛くて守って思わずあげたくなる。

 

電撃デイジー

シッカリ者の主人公が魅力!ベタな少女漫画に飽きた方におすすめ。

天才プログラマーの兄を亡くした紅林照は天涯孤独の中学生。貧乏な特待生で、お金持ちの同級生からいじめられていたものの、赴任してきたイケメン?用務員・黒崎に助けられ、今は黒崎のパシリをしている。その裏では、兄の形見である彼女の携帯に、幻のプログラムが入っているという噂を聞いて変な組織が動き出し、彼女の日常が崩れ始める。唯一の心の支えは、亡き兄の友人だという「DAISY」とのメール。いつも暖かく優しい彼に照は癒される一方で、トラブルを共に乗り越えるうちに、イヤミな黒崎にもまた惹かれてゆく。照の家に泥棒が入り、黒崎の部屋に居候する照、するとしだいに正反対な黒崎とDAISYがリンクしはじめ…。

主人公やサブキャラたちの考えがしっかりしていて考えさせられます。少女漫画でありがちな、夢見る女の子や重たげな子のような幼いキャラは誰も出て来ず、中学生の設定にも関わらず今の大人も顔負けな、自分の立場や分をわきまえるシッカリ者ばかりです。かといって重くなりすぎず、全体的にコメディタッチで進んでいるので笑い要素もあり、展開もいい意味で少女漫画のベタなものを超えてゆくので、従来のものに飽きた方にもおすすめ。物語の設定も、照が使っている携帯がガラケーなのは時代として、プログラマーを題材にしていたり正体不明のメル友がいたり、現代でも十分通用する内容です。

 

天は赤い河のほとり

壮大な歴史ファンタジー

ごく普通の女子高校生として日本で生活していた主人公の「ゆうり」が、ある日突然謎の力によって見知らぬ場所に連れてこられてしまう。街並みも人々の服装も言葉も元いた場所とは全く違う、検討もつかない中で追われるハメになったところをイケメンに救出される。そして、自分が飛ばされた場所が古代ヒッタイト帝国であり、助けてくれたイケメンがその国の皇子であると判明。皇統をめぐる争いや陰謀に巻き込まれながら、遥か昔の外国で居場所を作っていくゆうり。現代の日本に帰るのか、ヒッタイトで生きていくのか、時代を超えた壮大なロマンチックファンタジーです。

普通の少女漫画によくある御都合主義的な展開がなく、厳しい現実や辛い別れが次々に起こる中で主人公が成長していく姿が感動的です。ユーリのまっすぐさ、一生懸命さが時代も国も違う人々を動かし、国の一大事である皇統の継承争いにまで深く関わっていく展開にハラハラドキドキが止まらず、30巻近くにわたる長編作品ですが、いっときも飽きる事なく読み続けられます。そしてどんな時もお互いを思いやり、命がけで困難に立ち向かっていくユーリとカイルの絆、愛の深さに涙も出ます。あらすじが実際の史実に基づいているというところにも、作者の丁寧な取材が現れていて、少女漫画史上に残る傑作だと思います。

 

動物のお医者さん

獣医学部生による動物ふれあいキャンパスライフ

H大学獣医学部解剖学教室の前では、2人の男子高校生が立ち往生していた。高校から地下鉄駅への近道の途中にある解剖学教室では、日々、動物の解剖が行われており、その光景を見たくないので、進むことを躊躇していたのだ。そんな高校生、ハムテルと二階堂の前に般若顔の子犬が現れる。そして、脱走した子犬を探していた獣医学部の教授にも出会った。教授は奇妙な扮装をしており、子犬を捕獲後すぐに引き上げようとしたが、ハムテルは子犬の行く末が気になって、声を掛けてしまった。そのことで、教授に将来は獣医になると予言され、子犬を押しつけられてしまう。この子犬のチョビと出会ったことで、ハムテルの運命は大きく動き始める。

般若顔のシベリアンハスキーのチョビや姉御肌の猫のミケ、暴君のニワトリのヒヨちゃん、何も考えていないスナネズミ、他にもたくさんのかわいくて個性的な動物が登場します。チョビは顔が怖いですが、とても心が優しい女の子で、ハムテルが忙しいと遊ぶのを我慢するようないじらしい一面もあります。また、動物の心情が吹きだし外に書かれているので、チョビがしゃべっているところからも優しい子だと分かります。でも顔が怖いので怖がられがちで、しょんぼりすることもあり、かわいそうでもありますがそこも含めてとてもかわいいです。動物目線での動物たち同士の掛け合いもあり、何度読んでも新たな発見がある、飽きがこない作品です。

 

透明なゆりかご

ここは命が生まれるだけの場所じゃない。

作者の沖田×華さん実体験のお話です。沖田さんは看護学科高校3年の時に見習いで産婦人科医院で働くことになりました。実は沖田さん大人になってから自身がアスペルガーである事を知るのですが、この時はそんな事も知らず失敗ばかりを繰り返し、毎日怒られてます。加えて見習いの仕事の中に中絶後の赤ちゃんの遺体の処置があったり、産婦人科の壮絶な現場を目の当たりにしてもう無理辞めてしまおうと悩みます。そんな中初めて出産の現場に立ち会った時、生まれてくる命のたくましさ力強さに心打たれ、もっとこの仕事に深く関わりたい、そう思うようになります。

産婦人科は赤ちゃんが生まれてくる幸せな場所、そんなイメージありませんか?もちろん普通に生まれてくれればそれは幸せな空間です。でも産婦人科は出産だけではありません。中絶する人、DVや性被害にあった人の治療、明るい治療ばかりではない事をこの漫画は教えてくれます。中絶で命を落とす子も様々です。遊びで出来た子・レイプ で出来た子・高齢で出産が厳しい子・金銭的に育てるのが難しい子・父親からの性虐待で出来た子・母体が持たないからと妊娠を断念せざるを得ない子…。産みたくても産めない人もいる、産婦人科の光と影が赤裸々に描かれているのが見所の一つです。

 

図書館戦争

鬼教官と熱血部下の独特で気になる恋バナ!

本の検閲が厳しい時代の話。高校生の時に欲しかった検閲対象の本を守ってくれた図書隊員に憧れ、図書隊へ入隊した主人公・笠原 郁。憧れの図書隊員"王子様"を目指し、まずは憎き上官を超えると不器用ながらも奮闘していく。ピンチの時に必ず現れる憎き上官を「王子様みたい」と思うようになっていく郁。実は、王子様はずっと見守り続けていたのだった。郁がその事実に気付いてから戸惑い、悩みながらも王子様としてではなく今の上官を見つめて改めて好きになっていく。難関任務の後に郁がきちんと告白し、行動で返事をもらう。そそっかしい郁と、大切に思うあまりにちょっとだけ不器用になってしまう上官とのムズきゅんラブストーリー。

タイトルに戦争と付いていたので物騒な内容なのかなと思って、しばらく避けていました。あるキッカケでこの作品を手にしたのですが、想定していたほどの物騒な内容ではなく、言論・出版についても考えさせられるラブストーリーでした。顔も覚えていない王子様の姿を求めて独力で司書資格を取り図書隊に入隊し、どんな理不尽にも耐え一直線に進む郁の姿がとても素敵でした。一方の王子様も、危険な職を選ばせるキッカケを作ったことに罪悪感を感じ辞めさせようと態と厳しくしたり、危険な時は助けたりと郁を思う気持ちが溢れていて素敵でした。ムズきゅんからの急なベタ甘展開は、何度読んでも心の中で叫んでしまいます。

 

となりの怪物くん

恋と友情それから将来。あなたにもきっと覚えのある青春ストーリー!

成績がすべて、それ以外のものに興味はないー…。ドライアイス、とあだ名をつけられていたほどの冷たい女、水谷雫。高校入学直後、一冊の参考書につられたばかりに学年一の問題児・吉田春になつかれてしまう。ハルは噂通りのやばいやつで、暴力は振るうし意味の分からない言動ばかり。私は勉強ができればそれでよかったのに!と悩む雫。しかし、不器用なだけで一生懸命な彼に、雫の心は動かされる。不器用な二人が、時に傷つき、時に相手の痛みを知り、心を通わせていく。人と触れ合うことで自分の心も見えてくる、人生にたった一度の成長を描いた珠玉の青春ストーリー。

なんといっても最大の見どころは登場人物たちの成長です!友人関係、恋愛それから将来に…理想はあるのになんでか現実はうまくいかない、そんな悩みを実際に抱いていた方もいらっしゃると思います。この作品の登場人物たちも一緒です。リアルな悩みに時に涙し、それでも少しずつ人と触れ合っていく中で何かを見つけていきます。一生懸命な登場人物たちを見ていると、胸がキュッとしてしまいます!登場人物それぞれの恋模様も必見です!読んでいくうちに登場人物全員を応援してしまうことでしょう…。そして怒涛のコメディと胸キュンの連続にガンガン読み進めてしまうこと間違いなし!

 

隣の席の、五十嵐くん。

大人し女子の胸キュン青春ラブストーリー

大人しくて控えめ、顔面偏差値も普通のどこにでもいるような女の子の今井椿が主人公で、無愛想だけど格好良くてスポーツ万能な五十嵐と二人で学級委員になったことで始まる、ほんわか学園青春ラブストーリー。初めは、無愛想な五十嵐が怖くて苦手意識を持ってしまう椿だが、一緒に学級委員をしていく過程で奥手な自分をカバーしてくれる五十嵐の優しさに触れ、言葉少なくとも優しい五十嵐に惹かれていく。ある日椿は五十嵐への恋心に気づくものの自分に自信がなく、心の片隅に押し込めて荒波を立てずに学校生活を送る選択をする。それでもテンションの高いイケイケ女子に勘づかれ、洗礼を受けてしまう。椿の恋はこのままどうなってしまうのか。

主人公の椿が、自分の言動や相手の行動など細かい所で悩んだり気にしたりするので、自分も学生時代こういう事あったなぁ、テンションの高い女子ってこんな感じだったなぁと懐かしい気持ちが蘇る。女子が陰口していたり、男子が女子に無邪気に心無い事を言ったりするなど、随所に共感出来る部分がありここでも懐かしさを感じる。絵も綺麗でスッキリしたタッチなのでとても見やすくて読みやすいし、五十嵐も格好良いので椿と同じような恋心と似た気持ちになる。応援する気持ちにもなれるし、読んでいる自分自身も五十嵐の行動にキュンとしてしまう。

 

とりかえ・ばや

平安時代の男女逆転ストーリー

平安時代末期に書かれた「とりかえばや物語」を漫画家した作品です。宮中で男として活躍する女君・沙羅双樹と女として東宮に仕える男君・睡蓮の人間模様、恋愛模様が描かれています。少年少女だった2人はやがて大人になり、性別を偽り続けることが不可能となり…。一方、時の帝は子に恵まれず次の帝に誰を推すかで派閥争いがひそかに行われ、政権が危ぶまれ…。時の天皇の後継者問題、男性社会の中で男として出世していく沙羅双樹、そして恋愛、きらびやかな平安貴族の中で織りなす2人の秘密と苦悩がさいとうちほ先生の美しい絵で展開されます。

全巻あっという間に読んでしまいました。主人公の沙羅双樹は女性でありながら性別を偽って宮中で出世をしていきます。男性社会で見事に活躍していくものの、やがて自分の女性としての性を超えられない時が来て苦しみますが、このような沙羅の心の動きや葛藤は現代社会に通じるものがあると思いました。恋愛模様はさすがさいとうちほ先生!という感じで美しくせつなく描かれ、惹きこまれます。物語の中で登場する日本古来の行事の成り立ちや平安時代にはどのような行事として執り行われていたのかも細かく描かれていて興味深いです。そもそもこんな男女逆転ストーリーが既に平安時代に書かれていたことに驚きです。

 

夏目友人帳

少年と妖怪がおりなす癒し系ストーリー

主人公の夏目タカシは皆には見えないものが見えていた。それは妖怪。ある日、妖怪に追いかけられ逃げた先にあった祠の封印を解いてしまった夏目。その祠から出てきた妖怪“ニャンコ先生”は、今は亡き夏目の祖母、“夏目レイコ”のことを知っていた。レイコが多くの妖怪を統べると言われている、妖怪との契約書“友人帳”を持っていたことをニャンコ先生から聞かされた夏目。レイコの遺品である友人帳を手にし、妖怪たちに名前を返すことを決意するが…。友人帳を狙う妖怪たちに、自称用心棒のニャンコ先生。妖怪たちとの賑やかな毎日を送ることになった少年の不思議な妖怪癒し系ストーリー。

登場する妖怪たちそれぞれに過去やストーリーがあり、妖怪が抱えている問題を解決しようと頑張る夏目の姿に、周りの妖怪たちが影響されたり、妖怪が見えない人たちや、祓い屋と呼ばれる妖怪が見える人たちと関わることで、夏目の心も成長していく様子が見所です。夏目の周りには夏目のことを気に入った妖怪たちが集まるのですが、その妖怪たちが酒好きでドンチャン騒ぎしたりと個性豊かでとても魅力的。妖怪たちとのドタバタストーリーもあり、感動系、ほっこり癒し系のストーリーで家族で楽しめる漫画。1話完結のものがほとんどで読みやすいのもポイントです。

 

NANA―ナナ―

恋に翻弄される2人のNANAの物語!

惚れっぽく主体性の無い小松奈々は、彼氏を追いかけて上京。上京する列車の中で知り合った大崎ナナと一緒に暮らすことに。ナナは「ブラスト」というバンドのボーカルで、奈々は自分の知らなかった世界にワクワクしていました。一方、彼に依存してしまう体質の奈々は自立しようと頑張っていましたが、結局他の女の子に彼氏を取られてしまいます。その後も奈々の惚れっぽい性格は治らず、ナナの彼氏のバンド「トラネス」のタクミと関係を持ち、一方で「ブラスト」のノブとの安定した恋が手に入ると思った矢先にタクミの子を妊娠していることがわかるのでした。

NANAは登場人物がとても多いのにも関わらず、脇キャラまでキャラクター設定が細かいので、いろんな人の思惑が見どころです。むしろ主人公の奈々とナナはとても自己中心的な性格で、「ブラスト」のヤスやノブの方に感情移入してしまいます。特に、奈々が東京まで追いかけてくるほど好きだった章司を奪った幸子のあざとさが見ものです。令和の今は絶滅危惧種となっていそうな恋愛依存女の生態がよく描かれている「NANA」ですが、現在21巻でストップしています。しかし、必ず未来の話が少しづつ描かれているので、脳内でまとめるとラストが見えてきます。

 

なのに、千輝くんが甘すぎる。

恋人“ごっこ”のラブストーリー!

主人公の真綾が、好きな人に振られるところから物語が始まります。もう恋なんてしない、告白なんてしない!と息巻いているところを学年一の寡黙なモテ男子、千輝くんに目撃されてしまい、そこから二人の交流が始まります。振られたことを引きずる真綾に、千輝くんが提案してきたのは恋人ごっこ。真綾は面白そう!とその提案に大賛成。二人の奇妙な、でも甘酸っぱい物語です。何を考えているのかわからない学年一のモテ男に翻弄されつつ、毎日が楽しくなっていく真綾。果たして二人は恋人ごっこのままなのか、発展するのか、今後の展開に注目です。

千輝くんの真意がわからず、思わず真綾と一緒に翻弄されてしまいます!もう恋なんてしない!と誓った真綾ですが、千輝くんの無自覚な優しさや、二人で過ごしていくうちに揺れ動いていく恋心に注目です。真綾じゃなくても、こんなの好きになっちゃう!とこちらもついやきもきしてしまいます。ごっこのはずなのに、どんどん攻めていく千輝くんに読者もきゅんきゅんすること間違いなしです。モテ男の千輝くんなので、もちろんこの関係は周りには秘密です。二人きりの教室や、帰り道のシーンも思わずニヤけてしまいます。けれども秘密関係、そんなスリルも味わいつつ、二人の今後が楽しみになる作品です。

 

なまいきざかり。

久しぶりにキュンキュンします

隆北高校2年の町田由希はバスケ部のマネージャー。由希は3年のキャプテン木戸先輩に片想いをしていたが、ある日木戸先輩に恋人が出来た事を聞いてしまいショックを受ける。告白することなく失恋してしまいひっそり部室で泣いていたところを同じバスケ部の後輩成瀬翔に偶然見つかってしまう。成瀬を口止めしようとするけれど成瀬は好きになっちゃったとキスをするのでした。初めは面白がってからかっていた成瀬だけれど由希を好きになる。そこからは成瀬の好き好き攻撃が始まる。チャラチャラした成瀬の積極的なアプローチにクールな恋愛初心者の由希は戸惑い逃げ回る。でもバスケに一生懸命だったり甘えて可愛いところに戸惑いながらも受け入れ付き合うことに⁉︎

成瀬翔の可愛さ。大きい体に似合わず甘えたで可愛いです。顔はカッコいいし背も高いしバスケも上手い男らしさもあります。やる時はやる男なんですが、ギャップというか可愛さがヤバいです。忘れていた恋心を思いださせてくれます。それに加えて一途、漫画だとわかっていても好きになります。町田由希の一生懸命な所の話自体はキュンキュン、笑えるラブコメなんですが由希の好きな人を応援する姿や好きな人のために我慢したり、自分自身の夢に向かって頑張っている所にも胸打たれます。成瀬が好きになるのもわかるし明日への活力にもなります。青春を思い出して涙する時もあります

 

ハチミツとクローバー

美大生の三角関係の恋

美大生だが、ごく一般的で美術の才能に溢れているわけではない主人公の男の子が、大学の先生の親戚の女の子がそこの美大に通うため、紹介されたことをきっかけに一目惚れしてしまう。実はそのときに一緒にいた、主人公の先輩である才能あふれる変人もその姪に一目惚れしていた。その3人の三角関係の恋が中心のストーリーである。主人公たちの恋だけではなく、周りの友人たちの恋も描かれていたり、美大生ならではの作品に対する熱い思いや、人間の弱さ、将来への不安なども描かれている、ほんわか大人なストーリー。時々クスッと笑える部分もあり、暖かい気持ちで読み進められる作品である。

ヒロインである女の子が、幼少期の生活環境のため、世間知らずで、作品を作ることしか出来なかったのが、主人公たちのおかげで徐々に友達ができたり、バイトをしたり、1人で行動でしなかったのが出来るようになるなど、成長していく姿がとても魅力的な作品です。また、その才能あふれるヒロインのために尽くしてあげたり、影響されて将来を悩んだりする主人公の性格もとても共感できるポイントです。才能あふれる変人の先輩は、変人さが面白く描かれていて、実際にはとてもわがまま先輩だけど、なんだか憎めなくて、とても好きなキャラクターなので、ぜひ注目して見てほしいです。

 

BASARA

運命に翻弄される真実の愛

文明が滅びた世界。白虎の村に双子の兄妹が生まれた。兄であるタタラは、運命の子として育てられ人々の希望の存在だった。だが、あるとき赤の王の軍勢によりタタラは殺される。妹の更紗は、赤の王への復讐のために長い髪を切り、タタラとして生きる決意をするのだった。そんなとき、更紗は朱里という青年と出会い惹かれあう。しかし、彼こそご敵と狙う赤の王その人であった。だが、朱里がタタラを殺したのには悲しい過去が存在していた。互いの正体を知りながら、それでも惹かれあうことを止められない2人は、葛藤を繰り返しながら剣を向け合うのだった。

愛した人がもしも敵だったなら、その人を斬るのか、それとも許すのかという究極の選択を迫られる作品です。更紗にとって、朱里は倒さなくてはならない相手です。ですが、朱里が何を目指しているのかを知ってしまった更紗は、たとえ兄の敵であっても、首里を討つことに躊躇いを感じ、思い悩む姿がとても切なかったです。2人がどんな結末を迎えるのかが気になって気になって仕方がありませんでした。愛することの重さや、命の儚さ、そして憎しみの虚しさを教えてくれる作品です。戦いのさなか、2人が抱き合いながら覚悟を決めるシーンは、読んでいて胸が熱くなりました。

 

BANANA FISH

過去の行いへの対価を受け止める、生き様まで格好いい主人公の物語

主人公はケープコッド出身のアッシュという17歳の男の子。容姿端麗で運動神経も良く、頭脳明晰なアッシュは圧倒的なカリスマ性も併せ持つストリートキッズのボスです。そしてもう1人の主人公は日本人の奥村英二という大学生。英二がある人物の手伝いでストリートキッズへの取材をしに行った時に、アッシュと知り合います。アッシュはストリートストリートキッズのボスであるということもあり、周囲では様々な事件が起きます。謎に包まれたバナナフィッシュというものを巡って、様々な陰謀に巻き込まれていくアッシュと英二。抗争を巡っていく中で、アッシュと英二の関係性やバナナフィッシュの謎などの進展をハラハラドキドキしながら楽しむ作品です。

少々血なまぐさい話であるBANANA FISHですが、要所要所に微笑ましい場面や温かさを感じる場面が散りばめられています。大人たちの陰謀によってアッシュと英二は抗争に巻き込まれていきますが、やはり年頃の2人なのです。たわいもない話をしたり、ふざけあったりしている姿を見ると、立場が違えばこんな風な生活をしていたのかなとほっこりできます。(同時に少し悲しくもなりますが。)また、この作品のはっとさせられた所は、必ず物事や出来事には対価が必要になるのだということです。少女漫画の分類ではありますが、少年漫画のようにハラハラさせてもらえて、アッシュと英二の関係性に感動し、人生についても教えてもらえる。これがこの作品の魅力ではないかなと思います。

 

花より男子

牧野つくしの雑草魂を見せつけろ

主人公ツクシは、超がつくほどのお金もち学校の英徳学園に通う正真正銘の超度貧乏。無理して通っていたが、学園のチームリーダー集団のf4と呼ばれるイケメン男子高校生4名の中の道明寺と波乱が起きます。ひょんなことから道明寺の顔にお弁当がついてしまい因縁をつけられていじめに合います。そこからつくしの宣戦布告が始まり、下駄箱に赤札と呼ばれる学園中からいじめの標的にされてしまうことになります。そこから激しいいじめに遭いつつも腹痛の精神力で乗り切ろうとします。そんなひたむきさと情熱さから道明寺は、殴られます。そこから道明寺は、つくしの根性を気に入って恋して行きお金持ちと貧乏人の恋がスタートします。

つくしと道明寺の金銭感覚の違いや価値観の違いが‘見ていて面白いです。また要所要所で出てくる道明寺の天然さがとても可愛いです。クスッとできる瞬間もあり、つくしへの真っ直ぐで不器用な恋をどうやって伝えていくのかが見どころになってます。つくしも道明寺の真っ直ぐさに気持ちが持ってかれるシーンは、読者がドキドキできるでもあります。漫画ならではの王道の設定ではありますが、心に刺さる名言が沢山あります。そのひとつとして、俺を一人の男として見たことがあるか?という雨のシーンは、本当に涙なしでは見ることができないような名シーンです。

 

ハニー

幸せ溢れるほんわかラブストーリー

高校に入学するや否や、恐れられている不良、鬼瀬大雅に告白されてしまった奈緒。実は鬼瀬くんは中学生のころ奈緒が救いの手を差し伸べた不良でした。はじめは委縮してしまう奈緒ですが、鬼瀬くんの優しい人柄に心を開き、「高校生活最初の友達」として関わるようになります。とあることがきっかけで2人とともに高校生活を過ごしていくことになるのは、口は悪いけれど見た目がとてもかわいい三咲くんと、「友達なんかいらない」と宣言するクールビューティーな矢代さん。4人はぶつかり合いながらも少しづつ、大切仲間になっていきます。友情が深まる一方で、それぞれの恋も展開していきます。人間関係がゆっくりと変化していく温かい青春ラブストーリーです。

この漫画の見どころは、寄せ集めでバラバラの4人が少しづつかけがえのない存在になっていく過程が描かれているところです。恋人として、友達としてゆっくりと関係が変化していく様子が温かく、ほっこりさせられます。その人間関係が、漫画特有の背景トーンやコマ割り、キャラクターの表情として表現されています。特に、この漫画では、一歩一歩お互いが少しの勇気を出しながら距離を詰めていくので、それぞれ頬を赤くするところが多く、見どころの一つだと思います。そんな彼女頑張りにエールを送りたくなると同時に、読者も励まされる漫画です。それぞれがしっかり自分の意思を持ちつつも全体を通してホッとする緩さがあり、癒されること間違いなしです。

 

ハニーレモンソーダ

いじめられっ子と人気者のイケメンの、甘酸っぱいラブストーリー!

主人公の石森羽花は中学校では「石」と呼ばれるいじめられっ子。そんな自分を変えるべく、両親の反対を押し切り自由が魅力な八美津高校へと入学。そこにいたのは、泣いていた羽花に八美津高校への進路を後押ししてくれた三浦界だった。界は学校一のイケメンとして先輩、後輩問わずの人気者。自分とは住む世界が違うと思いつつも、学校生活を共にしていくにつれ、羽花は自分の中に芽生える恋心を抑えきれなくなっていく。そんな羽花を、対象外としていた界だが、直向きに自分の弱さと向き合い、強くなっていく羽花に本気で惹かれていく。正反対の二人の、レモン色と甘いハニー、そしてときどき弾けるソーダのような恋愛漫画です。

とにかくひたむきに頑張る羽花に惹かれていく読者も多いのではないでしょうか?そして、大事なところで羽花の後押しをしてくれる界の優しさやイケメンっぷりにもきゅんとする人が多いはず。多感な高校生時代、決して自分の弱さに負けず、強くなりたいと願い、闘う羽花には勇気をもらえます。特に中学時代の自分のことを涙ながらに両親に打ち明けるシーンでは、胸に響くものがありました。そんな羽花に惹かれていく界の描写も絶妙的で、早くくっつけばいいのに!とついついハラハラしてしまいます。今もなお、りぼんにて連載中ですが、今後の二人にも目が離せません。

 

春待つ僕ら

イケメン4人+1人との、青春恋物語!!

自分を変えたくて、本当の友達がほしくて、あえて遠くの高校を受験した主人公美月は、入学後いまだ友達出来ず、、、。そんな中、バイト先のカフェで人違いをされたことがきっかけで、バスケ部のイケメン4人組と絡むようになります。その中の一人、浅倉永久とは同じクラス。ふとしたことがきっかけで、自分の胸の内を話すことになり、それを黙って聞いてくれてた彼が、「素直でよろしい」と頭をくしゃくしゃされ、、、。その日以降、いつも一人だったお昼の時間も、なにかと彼ら4人組が付きまとうようになり、美月の毎日は動き出します!

バスケ部のイケメン4人組と仲良くなること自体が、羨ましい展開ですが、なにより主人公の美月が真っすぐでいい子なので、俄然応援したくなります。そして、イケメン4人それぞれが、バスケにも恋にも真面目で、最高にかっこいいです!全然チャラくないし、浅倉君が次第に美月に惹かれていく様も、とても自然で、奥手かと思いきや急に男気だしてくるところとか、たまらなくかっこいいです。恋も友情もバスケも、すべてがバランスよく組み込まれていて、ラストまで飽きたり間延びすることなく存分に楽しめます!最後に、それぞれの番外編もあって、みんなハッピーエンドなので、読後の爽快感はばっちりです!純粋に青春を感じたい人におすすめの作品です。

 

PとJK

年齢差を乗り越えて育む真実の愛

高校1年生の本谷カコは、親友の三門と一緒に人数合わせの合コンに参加することになりました。22歳と年齢を偽り、なんとか合コンに参加するカコは、テキーラを勧められて窮地に陥ります。その時に助けてくれた佐賀野功太から、猛烈にアプローチされたカコですが、本当は高校生だったことがバレてしまい、いきなり怒鳴られてしまいます。実は、功太は警察官だったのです。再会をしても知らん顔の功太に、カコは失恋したことを実感し落ち込みます。ですが、ある事件をきっかけに2人の仲は急接近します。功太は、カコとは付き合えないと言った後、いきなりプロポーズをしてくるのでした。そして、カコも功太と結婚したいという気持ちを伝えました。

付き合えないと言った功太が、いきなり結婚しようと言い出した時には、かなり驚きました。真面目な功太らしい考えだなと思いました。プロポーズからスタートする恋愛ですが、もしかしたらこの方がうまく行くのかもしれないと思いました。カコと功太が、ゆっくりと愛を育んでいく姿は、単にほのぼのしているというだけでなく、そこには年齢的な問題だったり、親への報告だったりと山あり谷ありで、読んでいて考えさせられることがたくさんありました。どんなことがあっても、2人で乗り越えていこうとする姿は、読んでいてとても清々しい気持ちになります。

 

ひるなかの流星

田舎の女の子にも夢がある!

田舎でのほほんとした生活を送っていたが、両親の都合で都会の高校に転校し新しい生活を送ることになった与謝野すずめ。初めての都会で迷ってしまったところ、ひょんなことから獅子尾と出会う。しかし獅子尾はすずめの転校先の高校の担任の先生だった!すずめの新しい学生生活が始まると席が隣になった馬村と仲良くなる事ができる。そして最初は苦手に感じていた獅子尾に助けられることが多くなり徐々に惹かれていくすずめ。さらに馬村もすずめのことが気になっていく。一方獅子尾は…馬村、獅子尾、すずめの三角関係はどうなっていくのか!

見所はやはり馬村と獅子尾のかっこよさです。2人とも違うタイプのイケメンで自分だったらどっち派か考えるのがとても楽しいと思います。馬村とはクラスメイトとの恋愛なのですが、獅子尾は担任の先生なので先生と生徒の禁断の恋愛でもあります。獅子尾は自分の立場もわかっているがすずめに対する気持ちが抑えきれなくなるダメ男感もまたいいです。キュンキュンポイントがたくさんあるので好きなシーンを何回も読み返したくなります。獅子尾先生はすずめのことを「チュンチュン」と呼ぶのですがそれがとても可愛らしくて好きです。また、登場人物は全員動物の字が入っていると言う共通点もあったり、細かいところまで楽しめる作品だと思います。

 

フラレガール

明るい柴犬男子と、お色気たっぷりJK

赤坂響は、その豊満なボディとふんだんに色気を纏うその雰囲気から「愛人」と呼ばれていた。いつものように、告白に呼び出された響は、偶然上から降ってきた水によりびしゃびしゃに濡れてしまう。下着が見え、男子がざわめきたち響が泣きそうになっていた時、助けに来たのは青山くん。以前、「俺の愛人になってください」といった失礼な告白をした同級生の男子だった。元彼は大人で落ち着いていて、デートもお洒落だったことを、青山との放課後デートで思い出す。猫カフェといい、猫の溜まり場に連れていき明るく楽しむ青山に癒されていく響。恋愛に臆病になっていた響は青山によって変わっていく。

こんなに色気全開の女子高生が存在するのか、という現実問題はさておき。響と青山くんの天然具合が凄まじいと思う。ピュアで天然のわりに、高校生らしい初々しいイチャイチャもあり、とても微笑ましい恋愛漫画だと思う。前半は、身体目当ての他の男子と比べ、青山くんの純粋さが際立つ。響の内面の優しさや可愛さをよく見ている。そして、まさか中学生時代に既に仲良くなっていたのにお互いを認識していないのが面白かった。青山くん、大きくなったから再びプロポーズできるぞ、と応援したい。2人の守護霊同士の戦いも面白いので、ぜひ見てほしいところ。

 

古屋先生は杏ちゃんのモノ

天然女子高生とヘタレ先生の禁断ほっこり純愛ラブコメ!

ヒロインの杏は、カフェでバイトをしている京都の女子高生。ある日、バイト先でプロポーズのサプライズケーキを頼まれ、テーブルへ運んでいくと、目の前で男はフラれてしまう。その理由は、男は女と付き合っているつもりだったけれども、女は全くそんなつもりもなく、彼氏がいるという理由だった。あまりにも信じられない返事に涙する男を見て、杏はなんてヘタレなんだと思う。次の日、学校に行くと新任の古谷先生が教室に入ってきた。その先生はなんと、昨日杏の目の前でフラれていたあのヘタレ男だった。お互い気づき、少し気まずくなりつつも、杏は、古谷先生の観察を始める。先生のヘタレっぷりがどんどん気になっていく杏は、いつの間にか先生のことを好きになっていた。そんな杏に積極的にアプローチされた古谷先生は……。

杏ちゃんの天然パワフル素直さと古谷先生のヘタレ優しいけど大人の男感、それからなんといっても先生と生徒の禁断の恋!!禁断の恋の間には、イケメン同級生キミシマンとの切ない三角関係や、歳の差故の不安、好き故の嫉妬、そんなシーンもあるけれど、京都弁の柔らかさなのか、登場人物たちのキャラクターのせいなのか、重い空気にはならず思わず笑ってしまったり、どの立場の人も応援してしまったり。それぞれ癖のあるキャラクター達だけれど皆誰かのことを思っていて、その台詞から学べることも多い!思わず涙したりもするんだけれど、やっぱり最後は笑えてほっこりする漫画。一番の見所は杏ちゃんの天然っぷりと、古谷先生とキミシマンの杏ちゃんを見る視線と、思いと、キミシマンが杏ちゃんにハマっていく様と、…とにかく一つには絞れない…。

 

フルーツバスケット

交錯する人間模様、愛憎、その先にある希望

女子高生の本田透は、最愛の母親を亡くし、1人山の中でテント暮らしをしている。しかし、その山はクラスメイト、眉目秀麗な草摩由希の実家が所有する草摩家の山だった。草摩君にテント暮らしを知られることになり、ひょんなことから草摩君が暮らす家に居候することとなった。そこには、草摩君の親戚の人々も暮らしていたが、皆、何かを隠している様子だった。草摩家が隠している秘密、それは、異性に抱きつかれると十二支の動物に変身してしまうという呪いを抱えていることだった。うっかり、草摩君に抱きついてしまった透は、草摩君が鼠に変身した様子に驚くが、草摩家の秘密を守りながら草摩家の人々と共に暮らしていくことになる。呪いから派生し複雑化する人間模様が鮮やかに描かれるヒューマンドラマ。

草摩家にまつわる十二支の呪いが中心的な話題かと思いきや、呪いに関わりのない草摩家以外の人々が抱える悩みや迷いも複雑化していき、それぞれが悩みや迷いをどう乗り越えるかが見どころの一つです。また、登場人物が抱える人間模様や悩みは、現実の世界に充分起こり得る話であり、特に登場人物と親との関係性は、非常に様々であり、虐待や拒絶といったシリアスな内容まで取り上げている。また、本作の主題は十二支としての繋がりを切ることができないという呪いであるが、話が進むにつれ、喜ばしいと思われていた関係性が徐々に歪んで呪いになっていったということがわかり、そしてその呪われたような関係性は、普通の親子関係や友人関係にも起こりうるというような描写が暗になされているように見られ、人間ドラマとして見応えがあった。

 

Bread&Butter

ほろ苦い恋は美味しいパンと共に

あることをきっかけに小学校の教師を辞め、婚活を始める柚季でしたがなかなか上手くいかず自信を無くしてしまいます。そんなある日、古い文房具店の「パンあります。」の張り紙に惹かれ、お店に入ります。そこには洋一という大きなひげ面の男が。二人でパンの試食をするうちに一緒に美味しいご飯が食べたいと思い始めた柚季は、感情のままに逆プロポーズをします。洋一の返事はまさかのOK。急展開の二人の関係がすんなりと上手くいくはずもなく…柚季の心の傷、洋一の過去と様々な壁が二人に立ちはだかりますが、その側にはいつでも美味しいパンが寄り添うのです。

初っ端から急展開だな~と驚いたのですが、読み進めていくと、こういうことがあったからなのかなと少し納得しますし、あそこで動かなかったらこの二人は結ばれなかったのかもしれないと感じます。お互いに人間関係に臆病になっているところがありますが、美味しい食事をすることで距離が縮まっていく様子にこちらも穏やかな気持ちになります。二人の関係も気になりますが、なんといってもパンが美味しそうなんです!懐かしい感じのものから、おしゃれなものまで。そのままだけじゃなく、アレンジもたくさん載っているので、読むとパン屋さんへ走りたくなります。

 

プロミス・シンデレラ

アラサー女子が本当に頼れる人を見つける物語。

ごく普通の男性と結婚し、ごく普通の結婚生活を送る主婦・早梅。生い立ちのせいで気の強い所もある彼女は、突如として離婚を切り出されてしまう。勢いで家を飛び出したものの、今度は置き引きに遭って身一つの状態に。そんな彼女に救いの手を差し伸べたのは、金持ちの息子だという生意気な男子高校生・壱成。彼は住む家を提供する代わりに、サイコロの出た目によって意地悪いミッションを早梅に課して楽しむような最低な男子だった。対して、どんなに惨めな仕打ちを受けてもプライドが折れない早梅。そんな彼女に壱成は段々と心を寄せていき…。早梅の同級生でもある壱成の兄・成吾も登場し、兄弟と早梅の関係が少しずつ変わっていきます。

恋愛の描写もありつつ、コメディの部分も大きく、二つのバランスがとても読みやすい作品です。シリアスなシーンや、早梅と壱成が互いを想うシーンなど引きもお上手で、続きが気になる!とあっという間に読み進めてしまいます。主人公の早梅は羨ましいほど真っ直ぐで正義感が強い、共感できるアラサー女子。そんな彼女に振り向いてもらおうとする男性もまた魅力的で、とにかく顔がいい…。壱成が早梅の真っ直ぐさを見て成長していく姿や、生意気に話す姿、対照的に早梅を守りたい、助けたいと願う成吾と早梅の大人同士の距離感など、高校生との関係と大人同士の関係を同時に味わえる作品です。

 

放課後、恋した。

甘酸っぱいスクールライフ

自分の存在意義が見出せず、夢中になれることが何もない女子高生の葉山夏生は後ろ向きな気持ちで男子バレーボール部の臨時マネージャーをしていた。夏生の兄は同じ学校で先生をしており男子バレーボール部の顧問でもある。ある日夏生は兄から同学年でバレーボール経験者の久世渚を必ず入部させるよう命じられる。逆らえない夏生は久世に入部を頼み込むが、とある理由でバレーボールの世界から離れていた久世は一向に首を縦に振ろうとしない。そんな中久世が誰もいない場所でひっそりバレーボールの練習をしている姿を見かける。久世のことを諦めきれない夏生は懸命に入部を促す。そんな夏生の姿に久世も徐々に心が動き入部を決断し再度バレーボールをすることに。バレーボールにかける思いと2人の関係が同時に少しづつ動いていく・・・

学生時代にしか味わえないであろう甘酸っぱい青春がたくさん詰まっている作品です。まっすぐな性格で少し鈍くさい主人公の女の子を、からかいながらもいつもさりげなく助けてくれる男の子が素敵です。2人の関係がくっつきそうでなかなかくっつかない、でもお互いを思いやる関係性は見ていて温かい気持ちになります。王道の恋愛ものですが、出てくるキャラクターの心情がとても丁寧に描かれており、登場人物それぞれに感情移入したくなります。みんなポジティブなので読んでいて前向きな気持ちになります。こんな恋愛したかったなと思わせてくれるリアルな描写に引き込まれます。

 

僕と彼女の×××

少女漫画の王道!男女の入れ替わりラブコメ!

上原あきらは高身長イケメンでありながら地味でどんくさい性格のちょっと残念な男の子。同じ高校に通う超美人な高嶺の花、桃井菜々子に密かに憧れを抱いていた。ただし菜々子は黙っていれば美人だけれど男勝りで横暴な性格の女の子。そんな2人がある日、菜々子のお爺さんのヘンテコな発明のせいで身体が入れ替わってしまう!突然女の子しかも憧れの桃井菜々子になって焦るあきらをよそに、菜々子の方は元々の性格もあってか男子高校生ライフを謳歌し始める。早く元に戻りたいあきらだが、菜々子の姿をしたあきらに入れ替わったことを知らない親友の千本木が迫ってきて…!?ドキドキハラハラで展開の読めない男女の入れ替わり学園ストーリー!

男勝りな女の子と、女の子らしい男の子が入れ替わってしまうストーリーですが、上原あきらの女の子以上に女の子らしい性格と桃井菜々子の超美貌が合わさって完璧な女の子が出来上がります。中身があきらの桃井菜々子のことをあきらの親友千本木が好きになってしまい、千本木が菜々子(あきら)に迫るところがドキドキして見所です!中身があきらの桃井菜々子が女の子らしくて可愛いので女でも惚れてしまいそうになります。菜々子の服装もバリエーションが多くて可愛いのでファッションも見ていて楽しいです。入れ替わった事で考えさせられる友達とのこれからの付き合い方、あきらの心情の変化にも注目です!

 

僕と君の大切な話

大切な話で近づく二人の距離……!

学校のマドンナ相沢のぞみは同じ学年の東四朗に片思いをしていた。ある日の帰り道、駅のホームでのぞみは東くんに告白!「ねえ…東くん、どうして男は――」。しかしマジメなツンデレ男子、東くんからの返答は予想外のものだった。なかなか話が嚙み合わず、すれ違いや勘違いの多い二人だけど、駅のホーム、学校のベンチ、図書館、休日のカフェ……毎日繰り返される大切な話に二人の距離もだんだんと近づいていき…?!軽快に繰り広げられる男女についての会話に共感すること間違いなし!不器用な高校生男女がお届けするラブコメディ、ここに開幕!

ヒロイン相沢さんと片思いのお相手の東くんが「どうして男って……」「どうして女って……」と会話をするラブコメディです。会話の内容が男女のあるある的で妙に的を得ているので読んでいてクスッと笑えます。また、少女漫画によくあるようなドロドロしたストーリーは一切ないので安心して読むことができます。基本は一話完結で二人の会話がメインのコメディとなりますが、駅のホーム、学校のベンチ、休日のカフェなど、1巻ごとにシチュエーションが変わり、友人やクラスメイト、家族など登場人物も増えていくので飽きません。絵もとても洗練されていて、作者の描くもどかしかったり、恥ずかしかったり、切なかったり……というキャラクターの表情が素晴らしいのでぜひ読んでほしいです。

 

僕等がいた

二人は苦難を乗り越え、結ばれるか?!

女の子皆が好きになってしまうモテモテの矢野と普通の女の子ななみの恋の物話です。矢野のことを意地悪な人と思っていたななみですが、矢野と接しているうちにミステリアスなところに惹かれ次第に気になる存在になっていきます。矢野もななみのことを女性としてみていなかったのに、ななみのことが気になっていき、二人は両思いになります。しかし、矢野には忘れられない彼女がいて、その存在にななみは苦しめられ続けます。その彼女は、交通事故がきっかけで亡くなってしまっています。矢野の元彼女ななの妹ゆりも矢野が好きで、複雑な関係になっていきます。ななみと矢野はどうなっていくのか物語の展開に注目です。

この作品は、長編で、学生時代から大人になるまで描かれていて、微笑ましいラブストーリーと思いきや、意外な展開になっていくのが面白いです。矢野の抱える闇が深く、明るさと暗さを持ってるところがとても魅力的です。ななみは普通の女の子なので矢野についていけないところもリアルでとてもいいと思います。あまり皆が経験しないような話が出てくるので共感はできませんでしたが、ドラマチックで映画をみてるような感覚になります。この作品は、あまり登場人物が多くないですが、一人一人の人物像が深く描かれているのがとてもいいです。あまりいい印象でないキャラも過去の話を読むと好きになっていきます。大人のラブストーリーとしても読めるので、幅広い年代物の方におすすめできます。

 

ホットロード

ティーン特有の危うさと脆さ

主人公・和希は中学2年生。友人たちと万引で捕まってしまいます。他の友人は親が迎えにきたのですが、和希の母親は連絡が取れず、担任教師が迎えにきました。家へ帰った和希。母親は音楽を聞きながらくつろいでいました。その音楽は、母が恋人と会ったときに聞く音楽。どこか子供っぽさの抜けない母の後ろ姿に乾いた感情を覚える和希でした。その日は母の誕生日。和希は「プレゼント」として万引で捕まったと伝えます。和希にはある友人・えりがいました。転向してきた彼女は、和希の学校には少ない不良少女。彼女からの誘いで和希は暴走族の集まりにでかけます。新鮮な空気に驚く和希は、春山という青年に出会います。それは、やがて和希が熱い恋におちるできごとでした。

30年ほど前の作品ですが、今なお輝き続ける名作です。透明感が漂っており、思春期の登場人物たちの危うさが丁寧に描かれています。和希は暴走族・KNIGHTSの集会にはまっていきます。彼女にとって、そこは大切な居場所のひとつでもあったのでしょう。KNIGHTSで特攻隊(先陣を切る係)として町中を駆ける春山の姿はどこか痛々しく、激しさの仲に脆さも感じます。連載当時、ちょうど主人公たちと同じ年頃で、世界観に憧れをもって読みました。今。改めて読むと。周囲の大人たちにも脆さを感じました。特に和希の母親の不器用さが印象的です。連載当時に読んでいた人も、新たな気づきがあると思いますので、おすすめです。

 

ホリミヤ

一冊読めばあなたもホリミヤファンに!

クラス一モテる美人の堀京子(ヒロイン)と、見た目が陰キャで根暗の宮村伊澄(主人公)が織りなす超微炭酸日常系ラブコメディ。一見派手な見た目の堀ですが、プライベートでは弟の面倒をみたり、家事をしていたりと主婦のような女子高生。毎回友達からの誘いも断り弟の迎えに行くなど、遊ぶ時間がほとんど無いにもかかわらず親に対しては文句を言わず。一方宮村は学校以外ではピアスにタトゥーとかなり派手な格好。お互いに学校での様子からは想像の付かない彼ら。しかし、とある理由から学校の外でばったり出会い、秘密の関係が始まります。2021年1月からテレビアニメ化もされており、注目の人気作品です。

ホリミヤではただ美男美女だったり、理想の甘酸っぱいシチュエーションがおおかったりする一般的な恋愛漫画と異なり、リアルな人間性や恋の駆け引き、友情関係が描かれているため、読んでいると、つい「うんうん」と頷いてしまうシーンが沢山出てきます。また、ホリミヤのいいところは、どのキャラクターも憎めないということ。どの恋愛漫画も気に入らないキャラの一人や二人はいるのが常であるような気もしますが、ホリミヤは読めば読むほど全てのキャラに愛着がわいてきます。ホリミヤには主人公とヒロイン以外にもも数々のカップルが登場するので、是非お気に入りのカップルを見つけてみてください。

 

まいりました、先輩

こんな青春おくってみたかった!

高校に入学して2ヵ月、世里奈は自分の机にラブソングの歌詞が落書きがされているのを発見します。
その犯人が2年生の先輩、水川でした。水川のことが気になる世里奈は、どうにか接点を作り強引にアタック!見事付き合うことになります。初めての彼氏に、どうしていいか迷いながらも一生懸命に水川のことを大切にする世里奈。そんな世里奈の気持ちが届き、最初はぶっきらぼうだった水川も徐々に心を開いて、不器用ながらも愛情を示します。初めてづくしの経験を経て、ちょっとずつですが距離を縮めていくふたり。学生だからこそのキラキラとした愛情表現がまぶしい作品です。

世里奈の一生懸命さが最初の方だけでなくて、気合の入れようがずっと変わらないのがすごいですが、水川先輩も本当に高校生ですか?とツッコんでしまうほど愛情表現がロマンティックなんです。初体験に向けて、いろんな思いを抱える世里奈にエアーで試してみようと持ち掛けるエピソードが印象的で、世里奈の気持ちを面倒と思わず受け止めて、気まずくならないようなユーモアで対応してくれたのが、同じ女として勝手に嬉しくなっちゃいました。そして胸キュンしちゃうのは水川先輩だけじゃないんです。読んでいると、カッコいい先輩、優しい先輩に囲まれた世里奈がすっごく羨ましくなります。

 

町田くんの世界

気付け!町田くんの得意なことは人に愛されることだ

町田 一、黒髪メガネの落ち着いた雰囲気の高校生。勉強も運動も苦手で、得意なことは何もない。家では、身重の母と4人の弟妹の面倒を見ていて出来ないなりに家事を引き受けている。一は、周りの人の良いところは直ぐに気付く。そして、誉める。みんなによく見てるなと言われ、人に好かれる。一の最大の才能は、人に好かれることである。しかし、一は自分のことに関しては全く鈍感で気付いていない。ある日、彫刻刀で手を切って保健室に行った。そこではクラスメイトの猪原奈々が授業をサボっていた。保健室に先生が居なかったため、猪原に手当てをしてもらう一。猪原は、これをキッカケに一と関わりを持っていく。それは、次第に好意へと変わっていった。

不器用なのにどうしてそんなに周りが見えるのかが不思議に思いました。人が好きだからだけで済むようなレベルじゃない見え方です。水を掛けられても、ボールをぶつけられても、感謝をする気持ちを忘れない。この作品を読んで、自分の心がいかに荒んでいたかに気付かされました。忘れ掛けていた「良いところ探し」を意識的にしなくては。優しすぎる一は、自分のことに関しては鈍感。保健室で手当てしてもらって以降、話すようになり勉強まで教えてもらうようになる猪原の気持ちが好意に変わったことに、いつ気付くのか気になるので続きを早くよんでみたいです。全7巻の間に、どんな変化があるか楽しみです。

 

ママレード・ボーイ

同居人と胸キュン!青春ラブストーリー

ある日突然、両親が「入れ替え婚」をすることになった小石川光希。相手夫婦とその子供との同居生活がいきなりスタートします。最初は両親たちに反発しながらも、一緒に暮らすことになった松浦遊に光希は少しずつ惹かれていきます。好きな人と一緒に暮らす光希は、遊の言動にドキドキしてりヤキモキしたり。光希のかつての想い人・銀太や遊の彼女・亜梨美など、色々な人物も登場し、光希の心はなかなか落ち着きません。そして、遊との距離が縮まるにつれ、彼の深い悩みが次第に明らかになっていきます。光希は遊の悩みとどう向き合うのか、果たして二人の恋は結ばれるのでしょうか。

明るく元気な女の子が、ある日突然イケメンと同居することになるという女性ならみんなドキドキするような設定です。最初は意地悪な男の子という印象でしたが、徐々にその優しさに気がついていく光希。高校生の爽やかなラブストーリーが丁寧に描かれていく中で、段々予想外な展開を見せていきます。二人は無事結ばれるのか、連載当時は毎回楽しみにしながら読んでいました。また、光希と遊の恋路はもちろん、光希の親友・匿子と教師との恋にも目が離せません!魅力的で愛らしい人物が次々と登場し、大人になった今でも思い入れのある作品です。

 

ミステリと言う勿れ

今の時代の新感覚ミステリー

ある日、大学生の久能整がアパートでカレーを作っていると、刑事が訪ねてくる。彼と同じ大学の学生が殺害され、整にその容疑がかけられ、彼は警察に連行される。刑事たちは彼が犯人だというさまざまな証拠を見せるが、整は理路整然と刑事たちの矛盾を突いていく。取り調べをした刑事には喧嘩を仕掛けるようなことを言ったりする。ちょっとした雑談の中でも整は疑問に思った点やおかしいと思ったことを話すので、刑事たちからは煙たがられるが、若い刑事は彼に自分の悩みを相談したりする。やがて整は持ち前の観察力と推理力で事件を解決に導いていく。

いろんなサイトの口コミを見てもとても評価が高い作品。これだけ色々な人から高評価を受けているのはすごいと思う。実際面白くて読み進めてしまう。多くの人が整の名言に感動したり考えさせられたりしている。「いじめはいじめられた方ではなく、いじめた方が病んでいる」「真実は一つではなく、人の数だけある」「アメリカでは父親が育児に参加することを権利だと思うが、日本では義務だと思う」など、はっとさせられるような言葉が多い。個人的にはミステリー部分もすごく好きで、よく考えられたトリックだったりミステリーだと思う。虐待や相続争いなど暗い問題も描かれるが、考えさせられるし読みやすく面白い。

 

村井の恋

癖の強い担任教師田中と、癖の強い男子高校生村井の恋愛

ある日の職員室で担任教師田中は、成績優秀だが様子のおかしい男子高校生村井に説教する。進路希望調査に「田中先生と結婚したい」と書いた村井の想いを聞き流す田中。彼女は早く帰って乙女ゲームをしたい、推しを愛でたいという想いでいっぱいだった。男の黒髪ロン毛は対象外と断った次の日、なんと村井は金髪ショートにしてきたのである。進路の内申点に関わる大事な時期に何をしているのかと再び説教をしに呼んだ田中は気づく。自分に結婚を迫る男子高校生村井が、推しの「春夏秋冬くん」に似ていることに。推しに大変身を遂げた村井くんにくしくも翻弄される田中である。

コメディ色が強すぎて、ストーリーの作りこまれている点が見えづらくなっているが、それでも楽しめる。1話1話に面白さが詰め込まれているので、最悪前後のストーリーが分からなくても面白さで楽しむことが出来る。これはギャグマンガなんだな、と思った辺りで、突然伏線回収が始まるのである。村井の田中への異常なまでの過激な愛は、そこから来ているのかと、そこでやっと理解出来る。ただのコメディマンガだと敬遠したり、それだけだと思っていると勿体無い。後半のどんでん返しが凄い。田中の鈍感さと村井の天然なピュアさが際立つ漫画である。

 

元カレが腐男子になっておりまして。

元恋人同士の腐女子と腐男子の再会によって始まるオタク日常コメディ

腐女子の赤土桃は給料日、BL本を買いにアニメイトに来ていた。BLコーナーには珍しい男性客を見つけ、腐男子を初めて見たとうれしく思っていた桃だったが、その男性客は桃の元カレの片倉錫也だった。高校時代、周りに合わせて彼氏を作り、腐女子であることを隠しながら付き合っていた。そして、錫也の部屋にBL本を忘れていった気まずさから、避けて自然消滅に持って行った、元カレだった。そんな気まずい相手と再会してしまった桃だが、錫也もまた立派なオタクになっていたため、オタク同士の会話が盛り上がる。元カレカノの腐男女がオタク街道を突き進む。

元恋人なだけでも多少気まずいのに、オタクなのがお互いバレてしまった状況での再会なので、どうなってしまうのかと心配になりましたが、楽しそうにオタク友達になっている姿が楽しいです。錫也が本当にオタク友達を求めていたのがわかり、桃達とイベントなどを楽しんでいる姿にほのぼのしました。話が進むにつれて恋愛要素も入ってきますが、桃が化石腐女子なため、なかなか進展しません。その姿にヤキモキしますが、思いが伝わりそうで伝わっていない状態がとても面白いです。全体的に会話や表情がコミカルでテンポもいいので、サクサク読めてしまう作品です。

 

桃色ヘヴン!

ちょいエロコメディ漫画

普通の女子高校生でありながら主人公の桃子は、父の跡を継ぎやむを得ず官能小説を書くことになってしまいます。しかしながら、実は桃子は処女だったのです。そんな中、想像力を頼りに日々仕事に励みます。全部ひっくるめて恥ずかしさから絶対にバレたくない事実であり、弟等限られた人しか桃子の実態をしりませんでした。そんな中、ひょんなことから今売れに売れているスーパーモデルの蘭丸にすべてバレてしまいます。なぜか面白がられ、蘭丸は桃子を…。エロさもありつつ、桃子と蘭丸2人の恋愛模様が面白おかしく描かれていく、ラブコメエロストーリー漫画です。

最初は興味本位だった桃子に対し、どんどん蘭丸が本気で好きになっていくところが見所です。また、蘭丸の描写がシーンごとにカッコよさはもちろんのことキレイなので、そこにも注目です。そして、後に桃子と蘭丸は結ばれるのですが、その後に書いた漫画の内容が以前と違うと一発でバレてしまうところも面白いです。処女の桃子が良くあんなエロい表現書けるなと感心して見ていたのですが、実体験が加わるとやっぱり内容も変わってくるのかとニヤニヤしてしまいました。さらに、スーパーモデルでクールな蘭丸が桃子に対して必死になり熱くなっているところも注目して見てほしいです。

 

山田くんとLv999の恋をする

こんな年下イケメン男子に恋したい!

付き合っていた彼氏にネトゲで好きな子ができたと振られてしまった大学生の茜。見返してやると意気込んで元彼も来ると思われるゲームのイベントにお洒落して行くが、転ぶし元彼が彼女と仲良く歩いてる姿に撃沈。しかし、そこで出会ったのは同じネトゲのギルドに所属しているアバターがアフロの山田。この山田くんがめちゃくちゃカッコいいのです。茜は無理矢理元彼に山田を新しい彼氏と紹介して、山田を居酒屋に連れて行き振られた愚痴を聞いてもらうのですが、山田くんは全然興味なし!でもなんだかんだ優しいのか一緒にいてくれる山田の前で茜は飲み過ぎて泥酔。山田くんは仕方なく自分の家に連れて行くのでした。一夜を共にしたけど2人は何もなし、もう会うこともないでしょうと思ったがここから少しずつ2人は急接近していくのです。

めちゃくちゃかっこいいけど恋愛に興味なさすぎて悪気なく女の子を泣かせるモテ男山田くん。最初は茜ちゃんこれを攻略するのは大変だよーて思って見てたけど、だんだん山田くんが恋愛レベルアップしてきてその優しさに胸キュンが止まらない。少しずつ山田が茜ちゃんを見る目が優しくなってくるのです。最初はなんだこの人みたいな感じだったのに、元彼に振られたのから少しずつ立ち直ってる茜ちゃんを見て元気になって良かったって思ったり、茜ちゃんをすぐ見つけられたり、どんどん山田の中で茜ちゃんが特別になってく様子をドキドキきゅんきゅんしながら読むのが最高に楽しいです。

 

山口くんはワルくない

初恋の甘くて酸っぱい気持ちになりたかったらコレ!

主人公は,高校で初めての彼氏を作りたいと考えている控えめな性格の皐。ある日,電車で痴漢にあっているところを,強面の見た目から高校入学当初からヤクザと怖がられていた山口くんに助けられる。混雑している電車の中を潰れないよう支えてくれたり,成績が優秀で実は優等生な山口くんに,ドキドキしていく皐。実は優しい山口くんの性格をみんなに知ってもらいたいと奮闘するが,逆に悪い評判になってしまう。学校行事の遠足で,山口くんと同じ班になりたいと伝える皐だが,山口くんは皐の事を思い誘いを断る。そんな中,いつも山口くんの悪口を言う,石崎くんが「山口と一緒の班になったら最悪じゃね?ヤクザが遠足に来んなよって」と言い出す。カッとなった皐は「わたしっ・・!」と言うが?!

強面の見た目でみんなに怖がられていた山口くんが実は,難しいテストでも100点を取ったり,授業の前に予習をしていたりと優等生なギャップがたまらないです。そしてクールかと思いきや意外とおしゃべりです。そして,山口くんと皐が朝電車の中で一緒になったり,お昼にお弁当を食べたり,遠足で同じ班になったりと段々と距離が近づいていくのが,初々しくて初恋?の甘くて酸っぱい気持ちになります。皐の山口くんのことがとても気になっているのに,友達には照れて否定してしまったり,山口くんはストレートに言っているのに山口くんが自分の事をどう思っているのか気づけていないところが初々しさを感じます。何度読んでも甘くて酸っぱい気持ちが広がる,とても好きな作品です。

 

ゆびさきと恋々

全身から愛が伝わるようなラブストーリー

生まれつき聴覚障害を持つ大学生の雪は、ある日同じ大学に通う先輩の逸臣と出会います。同じ大学で友人のりんが逸臣と同じサークルで知り合いだったこともあり、逸臣のバイト先に二人で遊びに行きます。そこで改めて逸臣と連絡先を交換することになります。逸臣はよく海外でバックパッカーをしていて、耳の聞こえない雪にも戸惑うことなく他の人と同じ距離感で接します。雪もそんな逸臣に対し、少しずつ自分の素直な気持ちを伝えていくようになります。雪は手話で色々な言葉を、逸臣は海外の景色や言葉をお互いに教えながらどんどん仲を深めていきます。耳で聞こえる言葉だけじゃなく、全身から気持ちが溢れてしまうような二人のラブストーリー。

主人公が視覚障害という設定だけど、重くならずむしろきゅんとする場面が多いところが魅力的です!雪の反応や気持ちの伝え方が素直で何度見て新鮮な気持ちにさせてくれます。逸臣の行動や言動も、こんな大人な大学生いるの!?というくらい全てがときめく要素になっています。二人が手話で会話をする場面が何度もあって、優しい雰囲気が伝わってくるような描き方なのがまたすごいな!と感じさせられます。恋愛はもちろん、手話の言葉の意味や表現の仕方なども楽しめるものになっていると思います。音のない世界で生きている雪と、広い世界を見てきた逸臣がどんなふうに交わっていくのかがとにかく見所です!

 

ラストゲーム

10年の純愛ラブゲーム!

親がお金持ちで、勉強も運動もできる自信家だった柳の前に現れた、転校生の九条。今まで何もかも一番だったのに、彼女には全てにおいて勝てません。屈辱を味わう柳が思いついたのは、『自分に惚れさせて振る』というラブゲームでした。始めは、九条に対して勝つことだけを目標にしていたものの、裕福ではなくても自立している九条の姿を見ているうちに惹かれてしまい、10年にも渡る片想いが始まります。九条にとっても、小・中・高・大学と一緒に過ごしていくうちに、柳の存在がかけがえのないものだと気づき、2人の幸せにたどり着くラブストーリーです。

負けず嫌いな性格で、表情に出やすい柳が魅力的です。根が真面目なので、努力はきちんとするし、誰よりも九条のことを大切に一途に想っているというギャップがたまりません。勉強や恋愛、友達やバイトなど、それぞれの場面でキャラクターが前向きに進もうとしているので、読んでいてポジティブな気持ちになります。負かしてやる、という思いから始まったゲームですが、“勝ったら薬指に指輪をはめてもらうこと”に変化している所にキュンとします。10年に渡る2人の関係性が少しずつ進んでいく様子にもドキドキするし、幸せの象徴とされる2人の結婚がゴールラインになっていることが、王道ですごく幸せな気持ちになれる終わり方だったと思います。

 

ラブ★コン

デコボココンビが織り成すラブコメ

主人公の小泉リサ(身長172cm)と大谷敦士(身長156.2 cm)は入学当時から言い争ってばかり。見た目のデコボコ感からオール阪神巨人と言われるようになっていました。ずっとそんなお笑いコンビのような関係で進んでいくと思われました。ある日、ひょんなことからお互いの好きな人を知り協力体制をとるようになります。そこから徐々に周囲も巻き込みながら2人の関係性が変わり始め・・・?!2人のお笑いコンビかと思われるような掛け合いや恋愛模様、リサたちの周囲にいる友達カップルたちの恋愛模様が描かれているドタバタコメディ作品です。

リサが大谷と付き合えるように頑張っていく過程が魅力的です。何度もフラれても自分の気持ちにまっすぐでひたむきに大谷に向かっていく姿は泣けます。また、大谷の鈍感さに注目です。リサがはっきり告白するまで、全くリサの気持ちに気づいていません。周囲の友人達は全員気づいているにもかかわらずです。1対5の構図になったときは思わずクスリと笑えます。さらに、大谷がリサへの気持ちに気づいて、しかもその気持ちが自分の想定以上だったとわかっていくところの戸惑いが最高です。当初のリサの苦労を見てきただけに、リサが報われたなと思って感慨深くなるのです。

 

ラブファントム

完璧な怪人との秘密の恋

主人公モモは、一流ホテルに入っているカフェで働いています。勤務後にそのホテルの展望台に、そこで1人の男性が目に留まります。そこから消えてしまいそうと、声をかけ2人目が合い気づけばキスが始まります。どこの誰か分からない人とだと思っていたらまさかの同じホテルではたらくエリートマンのハセさんでした。周りからは完璧すぎて怪人とまでいわれています。再会した2人はまたキスをし気持ちを伝えあうがすれ違います。そんな中、ハセさんがモモの家に来ます。そしてまたキスが始まりようやくお互いの気持ちが通じ秘密のオフィスラブが始まります。

いきなりキスから始まる恋、しかも恋愛経験の無いモモが会ったばかりの見知らぬ人と。今までだったら絶対考えられないはずです。しかもそんな相手は隙がなくて完璧で怪人と呼ばれるエリートマンです。きっとふつうに仕事中などに出会っていたら付き合うことなんてなかったのだと思います。裏表のない周りから愛されるモモ、抜けているところもあるけれどハセさんのことはいちいちみぬいて射止めていきます。天真爛漫なモモを日に日に好きになっていくハセさん。そんなハセさんに溺愛されていくモモ。周りには秘密にしようとより燃える恋に、歳の差恋愛や溺愛ものが好きな方にはたまらない作品です。

 

LOVE SO LIFE

ほっこり育児&恋物語

主人公の中村詩春(16歳)は母親を亡くし、孤児院で暮らしていた。保育士という夢を叶えるため、高校生活の傍ら孤児院に併設されている保育所でアルバイトをする日々を送っている詩春。そんな中、双子の茜・葵の保護者であるアナウンサーの松永政二(26歳)に「うちでベビーシッターとして働かないか」とスカウトを受ける。双子の育児と仕事の両立に疲れ切っていた松永は、すがるような目で詩春を見つめてくる。破格の給料といい経験になるという園長の言葉に背中を押され、双子のベビーシッターを引き受けることになった詩春。双子の成長を見守りながらも、同時に保護者である松永と詩春の恋物語もゆっくりと育っていく。

茜・葵は性格が正反対の男女の双子。そんな双子のそれぞれ違う可愛さに胸を打たれること間違いなしです!そして、詩春もとっても素直で良い子なんです。詩春の子どもへの接し方も「こうすればいいのか・・・」と勉強になることばかり!母親になる前から読んでいた作品でしたが、子どもが生まれてから読んでも目からうろこが落ちまくりです。この物語では親子の愛・恋人同士の愛など色々な愛の形が描かれており、疲れた心をそっと癒してくれます。そして、一歩一歩ゆっくり進んでいく詩春と松永の恋愛模様はもどかしく、でも自然と応援したくなる、そんな二人が10歳の年の差をどう乗り越えていくのか注目です!

 

黎明のアルカナ

政略結婚から育む恋愛

敵対する国セナンとベルクートは、王族同士の婚姻により平和を保とうとする。赤い髪を持つことから疎まれていたセナンの王女ナカバは、ベルクートの第2王子であるシーザの元へと嫁ぐ。最初はぎこちなかったナカバとシーザだが、様々な出来事から心を通わすようになり、次第に愛し合うようになる。実はナカバには、過去と未来を見ることができる刻のアルカナという能力が備わっていた。その強大な力に戸惑いながらも、ナカバは世界を平和へ導こうとする。だが、愛し合うナカバとシーザにとって、その選択は過酷なものとなった。更に、ナカバの従者であるロキに裏切られ、ナカバとシーザの心が揺らぐ。

政略結婚から始まったナカバとシーザの恋は、かなり前途多難に思われました。互いに互いを警戒し、心を通わせることなんて無理だと思ったんです。ですが、赤い髪を持っていることから孤独だったナカバと、そんな彼女の寂しさや辛さを理解していくシーザとの関係が、とても心を打ちます。きっと、普通の恋愛漫画ではこういう関係性はできないと思うんです。そして、誰よりもナカバを愛し、そして憎んだロキという存在。彼の存在がまた切なくてたまりませんでした。なぜ彼が急に敵になったのか、その理由がすべてわかった時には、涙が止まりませんでした。

 

ReReハロ

恋の始まりは胃袋を掴むことから!

実家がお金持ちで、一人暮らしをしている高校生の湊。実家から家政婦の派遣を止められてしまった湊はある便利屋のサービスを利用することにしました。便利屋からやってきたのは同じく高校生のリリコ。親が急病のため、代わりに派遣されてきました。湊はリリコが未成年のため、きちんと仕事をできるのか不信感を持っていました。しかしリリコの作る料理に胃袋を捕まれ、リリコが夕飯を作る代わりにリリコの家の便利屋の仕事を手伝うという条件で、雇用関係を結ぶことになります。日々、やり取りをするうちに、お互いが気になるようになり徐々に距離が近づいてきます。

好青年でハイスペックに見えていた湊は実は我儘で、生活能力がまるでないのがギャップで良かったです。リリコと湊の2人が徐々に惹かれあっていく姿は胸キュンするシーンが多く、読んでいてドキドキします。育った環境が2人とも異なり、お金持ちの家の子と庶民の家の子ですが、意外とリリコの方が強いのかなと感じられるのもバランスが良かったです。また、リリコの作る夕飯がいつも美味しそうなところもこの漫画のポイントかなと思います。湊がそれを美味しそうに食べるので、こちらもお腹が空いてしまいます。主人公の2人以外の登場人物も魅力的です。最初は意地悪なのに、リリコと触れると最後はみんな良い人なんだなとわかります。最後は気持ちよく読み終われる作品です。

 

わたしの幸せな結婚

和風シンデレラストーリー

異能をもつことが価値ある世界。斎森美世は両親ともに異能の家系に生まれながら、自身は才能に恵まれなかった。無能と扱われ、実の父には愛されず。父と再婚相手のあいだに生まれた異母妹は異能をもち、美世をバカにして使用人のようにふるまっていた。そんな美世にも優しく接してくれる幼馴染がいて、美世はその幼馴染と将来一緒になりたいと密かに望んでいた。しかし異母妹と幼馴染の結婚が決まり、美世は絶望の淵に立たされる。行き場を失った美世は、他所へ嫁ぐように命じられる。その相手は冷酷で何人も嫁候補を追い出してきたとされる久堂家。この結婚は美世をさらに不幸にしてしまうのか…

不幸だった主人公が、嫁ぎ先の旦那様と出会うことで幸せになっていくお話。物語の始まりは居場所のない主人公がとにかく不遇で、せつなくなります。しかしさらなる不幸に陥るかと思われた嫁ぎ先で、冷たいと評判だった旦那様と心を通わせしだいに変わっていく姿は、まさにシンデレラストーリー。過去の人生のせいで自己肯定感もなく卑屈に生きてきた主人公が、幸せを掴み取って行く。最初は冷たかった旦那様との関係が穏やかに進んでいくところも、心が温まります。絵の描き方が繊細で、キャラクターが美しく描かれているところも好きです。

 

ヲタクに恋は難しい

ヲタクでも恋ができる?各ジャンルのヲタクたちが織りなすラブコメディ!

腐女子兼同人作家である桃瀬成海は、社内恋愛していた彼氏にヲタバレしたことをきっかけにフラれてしまい、会社にいづらくなり転職を決意した。転職した会社で、重度のゲームヲタクで幼なじみの二藤宏嵩と再会する。「イベントに売り子として同伴可能」「採用!」ヲタク全開の告白から始まった2人の恋の行方は・・・。そのほか、幅広いライトヲタクの樺倉太郎とコスプレイヤーの小柳花子、宏嵩の弟で完全非ヲタの二藤尚哉と極度のコミュ障で外見から男性に間違われやすいの桜城光の3組のヲタクカップルが登場する。果たしてヲタクにも恋はできるのか!?

ヲタクに恋は難しい、通称ヲタ恋は、元々はWEB上でオリジナル漫画として発表された作品ですが、人気に火が付き、書籍化・アニメ化・実写化と、幅広く展開された人気作品です。各ジャンルのヲタクたちの日常や恋愛が描かれており、ヲタクあるあるがふんだんに散りばめられ、自分自身がヲタクである人やヲタクを恋人に持つ人であれば、わかる~!の連続です。基本的に1話~数話完結なので、サクッと読むことができるのもポイントです。コメディ要素が強いですが、彼らの恋愛模様にはしっかりとキュンキュンさせられるので、少女漫画好きの方も満足できる作品です!

 

最後に:名作おすすめ少女漫画100選

最後までご覧いただき、ありがとうございます!

100選となると作品を確認するだけでも一苦労ですね(笑)

どの少女漫画も人気の作品ばかりで、自身を持っておすすめ出来る精鋭揃いです!

気になる作品があれば是非チェックしてみて下さい!

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